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BMW5シリーズ(G60)新車情報・購入ガイド BEVメイン!? 戦略的価格で勝負!

CORISM / 2023年7月16日 18時18分

新型BMW5シリーズ(G60)

 

5シリーズ初のBEVを設定


 

BMWは、ミドルクラスのセダンである5シリーズを約7年振りにフルモデルチェンジし発売を開始した。新型BMW5シリーズ(G60)は、今回のフルモデルチェンジで8代目となった。

新型BMW5シリーズ(G60)では、初のBEV(バッテリー式電気自動車)とななるi5も導入された。BMWは急速にBEVのラインアップを広げている。今やプレミアムブランドでは、トップレベルのBEV車種を誇るメーカーとなった。

新型BMW5シリーズ(G60)
BMW i5 M60 xDrive


新型BMW5シリーズ(G60)
BMW i5 eDrive40


 



 

PHEVが無い!? 戦略的価格設定となった新型i5 eDrive40


 

新型BMW5シリーズ(G60)に搭載されたパワーユニットは、BEVが2種類、2.0L直4ディーゼルターボ+48Vマイルドハイブリッドが1種類、2.0L直4ガソリンターボ+48Vマイルドハイブリッドが1種類となっている。先代となる5シリーズ(G30)には、PHEVが設定されているが、今回のフルモデルチェンジ時には設定されていない。

BMWは2030年までに、新車販売の50%をEVにするという目標を掲げている。今回、BEVのみが2タイプのパワーユニットを用意していることからも、BEVにシフトしているBMWの戦略を感じる。

ただ、BEV販売比率を高めるのであれば、48Vマイルドハイブリッドの販売をやめて、PHEVを設定し、よりBEVにシフトしやすいラインアップにすべきとも思える。とはいえ、足元の販売台数という面では、やはりガソリン車、ディーゼル車は捨てられないというところなのだろう。

その一方でBEVである新型i5(G60)の価格は、かなり戦略的だ。新型i5 eDrive40 M Sportの価格は9,980,000円。2.0L直4ディーゼルターボ+48Vマイルドハイブリッドを搭載した523d xDrive M Sportの価格は9,180,000円。価格差は、80万円だ。現在、新型i5(G60)の補助金は不明だが、50~70万円の補助金が出ると仮定すると、ディーゼル車との価格差は10~30万円位までに縮まる。この位の差額であれば、積極的にBEVである新型i5(G60)を選択しやすくなるからだ。こうしたチャレンジで、顧客がどう反応するか注目したいポイントでもある。

新型BMW5シリーズ(G60)

新型BMW5シリーズ(G60)

 



 

驚異の加速力! 新型i5 M60 xDriveの0-100km/hを僅か3.8秒!!


 

新型BMWi5に設定されたパワーユニットは2タイプ。ベーシックな新型BMW i5 eDrive40には、最高出力340PS(250kW)を発揮するモーターで後輪を駆動する。最大トルクは430Nmだ。モーターの出力スペックは、1クラス下のi4と同じだ。

スポーツ・ブースト機能、またはローンチ・コントロール機能が作動している場合、0-100km/hを僅か6.0秒で駆けぬける。

フロア下に設置されている駆動用リチウムイオンバッテリーの容量は、81.2kWh。ボディサイズの小さいi4が83.9kWhなのでわずかだがバッテリー容量が小さくなっている。そのため、i4より一充電での走行可能距離は若干短くなっていて477km - 582kmだ。

そして、新型BMW 5シリーズの最上位モデルとなるBMW i5 M60 xDriveの最高出力261PS(192kW)を発揮するモーター前輪に。後輪には最高出力340PS(250kW)を発揮するモーターが設置された4WDとなる。走行性能に特化したMMパフォーマンス・モデルということもあり、システム・トータルでの最高出力は601PS(442kW)、最大トルクは820Nmを誇る。

