ダイハツ タフト新車情報・購入ガイド ライバル、ハスラー寄せで、仁義なき戦い再燃!
CORISM / 2020年6月16日 11時32分
1974年には、本格派クロカン4WDとして存在していたタフト
ダイハツから軽自動車のSUVクロスオーバーモデルとして、新型タフトが発売された。
タフトという車名、若い人は全然知らないと思うが、オールドファンには懐かしい名前である。パジェロやビッグホーンなどが登場するはるか以前、1974年に発売されたタフトは、ランドクルーザー40系に比べるとちょっと小さめのボディで、ラダーフレームの上にボディを乗せ、前後にリーフスプリングを採用したヘビーデューティーな本格派のクロスカントリー4WDだった。幌タイプのボディを基本に、後期モデルではレジントップと呼ぶ樹脂製のルーフを持つモデルもあった。
そのタフトを車名したモデルが登場したので、一瞬、もしかしたらかつてのテリオスキッドのような本格派の軽4WDかも知れないと思ったのだ。
先にロッキーの名前を復活させた登録車の小型SUVを発売しているので、それとの関係性なども連想させる部分があり、ジムニーのライバル車が出るのかと思った。
でも、実際に発売されたタフトは、そんな本格派のクロカン4WDではなく、ライト感覚で快適性や使い勝手を重視したSUVだった。
ダイハツ VS スズキ、仁義なき戦い鮮明に
ここ数年、登録車の市場では、SUVが人気を集めていて、販売台数やシェアを伸ばしている。それもクロカンタイプではなく乗用ユースモデルが中心だから、軽自動車でもそうした需要が広がると見ての投入である。
ダイハツは、新型タフトのような軽クロスオーバーモデルのマーケットを見誤っていた。大ヒットしたスズキ ハスラー対策として、キャストの派生車であるアクティバを投入したものの、マーケットのニーズを捉えきれず大敗。ハスラーの独走を許してきた。
こうした反省を生かし、新型タフトはハスラーを徹底的に研究。ほぼ、同じテイストをもつ新型タフトを投入し、ハスラーを追撃する。
軽自動車マーケットでは、新たなマーケットを開拓した新ジャンルのモデルがヒットすると、続々と似たモデルが投入されることは珍しくない。とくに、軽自動車マーケットを主戦場にするダイハツとスズキの関係は、まさにそうした仁義なき戦いの繰り返しでもあった。
DNGA採用の第3弾モデルが新型タフト
新型ダイハツ タフトの開発コンセプトは、“Tough & Almighty Fun Tool”とされている。日常使いからレジャーシーンまで幅広く活躍し、毎日を楽しくしてくれる頼れる相棒という主旨だ。
ダイハツとしては、2019年に発売されたタントとロッキーに続く新世代モデルで、ダイハツの新しいアーキテクチャー思想である“DNGA”(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)を採用した商品の第三弾である。拡大するSUV市場を背景に、新しい主力車種に育てたいとする意気込みで開発されたという。
新型タフトの主な特徴は、①タフさ・力強さを表現した「デザイン」、②広大な視界による開放感と非日常感をもたらす「スカイフィールトップ」、③日常からレジャーまでアレンジ自在の「フレキシブルスペース」、④DNGAによる確かな「基本性能・安全性能」と「良品廉価」にあるという。これを順に紹介していこう。
スクエアなスタイリングは、ライバルのハスラーと共通
新型タフトのデザインは、とにかく四角いカタチをしている。前から見ても横から見ても、後ろから見ても、見れば見るほどスクエアなデザインで、SUVらしいタフな印象、あるいは道具感、さらには安心感などを感じさせるデザインに仕上げている。
特に横から見ると、水平基調のデザインが伸び伸びしたサイドシルエットを表現し、分厚いボディと薄いキャビンに太いセンターピラーやがっしりした感じのリヤピラーがタフさを強調している。
190mmと高めに確保された地上高とリフト感を強調する前後バンパーがSUVらしさを表現し、外径サイズがFF軽乗用車最大となる15インチの大径タイヤが力強いイメージを強調する。
正面から見ると、車両のワイド感を強調するスクエアなランプが左右いっぱいの位置に配置され、しっかりと真正面を向いている。ヘッドランプは先進的で夜間の視界確保に貢献する安全安心なフルLEDヘッドランプが全車に採用された。
