レクサスRZ450e新車情報・購入ガイド 新たな挑戦!? 新機軸となる「スピンドルボディ」
CORISM / 2023年3月31日 12時12分
「スピンドルボディ」ってなんだ?
レクサスは、BEV(バッテリーEV)のSUVである新型レクサスRZ450eの発売を開始した。最初に発売される500台は、発売を記念した特別仕様車 RZ450e“First Edition” となる。また、発売直後のモデルは、すべてAWD(4輪駆動)だ。
レクサスは、2019年に発表した電動化ビジョン「Lexus Electrified」に基づき、HEV(ハイブリッド車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)などの電動車の普及を通じ、多様なお客様や市場のニーズに寄り添いながら、カーボンニュートラル社会の実現を目指している。
新型レクサスRZ450eのデザインコンセプトは「Seamless E-Motion」。BEVならではのシームレスな加速感とトルクフルな躍動感を表現した。
新型レクサスRZ450eのデザインでは、BEVらしさにもこだわった。BEVは、内燃機関のように冷却用構造を必要としない。そのため、内燃機関車に必要なグリルがいらなくなる。そのため、レクサスRZ450eでは、スピンドルをグラフィックでは無く、立体の塊で表現した「スピンドルボディ」という新たな表現へと進化させている。
中央のスピンドルボディの両側を設計や生産技術との取組みで実現した立体的なフロントフェンダー、フロントバンパーのスピンドルボディを強調する造形や配色でレクサスのBEVらしさを強くアピールしている。
サイドビューは、なかなかスタイリッシュ。大きく傾斜したAピラー、小さなウインドウ、滑らかに傾斜するCピラーなど、まるでクーペのような流麗さをもつルーフラインが特徴。
また、レクサス車っぽい強い面の張りと複雑な線が絶妙に組み合わされ、独特な存在感を放つ。
そして、リヤビュー。最新SUVデザインのトレンドともいえる横一文字のリヤコンビネーションランプを装備。細身のデザインとし、スポーティさをアピールする。
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お・も・て・な・し、な室内空間
インテリアは、クリーンで開放的なおもてなし空間とした。インパネは水平基調でワイド感を表現。新たなコックピットデザインの考え方「Tazuna Concept」に基づきデザインされた。
人が馬を操る際に使う「手綱」に着想を得て、ステアリングスイッチとヘッドアップディスプレイを高度に連携。視線移動や煩雑なスイッチ操作をすることなく、運転に集中しながらナビゲーションやオーディオ、ドライブモードセレクトなど、各種機能の制御が可能な空間を実現した。
また、センターコンソールには、レクサス初となるダイヤルタイプのシフトノブを設置。スッキリとした印象のセンターコンソールになっている。ディスプレイは、14インチの大型タッチ式だ。
さらに、世界初となる陰影イルミネーションを用意。ドアの開閉時に、ドアトリムオーナメントに投影された光の陰影が変化し、高級車らしい特別な室内空間仕上げている。
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GA-Kをベースとして開発されたプラットフォーム「e-TNGA」
そして、新型レクサスRZ450eのプラットフォームは、レクサス初となるBEV専用プラットフォーム「e-TNGA」を採用。専用プラットフォーム「e-TNGA」は、レクサスRXやNX、トヨタRAV4、ハリアーなどに使われているFFベースのGA-KプラットフォームをベースとしてBEV用に開発されたもの。
そのため、内燃機関が無いBEVである新型RZ450eのボンネットを開けると、かなりスカスカな印象。このスペースを室内スペースに充てるなどすれば、さらに広い室内になるなど、少々非効率な部分も垣間見える。このあたりが、純BEV専用プラットフォームとは異なる部分だ。
また、ラジエーターサポート部の補強とV字状のブレースを追加することでボディを強化。タワーバーとフェンダーブレースはステアリングの応答性を、ロアバック部の補強はリヤの追従性をそれぞれ向上させている。フロント、リヤに「パフォーマンスダンパー」を設定。ボディの無駄な振動や動きなどを軽減し、よりダイレクトな応答性を得た。
そして、リヤのラゲージ開口部では、変形を抑えるために、二重環状構造を採用。高剛性発泡剤を取り入れることで歪みにくい構造とした。
