トヨタ ヤリスクロス新車情報・購入ガイド ライバル車には絶対に負けない! トヨタのやる気を凝縮したコンパクトSUV
CORISM / 2020年9月18日 12時10分
緻密なラインアップでSUVマーケットを席巻するトヨタ
トヨタは、ヤリスをベースにしたコンパクトSUVであるヤリスクロスの発売を開始した。
トヨタブランドとしては、ライズ、CH-R、RAV4、ハリアー、ランドクルーザープラド、ランドクルーザーに次ぐSUVモデルである。それぞれにサイズや機能の違いがあり、価格をオーバーラップさせながら、コンパクトからフルサイズまで緻密なラインナップを作っているのは、さすがトヨタというしかない。
この緻密なラインナップのうち、ダイハツ製コンパクトSUVであるライズは、軽自動車を除いた登録車販売ランキングで首位に立つほどの売れ行きだ。コンパクトSUVという点で、重なるライズクロスが登場したことで、ライズの売れ行きはやや減るのは間違いない。しかし、ヤリスクロスの登場でトヨタのSUV全体の売れ行きが伸びるのも、また間違いないところである。
もう、なんちゃってSUVとは言わせない!
ヤリスクロスは、BセグメントのSUVだ。ライバルは、日産キックスやマツダCX-3、ホンダ ヴェゼルとなる。成長著しいBセグメントコンパクトSUVの中で、最後発となる。それだけに、ライバル車に走りや燃費、使い勝手、安全性など、すべての面で負けられないという意気込みが感じ取れる。
こうしたトヨタのやる気を引き出しているのが、アクアをベースとしたクロスオーバー車であるXアーバンやクロスオーバーだ。これらのモデルは、いわゆるなんちゃってSUV。アクアの最低地上高を少しアップし、外観をちょっとしたパーツでSUV的テイストをプラスしたモデル。4WDの設定はなく、FF(前輪駆動)だけだった。SUVブームに乗っかり、お手軽にクロスオーバー車を造ってしまったのだ。
さすがに、マーケットは厳しく、なんちゃってSUVでは話にならず、販売は低迷した。
その失敗があるため、ヤリスでは、同じ失敗は繰り返すことはできない。なんちゃってSUVとは言わせない、とばかりにヤリスクロスは、走行性能や安全性能、積載性、燃費など、クラストップレベルを狙って開発されたのだ。
ヤリスより、ひと回り大きいヤリスクロス
ヤリスクロスはヤリスと同様、コンパクトカー向けTNGAプラットフォーム(GA-B)を採用。その性能をいかしきるパッケージとし、ヤリスの持つ「凝縮感」に加え、SUVならではの力強さ、存在感を表現したムダなくバランスの良いプロポーションを実現した。
また、コンパクトSUVでありながらユーティリティ性にこだわり抜いた荷室空間は、使い勝手に優れたものとされ、乗る人のアクティブライフをサポートする。
ボディサイズは、全長4180mm×全幅1765mm×全高1590mmで、ホイールベースは2560mmだ。同じプラットホームを採用しているが、ボディサイズはヤリスに比べるとひと回り大きい。
コンパクトカーとして密度の高いクルマとされたヤリスに対し、SUVのヤリスクロスは使い勝手などにも配慮したためだ。ちなみにヤリスは全長3940mm×全幅1695mm×全高1500mmだから、ヤリスクロスは全長が240mm長く、全幅が70mm広く、全高が90mm高い。ホイールベースは10mm長いだけだ。
パワートレーンは、1.5Lのガソリンエンジンと、これに電気モーターを組み合わせたハイブリッドの2種類。駆動方式もFFと4WDの2種類が用意されている。
力強さと洗練さを融合したデザイン
ヤリスクロスの外観デザインは、都会的な洗練さとSUVならではの力強さを併せ持つものとされた。見るからにアクティブな印象を与えるバランスの良いプロポーションを追求。フロント中央、ロア、フェンダーによって構成される立体的なデザインが精悍な印象を与えるフロントビューが大きな特徴。
フロントからリヤコンビネーションランプまで高い位置で一気に通り抜ける水平基調の軸は、SUVらしい力強いサイドビューを表現し、特徴的なキャラクターラインが力強さとユーティリティを強調する。
さらにリヤビューは、スクエア形状の中央部と大きな開口のバックドアが機能性の高さを訴求し、大きく張り出したフェンダーが、フロント同様、力強さを表現する。
