フォルクスワーゲン T-Roc新車情報・購入ガイド 実用性も高いスタイリッシュ新型SUV
CORISM / 2020年8月12日 11時30分
隙間のないSUVラインアップとしたフォルクスワーゲン
フォルクスワーゲンは、コンパクトなサイズのSUVである新型「T-Roc(ティーロック)」の発売を開始した。
フォルクスワーゲンには、ミドルクラスのSUVとしてティグアンがある。また、最も小さなSUVとしてT-Cross(ティークロス)をラインナップしている。今回発売された新型T-Rocは、その中間に位置するモデルだ。
世界的にSUVの売れ行きが好調であるため、SUVの車種バリエーションを充実させ、隙間のないラインナップを構成しようとするものだ。
フォルクスワーゲンはかつてはトゥワレグという大型SUVをラインナップした時代もあったが、ひと世代だけでモデル寿命を終えており、当面はこの3車種のSUVラインナップということになる。
新型T-Rocは、クーペのように流麗なボディスタイルを持つスタイリッシュなデザインを特徴とする。フォルクスワーゲンの生産モジュール“MQB”をベースに、日本の道路環境にも対応できる適度なボディサイズと、比較的コンパクトなサイズながら広い室内空間を備えている。
搭載エンジンは、直列4気筒2.0Lディーゼルの2.0TDIのみの設定。上級モデル譲りの先進安全装備を全グレード標準装備する。力強いデザインや開けた視界などのSUVの魅力に加え、街中での取り回しの良さやスポーティな走りなど、ハッチバック車の魅力も合わせ持つクロスオーバーSUVだ。
より低く、ワイドなデザインが採用された新型T-Roc
新型T-Rocのデザインは、ティグアンから受け継いだフォルクスワーゲンSUVのDNAを表現。ダイナミックで、都会的なスタイルを取り込んでいる。LEDデイタイムランニングライトが組み込まれたフロントフェイスバンパーは、薄型にデザインされた左右のヘッドライトとの一体感があるラジエーターグリルと合わせ、ワイド感を強調するものとなっている。
また、大型エアインテークとアンダーボディガード、リヤディフューザーなどが、SUVらしい力強さをアピール。サイドビューは傾斜を強めた前後のピラーの間にクロームトリムで強調されたロングルーフが配置される流麗なシルエットを作っている。Aピラーからルーフ、そしてCピラーへと続くクロームラインのアクセントが新型T-Rocの特徴で、いかにもスタイリッシュなSUVという印象を与えている。
ボディカラーは全9色。フォルクスワーゲンのSUVとして、初採用となる2トーンカラーも設定された。
2トーンカラーは、グレードに応じてブラックまたはホワイトのルーフカラーを組み合わせることができる。また、グレードとボディカラーによっては、インテリアもボディカラー同色系のイエローもしくはブルーにカラーコーディネートされる。
フロントグリルの中央に配置されるフォルクスワーゲンのエンブレムは、このモデルからデザインが刷新されている。ぱっと見ただけでは分かりにくいが、良く見ると違いが分かるはずだ。
リヤエンドには、3レベル構造となった。水平基調のレイアウトを採用し、一番上のレベルは、リヤウィンドウを含むルーフセクションで、次に3DデザインのLEDテールライト、VWエンブレム、クロームのT-Rocエンブレムが装着されたミドルセクションへと続く。一番下のレベルは、バンパーエリヤとなる。この3レベル構造により、より低く、より幅広く、よりスポーティに見せている。
Cピラーは、リヤエンド部分で完全にリヤウィンドウ(着色ガラス)の下へと入り込み、ここでも非常に幅広い印象を生み出している。
カジュアルだが、質感の高さを感じさせるインテリア
新型T-Rocのインテリアはいかにもフォルクスワーゲン車らしい水平基調のダッシュボードが採用されている。表示系と操作系がやや高めの位置に配置されているのが特徴だ。
ナビゲーションやオーディオシステムに加え、コネクテッドカーとしての機能を有するフォルクスワーゲン純正のインフォテイメントシステムである“Discover Pro”や、画面全体にナビゲーションマップを表示することができるデジタルメータークラスター“Active Info Display”などの快適装備が全グレードに標準装備。専用パネルによって一体化したデザインとされた。
センターコンソールの周辺は、インストルメントパネルのアクセントと同じカラーが採用されている。コンソールは、2つの水平レベルに分割され、一番上には、クルマの重要な機能(スタート/ストップシステム、ESC、ハザードランプなど)に加えて、空調コントロールのスイッチを設置した。
全体的なインパネデザインは、ひとクラス下のT-Crossと共通のカジュアルなテイストを感じさせる。ただ、さすがにT-Rocはクラスが上ということもあり、T-Crossと比べると重厚感や質感の高さがある。
小さくても実用性の高さは、さすがフォルクスワーゲン車
新型T-Rocのボディサイズは、全長が4240mm、全幅が1825mm、全高が1590mmで、正にティグアンとT-Crossの中間に位置するものであると同時に、取り回しにも配慮したものとなっている。全長と全幅、ホイールベースなどはゴルフに近い数値となっている。
ただ、日本の道路交通環境というか駐車場事情を考えると、1800mmを超える全幅や1550mmを超える全高はネックになることもある。立体式の駐車場では、1800mmと1550mmで制限されることが多いから、入れられないケースもありそうだ。自宅はもちろん、良く出かける先の駐車場の入庫可能サイズを確認しておくと良い。
