40系トヨタ アルファード/ヴェルファイア新車情報・購入ガイド 天下無双ミニバン誕生!
CORISM / 2023年6月24日 16時17分
社内からの反対でヴェルファイア存続!? そんなに、トヨタは甘くない?
トヨタは、Lクラスミニバンであるアルファードとヴェルファイアをフルモデルチェンジし発売を開始した。今回のフルモデルチェンジで40系となった新型アルファードは4代目、新型ヴェルファイアは3代目となった。
30系トヨタ アルファードとヴェルファイアは、販売台数差でアルファードが圧勝するという異常事態になった。2020年度の販売台数は、アルファードが10.7万台に対して、ヴェルファイアは約1.5万台しか売れなかったのだ。こうした状況だったこともあり、ヴェルファイアは30系を最後に姿を消すとされていた。ところが、社内から「愛されてきたアイコンを捨てるなんて、本気か?」と、猛反対が起きて継続されたと、執行役員 デザイン領域領域長であるサイモン・ハンフリーズ氏は語っている。
だが、FR(後輪駆動)セダンの代名詞であったクラウンを販売不振のためFF(前輪駆動)のSUV化したトヨタ。そのトヨタが、単に社内からの反対があったからといって、ヴェルファイアを単純に継続させるというのは、非常に考えにくい。ヴェルファイアを残す理由は、もっと戦略的なものだろう。
このLクラスミニバンは、もはやアルファード&ヴェルファイアの寡占マーケット。そのため、アルファードのみでも十分といえるのだが、あえてヴェルファイアを残すことで、ユーザーニーズの多様化に対応。マーケット全体のボリュームを増やす目的もあると予想できる。
より個性を明確に分けた新型40系アルファード&ヴェルファイア
従来のアルファード&ヴェルファイアの関係は、フロントやリヤデザインが少し異なること以外、ほぼ同じクルマだった。今回の40系アルファード&ヴェルファイアでは、デザイン以外にそれぞれに異なる個別のキャラクターが与えれている。このことからも、ヴェルファイア継続の戦略性を感じる。
新型40系トヨタ アルファード&ヴェルファイアのデザインを除くキャラの違いは以下の通りだ。
・40系アルファードは、2.5Lガソリンのみ。40系ヴェルファイアは、新設定の2.4Lターボのみ。2.5Lハイブリッドのみ共通。
・40系ヴェルファイアのみ、走行性能を高めるフロントパフォーマンスブレースを装備。
このように、若干、ヴェルファイアは走行性能重視の設定となった。
迫力一辺倒からの脱却
40系新型トヨタ アルファード&ヴェルファイアのボディサイズは、一般的な機械式駐車場の制限サイズ(全長5,000mm×全幅1,850mm以下)を維持。全長は4,995mm(+45mm)となった以外、30系アルファード&ヴェルファイアと同等となっている。
そして、注目のデザインは、40系アルファード&ヴェルファイア共に、とてもエレガントなスタイルへと変貌を遂げた。とくに、魅力的なのがボディサイドのデザイン。従来モデルのボディサイドは、平板的なデザインでやや味気ないものだった。そのため、新型40系アルファード&ヴェルファイアでは、滑らかな凹凸のある面で構成。面の張りも強く、Lクラスミニバンらしい力強さを感じる。従来モデルは、フロントフェイスの押し出し感にのみこだわった印象が強かった。しかし、新型40系アルファード&ヴェルファイアはボディ全体に塊感をもたせ優雅な面構成が魅力のエレガントなシルエットになっている。
新型40系アルファード&ヴェルファイアのデザインキーワードは、「Forceful×IMPACT LUXURY」。闘牛が躍動しているかのようなモチーフのデザインとした。真横から見ると、フロント部分はボンネット先端部が最前部になっているように見える逆スラントノーズとなっている。
フロントフェイスのデザインは、ほぼグルリといった印象。ヘッドライトは、アルファード&ヴェルファイア共通で、グリルとバンパー形状が異なる。アルファードは、メッキとブラック部分のコントラストで豪華さを演出。その他、各部にメッキパーツが取り入れられている。
そして、ヴェルファイアは、バー形状のグリルを装備。黒色の「漆黒メッキ」を採用し、迫力とスポーティさを演出。また、ウインドウ周りやボトム部の加飾メッキは、輝度を抑えたスモーク系のタイプとして、より塊感をアピールしている。
インパネは、シンプルながらラグジュアリーなデザインとなった。滑らかに湾曲するダッシュボードが包まれ感を演出。従来モデルと比べると、大幅に質感もアップしている。
メーターは、12.3インチ+マルチインフォメーションディスプレイ。センターコンソール上部には、超大型の14インチディスプレイオーディオが装備されている。
新型40系アルファード&ヴェルファイア室内の広さは、従来モデルとほぼ同等レベルを維持。運転席と2列目シートおよび3列目シートとの距離は、従来型比でそれぞれ5mm/10mm広い前後席間距離を確保した。
ショーファーカーとして価値は「おもてなし」?