また、ボンネットフードも平に見えるデザインとされ、ここでもスクエア感が強調されている。リヤのコンビネーションランプもヘッドランプと統一感のあるデザインが採用されてタフトの個性を強調している。
ディーラーオプションでフードガーニッシュとバックドアガーニッシュにメッキパックまたはダークブラックメッキパックが設定されていて、好みに合わせて2種類の顔を選ぶことができる。それ以外の部分も含めると3つのスタイルパックがオプションで用意された。
上質さにこだわったインテリア
インテリア回りのデザインは、上質さや使いやすさを追求したインパネを基本に、黒を基調とすることで質感を表現。各種の操作系は、ドライバーを中心に配置することで使い勝手の良さを確保した。
インストルメントパネル回りに配置されたオレンジメタリックの加飾は、個性的でアクティブなアクセントとななり、ワクワク感やアクティブさを表現している。身体にフィットするホールド性の高いシートは、長時間のドライブでも疲れにくく、オレンジの差し色とカモフラージュ柄が個性的な印象だ。
助手席側のインパネは、アッパーとロアの部分に位相差をつけたデザイントシテ、SUVらしいタフさと大きなトレーによる使い勝手の良さを両立させている。
爽快感あふれるスカイフィールトップを全車標準装備化
新型タフトの特徴のひとつに、運転席上部の屋根をガラスにしたスカイフィールトップがある。この運転視界を景色に変える大きなガラスルーフは、なんと全車に標準装備という設定だ。なかなか思い切りが良くて良いと思う。
ルーフのうちBピラーから前の部分、ほとんど半分くらいの面積がガラス製のスカイフィールトップになっている。紫外線や赤外線を減らすスーパーUV&IRカットガラスが採用され、晴れた日でも日焼けや暑さを和らげてくれるほか、必要に応じて開閉できるシェードも装備されている。
これによって明るく開放的な室内空間が作れるほか、運転席からの視界も大きく広がるので運転しやすくなる。状況によっては夜間に星空を見上げることも可能だ。
大型のガラスルーフは、シトロエンC3がゼニスウィンドウと呼ぶフロントガラスからルーフまでつながる大きなウインドゥを採用した例があるが、これには良い面と使いにくい面があった。 スカイフィールトップは、ルーフの前端部分はガラスではないので、余計な制約を受けることがないのが良い。
使い勝手に優れたシートアレンジ&荷室
新型タフトに限らず軽自動車は、ボディサイズに大きな制約があるが、室内は大きな空間を確保している。パッケージングの技術はどこまで進むのかというくらいに、広い室内を持つ軽自動車は多い。
そんな中で登場した新型タフトは、日常ユースからレジャーユースまでいろいろなシーンで優れた使い勝手を発揮するフレキシブルな空間を作っているのが特徴だ。
リヤシートを倒したとき、シートバックと荷室が段差なくつながるようにし、さらにドアパネルとの隙間がなくなることで、小物が落下しにくい完全にフラットなスペースを作っている。
設定されたフレキシブルボードの使い方により、下段スタイルや立てかけスタイルとなるので、背の高い荷物や大きくてかさばる荷物など、さまざまな形状の荷物を用途に合わせて積載できる。多彩なアレンジは大きな魅力だ。
また、シートバックボードとデッキボード表面には立体形状のパターンを施し、樹脂製であることと合わせて汚れてもふき取りやすい利便性を実現した。使い方を広げるマルチフックに加え、荷物がズレ落ちるのを防止するラゲージネット(ディーラーオプション)も設定している。
走りの質を向上させたDNGAと190mmの最低地上高
基本プラットホームは、新しい設計思想に基づくDNGAを採用した。ダイハツ車としては3車種目の採用であり、進化した軽量・高剛性ボディの“Dモノコック”とすることで、ボディ剛性を大幅に向上させ、乗り心地や操縦安定性に優れた基本性能を持つものとした。
重心高の低い基本プラットホームであるため、SUVとしてやや高めの最低地上高を採用しながらも、高い運動性能を実現しているのが特徴だ。快適なドライブにつながる高い静粛性も実現している。
高剛性ボディを作るため、スポット溶接の打点も増やしている。それも単純に増やすのではなく、実走行での走りの質感向上につながる部位を独自の分析手法で割り出し、そうした部位にスポット溶接を集中的に追加した。
これも優れた操縦安定性やフラットなライド感のある乗り心地に寄与し、高い次元で走りのバランスが良いクルマに仕上げられた。具体的には、ねじり剛性が13%、曲げ剛性は7%向上したという。
