トヨタ クラウン新車情報・購入ガイド トヨタでも国内専用車は生き残れないのか?
CORISM / 2022年7月18日 20時35分
国内専用車として、生き抜くことができなくなったクラウン
![新型トヨタ クラウンクロスオーバー](https://www.corism.com/news/wp-content/uploads/sites/2/2022/07/20220715_01_04-300x169.jpg)
今回のフルモデルチェンジでは、従来のクラウン路線から大きく外れる大変革が行われた。なんと、セダンの代名詞的存在だったクラウンがSUV化したのだ。セダンも用意されているものの、メインはSUVのクロスオーバー。その他、スポーツ、エステートと4つの異なるモデルが用意された。まずは、クロスオーバーから発売が始まり、順次他のモデルが投入される予定だ。
やはり、気になるのは、なぜ、クラウンはSUV化したのか? ということになる。乱暴な言い方をすれば「売れなくなったから」だ。
とくに、クラウンの場合、ほぼ国内専用車。しかも、クラウンには、レクサスLSなども使う高コストなFR(後輪駆動)用プラットフォーム(車台)であるGA-Lが使われている。
多くの歴代クラウンは、日本人が日本人のために考え抜いたベストなセダンとしてデビュー。それが、高く評価され売れ続けてきた。しかし、15代目クラウンの2021年度新車販売台数は、約2万台。この規模では、もう国内専用車として維持できないレベルになったと推測できる。
15代目クラウン以前から、ジワジワとクラウンの販売台数減は進行していたが、ある意味、2020年に行ったトヨタディーラー全店全車種扱いという戦略が、クラウンSUV化への引き金になっている。
従来、クラウンを扱うチャネルの営業力で、クラウンからクラウンの代替が維持され一定の販売台数を保ってきた。
しかし、全車種扱いになったことで、クラウン顧客がアルファードやハリアーなど、高級ミニバンやSUVなどに流出。既納客は減ることは無いが、売れるクルマと売れないクルマの格差が分かりやすく出るようになったのだ。
クラウンユーザーであっても、SUVやミニバンに乗りたいというニーズが潜在的にあったということになる。こうなると、セダンであるクラウンの未来は明るくない。モデルチェンジを長期化させて、コストを抑える方法もあったかもしれないが、それは延命処置のようなもの。クラウンが再び輝きを取り戻すための戦略ではない。
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![新型トヨタ クラウンスポーツ](https://www.corism.com/news/wp-content/uploads/sites/2/2022/07/20220715_01_06.jpg)
![新型トヨタ クラウンセダン](https://www.corism.com/news/wp-content/uploads/sites/2/2022/07/20220715_01_12.jpg)
![新型トヨタ クラウンエステート](https://www.corism.com/news/wp-content/uploads/sites/2/2022/07/20220715_01_17.jpg)
クラウンがSUVになったのではなく、新型SUVがクラウンと名付けられた?