新型40系アルファード&ヴェルファイアは、「おもてなし」の思想にもとづいた装備類が用意された。グレードやオプションにより、装備は大きく異なる。最上級グレードのエクゼクティブラウンジでは、ショーファーカーとしての役割を持つため、とにかく贅沢な空間となっている。
ルーフには、トヨタ初となるスーパーロングオーバーヘッドコンソールを装備。機能性・収納性を両立するスマートな装備だ。
スーパーロングオーバーヘッドコンソールは、これまで天井各所に点在していた照明や各種スイッチ類、エアコン吹出し口などの機能を車両センターに集約。後席のどこにいても扱いやすい操作性を実現している。そして、リヤには14インチリヤシートエンターテインメントシステムを用意した。
また、新型40系アルファード&ヴェルファイアのハイブリッド車には、AC100V・1500W/非常時給電システム付が標準装備された。この機能は、ハイブリッド用のバッテリーから給電。コンセントにプラグを差せば、1500Wまでの家電製品を使えるようになる。ハイブリッド車は、ガソリンを使い発電できるので、災害での停電時などでは電源車としての役割も果たしてくれる。もちろん、車内で使うPCやゲームの充電、アウトドアでの家電製品の使用などにも使える便利な機能だ。
振動3分の1、ボディ剛性50%アップ! 高級セダン並みの乗り心地を目指した
先代アルファード&ヴェルファイアで人気を博したエクゼクティブラウンジは、ショーファーカーとして価値を定着させた。しかし、先代アルファード&ヴェルファイアでは、ショーファーカーといえるほどのレベルには達していなかった。
そこで、新型40系アルファード&ヴェルファイアでは、プラットフォームを刷新。乗員に伝わる振動・騒音の低減に徹底して取り組み、本物のショーファーカーを目指した。
プラットフォーム(車台)は、クラウンクロスオーバーなどにも採用されているGA-Kをミニバン用に改良。さらに、ロッカーをストレート構造とし、車体底部の後方にV字型ブレースを設置。車両剛性を従来型比約50%もアップしている。
構造用接着剤は、乗員足元付近には高減衰タイプ、車両後方のねじれ等が生じやすい箇所付近には高剛性タイプと、それぞれ最適化された構造用接着剤を使用。ボディの変形を効果的に抑制し、優れた操縦安定性と乗り心地を実現している。サスペンションは、周波数感応型ショックアブソーバーを採用。これらにより、人が不快に感じる振動を従来モデルより3分の1まで減らしている。
そして、ヴェルファイアは、よりスポーティな走りを与えるために、ラジエターサポートとサイドメンバーを繋ぐ専用ボディ剛性部品を追加。走り出しから車両がしっかり動く応答性の良さを実現した。
まだ、純ガソリンエンジンが必要?