新型タフトは、クロスオーバーSUVらしい走破性を確保するため、190mmの最低地上高に加え、フロントのアプローチアングルを27度、またリヤのデパーチャーアングルを58度とした。オフロード走行を積極的に推奨するようなクロカンタイプのクルマではないが、少々の悪路な余裕でこなせる性能を備えている。
また、滑りやすい路面や凹凸の多い路面での発進時に1輪が空転したとき、空転したタイヤに制動をかけて空転を制御すると同時に、もう片方の車輪に駆動力を伝えてグリップ状態をキープするグリップサポート制御を採用した。発進・加速をサポートするものだ。
4WDシステムはタントと同じビスカスカップリングを使ったオンデマンド方式で、クロカン4WDではなく生活4WDのイメージである。
最新のD-CVTはターボ車のみに装備
搭載エンジンは2機種。昨年、発売されたタントに搭載されたのと同じ燃焼効率を高める改良を行ったエンジンで、マルチスパーク(複数回点火)や燃料噴射方法の改良(スワール噴霧) などが、燃焼効率を改善する技術だ。
自然吸気仕様エンジンに組み合わされるのは、従来と同じCVTとなる。ターボエンジンには、スプリットギアを採用した新世代のCVTであるD-CVTを採用。これは、ベルトに加えてより伝達効率の高いギアを組み込むことで、駆動力を分割してタイヤに伝達するもの。発進ときの低回転域から高駆動力を発揮することが可能になり、燃費/加速感/静粛性などを合わせた改善することができた。
ステレオカメラを採用! 全17種類の機能を誇る予防安全装備「スマートアシスト」
新型タフトには、進化したスマートアシストによる確かな安全性能が備えられた。3年半振りに一新された新型のステレオカメラを採用。イメージセンサーを変更することで、撮像性能を向上させ、夜間の歩行者にも対応。カメラ認識処理を変更したことで、検知性能を向上させたのだ。
予防安全機能も進化させ、衝突回避支援ブレーキの対応速度を引き上げると同時に、夜間の歩行者検知機能を追加し、路側逸脱警報機能やふらつき警報機能、標識認識種類増加(従来の進入禁止に加え最高速度、一時停止を認識)の 5種類の新機能を追加して、全17種類の予防安全機能を搭載するものとした。
安全性能の進化との関係で、停車保持機能を備えることでに利便性も向上した。全車速追従機能付きACC(アダプティブクルーズコントロール)を使って走行中、前走車に続いて停車した とき、停車を保持することで渋滞走行をサポートする。
また、ダイハツ車として初となる電動パーキングブレーキを全車に搭載した。シフト操作に連動してパーキングブレーキが作動し、アクセル操作による解除が可能なもので、ブレーキを踏んで停止した時にブレーキを保持するオートブレーキホールド機能を備えている。
このほか、ダイハツコネクトが「つながる安心」「快適・便利」を提供する。新搭載の9インチスマホ連携ディスプレイオーディオに加え、6.8インチインチスマホ連携ディスプレイオーディオをメーカーオプション設定した。従来の SmartDeviceLink、Apple CarPlay、に加え、 Android Autoに対応した。
お勧めはGターボ! 新型ダイハツ タフトのグレード選び
新型タフトのグレードは、自然吸気エンジン搭載車が2グレード。ターボモデルは1グレード、計3グレードとシンプルな設定。それぞれ、FF(前輪駆動)と4WDが用意される。
自然吸気エンジン搭載グレードは、エントリーグレードのXと上級グレードのGを設定。装備は多岐に渡り大きな差になっている。Gグレードには運転席・助手席シートヒーター、オレンジインテリアアクセント、助手席シートアンダートレイ、TFTカラーマルチインフォメーションディスプレイ、標識認識機能、ウェルカムドアロック解除、D assist切替ステアリングスイッチ、15インチアルミホイール、リバース連動リヤワイパーなどがプラス装備される。
その他、色々な差が付けられており、価格差は約13万円となった。装備差が大きいので、やはり満足度は圧倒的にGグレードが勝る。しかも、Xグレードだと利便性や安全性を高める全車速追従機能付ACC(アダプティブクルーズコントロール)、LKC(レーンキープコントロール)が、オプション装着もできない。こうなると、グレード選びはG一択だ。
