メルセデス・ベンツVクラス新車情報・購入ガイド 非日常を存分に楽しめるポップアップルーフを装備したV220dマルコポーロ・ホライゾン
CORISM / 2020年6月16日 20時15分
マイナーチェンジ後のモデルに再設定されたマルコポーロ・ホライゾン
メルセデス・ベンツ日本は、プレミアムミニバンのVクラスにアウトドアレジャーを楽しむユーザー向けとして「V220dマルコポーロ・ホライゾン」を設定して発売を開始した。
現行メルセデス・ベンツVクラスは2015年に発売された2代目で、2019年10月にマイナーチェンジを受けた。メルセデス・ベンツのミニバンらしく、安全性や室内の快適性の向上が図られ、質感を追求したモデルに仕上がっている。
このマイナーチェンジでは、フロント回りを中心にデザインの変更も行われている。基本プラットホームが商用車用のものであるため、乗り心地の面ではお世辞にも良いとはいえないクルマだが、堂々たるサイズのボディによる広い室内空間などと合わせて一定の人気を得ている。
そのVクラスをベースに、アウトドア向けの仕様をいろいろと盛り込んで生まれたのがV220dマルコポーロ・ホライゾンだ。実はこのモデル、2018年2月にも設定されたことがあるのだが、先にマイナーチェンジが実施されたことから、マイナーチェンジ後のモデルをベースに改めてV220dマルコポーロ・ホライゾンが設定されることになった。
基本的な仕様は前回のV220dマルコポーロ・ホライゾンを受け継ぎながら、今回のモデルで発展、新設定されたものもある。
アウトドアの醍醐味をより味わえるポップアップルーフ
メルセデス・ベンツV220dマルコポーロ・ホライゾンの魅力は、写真を見ても分かるようにまずポップアップルーフだ。後ろヒンジで前側が斜めに持ち上がるポップアップルーフは、これによって生まれた空間に2人までが使用可能なベッドが設けられてフルフラットな就寝スペースとして使えるほか、リーディングライトも設けられて快適に過ごせる空間になっている。通常のシートを倒して就寝スペースと合わせると合計で5名までの車中泊が可能だ。
ポップアップルーフ自体は珍しいものではなく、昔からキャンピングカーなどを中心に採用される例が多くなり、現在でも改造キャンピングカーの多くが採用している。
日本の自動車メーカーが作ったポップアップルーフとしては、1995年にマツダが発売したボンゴフレンディ/フリーダ(フォード)に、オートフリートップの名前で採用された例がある。
Vクラスではポップアップルーフを持ち上げた状態にすると、大きな頭上空間が作れるため、簡易な更衣室として利用することもできる。なお、フロントウインドーと運転席、助手席を除いたすべての窓にはカーテンが装備されているので、更衣のときなどはこれを使って周囲からの視界を遮ることができる。
メルセデス・ベンツV220dマルコポーロ・ホライゾンは、ロング仕様がベースとなているため、ボディサイズはかなり大きく全長5,150mm×全幅1,930mm×全高1,960mmだ。
オートキャンプを楽しむための機能が満載
ボディ回りでは、ルーフの右側に、ロールアップ機能を備えたサイドオーニングが装着されていている。オートキャンプ等の際にはこれを展開し、その下にテーブルやチェアを配置することで、日差しを直接受けることなく、快適に過ごすことができるようになる。展開すると、簡単にはクルマを動かせなくなるので、使い方に制約はあるものの、オートキャンプなどを楽しむのに必須アイテムともいえるものだ。
室内には、回転式のフロントシートが用意される。運転席と助手席が最大で230度まで回転する仕組みになっていて、2列目のシートに座る人と対面して会話を交わすことができる。
2列目のシートには、冬場用にシートを温めるシートヒーターと、夏場用にシートベンチレーターを備えて快適性を高めている。シーとベンチレーターは、身体と座面の間にこもった熱や湿気を取り除くもので、シートに内蔵された複数のファンにより除去もので、暑い季節の快適性向上に貢献する。
3列目のシートにはフルフラット機能を採用し、車内に広々としたフラットなスペースを確保した。就寝時は、最大3名までが使えるスペースがある。さらに、アンダーシートボックスも備えていて、足元に十分な収納スペースが用意されている。
機能面では、運転席のシート下にリレー式のサブバッテリーを搭載している。エンジン停止時は自動でメインバッテリーと切り離されるため、オートキャンプ時など、バッテリー上がりの心配をすることなく安心して電気を使うことができる。エンジンを始動すると特別な操作を必要とすることなく自動で充電を開始する仕組みだ。