また、BEVでは重要な航続距離を伸ばすために、フロント/センターピラー、フロントレールへ1.8GPa材と1.5GPa材を重ね合わせたパッチワーク工法を採用。ルーフセンターリインフォースメントへの1,470MPaの引っ張り強さを持つ冷間圧延鋼板、フードへの軽量アルミ、ドアモールディング/ホイールアーチモールディング/バックドアガーニッシュへ発泡樹脂成型を採用するなど、徹底した軽量化も行った。
サスペンションは、フロントにストラット式、リヤにはトレーリングアーム式ダブルウィッシュボーンを採用。路面入力の周波数に応じて伸び側ストロークの減衰力を変化させ、乗り心地を損なうことなく高い操縦安定性を提供する周波数感応アブソーバーFRD(Frequency Reactive Damper)Ⅱをレクサス初採用。ばね上の動きの緻密なコントロールなどを通じて、Lexus Driving Signatureの体現に寄与している。
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既存のモーターを上手く使いRZ450eらしさをアピール
新型レクサスRZ450eに搭載されるモーターは以下の通り。
フロント:150kW[204ps]&266N m[27.1㎏f ・m]
リ ヤ: 80kW[109ps]&169N m[17.2㎏f ・m]
システム出力:230kW[313ps]&435Nm
新型レクサスRZ450eのシステム出力は、313ps&450Nm十分なもの。トヨタブランドのBEV、bZ4XのFF車用モーターをフロントに搭載。リヤはAWD用のモーターを1つ使っているた計313psになる。bZ4Xの4WDは、前後とも109psのモーターを使っているので計218ps。基本的に同じプラットフォーム、モーターを使っていながら、組み合わせを微妙に変え差別化している。
ただ、欧州プレミアムブランド系4WDのBEVでは、リヤのモーター出力が大きい傾向にある。さらに、コンパクト系BEVでも、フォルクスワーゲンID.4やボルボXC40なども後輪駆動を選択。これは、やはり走りの質を追求した結果だ。
前輪駆動ベースの新型RZ450eが、こうした欧州系モデルと走りの質で、どれだけ独自性をアピールできるのか注目したい部分でもある。
新型レクサスRZ450eのリヤモーターは、bZ4XだけでなくレクサスRX500hやクラウンクロスオーバーRSと同じ1YM型のモーターを使用。色々な車種と共通化することで、上手くコストダウンしている。
そして、新型レクサスRZ450eの気になる航続距離は、494㎞(WLTCモード)となった。これだけの航続距離があれば、ほぼ充電に困ることはないだろう。
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トルク配分を自由自裁にコントロールする4WDシステム「DIRECT4」
新型レクサスRZ450eは、走りのコンセプトを“The Natural”とした。運転状況や路面の状態に応じて前後の駆動力をコントロールする4輪駆動力システム「DIRECT4」をベースにドライバーの意図に沿った気持ちの良い走りを実現。
「DIRECT4」の駆動力は、走行状況に合わせ前輪:後輪=100:0~0:100の間で最適制御。発進時、直進加速時は、車両のピッチングを抑え、ダイレクトな加速感が得られるように、前輪:後輪= 60:40~40:60程度で制御する。カーブでは、ステアリングの切り始めにはフロント寄りの駆動力配分(75:25~50:50)、コーナー脱出時はリヤ寄りの駆動力配分(50:50~20:80)とし、俊敏にクルマが曲がる気持ちのよい旋回フィーリングを実現した。
また、システムの最大効率で前後駆動力配分をコントロールするなど、消費電力を抑制するRangeモードをレクサス初採用した。
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国内トップレベルの最新予防安全装備パッケージ「レクサスセーフティシステム+」搭載
そして、自動ブレーキを含む重要な予防安全装備である「レクサスセーフシステム+」の最新バージョンを搭載。自動ブレーキは、昼夜の歩行者と自転車、昼間の自動二輪車を検知。さらに、右左折時の歩行者と自転車を検知。右折時の対向車両も検知する。こうした検知レベルは、国産車トップレベル。その他の機能も充実している。
また、運転支援機能である「アドバンストドライブ(渋滞時支援)」では、自動車専用道路での運転において、渋滞時(0km/h~約40km/h)レーダークルーズコントロール及びレーントレーシングアシストの作動中など、一定の条件をクリアすると、ハンズオフが可能になる。渋滞時の疲労軽減に大きく貢献する。
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新型レクサスRZ450eの失敗・後悔しないグレード選び。しばらくは選択肢無し!?