新型i5 M60 xDriveは、Mスポーツ・ブーストまたはMローンチ・コントロール機能が作動している場合、0-100km/hを僅か3.8秒というスーパーカー並みの加速力を誇る。床下に搭載される駆動用リチウム・イオンバッテーリーの容量は、81.2kWh。一充電での走行可能距離は455km - 516kmとなっている。

ガソリン価格が高騰している現在、ハイオクガソリンと軽油の価格差は30円/L以上になっている。こうなると注目されるのが、軽油を燃料に使うディーゼルエンジン搭載車だ。

BMW 523d xDriveには、直4 2.0LのBMWツインパワー・ターボ・ディーゼル・エンジンを搭載。ピストンの軽量化等の改善に加え、低速側を可変ウィングとしたシーケンシャル・ツイン・ターボの電子制御精度を向上させた上で、48Vマイルド・ハイブリッド・システムが組み合わせた。システム・トータル最高出力197PS(145kW)、システム・トータル最大トルク400Nmを発揮。燃費性能に関しては、現在、非公表だが優れた低燃費性能が期待できるモデルだ。

戦略的な価格となったBEVの新型i5に対して、やや微妙な立ち位置になったのがガソリン車の新型BMW 523i。2.0L直4 BMWツインパワー・ターボ・ガソリン・エンジンを搭載。従来モデルに対し、より高精度なターボ・システム&バルブ制御に加え、ツイン・インジェクションを搭載したミラー・サイクル・エンジンへと進化。さらに、48Vマイルド・ハイブリッド・システムが組み合わされ、システム・トータル最高出力190PS(140kW)、システム・トータル最大トルク310Nmを発揮する。全長が5m超の新型5シリーズのパワーユニットととしては、ややアンダーパワーのように感じる数値となった。

新型BMW5シリーズ(G60)

新型BMW5シリーズ(G60)

 



 

もはや旧7シリーズ並みになった大型ボディ


 

新型BMW 5シリーズ(G60)のボディサイズは、全長5,060×全幅1,900×全高1,515mmと、かなり大型化されている。先代の7シリーズ並みのボディサイズとなった。先代となる7代目5シリーズ(G30)のボディサイズが全長4,975×全幅1,870×全高1,480mmなので、全長で+85mm、全幅が+30mm、全高+35mmということになる。

新型7シリーズが、ショーファーカー的になったこともあり、新型BMW 5シリーズ(G60)が従来の7シリーズの受け皿となる可能性も高い。ただ、ステータスを重視する高所得者がどういう選択をするかにも注目だ。

新型BMW5シリーズ(G60)

 



 

意外とコンサバな外観デザイン


 

新型BMW 5シリーズ(G60)の外観デザインは、意外とコンサバにまとめられている。これは、欧州を中心としたカンパニーカー需要を重視した結果と思われる。ユニークさやエモーショナルさを重視すると、カンパニーカーとして選ばれにくくなるというのだ。

また、第8世代となる新型BMW 5シリーズ(G60)は、スポーティなデザインを再解釈したという。BMWらしいプロポーション、ロング・ホイールベース、伸びやかなボンネット、流れるようなルーフラインといった特徴的なデザイン・エレメントを融合。エレガントさも表現している。

ツイン・ヘッドライトとBMW伝統のキドニーグリルを垂直方向に拡大し、やや前方に突き出たシャーク・ノーズ&ロング・ボンネットが特徴的だ。ほぼ垂直に配置されたLEDはデイライト・ライニングおよびウィンカーとして機能する。

夜間に存在感を発揮するのが、イルミネーションが施されたBMWキドニー「アイコニック・グロー」。さらに、大型パノラマ・ガラス・ルーフ、クリスタルのようなインターアクション・バーなどで、強烈なギラギラ感をアピール。

リア・デザインは、クローム・ストリップで分割されたフラットなリア・ライトが、特徴的なL字型を高品質かつ表情豊かに表現している。

新型BMW5シリーズ(G60)

新型BMW5シリーズ(G60)

