トヨタ ヤリス新車情報・購入ガイド 世界が震撼!? 驚異の燃費36.0㎞/L!
CORISM / 2020年2月23日 16時41分
全てを刷新! 世界トップレベルのコンパクトカーを目指す!
トヨタは昨年の東京モーターショーで公開していた新型コンパクトカー、ヤリスの発売を開始した。
新型トヨタ ヤリスは、1999年に発売されたヴィッツをフルモデルチェンジしたもの。ヴィッツは、当初から欧州などではヤリスとして発売されていた。今回のモデルが通算4代目で、モデルチェンジに合わせて車名(銘柄名)を世界と共通のヤリスに変更した。日本では当面、ヴィッツとヤリスが併売される形になるが、いずれヤリスに集約されていく。
新型車ヤリスは、コンパクトカーならではの「軽快なハンドリング」という強みを活かしつつ、ユーザーの既成概念を大きく超える「上質な乗り心地」と「最新の安全・安心技術」を目指して開発した。
基本プラットホームは、プリウスから採用が始まったTNGAの先進国向けコンパクトカー用の仕様(GA-B)を初めて採用。軽量かつ高剛性、低重心なボディを実現した。
また、TNGAの設計思想に基づいて新たに開発された「直列3気筒1.5Lダイナミックフォースエンジン」を採用。新世代のハイブリッドシステムは、力強くシームレスな走りとともに、クラス世界トップレベルとなるWLTCモード36.0km/Lの低燃費を実現。さらに、ハイブリッド車にトヨタのコンパクトカーとして初めて、E-Four(電気式4WDシステム)を搭載したのも特徴だ。
今回のモデルでは、エンジン、ハイブリッドシステム、トランスミッション、サスペンションなど、すべてをゼロベースから作り上げ、新世代のコンパクトカーとしたこともあって、改めてヤリスの名前を採用したともいえる。
室内空間よりスタイリッシュなデザイン重視?
新型ヤリスのデザインコンセプトは「B-Dash!」で、大胆((BOLD)に、活発(BRISK)に、そして美しく(BEAUTY)という特徴を備え、鋭い加速で、弾丸のようにダッシュするイメージをベースにしている。
あふれんばかりの「力」を凝縮し、いまにも走り出しそうな外形デザインを目指している。徹底的にムダをそぎ落したキャビンと、ボディ中心から前後タイヤに向かう引き締まった造形は、アクティブな走りを予感させるものだ。
全体に引き締まった造形とすることで、直接的なライバル車となるホンダのフィットに比べると、室内空間の広さではやや劣ることになるが、個性的かつスポーティな外観デザインはヤリスの特徴とするところである。
新型ヤリスのフロント回りのデザインは、シャープな印象のヘッドランプによって精悍な顔つきを表現。またリヤは、一体的に造形したウィンドーとコンビネーションランプが新しい3次元的なグラフィックを構成し、通り過ぎていく後ろ姿が人をハッとさせるようなデザインとした。
ボディカラーは、新開発色の「コーラルクリスタルシャイン」や「アイスピンクメタリック」を含む全12色を設定。加えて、ブラックまたはホワイトのルーフ色と組み合わせたツートーンカラーを、全6色から選択できる設定だ。
インテリアデザインは、ムダをそぎ落として広さと快適さを確保し、運転に集中できる空間を表現した。インパネ断面を薄くしてワイドな印象を付与したほか、ステアリングホイールを従来のヴィッツに比べて小径化することで、室内をより広くするとともに、スポーティな印象を持たせている。
フードレスの双眼デジタルTFTメーター(トヨタ初)や、ソフトインストルメントパネルを採用。そのほか、コンソールの幅を広くして収納スペースを拡充するなど、ワンクラス上の室内空間を目指したという。
低重心・高剛性の新GA-Bプラットフォームにより、卓越した運動性能を手に入れた新型ヤリス
新型ヤリスは、コンパクトカー向けTNGAプラットフォーム(GA-B)を初めて採用し、軽量かつ高剛性、低重心なボディを実現した。従来のヴィッツに比べ、車両重量を50kg軽量化することを目標とした。ボディのねじり剛性は30%以上向上させ、重心高を15mm下げている。その結果、優れた操縦安定性と上質な乗り心地を両立させている。
「軽快」かつ「Confident & Natural(運転中も車両が安定していて安心&ドライバーの意図通りに反応して自然)」な、クラスを超越した走りを実現した。
低燃費でパワフルな新直3 1.5Lエンジン