ボディカラーは表情豊かで存在感が際立つブラスゴールドメタリックがイメージカラーとされ、従来色より立体感が強調されたシルバーメタリックの新規開発色など、全8色が設定されている。アクティブさを演出するツートーンカラーも、7タイプから選択が可能だ。
SUVらしい堅牢さを表現したインパネデザイン
インテリアは、センターコンソールからディスプレイオーディオ(DA)にかけての縦方向の流れを強調することで力強さが表現されている。
シート、ステアリング、シフトレバーなどを適切に配置したほか、視認性に優れたTFTカラー液晶マルチインフォメーション・ディスプレイやメーター、DAを上方に配置した。
さらに、ヘッドアップディスプレイ(HUD)を採用することで、ドライバーの視線移動を最小限にした。運転に集中できるインテリアが実現されている。これは(Eyes On The Roadコンセプト)に基づくものだ。
インストルメントパネル上部には、「スラッシュ成形」によるソフトパッドが採用され、質感を高めている。
また、温かみのある新素材フェルトをドアトリムに広範囲に採用するなど、上質で心地よい室内空間を作っている。
クラストップレベルの広さを利便性を誇る荷室
ヤリスクロスは、コンパクトSUVながら、実用性にもこだわった。荷物空間は、コンパクトSUVとしてクラストップレベルの広さが確保されている。
2段階に高さ調整が可能なデッキボードを下段に設定したときには、コンパクトSUVでトップクラスの荷室容量となる390Lを実現。スーツケース(110L)を2個またはゴルフバッグ(9.5インチ)を2個収納することができるように設計するなど、高さと広さをいかしてさまざまな荷物に対応できるようにした。
後席のシートは、グレードにより異なるが4:2:4分割式とし、デッキボードは6:4分割のアジャスタブルタイプとした。これは、トヨタのコンパクトSUVとして初の採用である。
荷物の固定には、ユーティリティフックとフレックスベルトを組み合わせ、多彩なデッキアレンジを可能とした。アクティブライフをサポートするための仕様だ。
バックドアは、荷物で両手がふさがっている状態でも、スマートキーを携帯していれば、リヤのバンパー下へのキックアクションをすることで自動開閉が可能なハンズフリーパワーバックドアが設定された。これもトヨタのコンパクトSUVとして初の仕様で、トヨタ従来車と比べても約2倍のスピードで素早く開閉できる。
このほか、手の届きやすいセンタートレイや大型のフロント・リヤドアポケットをはじめ、室内に使い勝手の良い豊富な収納スペースを配置している。
SUVの常識を超えた低燃費を実現したハイブリッド車
ヤリスクロスにはガソリン車とハイブリッド車の設定があるが、搭載エンジンはともに直列3気筒1.5LのM15A型が搭載される。ガソリン車用は直噴仕様のM15A-FKS型で、88kW(120ps)/6600rpm、145N・m/4800~5200rpmのパワー&トルクを発生する。
ハイブリッド車用のエンジンはM15A-FXE型になってチューニングが異なり、動力性能は67kW(91ps)/5500rpm、120N・m/3800~4800rpmのパワー&トルクを発生する。これに59kW(80ps)と141N・mを発生するフロントモーターが組み合わされ、ハイブリッドの4WD車には3.9kW(5.3ps)と52N・mを発生するリヤモーターも組み合わされる。
トランスミッションは、ガソリン車がギヤ機構付き自動無段変速機(ダイレクトシフトCVT)で、ハイブリッド車は電気式無段変速機となる。
ハイブリッド車、WLTCモードで30.0km/Lを超える燃費を達成してグレードもある。ガソリン車も仕様によって同じく20.0km/Lを超える燃費を達成。最高燃費はいずれもFF車のものだが、SUVの常識を超える低燃費と言っていい。
なんちゃってSUVではない、優れた4WD性能
さまざまな路面状況に対応できる4WDシステムは、ガソリン車にはアクティブなSUVの走りを堪能できる機能を搭載し、ハイブリッド車には雪道などでも安心な、E-Four(電気式4WDシステム)を設定した。