さて、新型レクサスRZ450eのグレード選び。今回設定されたのは「First Edition」と「Version L」のみ。2WDの設定は無く、全車4WDだ。コロナ禍における半導体や部品不足もあり、かなり絞られたグレード設定だ。しかも、最初の500台は「First Edition」だというので、しばらくの間は「First Edition」しか買えないという状況になる。
新型レクサスRZ450e特別仕様車“First Edition”特別装備は以下の通り。
・“First Edition”専用ボディカラー(専用ソニックカッパー&ブラック。 または専用イーサーメタリック&ブラック)
・特別仕様車専用ブラック塗装アルミホイール(フロント:235/50R20 104Vタイヤ&8Jアルミホイール。リヤ:255/45R20 105Wタイヤ&9 1/2Jアルミホイール)
・特別仕様車専用印字付きステアリングホイール
・特別仕様車専用プレート(センターコンソール部)
・特別仕様車専用インテリアカラー(オラージュ&ブラック)
「First Edition」と「Version L」の価格差は、60万円。上記の特別仕様で60万円アップというのは、なかなか微妙な設定。こうした装備に興味がなければ、「Version L」をお勧めしたい。お勧めオプションは、パノラマルーフとマークレビンソンプレミアムサラウンドシステムだ。これらのオプションは、リセールバリューがアップする可能性が高いアイテムになるだろう。
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今後のリセールバリューが気になる新型レクサスRZ450e
さて、同じBEVであるトヨタbZ4Xは、リセールバリューを下げないためにKINTOによるリース販売に限られていた。しかし、新型レクサスRZ450eでは通常販売される。
レクサスブランドは、かなり強力で非常に高いリセールバリューを誇る。しかし、輸入BEVは、総じてやや低めのリセールバリューとなっていることから、RZ450eのリセールバリュー維持のためにレクサスがどんな施策を打ち出すかにも注目だ。
こうしたBEVユーザーの不安を払しょくするプログラムとして「LEXUS Electrified Program」(LEP)を開始。まずは、全国183店舖のレクサス販売店に50kW以上の急速充電器を設置予定。さらに、レクサスオリジナル普通充電器本体+設置工事(基本工事部分)を無償で提供。その他のプログラムを含め、BEV普及のアシストをしている。
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![新型レクサスRZ450e](https://www.corism.com/news/wp-content/uploads/sites/2/2023/03/R25.jpg)
レクサスRZ450e価格
・RZ450e“Version L” AWD 8,800,000円
・RZ450e“First Edition” AWD 9,400,000円
レクサスRZ450e航続距離、ボディサイズなどスペック
代表グレード:レクサスRZ450e Version L
ボディサイズ[mm]: 4,805×1,895×1,635
ホイールベース[mm]: 2,850
最低地上高[mm]: 145
最小回転半径[m]: 5.6
車両重量[kg]: 2,100
フロントモーター最高出力[kw(ps)]: 150(203.9)
フロントモーター最大トルク[N・m(kg-m)]:266(27.1)
リヤモーター最高出力[kw(ps)]: 80(109)
リヤモーター最大トルク[N・m(kg-m)]:169(172)
駆動方式:AWD
一充電走行距離WLTCモード[km]: 494
交流電力量消費率(電費)[Wh/km] 147 (約6.9㎞/kWh)
バッテリー 種類:リチウムイオン
総容量[kWh] 71.4
サスペンション前/後:ストラット/ダブルウィッシュボーン
タイヤサイズ前:後:235/50R20:255/45R20
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