マツダCX-5新車情報・購入ガイド これは売れる!? 都会派からアウトドア派に転身?「フィールドジャーニー」新投入
CORISM / 2021年12月4日 20時9分
顧客ニーズの多様化に合わせた3つの新デザインを用意
マツダは、ミドルクラスのSUVであるCX-5を改良し発売を開始した。初代マツダCX-5は、2011年に登場。個性的な「魂動デザイン」や、当時国内ではユニークだった2.2Lディーゼルエンジンなどを搭載するなどし大ヒット。日本以外でもヒットし全世界で累計300万台以上も販売。経営不振中だったマツダを救ったモデルでもあり、現在もマツダの基幹車種でもある。
今回の改良は、新しいCX-5の世界観を提案した。「Exclusive Mode(エクスクルーシブモード)」、「Field Journey(フィールドジャーニー)」、「Sports Appearance(スポーツアピアランス)」と呼ばれるの3つの異なるデザインをもつグレードを用意した。
マツダCX-5の開発責任者である松岡英樹主査は、「CX-5とお客さまとの絆を一層深めていただきたいとの思いから、お客さまのライフスタイルの多様化に応じた、3つのテイストの違う仕様を設定しました。お客さまが、どこまでも出かけてみたくなり、今までとは違う事にも挑戦してみたくなる。今回のCX-5は、そのようなクルマに仕上がったと私たちは信じています」と語っている。
「Field Journey」のために用意された新色「ジルコサンドメタリック」
マツダCX-5のデザインは、基本的なスタイル(魂動デザイン)に変更は無く、機能性と造形の美しさを両立させた表現をさらに進化させている。極力キャラクターラインを抑え、面の動きと光が見せるリフレクション(反射)で、面の造形や質感を表現。ボディが光を受けると精緻に造り込まれたフォルムが現れ、フロントエンド・リアエンドで洗練された塊感に、SUVらしい力強さが加わる。
新グレード「Field Journey(フィールドジャーニー)」には、新ボディカラー「ジルコサンドメタリック(やや暗いベージュ)」を設定。マツダのヘリテージでもある日本で他社に先駆け鋳物砂型[RCS法(レジンコーテッドサンド)]をイメージしたもの。その鋳型にも使われる鉱物のジルコサンドのきらめきを表現した。
オプションのルーフキャリアとマッチングが良く、軽いオフロードで汚れても目立たない色調ではある。「ジルコサンドメタリック」は、全グレードに用意されているが、アウトドアイメージの強いカラー。ある意味、「Field Journey」のために用意されたカラーともいえる。従来のマツダ車には無い色で、「Field Journey」へのマツダの意気込みを感じさせる。
上質さと最上級グレードととしての価値をアップ「Exclusive Mode」
CX-5は、統一感を持たせた魂動デザインにより、造形や質感を一貫した世界観で浸透させ、グローバルに共感を得ている。今回の改良では、3タイプの異なる世界観を表現したグレードが設定された。
新設定された「Exclusive Mode」は、すでに設定されていたグレードの進化版。CX-5の最上級グレードとなる。都市型SUVに求められる上質で豊かな質感にこだわった仕様だ。
エクステリアは、ボディから前後バンパー下部、ホイールアーチ、ドアガーニッシュまで外装全体をボディカラーとすることで、艶とリフレクション(影)による基本造形の美しさを際立たせている。また、19インチシルバーホイールは高輝度塗装で金属の質感を向上させた。
インテリアも、前後シートに肌触りが良く、滑らかな触感のナッパレザーで高級感を、インストルメントパネルの中央、および前後ドアのデコレーションパネルには継続して本杢(本物の木とそのものの模様)を使用し本物の持つ質感が味わえる。
都会派SUVから、アウトドア派へ宗旨替え? 「Field Journey」
「Field Journey」は、今回の目玉ともいえるグレード。アウトドアスポーツギアを思わせるデザインと、実用性を重視してユーザーの冒険心を掻き立てる仕様となっている。
従来、CX-5は都会派ラグジュアリーSUVとしての価値を追求していた。こうした価値観に共感したユーザーが多い。しかし、その一方で、CX-5でキャンプやアウトドアスポーツをしたいというニーズもあった。こうしたニーズに、残念ながらCX-5は応えてこれなかったのだ。
こうした顧客ニーズの多様化に応えたモデルが「Field Journey」。元々、CX-5は都会派SUVなのに、最低地上高は210mmと悪路走破性も高い。こうした素性の良さもあり、「Field Journey」はオフロードでも使えるSUVになている。