新型40系アルファード&ヴェルファイアの搭載エンジンは、アルファードとヴェルファイアで異なる。共通しているのは、2.5Lハイブリッドのみだ。この2.5Lハイブリッドは、最新のハイブリッドシステムを搭載。システム最高出力は 184kW(250ps)となった。先代30系アルファード&ヴェルファイアのシステム最高出力は197psだったので、イッキに53psをパワーアップしている。
これに対して、40系アルファード エグゼクティブラウンジ(E-Four)の車重は2,290㎏。30系アルファードエグゼクティブラウンジ2,240㎏なので+50㎏程度の重量増に抑えられている。そのため、40系アルファード&ヴェルファイアのハイブリッド車は、30系に比べるとかなりパワフルに感じるだろう。
そして、驚きなのが燃費。新型40系アルファード&ヴェルファイアハイブリッド車の燃費は、エグゼクティブラウンジ(E-Four)で16.5㎞/L(WLTCモード)となった。30系アルファード&ヴェルファイアが14.8㎞/L(WLTCモード)だったので、約12%も向上した。大幅パワーアップと大幅燃費アップを同時に達成。もはや、トヨタのハイブリッド技術は、無敵状態といえる。
トヨタは、カーボンニュートラルに全力で取り組むとアピールしている。ならば、高級ミニバンである新型40系アルファード&ヴェルファイアは、ハイブリッド車ののみの設定にすべきなのだが、今回もしっかりと純ガソリン車が用意されている。もちろん、純ガソリン車は、エコカー減税対象外だ。経済産業省は、2035年までに乗用車の新車販売を電動車100%にするという目標を掲げているだけに、環境問題を考えると、少々、微妙な設定だ。
ヴェルファイアのみに、パワフルな2.4Lターボエンジンを設定
40系新型アルファードにのみ搭載されている純ガソリンエンジンは、直4 2.5L。最高出力は182ps、最大トルクは235Nmと十分なスペック。このエンジンとCVTは、先代アルファードと同じ。ここは、しっかりとコストダウンが図られている。
40系新型ヴェルファイア専用となったエンジンは、直4 2.4Lターボ。最高出力は279ps、最大トルクは430Nmと非常にパワフル。先代のV6 3.5Lの代わりとなるエンジンだ。レクサスNX350に搭載されているエンジンと同じだ。このエンジンは、なかなかスムース&パワフルで気持ちの良いフィーリングがウリ。高級ミニバンに相応しいエンジンだ。燃費は10.3㎞/L(FF、WLTCモード)とまずまずだ。
世界トップレベルの予防安全装備「トヨタセーフティセンス」を搭載
そして、30系アルファード&ヴェルファイアは、大きなボディサイズながら、自動ブレーキなどを含む予防安全装備が物足りない状態だった。しかし、他のモデルと同様、今回のフルモデルチェンジでイッキに進化。予防安全装備パッケージである「トヨタセーフティセンス」の自動ブレーキ検知能力は、世界トップレベル。昼夜の歩行者と自転車、昼間の自動二輪を検知。さらに、右左折時の対向歩行者と自転車、右折時の対向車両なども検知する。事故の多い交差点内で、高い安全性を誇る。
また、簡易型自動運転と感じさせるPDA(プロアクティブドライビングアシスト)も装備。歩行者や自転車、駐車車両に対して近付きしないようにステアリング・ブレーキ操作をサポート。アクセルオフ時には、先行車との車間を十分に保つように減速支援も行う。信号で停止時などでは、アクセルさえオフであれば、停止直前まで減速支援してくれるので、アクセルとブレーキの踏みかえ回数が大幅に減り疲労軽減に役立つ。停止時には、ブレーキ操作が必要だ。
その他、自動車専用道路で、渋滞時(0km/h〜約40km/h)にレーダークルーズコントロール及びレーントレーシングアシスト作動中にドライバーが前を向いているなど一定の条件を満たすとシステムが作動。システムが作動すると、ハンズオフが可能になるアドバンスト ドライブ(渋滞時支援)機能も用意されている。
非常に高いレベルの予防安全装備と運転支援機能をもつ新型40系アルファード&ヴェルファイアだが、アルファードに関しては一部の機能がオプションになっている。より安全性を重視するのであれば、購入時にしっかりと確認してオプション選択する必要がある。
40系新型トヨタ アルファード&ヴェルファイアの失敗・後悔しないためのグレード選び
40系新型40系アルファード&ヴェルファイアのグレード選びは、まずパワーユニットの選択が重要だ。経済産業省は、2035年までに乗用車の新車販売を電動車100%にするという目標を掲げているだけに、これからクルマを購入するのであれば、やはり2.5Lハイブリッド車がお勧めだ。また、2.5Lハイブリッドなら、アルファード&ヴェルファイア共に共通のグレード設定なので選びやすい。