新型ヤリスには、TNGAの思想に基づいた「直列3気筒1.5Lダイナミックフォースエンジン」を新開発した。ロングストロークやバルブ挟角の拡大など、高速燃焼技術を採用し、低燃費と高出力を両立させている。
1.5Lエンジンは88kW/6600rpm、145N・m/4800~5200rpmのパワー&トルクを発生する。新開発の発進用ギア付きのダイレクトシフトCVTとの組み合わせにより、低速域の伝達効率を大幅に改善するなどしてWLTCモード燃費は21.6km/Lを達成した。6速MT車のWLTCモード燃費は19.6km/Lとなる。
「直列3気筒1.0Lエンジン」は、高タンブル流や高EGR(排気ガス再循環)率、フリクション低減などの改良により、軽快な走りと低燃費を両立した。改良された1.0Lエンジンは専用に新開発されたCVTとの組み合わせにより、51kW/6000rpm、92N・m/4400rpmのパワー&トルクを発生し、WLTCモード燃費で20.2km/Lの燃費を達成している。1.0L車はFFのみの設定で、E-Fourの設定はない。
新型フィットを圧倒する36.0㎞/Lを達成したハイブリッドシステム
ハイブリッド車は、同じ1.5Lエンジンながらハイブリッド専用のチューニングが施されて動力性能が異なり、67kW/5500rpm、120N・m/3800~4800rpmのパワー&トルクを発生。これにフロントが59kW/141N・m、リヤが3.9kW/52N・mの電気モーターが組み合わされている。WLTCモード燃費は最も燃費の良いXで36.0km/Lに達している。新型ホンダ フィットの燃費が29.4㎞/L(WLTCモード)なので、新型ヤリス ハイブリッドの燃費は驚異的だ。
新型ヤリスのサスペンションは、フロントにマクファーソンストラット式を採用し、軽快で滑らかな動きを追求した。リヤは、操縦安定性と乗り心地を両立するトーションビーム式を採用(2WD)し、4WD/E-Fourには、2リンクのダブルウィッシュボーン式を採用している。
性能は卓越しているのに、標準装備化に腰が引けている予防安全装備「トヨタセーフティセンス」
トヨタの最新の予防安全パッケージである「トヨタ・セーフティ・センス」を一部の例外グレードを除いて標準装備した。なんと11グレード中、4グレードもオプション設定になっている。
今や、自動ブレーキは義務化が望まれている。そんな状況下なのに、自動車業界のリーダーともいえるトヨタが、安全装備への意識の低さには非常に物足りなさを感じる。クルマは、扱い方を間違えば人を殺す道具。その危険性のある道具を売っている以上、安価な価格の技術で人の命を救えるのなら、自動車メーカーは自ら積極的に自動ブレーキなどの安全装備を標準装備化する社会的責任がある。
「トヨタセーフティセンス」の設定は、かなり物足りないが、安全性能面では、クラストップレベルの実力をもつ。
歩行者検知(昼間・夜間)および自転車運転者検知(昼間)を行い、衝突回避支援または被害軽減に寄与する「プリクラッシュセーフティ」を採用するとともに、右折時の対向直進車や右左折後の横断歩行者も検知対象(トヨタ初)として、万が一の交差点事故への対応範囲を拡大した。
また、低速時の事故予防をサポートする「低速時加速抑制」機能(トヨタ初)を追加した。これは自車の直前にいる歩行者、自転車運転者、車両などをミリ波レーダーと単眼カメラで認識し、前方に対象物がある状態で、停車または徐行状態からアクセルペダルが必要以上に強く踏み込まれた場合には、エンジン出力を抑制または弱いブレーキをかけることで加速を抑制し、衝突回避または被害軽減をサポートするものだ。
ほかにも、前方車両の追従走行を支援する「レーダークルーズコントロール」やレーダークルーズコントロール使用時に、同一車線内中央を走行できるよう操舵を支援する「レーントレーシングアシスト」、ハイビームとロービームを自動で切り替える「オートマチックハイビーム」、カメラで認識した道路標識をディスプレイに表示することで道路標識の見落としを減らし、安全運転を促す「ロードサインアシスト」などの機能も備えている。
また事故が発生した後で、二次衝突による被害の軽減に寄与する「セカンダリーコリジョンブレーキ」を搭載し、SRSエアバッグのセンサーが衝突を検知して作動したとき、自動的にブレーキと制動灯を制御することで、車両を減速させ二次衝突による被害の軽減に寄与するものとした。
高度駐車支援システムの「アドバンスパーク」はトヨタ車として初めて採用されたもので、人とクルマが、気持ちが通った仲間のような関係を築くという、トヨタ独自の自動化の考え方に基づいた最新鋭の高度駐車支援システムだ。