ガソリン車用の4WDシステムは、オフロードや滑りやすい路面における走破性の向上に寄与するもので、路面状況に応じた走行支援を3 つのモードから選択できるマルチテレインセレクトをトヨタコンパクトSUVとして初めて採用した。マルチテレインセレクトはボタンを押すだけで容易に操作できる。
走行モードは、アクセル操作に対するトルクを制御して雪道など滑りやすい路面でのスムーズな発進に寄与するSNOWモードや、悪路において接地するタイヤに適切な駆動トルクを配分してスムーズな脱出に役立つTRAILモード(E-Four 車)などがある。また降坂時の車速を一定の低車速に保ち、安定走行に寄与するダウンヒルアシストコントロール(ガソリン4WD車およびE-Four車)も設定されている。
より進化したトヨタセーフティセンスを装備
ヤリスクロスにはヤリスから継承し、さらに進化させた「安全・安心」「快適・便利」な先進機能が採用されている。
最新の予防安全パッケージであるトヨタ・セーフティ・センスを標準装備(X“B パッケージ”を除く)し、歩行者検知(昼夜)および自転車運転者検知(昼)を行い、衝突回避または被害軽減に寄与する「プリクラッシュセーフティ」を装備した。
右折時の対向直進車や右左折後の横断歩行者も検知対象とし、万が一の交差点事故への対応範囲を拡大したのが特徴だ。
前方に対象物がある状態で、停車または徐行状態からアクセルペダルが必要以上に強く踏み込まれた場合、エンジン出力を抑制または弱いブレーキをかけることで加速を抑制し、衝突回避または被害軽減をサポートする低速時加速抑制機能も標準装備となる。
自車線内の歩行者と衝突する可能性が高く、自車線内に回避するための十分なスペースがあるとシステムが判断した場合で、ドライバーの回避操舵をきっかけに車線内で操舵をアシストし、車両安定性確保と車線逸脱抑制に寄与する緊急時操舵支援機能も設定した。
先行車の追従走行を車速に応じて支援するレーダークルーズコントロール(全車速追従機能付き)によってロングドライブを快適なものとし、レーダークルーズコントロール使用時には、同一車線内中央を走行できるよう操舵を支援するレーントレーシングアシスト(LTA)も採用した。
LEDの点灯・消灯を細やかに制御することで、先行車や対向車がいるシーンにおいて、車に光が当たる部分だけを自動的に遮光しながら周辺をハイビームで照らし、夜間の優れた視認性を確保するアダプティブハイビームシステム(AHS)をオプション設定した。
ほかにもカメラで認識した道路標識をディスプレイに表示することで、道路標識の見落としを減らし、安全運転を促すロードサインアシスト(RSA)やセカンダリーコリジョンブレーキを搭載している。またSRSエアバッグのセンサーが衝突を検知して作動したとき、自動的にブレーキと制動灯を制御することで、車両を減速させ二次衝突による被害軽減に寄与する。
ブラインドスポットモニター(BSM)を設定し、ドアミラーでは確認しにくい後側方エリアの車両や、隣車線の最大約60m 後方までをミリ波レーダーで検知する。車両が接近するとドアミラー内のインジケーターが点灯し、その際にウィンカー操作をするとインジケーターが点滅して注意喚起する。
横風でも安心して走行できるS-VSCを用意
横風対応制御付きのS-VSCは、トヨタ車として初めて搭載されるものだ。高速走行中に強い横風を検知すると作動し、車線からの逸脱を抑制して安全な走行をサポートする。
ヤリスと同様に、ステアリングだけでなく、アクセル、ブレーキも制御する高度運転支援の「トヨタチームメイト(アドバンストパーク)」をトヨタのSUVとして初めて設定した。これは案内に従ったシフト操作のみで駐車が完了もので、カメラと超音波センサーによって周辺を監視し、障害物などを検知した場合は警報とブレーキ制御で接触回避を支援する。さらに、事前に駐車位置を登録することで、白線のない駐車場での使用も可能とした。
安全もつながる快適装備としては、座席の位置、角度を電動で調整でき、運転しやすいドライビングポジションを簡単につくりだせる運転席 6 ウェイパワーシートを採用した。乗降時の足腰の負担軽減に寄与する運転席ターンチルトシート、寒い日のドライブをサポートするステアリングヒーターおよびシートヒーターなどの各種快適装備も充実している。