エクステリアは、雄大な自然と調和する新色のボディカラー「ジルコンサンドメタリック(やや暗いベージュ色)」に、アンダーガード風の前後バンパー下部、ドアガーニッシュ、ドアミラーに黒の差し色をアクセントにワイルド感を演出。足元はダークメタルの17インチ・19インチホイールは新デザインでタフな印象を与える。
インテリアには、シートステッチやエアコンルーバーの縁取りにライムグリーンのワンポイント配して、六角形のエンボス加工を施したスエード調シートは、実用的な機能性とSUVのタフさが感じられる。
ありがちなスポーティグレードだが、マツダのセンスが光る「Sports Appearance」
「Sports Appearance」は、情熱や挑戦心を奮い立たせることを目的としたスポーティー仕様だ。
デザインは、全体を黒基調でまとめ、アクセントに赤を使って、見て・触れて・乗りたくなる、情熱的かつスポーツマインドを刺激する。
エクステリアは、全体を深い光沢のグロスブラックで包み込んで精悍さを際立たせている。足元のホイールもブラックメタリックの19インチになる。また、フロントグリルの赤いアクセントは、マツダのDNA「走る歓び」として継承されている初代ロードスターのクラシックレッドを使用している。
インテリアは、ブラックのレザーシート、ステアリング、ドアやシフト周りにも情熱的な赤いステッチが施されて、ユーザーの気分を高揚させる。
ただ、スポーティな内装と言うと、なぜかどのメーカーもブラック&レッドの組み合わせになる。もう、何十年もこのパターンが続いていて、やや飽きてきた印象だ。デザインにこだわるマツダなら、もう少し新しい提案も欲しいところだ。ただ、マツダによると、売れるのはやはりブラック&レッドの組み合わせだという。
CX-5は、統一感を持たせながらも、さらに一歩新しい方向に歩を進め、仕様(3種類)ごとのディテールの表現を変えて、キャラクターを明確化しているところが新しい。
最近のアフターパーツを見ると、フロントフェイス、リアフェイス、ホールやタイヤなどを変更する選択肢が多い。その中からストリートやオフロードなど、人とは違った自分好みの一台にすることが出来る環境は整っている。メーカー自身が明確に嗜好の異なるタイプを提案してくれるのは嬉しいことで、ついでに遊び方もサポートしてくれると大変嬉しい。
ヒューマン・マシン・インターフェースの進化による気持ち良さ
CX-5の基本的なインストルメントパネルに変更はない。だが、一目で直感的に確認できるグラフィック表示のメーターパネルは、シンプルなトグルスイッチで、モード表示を走行シーンに応じてトグルスイッチを上下させれば瞬時に選択、変更出来る。視線を変えずに操作することが可能になっているのは安全面からも好ましい。
CX-5のシートは、独自のシート設計によって、身体の揺れを低減した自然な運転感覚(ドライバーをはじめとする乗員全員がリラックスした状態を維持する)を作りだしている。
運転中の頭の自然な動きを実現するために、シート形状やシートクッションの「面全体」の“たわみ”特性に着目した。骨盤直下のクッション形状などを最適化することで、運転中も歩行時と同じようなバランスが取れて頭部を安定させる。
そのため、歩行時と同じような感覚の動きや振動になり目線も安定して自然な運転、乗車感覚を実現している。
同時に車体フレームの中央付近に横方向の剛性部材を強化するとともに、横方向の振動を抑えて操縦安定性にも寄与する材料などの減衰制御構造を取り入れて、振動の波を小さく・短い時間で収束させている。
人間は頭が前後左右様々な方向に揺れると、自然に立て直そうとして身体に力が入って疲れる。だが、車体とシートフレームの取付け剛性を高め、乗員への入力を極力縦方向のみにすることで、身体に力が入らず不快感が軽減されて快適性が向上するのだ。
また、室内の静粛性についても、あらゆる速度域で乗員同士が自然に会話出来る快適な空間の実現を目指した。今回サスペンション部品の改良で、荒れた路面(粗粒路)でのロードノイズを低減させるとともに、操縦安定性・乗心地・NVH(ノイズ・バイブレーション・ハーシュネス)性能をバランスさせて作り込むことで、さらに人馬一体感を進化させている。
マツダ車らしくない?オフロードモードを新設定