予防安全装備「レーダーセーフティパッケージ」を全車標準装備化
V220dマルコポーロ・ホライゾンには、2019年のマイナーチェンジ後のVクラスと同様、メルセデス・ベンツの安全運転支援システム「レーダーセーフティパッケージ」を標準装備。レーダーで先行車を検知して追突のリスクを低減する「アクティブブレーキアシスト」を始め、最適な車間距離を自動で維持するとともに先行車が停止した場合は減速して停止する「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック」、ドアミラーの死角範囲をレーダーによってモニターして危険性を警告する「ブラインドスポットアシスト」、車線逸脱をステアリングの微振動で警告する「レーンキーピングアシスト」などを備えている。
また、アクティブブレーキアシスト(歩行者検知機能付き)は、先行車、前を横切る車両や合流してくる車両、歩行者、路上の物体などとの衝突の危険性を感知すると、ディスプレイ表示や音でドライバーに警告する。必要な場合は、システムが衝突を回避するために強力な制動力を発揮できるようブレーキ圧を高め、同時に、前席のシートベルトの巻き上げや助手席のシートポジション修正など、衝突時に乗員の最適な姿勢を可能な限り確保するPRE-SAFE機能も作動する。ドライバーが反応しない場合には、システムが衝突を避けられないと判断して、最大のブレーキ力で自動緊急ブレーキが作動する。
アダプティブハイビームモードは、対向車や先行車を検知すると、他の車両にハイビームが当たらないよう自動的に照射範囲を制御しながら常に最大の視界を確保する。また、道路標識などにハイビームが反射すると、自動的に減光し眩惑を防止する機能も備えている。
このほかにもメルセデス・ベンツの基本価値である「セーフティ&コンフォート」を体現する装備を搭載。長時間走行時のドライバーの疲労や眠気を70以上のパラメーターで検知して注意力低下を警告する「アテンションアシスト」、走行中の横風に対して車両片側のブレーキ制御を行うことでより安定した走行をサポートする「クロスウインドアシスト」が全車に標準装備した。
また、車両周囲の状況をモニターする「360°カメラシステム」、自動操舵・ブレーキ機能により縦列駐車と車庫入れをアシストする「アクティブパーキングアシスト」、前後バンパーに埋め込まれた超音波センサーで障害物との 距離を感知して警告する「パークトロニック」を標準装備し、ボディサイズの大きいVクラスの駐車や取り回しをサポートする。
2.2Lディーゼルターボを搭載
V220dマルコポーロ・ホライゾンに搭載されたエンジンは、直列4気筒2.2Lのクリーンディーゼルエンジン1機種のみ。ピエゾインジェクターを用いた最新世代のコモンレールシステムや、大きさの異なる2基のターボチャージャーへの排気の流れを可変フラップが制御することで、ターボラグを解消しながら必要なブースト圧を引き出す2ステージターボチャージャーなどの先進テクノロジーを採用する。
動力性能は最高出力163ps、最大トルク380N・mで、トランスミッションは7速ATの7G-トロニックが組み合わされる。燃費は、11.4km/L(WLTCモード)だ
駆動方式はFR。エンジンと前輪の位置が自由に決められるので、クラッシャブルゾーンや前輪の切れ角を充分に確保でき、取り回しの容易さと安全性の向上が図れる。
また、乗員人数や積載量に関わらず駆動力が路面に伝わるため、走行安定性にも優れている。さらに、長いプロペラシャフトが加減速のショックや騒音、振動を低減するというメリットもある。
足回りには、「AGILITY CONTROLサスペンション」を標準装備。フロントにマクファーソン式、リアに独立懸架式を搭載。ローダウンするとともにスタビライザーを採用することで、ロールが減少し、高い走行安定性を実現。
さらに、走行状況に応じて減衰力を機械的に調整するセレクティブダンピングシステムを採用し、通常走行時には油圧抵抗を減少させて快適な乗り心地を、ハードなコーナリング時など急激な入力に対しては最大限の減衰力を発揮する。
価格は938万円で、マイナーチェンジ前のモデルが846万円だったことを考えると、仕様の向上などにより92万円高くなった。
メルセデス・ベンツ Vクラス V220dマルコポーロ・ホライゾン価格
・V 220 d Marco Polo HORIZON 9,380,000円
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