これはハンドルだけでなく、アクセルやブレーキも制御し、駐車に必要な操作を支援する。ドライバーは案内に基づいてシフト操作をするだけで良くなるシステムだ。このシステムはカメラと超音波センサーによって周辺を監視しており、万一の場合は警報とブレーキ制御で接触回避を支援する。
さらに、事前に駐車位置を登録することで、白線のない駐車場でも使用を可能にした。これは世界初の採用だ。
イージーリターンシートで乗り降り楽々
快適装備では、好みのドライビングポジションを記憶させ、マニュアル操作で前回の位置へ簡単に復帰することができるイージーリターンシートを設定した。小柄なドライバーを特に意識した装備で、クルマ降りる際にシートを後ろへ下げ、次に乗り込むときにシート位置の調整が必要なドライバーに便利な機能だ。
また、運転席および助手席のシートが回転&チルトし、楽にクルマに乗り降りすることができるターンチルトシートも設定した。スカートや和服の乗員がクルマに乗り降りときのほか、腰痛のある人や筋力の低下を感じている人の乗り降りもサポートする。
このふたつのシート機能はウェルキャブ感覚もので、乗降性を高めるものだが、ふたつの機能は両立せず、どちらかひとつを選ぶことになる。
安全装備より、コネクティッドサービス重視?
新型ヤリスには、最新のコネクティッドサービスが採用されている。スマートフォンとの連携が可能なディスプレーオーディオ(DA)およびDCM(社債通信機)を全車に標準装備。スマートフォンと機能を連携するとともに、すべてのユーザーがコネクティッドサービスを利用できるようにした。
また、従来通りの車載用ナビ機能を利用したいユーザーには、エントリーナビキットまたはT-Connectナビキットの2種類から選択できる。
Smart Device Link(SDL)では、スマートフォンをBluetoothとUSBケーブルで接続することで、TCスマホナビやLINEカーナビなどのナビアプリのほか、音楽・ラジオアプリなどがDA上で利用できる。またLINEカーナビでは、音声認識で目的地設定やLINEのメッセージ送受信、音楽再生などが可能となり、利便性を高めている。
Apple CarPlay/Android Autoは、スマートフォンをUSBケーブルで接続することで、マップ、電話、メッセージ、音楽アプリをDA上で利用できる。(TVとセットオプション、契約時にT-Connect契約が必要)
T-Connect基本サービスのひとつである「ヘルプネット」では、突然の事故や急病時、ヘルプネットボタンを押すだけで専門のオペレーターに繋がり、車両位置情報に基づいて、迅速に緊急車両を手配する。さらに、エアバッグ作動時には、自動でオペレーターに接続し、ドクターヘリ等の早期出動判断を行うD-Call Netにも対応している。
車両位置追跡やオペレーターサービスなど複数の「オプションサービス」が用意され、その中から、ユーザーの用途に合わせてサービスを選び、月額/年額の料金を払うことで利用が可能になる。
新型トヨタ ヤリスのグレード選び
新型ヤリスのバリエーションは、まずパワートレーンによって3つに分けられる。ガソリン車が1.0Lと1.5Lの2種類のエンジンを搭載し、ハイブリッド車は1.5Lエンジンと電気モーターの組み合わせとなる。
ハイブリッド車には全グレードにE-Fourの設定があり、1.5Lエンジンの搭載車はCVT仕様車だけに4WDの設定があり、6速MT車はFFのみの設定となる。1.0L車もFFのみの設定だ。
グレードは各パワートレーンのそれぞれにX、G、Zの3種類が用意されるのが基本だが、1.0L車だけは価格訴求のベースグレードしとして“Bパッケージ”が設定され、Zの設定がない。
価格は1.0“Bパッケージ”が1,395,000円とぎりぎり140万円を切るラインに設定されているが、これは安全装備のトヨタセーフティセンスが装備されない。決して選んではいけないグレードである。BがビジネスのBだとしたら、自動ブレーキさえ装備されていないクルマを社員に使わせるような経営者の下では仕事をしないのが一番である。
1.0LのXは1,455,000円で、これが事実上のスタート価格。Gは1,613,000円だ。1.5Lの6速MT車はXが1,613,000円で、Gが1,701,000円、Zが1,871,000円と、グレード間の価格差が16万~17万円程度に設定されている。1.5LのCVT仕様のFF車もXが1,598,000円で、Gが1,756,000円、Zが1,926,000円と同じようなグレード間価格差だ。4WD車は20万円ほど高くなる。