CX-5は、次世代車両構造技術「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE(スカイアクティブ ビークル アーキテクチャ)」でボディ・サスペンション・シートの機能を進化。快適で意のままの運転を実現するために、加速中にオートマチックトランスミッションが変速する際、加速感が途切れるわずかなギアの変速時間を短縮するなど、制御ロジックを進化させた。こうした制御の変更で、しっかり&スッキリとした違和感の無い運転感覚になっている。
CX-5は、「Mi-DRIVE:MAZDA INTELLIGENT DRIVE SELECT(マツダ インテリジェント ドライブ セレクト)」を新採用。「NORMAL」と「SPORT」に加え、「OFF-ROAD」モードを設定した。4WDモデルで、こうしたドライブモードセレクトの設定を嫌がっていたマツダ。しかし、さすがに、オフローダー色が強い「Field Journey」には必須アイテムということのなのだろう。
「OFF-ROAD」モードでは、アウトドアで砂利道などの未舗装路、起伏の激しい路面を走行しなければならない場合でも、Mi-DRIVEによる新次元の走破性で目的地にたどり着く事が出来るし、存分にアウトドアアクティビティを楽しむこともサポートする。
未舗装や積雪路では、AWDや「Gベクタリングコントロール:G-Vectoring Control」、オートマチックトランスミッションなどの制御システム特性がトラクション重視となり走破性と安定性を向上。
AWDは、全速度域で後輪へのトルク配分を最大化して高いトラクション性能を向上させる。低速域では高い悪路走破性やスタック時の脱出性能を、高速域でも安定したハンドリング特性を提供する。
オフロードに最適化されたGベクタリングコントロールは、タイヤの接地性を向上させることで、悪路のハンドリングや安定性を向上させた。
滑らかなトラクションコントロール制御は、ブレーキとエンジントルクのバランス制御をおこない、トラクションを最大化させるコントロールをオフロード用に最適化。タイヤが空転しても地面に接地しているタイヤへ的確に駆動力が伝達される。
悪路においても滑らかで連続的なトルク伝達を実現するオートマチックトランスミッション制御は、連続した低速走行時にエンジンの回転数を高く保持。オフロードでは、滑らかで連続的なトルク伝達により、高い登坂性能も実現した。
アウトドアでは必須! 防水加工され使いやすいリバーシブルラゲッジボード
CX-5は、SUVに要求される荷室をより充実させている。上下に可動する前後2分割フロアボードで荷室がフラットになる。後席シートを倒せばより広い空間として、車中泊などにも利用出来る。
また、フロアとテールゲートの段差は無く、荷物の出し入れなどの際に使い勝手が良くなっている。スペースを拡大して収納量を増やした床下には、キャンプ道具やスポーツ用品を収納・保管、チョットした買い物などではフロアボード上に積むなどスペースの有効利用が可能になっている。
新グレードの「Field Journey」に設定されたリバーシブルラゲッジボードは、前後2分割が可能で片面にリバーシブル加工が施された。海・山のアウトドアで存分に遊んだあと、防水加工面を上にすれば濡れたものや汚れたものを気兼ねなく積むことが出来る。また、取り外しも出来る水や傷に強いサブトランクなど嬉しい装備が充実している。
その他の装備では、25S/XD「L Package」「Sports Appearance」「Exclusive Mode」には、ハンズフリー機能付きのパワーリフトゲートを装備。バンパー中央下部でキック動作をすれば、その足の動きをセンサーが検知してリフトゲートの開閉が出来る。買い物で両手がふさがっていたり、雨の日に手を濡らしたくない、ポケットから鍵がだしにくい際に便利な機能だ。
CX-5の25S/XD「Sports Appearance」「Exclusive Mode」は、スマートフォンにわずらわしい充電コードを繋がず、トレイに置くだけでワイヤレス充電できるワイヤレスチャージャー(Qi規格対応)が設定された。
充実した予防安全・運転支援機能が標準装備化
CX-5に搭載されるアダプティブ・LED・ヘッドライトは、個別に点灯・消灯するハイビーム用LEDを従来の12分割から20分割とした。照射エリアを細かく制御して、夜間の歩行者や先行車・対向車などの影から出てくる歩行者の認知や、カーブなどの進行方向を見易くしている。
また、車速に応じたハイビームの配光を3パターン、ハンドルに同調させて進行方向を照らす配光を6段階で可変させる。そうすることで夜間の視認性を向上させて、高い遠方照射性でドライバーの危険認知をサポートしている。