 



 

サスティナビリティを重視。本革を使わないビーガン・インテリアも用意


 

インパネデザインは、ややコッテリ系。BMWカーブド・ディスプレイは、最新の12.3インチのインフォメーション・ディスプレイと14.9インチのコントロール・ディスプレイで構成。グッと前方に迫ってくるような複雑な面や線で構成されたインパネデザインとなった。

ただ、先代5シリーズと比べるとボタン・スイッチ類が大幅に削減され、シンプルさも感じさせる。ステアリング・ホイールも再設計された。下部をフラット形状にすることで、ステアリング周りに空間を与えている。

コントロール・パネルとセンター・コンソールのセレクター・レバーには、操作時のフィードバックが追加されてた。

また、サスティナビリティも重視。新型BMW 5シリーズ(G60)では、シート、ダッシュボード、ドア・パネルの表面、ステアリング・ホイールを地球環境に配慮し、植物を主原料とした持続可能な素材を使用。上質なレザーと同等の柔らかさと風合い、耐久性を実現したビーガン・インテリア仕様を一部モデルに標準装備としている。

新型BMW5シリーズ(G60)

 



 

狭い日本の道や駐車場でも便利な運転支援機能が満載


 

BMWの爽快な走りを支えるサスペンション関連では、モデル・バリエーション毎に最適化された。

センシングと同時に最短時間で直接制御されるホイール・スリップ・テクノロジー、統合ブレーキ・システム、可変ステアリング・レシオを備えたスポーツ・ステアリングが全車標準装備。4輪操舵を可能とするインテグレーテッド・アクティブ・ステアリングと電子制御のショック・アブソーバーを備えたアダプティブ・サスペンションがBMW i5に標準装備。新型BMW 523iおよびBMW 523d xDriveにオプション設定されている。

Mパフォーマンス・モデルであるBMW i5 M60 xDriveには、更にアクティブ・ロール・コントロール機能を備えた電子制御スタビライザーを含むアダプティブMサスペンション・プロフェッショナルを標準装備。ダイナミックな走行性能と快適な乗り心地とを極めて高い次元で両立。電気自動車の特性を最大限に活かした新時代の「駆けぬける歓び」を実現した。

新型BMW 5シリーズ(G60)の自動ブレーキを含む予防安全装備は、万全といえる高いレベルにある。その上で、ユニークな機能がパーキング・アシスト・プロフェッショナル。時速35km以下で車両が直前に前進したルート最大200mまでを記憶し、その同じルートをバックで正確に戻ることが可能となるリバース・アシスト・プロフェッショナル機能が採用されている。狭い道が多い日本で、すれ違いができないような細い道などで、安全で正確に、元のルートに復帰することが可能となるので便利だ。

さらに、駐車時に、ステアリング、アクセル、ブレーキ操作が一切不要な「パーキング・サポート・プロフェッショナル」が標準装備されている。

この機能は、自宅駐車場、勤務先駐車場を車両に登録しておくことで、駐車スペースが近づくと、車両が自動で検知し、検知後は、完全自動駐車が可能。
駐車場所の記録は最大10ヵ所。最大200mまでの駐車操作(合計600mまで)を記録できる為、狭いスペースで複雑な切り替えしが必要な場合でも正確に再現することが可能だ。

また、駐車スペースの幅が狭い場合はドライバーが下車し、車外よりスマートフォンでコントロールすることができる「リモート・パーキング」機能も設定されている。新型BMW 5シリーズ(G60)は、全長5m超の大型車両。狭い駐車場が多い日本では、利便性の高い機能といえる。

新型BMW5シリーズ(G60)

新型BMW5シリーズ(G60)

 



 

盗難被害リスクを軽減するシステムも搭載


 