2.5Lハイブリッド車でも、アルファード&ヴェルファイア共に若干装備が異なる。ヴェルファイアの方が、スポーティでやや豪華仕様といった印象。アルファードZ系に無く、ヴェルファイアZ系にある装備は、19インチホイール、左右独立ムーンルーフ、緊急時操舵支援(アクティブ操舵機能付)+フロントクロストラフィックアラート[FCTA]+レーンチェンジアシスト[LCA]、アドバンスト パーク+パーキングサポートブレーキ(周囲静止物)、アドバンスト ドライブ(渋滞時支援)、カラーヘッドアップディスプレイなどと、意外と大きな差になっている。価格差も70万円と大きい。こうした装備は、アルファードでは、ほぼオプションで選択可能だ。豪華装備でスポーティな走りを望むならヴェルファイアZ系。予算を抑えながら、必要な装備を自ら選びたいならアルファードZ系となる。
エグゼクティブラウンジもアルファードとヴェルファイアで若干装備が異なる。こちらもややヴェルファイアがより豪華でスポーティ仕様。アルファードは、乗り心地重視系といった印象になる。
タイヤ&ホイールは、アルファードが17インチなのに対して、ヴェルファイアは19インチとなる。
カーボンニュートラル時代であることや、ガソリン価格高騰高止まり状態ということもあり、やはりこれからはハイブリッド人気はさらに加速すると思われる。そうなると、リセールバリューもハイブリッド車はより高くなると予想できる。こうした状況を考えると、なかなかガソリン車は選びにくい。
それでも、ガソリン車というのであれば、パワフルさ重視なら2.4Lターボエンジンを搭載したヴェルファイアだ。ただし、ハイオク仕様なので燃料費はより高額になる。
アルファードの2.5Lエンジンは、価格重視という人向け。ヴェルファイアの2.4Lターボ車と比べると、装備も大きく異なり価格差は115万円になる。
お勧めはヴェルファイアハイブリッド? どうなる? リセールバリュー
総合的にみて、お勧めは装備が充実したヴェルファイア ハイブリッドZ Premierだ。エグゼクティブラウンジは、もはやショーファーカーレベルなので、一般向ユーザー向けとは言い難い。
ただ、少し不安要素もある。30系アルファード&ヴェルファイアでは、圧倒的にアルファードが人気だった。そのため、リセールバリューもヴェルファイアよりアルファードの方が高いという状況が続いている。新型40系ヴェルファイアの人気が高くなれば心配はないのだが、再びアルファードに大敗を喫することになると、ヴェルファイアのリセールバリューはアルファードより安価のままとなる。乗り潰してしまうのであれば、まったく問題が無いが、短・中期での乗換え考えているのであれば、アルファードの方が無難かもしれない。
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トヨタ アルファード(40系)価格
<2.5Lガソリン>
・アルファードZ FF 5,400,000円/4WD 5,598,000円
<2.5Lハイブリッド>
・アルファードZ FF 6,200,000円/E-Four 6,420,000円
・アルファード エグゼクティブラウンジ FF 8,500,000円/E-Four 8,720,000円
トヨタ ヴェルファイア(40系)価格
<2.4Lガソリンターボ>
・ヴェルファイアZ Premier FF 6,550,000円/4WD 6,748,000円
<2.5Lハイブリッド>
・ヴェルファイアZ Premier FF 6,900,000円/E-Four 7,120,000円
・ヴェルファイア エグゼクティブラウンジ FF 8,700,000円/E-Four 8,920,000円
新型トヨタ アルファード、ヴェルファイア燃費、ボディサイドなどスペック
代表グレード アルファード エグゼクティブラウンジE-Four
全長×全幅×全高 mm 4,995×1,850×1,935
ホイールベース mm 3,000
トレッド(前/後) mm 1,600/1,605
最低地上高 mm 150
車両重量 kg 2,290
エンジン型式 A25A-FXS
エンジンタイプ 直列4気筒DOHC16バルブ
総排気量 ㏄ 2,487
エンジン最高出力 kW(ps)/rpm 140(190)/6,000
エンジン最大トルク N・m(kgm)/rpm 236(24.1)/4,300-4,500
フロントモーター型式 5NM
フロントモーター最高出力 kW(ps)/rpm 134(182)
フロントモーター最大トルク N・m(kgm)/rpm 270(27.5)
リヤモーター型式 4NM
リヤモーター最高出力 kW(ps)/rpm 40(54)
リヤモーター最大トルク N・m(kgm)/rpm 121(12.3)
システム最大出力 kW(ps) 184(250)
燃費(WLTCモード ㎞/L) 16.5
電力用主電池 ニッケル水素電池
駆動方式 4輪駆動(E-Four)
トランスミッション 電気式無段変速機
サスペンション 前:ストラット 後:ダブルウイッシュボーン
タイヤ 前後 225/65R17
最小回転半径 m 5.9
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