ハイブリッド車Xが1,998,000円と200万円に近い価格設定で、1.5Lのガソリン車に対して40万円も高いところからスタートする。Gが2,130,000円、Zが2,295,000円と、14万~16万円のグレード間価格差である。
新型ヤリスのハイブリッド車は、価格が高すぎるのでお勧めしにくいのが正直なところ。燃費は良いが、ガソリン代の差で40万円もの価格差を埋めるのはよほど距離を走る人でないと無理。ただ、クルマの電動化が加速する現代、今クルマを買うのに普通のガソリン車というのも、なんとも微妙な選択となるので悩ましいところだ。
ガソリン車の1.0Lと1.5Lの価格をXやGのCVT車同士で比較すると、1.5Lのほうが14万円ほど高くなる。けっこう大きな価格差といえる。基本的な装備は1.0Lでも1.5LでもXならX、GならGでほぼ共通なので、エンジンとトランスミッションの違いが大半なのだが、1.0Lにはなくて1.5Lにある装備としてレーダークルーズコントロールがある。これは今どき、安全にもつながる大きな装備なので、やはり1.5Lを選んだほうが良い。
1.5L車でXとGの装備を比べると、これもあまり大きな違いはない。16万円ほどの価格差がどこから生まれるのかと思うくらいだが、大きく違うのは内装の仕様。XはアナログメーターだがGはデジタルメーターになるのが大きい。またピアノブラックのパネルもXになくてGにある装備だ。さらにオプション価格が3万2000円のスマートエントリー&スタートシステム、またオプション価格が1万1000円のディスプレーオーディオもXにはなくてGにある装備だ。
これらを総合的に考えると、1.5LのGがイチ推しのグレードになる。
トヨタ ヤリス(YARIS)価格
■ヤリス 1.0Lガソリン車
・X FF 1,455,000円/“B package” 1,395,000円
・G FF 1,613,000円
■ヤリス 1.5Lガソリン車(MT車)
・X 6速MT FF 1,543,000円
・G 6速MT FF 1,701,000円
・Z 6速MT FF 1,871,000円
■ヤリス 1.5Lガソリン車(CVT車)
トヨタ ヤリス・X FF 1,598,000円/4WD 1,831,000円
・G FF 1,756,000円/4WD 10 1,954,000円
・Z FF 1,926,000円/4WD 10 2,124,000円
■ヤリス 1.5Lハイブリッド車(電気式CVT)
・HYBRID X FF 1,998,000円/E-Four 2,241,000円
・HYBRID G FF 2,130,000円/E-Four 2,338,000円
・HYBRID Z FF 2,295,000円/E-Four 2,493,000円
トヨタ ヤリス(YARIS)燃費、ボディサイズなどスペック
代表グレード トヨタ ヤリス ハイブリッドZ(FF)
トヨタ ヤリスボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 3,940×1,695×1,500mm
ホイールベース[mm] 2,550
サスペンション 前:マクファーソンストラット 後:トーションビーム
車両重量[kg] 1,090kg
総排気量[cc] 1,490cc
エンジン種類 直3 DOHC
エンジン型式 M15A-FXE
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] 91(67)/4,800rpm
エンジン最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 12.1(120)/3,800〜4,800rpm
トヨタ ヤリスモーター最高出力[ps(kw)] 80ps(59kw)
モーター最大トルク[kg-m(N・m)] 14.4kg-m(141N・m)
システム全体[ps(kw)] 116ps(85KW)
ミッション 電気式無段変速機
最小回転半径[m] 5.1m
バッテリー 種類/容量(Ah) リチウムイオン電池/4.3
コンパクトカー新車情報・試乗評価一覧
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