ターボエンジン搭載のGグレードは、基本的に自然吸気のGグレードと同等の装備となるが、スマートクルーズパック と呼ばれる車速追従機能付ACC(アダプティブクルーズコントロール)、LKC(レーンキープコントロール)、ステアリングスイッチ(運転支援用)がGターボには標準装備されている。
GターボとGの価格差も約12万円。Gターボに標準装備されたスマートクルーズパックの価格は44,000円。実質、約8万円アップでターボが買えることになる。しかも、GターボはCVTが最新のD-CVTを装備。こうなると、約8万円の価格アップ以上の価値がGターボにある。
結論として、新型タフトはGターボがお勧め。プラスオプションとして、スマートパノラマパーキングパック(9インチスマホ連携ディスプレイオーディオ)があれば、かなり贅沢な仕様となる。スマートパノラマパーキングパックには、9インチスマホ連携ディスプレイオーディオ〈オーディオ:フルセグTV・AM/FMラジオ・Bluetooth・スマホアプリ連携(SDL・Apple CarPlay・Android AutoTM)・ダイハツコネクトサービス対応〉、USBソケット[センターコンソール](スマホ連携ディスプレイオーディオ接続用)、Wi-Fiルーター(販売会社装着)、標識認識機能〈Xのみ〉、スマートパノラマパーキングアシスト(駐車支援システム)、フロントカメラ、サイドカメラ、ステアリングスイッチ(パノラマモニター及び駐車支援用)がプラス装備され、価格は126,500円だ。
新型タフトの値引き方法は?
この新型タフト、通常時なら人気車種となり、しばらく値引きはゼロベースとなる。ところが、現在は新型コロナ不況の真っ只中。2020年5月の軽乗用車販売は、前年比44.1%と大幅ダウンとなった。
こうなると、販売現場は数少ない顧客の奪い合いとなる。新型車とはいえ、値引きを躊躇していると、ライバル車が大幅値引きを提示。顧客を奪われる可能性が極めて高くなる。そのため、新型タフトも新型車とはいえ、商談方法次第では、一定の値引きが期待できる。
値引きを引き出すための手法は、必ずライバル車であるスズキ ハスラーと競合させること。先にハスラーの見積りを取り、タフトの商談をしたい。
ダイハツの営業マンには、ハスラーの見積りをもっていることを伝えておくことも重要。商談中にダイハツの営業マンに、ハスラーを購入しようと思い見に行ったが、新型タフトも確認する必要があるかなぁ、と思って来た。と、本命がハスラーであると勘違いさせることが重要。
営業マンは、色々なトークを駆使して新型タフトを押してくるので「ハスラーもタフトもちょっと予算がなぁ・・・」と、予算が厳しいように装い、さり気なく値引きを要求することが重要。ご予算は? と、必ず聞いてくるが正直に答える必要はなく「安ければ安いほどよい。ハスラー側は、明日にでも新たな見積書を持ってくると言っていた」とすればよい。
こうなると、新型車とは言え顧客が少ない現在は一定の値引きをした見積書を出すしか無くなる。その後、ジックリ長めに商談期間を取り、値引き額の増大を引き出していくと良い。
ダイハツ タフト価格
・X 2WD 1,353,000円/4WD 1,479,500円
・G 2WD 1,485,000円/4WD 1,611,500円
・G ターボ 2WD 1,606,000円/4WD 1,732,500円
ダイハツ タフト燃費、ボディサイズなどスペック
代表グレード:ダイハツ タフトG (FF)
・全長3,395×全幅1,475×全高1,630mm
・ホイールベース 2,460mm
・トレッド 前:1,300mm 後:1,295mm
・最低地上高 190mm
・最小回転半径 4.8m
・車両重量 830㎏
・乗車定員 4名
・WLTCモード燃費 25.7km/L
・エンジン KF型直3DOHC
・総排気量 658㏄
・最高出力 38kW[52ps] / 6,900rpm
・最大トルク 60N・m[6.1㎏・m] / 3,600rpm
・トランスミッション CVT
・サスペンション 前:マクファーソンストラット 後:トーションビーム
・タイヤ 前後 165/65R15
スズキ ハスラー vs スズキ スペーシアギア徹底比較!SUVテイストの軽自動車対決
2020年 安全な車ランキング【軽自動車編】
ダイハツ車新車情報・試乗評価一覧
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