![新型トヨタ クラウンクロスオーバー](https://www.corism.com/news/wp-content/uploads/sites/2/2022/07/20220715_01_39-300x169.jpg)
まず、新型車の開発は、少なくとも3~4年はかかるとされている。4年前だと、まさに15代目クラウンがデビューした直後。そのタイミングで、セダンに見切りをつけ、急遽クラウンクロスオーバーの開発が始まったとは考えにくい。
恐らく、すでに開発中だったトヨタブランドの新型上級グローバルSUVをクラウンと呼ぶようにしたのでは? と、予想した。
まぁ、新型クラウンクロスオーバーの生い立ちはどうであれ、しっかりとセダンもラインアップしたのは、いかにもトヨタらしい。従来のクラウン顧客で、セダンを望む人も多いはず。そうしたニーズにもしっかり寄り添うことができるのは、トヨタくらいだろう。クロスオーバーだけでなく、計4タイプを用意したのもニーズの多様化に合わせたもの。だからこそ、トヨタは強い。
FF系GA-Kプラットフォームをベースに、進化型2.5Lハイブリッドを搭載
新型クラウンクロスオーバーは、従来のFR(後輪駆動)からFF(前輪駆動)ベースの4WDへ変更されている。トヨタは新開発としているプラットフォームは、ハリアーやRAV4、カムリなどに採用されているGA-Kを新型クラウンクロスオーバー用に改良を施したものとなる。
搭載されたパワーユニットは2つ。全車後輪をモーター駆動する4WDのE-Fourのみの設定だ。
新型クラウンクロスオーバーG系グレードには、ハリアーなどに採用されている2.5Lハイブリッドシステムを使う。ただし、バッテリーはリチウムイオから、アクアにも採用された新開発のバイポーラ型ニッケル水素へ変更された。
この2.5Lハイブリッドシステムは、1,750~1,790㎏とやや重い車重ながら、22.4㎞/L(WLTCモード)という非常に優れた燃費値を叩き出した。ハリアーの車重は、1,680~1,750㎏とやや新型クラウンクロスオーバーより軽いのに、燃費は21.6㎞/L(WLTCモード)。2.5Lハイブリッドシステムも進化したタイプが搭載されている。
![新型トヨタ クラウンクロスオーバー](https://www.corism.com/news/wp-content/uploads/sites/2/2022/07/20220715_01_38.jpg)
激速!? 燃費より走行性能を重視した2.4L デュアルブーストハイブリッドシステム
そして、2.4L デュアルブーストハイブリッドシステムと呼ばれる新たなハイブリッドシステムも投入された。
この2.4L デュアルブーストハイブリッドシステムは、走行性能重視のハイブリッドシステムのようだ。エンジンは、レクサスNXにも搭載されている直2.4LターボのT24A-FTS型。このエンジンに、82.9ps&292Nmを発揮するモーターが組み合わされる。複雑な動力分割機能をもち超低燃費を実現しているTHSⅡとは異なり、なんとシンプルな1モーター2クラッチ式のハイブリッドシステムで、6速ATと組み合わされた。
ターボエンジンとモーターの組み合わせは、とても相性がよい。ターボエンジンは、わずかだがターボラグがある。アクセル操作に対して、一瞬無反応状態部分をモーターが瞬時にアシストしてくれるので、アクセルレスポンにも優れ気持ち良い走りが可能だ。また、6速ATによりダイレクト感あるフィールも楽しめる。
さらに、後輪側には80.2ps&169Nmという大出力をもつモーターを装着。E-Fourの中でも力強いハリアーのリヤモーターが54ps&121Nmなので、いかに新型クラウンクロスオーバーのリヤモーターがパワフルか分かる。
また、前後のトルク配分は100:0~20:80の間で制御。最適なトラクションを得ることが可能。同時に、4輪のトラクションをコントロールできるため、より安定したハンドリグも可能となっている。
2.4L デュアルブーストハイブリッドシステムは、走行性能重視ということもあり、15.7㎞/L(WLTCモード)と2.5Lハイブリッドとは、大きな差がついている。燃費というより、走りを重視したハイブリッドシステムであることが分かる。
![新型トヨタ クラウンクロスオーバー](https://www.corism.com/news/wp-content/uploads/sites/2/2022/07/20220715_01_32.jpg)
完全に従来のクラウンと決別したデザイン
![新型トヨタ クラウンクロスオーバー](https://www.corism.com/news/wp-content/uploads/sites/2/2022/07/20220715_01_25-300x169.jpg)
フロントフェイスは、左右のヘッドライトが一直線につながるような水平基調の薄い顔となった。大きな顔と迫力あるフェイスデザインだった従来のクラウンとまったく異なるアプローチでデザインされている。スピード感あるスポーティなフェイスデザインだ。リヤビューは、最近のデザイントレンドである一文字のコンビネーションランプでワイド感と個性を表現している。