全長が短めの比較的コンパクトなボディサイズでありながら、T-Rocの室内には広々とした居住空間が広がるほか、クラスでもトップレベルの445Lの荷室空間を備えている。60:40の分割可倒式リヤシートのシートバックを倒せば最大で1290Lの広大なラゲッジスペースが生まれ、高い実用性を発揮する。
こうした実用性の高さは、さすがフォルクスワーゲン車といったところ。狭い駐車場やUターンのしやすさの指標となる最小回転半径も5.0mと、使いやすい数値となっている。
340Nmを誇る2.0Lディーゼルのみの設定
搭載エンジンは、1機種のみと割り切った設定だ。直列4気筒2.0Lの2.0TDIエンジンは、最高出力110kW(150ps)/3500~4000rpm、最大トルク340N・m/1750~3000rpmを発生する。
このクラスのディーゼルエンジンとして特に優れた性能とはいえないが、340Nmというとるくは、3.4Lクラスのガソリン車に匹敵する。力強い走りが期待できる。
組み合わされるトランスミッションは7速のDSG。ダイレクト感のあるミッションだ。
気になるWLTCモード燃費値は18.6km/L。とくに、優れた燃費値ではないものの日本では軽油がハイオクガソリンより約30円/Lも安いので経済性は高い。
駆動方式はFF(前輪駆動)のみの設定。あれ? という感じにならざるを得ないが、よほど荒れたオフロードや雪道でなければ、4WDで十分という考え方だ。もちろん、FFだと価格も安い。
ティグアン導入時には、当初、ガソリンのFFのみの設定だった。これは、先代ティグアンの人気がFFに集中したことが理由とされた。ただ、商売の関係上、4WDも必要となり、モデル途中でディーゼル+4WDモデルが新設定されている。そのため、この新型T-Rocもモデル途中で4WDが設定される可能性もある。
新型T-Rocには、先行車を完全停止状態まで自動追従して走行するアダプティブクルーズコントロール"ACC" (全車速追従機能付き)、を始め、プリクラッシュブレーキシステム"Front Assist"(歩行者検知対応シティエマージェンシーブレーキ機能付き)などの上級モデル譲りの先進安全装備がを全車に標準装備されている。
最上級グレードのT-Roc TDI R-Lineには、“ アダプティブシャシーコントロール”(DCC)を採用している。電子的に調整可能なダンパーにより、T-Rocのサスペンションは、非常にスポーティな設定から快適性重視の設定に変化させることが可能だ。
新型フォルクスワーゲンT-Rocの選び方。お勧めはTDI Sport
新型T-Rocには、4グレードが設定されている。パワートレーンが共通なので、基本的に装備の違いがグレードの違いになっている。
大半のグレードが400万円台。このサイズのSUVで400万円超というのは、さすが輸入車の値付けといったところで、決して安いクルマではない。TDI Styleの価格は400万円を切っているが、価格訴求用と言った印象で、今どき軽自動車でも標準装備化されているハイビームアシストさえ装備されていない。高額車であることを考えると、さすがに装備が物足りなく、満足度も低くなるためTDI Styleをまずは選択しから外して考えたい。
グレードによって違うのはタイヤサイズで、順に16インチ、17インチ、18インチ、19インチという設定。それ以外では快適装備は全車共通ながら、安全装備に違いがあり、パークディスタンスコントロール(フロント/リヤ、前進/後退時衝突軽減ブレーキ機能付き)とオプティカルパーキングシステムの2つが装備されるのは、TDI SportとTDI R-Lineの2グレードだけだ。
高額な輸入車として、装備の満足度を重視するのであれば、TDI SportとTDI R-Lineの2択となる。TDI SportとTDI R-Lineの大きな差は、スポーティなエアロパーツ類とアダプティブシャシーコントロール(DCC)。より、スポーティなルックスと走りを求めるのならTDI R-Lineとなる。ただ、価格差が34万円と大きいので、無難なのはTDI Sportとなる。
2020年 安全な車ランキング【SUV編】
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新型フォルクスワーゲンT-Roc価格
・T-Roc TDI Style 3,849,000円
・T-Roc TDI Style Designパッケージ 4,059,000円
・T-Roc TDI Sport 4,199,000円
・T-Roc TDI R-Line 4,539,000円
新型フォルクスワーゲンT-Roc燃費、ボディサイズなどスペック
代表グレード T-Roc TDI Sport
ボディサイズ 全長 4,240×全幅 1,825×全高 1,590mm
ホイールベース 2,590 mm
車両重量 1,430 kg
乗車定員 5 名
最小回転半径 5.0m
燃料消費率(JC08 モード) 19.5 km/L
燃料消費率(WLTC モード) 18.6 km/L
エンジン種類 直列4気筒 DOHC インタークーラー付ターボ(4バルブ)
総排気量 1,968cc
圧縮比 16.2
最高出力 110kW(150PS) / 3,500-4,000rpm
最大トルク 340Nm(34.7kgm) / 1,750-3,000rpm
燃料タンク容量 50L
トランスミッション 7速DSG
フロントサスペンション マクファーソンストラット(スタビライザー付)
リヤサスペンション トレーリングアーム
フロントブレーキ ベンチレーテッドディスク
リヤブレーキ ディスク
タイヤサイズ 215/50R18
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