アクセサリーコンセント(AC100V/1500W)をハイブリッド車に設定した。車内のコンセントを通じて、電気製品を使用できるほか、停電などの非常時には電源として使用が可能だ。
最新のコネクティッドサービス・ディスプレイオーディオ(DA)および通信用のDCMを全車に標準装備した。SmartDeviceLink(SDL)やApple CarPlay、Android Autoなど、スマートフォンと連携した機能によって利便性を向上し、豊かなカーライフをサポートする。
トヨタ ヤリスクロスのグレード選び
ヤリスクロスのグレード構成はハイブリッド車、ガソリン車ともZ、G、Xの3グレードが設定され、ガソリン車のXには“Bパッケージ”という例外的なグレードの設定もある。
価格は別掲の通りで、ガソリン車は179万8000円から244万1000円まで、ハイブリッド車は228万4000円から281万5000円までとなる。ハイブリッド車、ガソリン車ともグレードの違いは装備の違いで、Xに対してGにはアルミホイール、バックガイドモニターが装備されるほか、ディスプレイのサイズやシートの仕様に違いがある。これで12万円ほどの価格差だ。
Gに対してはZは、タイヤサイズ、フルLEDヘッドランプ&テールランプ、運転席6ウェイパワーシート、シートヒーターなどが加わり、シート表皮にも違いがある。これで19万円ほどの価格差だ。
買った後でどんな乗り方をするかによっても選択は変わるが、新型車がデビューした当初なので、積極的に最上級グレードとなるハイブリッド車のZを選びたい。
パワーシートなど快適装備が充実しているのが良い点だ。やや気になるのがタイヤで、18インチタイヤ(Gは16インチ)が装着されているので、乗り心地がどうか購入前に試乗して路面の悪いところを走ってみることだ。
トヨタチームメイトやブラインドスポットモニターなど、いくつかのオプションを装着すると車両価格ベースで300万円級の予算が必要になるが、相応の魅力を持つクルマだ。
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トヨタ ヤリスクロス価格
・X“Bパッケージ” 2WD(FF) 1,798,000円/4WD 2,029,000円
・X 2WD(FF) 1,896,000円/4WD 2,127,000円
・G 2WD(FF) 2,020,000円/4WD 2,251,000円
・Z 2WD(FF) 2,210,000円/4WD 2,441,000円
・HYBRID X 2WD(FF) 2,284,000/E-Four 2,515,000円
・HYBRID G 2WD(FF) 2,394,000円/E-Four 2,625,000円
・HYBRID Z 2WD(FF) 2,584,000円/E-Four 2,815,000円
トヨタ ヤリスクロス燃費、ボディサイズなどスペック
代表グレード トヨタ ヤリスクロス ハイブリッドZ(E-Four)
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4,180×1,765×1,590mm
ホイールベース[mm] 2,560
トレッド前:後[mm] 1,515:1,510
最低地上高[mm] 170
サスペンション 前:マクファーソンストラット 後:ダブルウィッシュボーン
車両重量[kg] 1,270kg
総排気量[cc] 1,490cc
エンジン種類 直3 DOHC
エンジン型式 M15A-FXE
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] 91(67)/5,500rpm
エンジン最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 12.2(120)/3,800〜4,800rpm
フロントモーター最高出力[ps(kw)] 80(59)
フロントモーター最大トルク[kg-m(N・m)] 14.4(141)
リヤモーター[ps(kw)] 5.3 (3.9 )
ミッション 電気式無段変速機
最小回転半径[m] 5.3 m
バッテリー 種類/容量(Ah) リチウムイオン電池/4.3
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