インテリアは、SUV的なデザイン要素はあまり感じない。滑らかでスッキリとした印象で、ラグジュアリーセダン的でもある。高級車に相応しい大人の空間になった。センターコンソールには、12.3型の大型モニターが設置されている。
また、室内空間は、FF系プラットフォームが採用されたこともあり、余裕ある空間となった。後席足元のスペースは、より広く感じる。
![新型トヨタ クラウンクロスオーバー](https://www.corism.com/news/wp-content/uploads/sites/2/2022/07/20220715_01_24.jpg)
国産車トップレベルの予防安全装備をもつ新型クラウンクロスオーバー
運転支援機能では、高速道路などを約40㎞/h以下での走行している渋滞時にハンズオフが可能となる全車速追従式クルーズコントロールアドバンストドライブが用意された。
また、重要な自動ブレーキ関連では、昼夜の歩行者と自転車、昼間の自動二輪が検知できる最新の予防安全装備パッケージ「トヨタセーフティセンス」を装備。右左折時の歩行者、右折時対向車などにも対応。
横断歩行者を発見すると自動減速、路肩の歩行者などとの距離が近い場合、距離を取るようにステアリング操作をアシストするなど、多機能な運転支援システムであるPDA(プロアクティブドライビングアシスト)も装備されている。一部機能はオプションだったりするが、すべてを装備すれば、国内トップレベルの予防安全性能を誇る。
新型トヨタ クラウンクロスオーバーのお勧めグレード、選び方
新型クラウンクロスオーバーの場合、パワーユニットが2つある。燃費や価格を重視するのであれば、2.5Lハイブリッドを搭載したG系グレードを選択するとよい。多くの人の場合、G系グレードで十分満足できるレベルにある。
2.4L デュアルブーストハイブリッドシステムを搭載するRS系は、非常にパワフルでスポーティな走りが可能だ。ただし、燃費というより走りを重視したハイブリッドシステムなので、燃費は期待できない。また、かなり高価な価格設定だ。そのため、走行性能を何より重視するマニアックな人向けのモデルといえる。
お勧めグレードは、G“Advanced・Leather Package”だ。新型クラウンクロスオーバーは、高級車であることを考えると、やはりレザーシートはぜひとも欲しいアイテム。また、シートヒーターやステアリングヒーター、シートベンチレーションなど快適な装備も標準装備。さらに、パーキングサポートブレーキ、パノラミックビューモニターなど、運転支援機能も充実している。レザーシートやシートベンチレーションなどが必要ないというのであればG“Advanced” がお勧めだ。
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トヨタ クラウンクロスオーバー価格
■2.4Lターボ、デュアルブーストハイブリッド(E-Four Advanced)
・CROSSOVER RS 6,050,000円
・CROSSOVER RS“Advanced” 6,400,000円
■2.5Lハイブリッド(E-Four)
・CROSSOVER G 4,750,000円
・CROSSOVER G“Advanced・Leather Package” 5,700,000円
・CROSSOVER G“Advanced” 5,100,000円
・CROSSOVER G“Leather Package” 5,400,000円
・CROSSOVER X 4,350,000円
トヨタ クラウンクロスオーバー燃費、ボディサイズなどスペック
代表グレード: CROSSOVER RS“Advanced”
ボディサイズ[mm]: 4,930×1,840×1,540
ホイールベース[mm]: 2,850
最低地上高[mm]: 145
最小回転半径[m]: 5.4
車両重量[kg]: 1,920
総排気量[cc]: 2,393
エンジン種類:T24A-FTS型 直4 DOHCターボ
エンジン最高出力[kW(ps)/rpm]:200(272)/6,000
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm]: 460〈46.9〉/2,000-3,000
フロントモーター最高出力[kw(ps)]: 61(82.9)
フロントモーター最大トルク[N・m(kg-m)]:292(29.8)
リヤモーター最高出力[kw(ps)]: 59(80.2)
リヤモーター最大トルク[N・m(kg-m)]:169(17.2)
ミッション: 6速AT
WLTCモード燃費[km/l]: 15.7km/l
バッテリー 種類:ニッケル水素
サスペンション前/後:ストラット/マルチリンク
タイヤサイズ:225/45R21
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