重要な予防安全装備連では、ヒューマンエラーによる事故回避・被害軽減装置として、前方のクルマや昼夜の歩行者を検知する「アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(アドバンストSCBS)」、前方のクルマとの衝突危険を検知する「スマート・ブレーキ・サポート(SBS)」、バック時にクルマや障害物を検知する「スマート・シティ・ブレーキ・サポート(SCBS R)」、ペダルの誤操作による急発進を抑制する「AT誤発進抑制制御(前進/後退時)」、また危険の芽「ヒヤリ・ハット」を減らすための、見えない部分の危険察知をサポートする「360°ビュー・モニター+フロントパーキングセンサー」、後方からのクルマの接近を通知する「ブラインド・スポット・モニタリング(BSM)」&「リア・クロス・トラフィック・アラート(RCTA)」、車線からの逸脱を警告する「車線逸脱警報システム(LDWS)」、車線逸脱を制御する/車線に沿った走行をアシストする「レーンキープ・アシスト・システム(LAS)」、少ない視線移動で制限速度が認識できる「交通標識認識システム(TSR)」が標準装備される。
こうした予防安全装備は、性能面や機能面では標準レベル。ただ、他社ではオプションになっているようなBSMやRCTAなどが標準装備されている点が素晴らしい。他社では、オプション選択もしくは選択不可であっても、CX-5なら最初から一定レベルの予防安全装備が、すべてのグレードで標準装備。どのグレードを買っても安心できるのは高評価ポイントだ。
CX-5の25S/XD「Sports Appearance」「Exclusive Mode」には、高速道路での渋滞時にアクセル・ブレーキ・ハンドル操作をアシストする運転支援機能「クルージング&トラフィック・サポート(CTS)」を装備。高速道路を走行中に先行車との車間距離を保っての追従走行や、60km/h以上では走行レーンを認識しレーン逸脱しないようにハンドルをアシスト、ドライバーの疲労を軽減して安心・安全で快適なドライブをサポートする。
「クルージング&トラフィック・サポート(CTS)」は、条件によって適切に作動しない場合もあり、ドライバーの安全運転を前提に事故被害や運転負荷の軽減を目的としている。従って各機能には限界があるため、過信せず安全運転を行う必要がある。
CX-5は、基本的なスタイリングをそのままに、仕様の異なる特化した商品展開でユーザーの購買意欲をそそる。また、小変更のマイナーチェンジで現CX-5ユーザーにも古さを感じさせないのは嬉しいところ。
各社、現在部品供給が遅れて、新車の生産も滞っていると聞いているが、その様な層にも現行と大きく変わらず古さを感じなければ中古車でも、と言う選択肢もあるのではないか。
ただし、安全装置や運転支援機能は新しい方が良いので難しいところではある。
マツダCX-5価格 (2WD/4WD)
・20S Field journey -- / 3,234,000円
・XD Field Journey -- / 3,553,000円
・25S Sports Appearance 3,256,000円 / 3,487,000円
・XD Sports Appearance 3,575,000円 / 3,806,000円
・25S Exclusive Mode 3,525,500円 / 3,756,500円
・XD Exclusive Mode 3,844,500円 / 4,075,500円
マツダCX-5燃費、ボディサイズなどスペック
代表グレード: CX-5 Field Journey
全長 x 全幅 x 全高(mm) 4,575 x 1,845 x 1,690
ホイールベース(mm) 2,700
最低地上高(mm) 210
エンジン型式 SH-VPTS型
エンジン 直4 DOHC16バルブ 直噴ディーゼルターボ
総排気量(cc) 2,188
最高出力(kw[ps]) 147[200]/4,000
最大トルク(Nm[kgm]/rpm) 450[45.9]/2,000
燃料消費率WTLCモード(国土交通省審査値)(km/L) 16.6
駆動方式 4輪駆動(4WD)
最小回転半径(m) 5.5
トランスミッション 6速AT
サスペンション(前:後) マクファーソンストラット:マルチリンク
タイヤサイズ 225/65R17
マツダCX-5 VS スバル フォレスター徹底比較
マツダCX-5動画・新車情報・試乗評価一覧
マツダ車動画・新車情報・試乗評価一覧
SUV動画・新車情報・試乗評価一覧
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