さらに、新型BMW 5シリーズ(G60)には、車載カメラを使用した全方向(前後&左右)記録可能なBMW ドライブ・レコーダーを標準装備。後付けのドライブ・レコーダーと異なり、車両後方の映像もウィンドー越しではなく直接撮影するので、あおり運転等の危険運転車両と遭遇した際に、車両のナンバーも鮮明に記録。同時に、サイドのカメラで幅寄せの映像記録にも対応する。また、前方カメラを使ってドライビング中に前方の美しい景色を記録することも可能だ。

また、車両の東南リスクを大幅に軽減できるアラーム・システムも標準装備。車両がロック中に異常を検知した場合、登録されているスマートフォンに通知を行うと同時に、車両周辺および車両室内の映像もスマートフォン上で確認することが可能だ。

新型BMW 5シリーズ(G60)では、初めて導入されるAirConsoleプラットフォームを用いた革新的な車内ゲームの使用を可能にしている。ドライバーと同乗者は、車両が停止している際、スマートフォンをコントローラーとして、14.9インチのセンター・ディスプレイを使用しての対戦型ゲームをプレイすること可能だ。パーソナルeSIMまたはBMW Bluetooth SIMカードリーダーを使用した5Gデータ通信でのみ利用が可能。パーソナルeSIMでの接続には、NTTドコモの「ワンナンバーサービス」対象料金プランへの契約が必要。BMW Bluetooth SIMカードリーダーを使用する場合は、別途データ通信用SIMカードの契約が必要となる。

新型BMW5シリーズ(G60)

新型BMW5シリーズ(G60)

 



 

新型BMW 5シリーズ(G60)の失敗・後悔しないグレード選び


 

新型BMW 5シリーズ(G60)のBEV(バッテーリー電気自動車)である、i5 eDrive40は戦略的な価格設定がされている。そのため、EV補助金分を差し引くと、523d xDrive M Sportの価格差はわずか。カーボンニュートラル時代であることを考えると、やはりi5 eDrive40がお勧めとなる。

ただ、BEVは、バッテーリーの耐久性などへの不安などから、リセールバリューが低めになる傾向がある。必ずしもi5 eDrive40のリセールバリューが低くなるとは限らないが、短期での乗換えで経済性重視ならば、523d xDrive M Sportという選択もありだろう。

燃料費という視点でみると、電気代も高騰しているものの、BEVと化石燃料車とを比べると、やはり電気を使うBEVが安価傾向になる。使い方次第という面もあるが、1千万円近い価格帯のクルマであるのだから、未来を感じさせるBEVであるi5 eDrive40をお勧めする。

唯一、飛び抜けた存在なのが、i5 M60 xDrive。価格は15,480,000円と、i5 eDrive40より550万円も高価。Mの名を冠したモデルだけに、戦略的な価格ではないにせよ、かなり高価。このモデルは、かなり特別なモデルなので、BEVでBMWの考える究極の「駆け抜ける歓び」を感じたい人向けだ。

新型BMW5シリーズ(G60)

新型BMW5シリーズ(G60)

 



 

新型BMW 5シリーズ(G60)価格


■ガソリン48Vマイルドハイブリッド車

・BMW 523i Exclusive 7,980,000円

・BMW 523i M Sport 8,680,000円

■ディーゼル48Vマイルドハイブリッド車

・BMW 523d xDrive M Sport 9,180,000円

■電気自動車(BEV)

・BMW i5 eDrive40 Excellence 9,980,000円

・BMW i5 eDrive40 M Sport 9,980,000円

・BMW i5 M60 xDrive 15,480,000円

 

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新型BMW5シリーズ(G60)

 

新型BMW 5シリーズ(G60)電費、燃費、ボディサイズなどスペック


車両スペック(すべて、ヨーロッパ仕様値)

■ BMW 523i

全長5,060mm、全幅1,900mm、全高1,515mm、ホイールベース2,995mm、車両重量1,800kg、排気量1,998cc、直列4気筒ガソリン・エンジン、システム・トータル最高出力190PS(140kW)、システム・トータル最大トルク310Nm。

■ BMW 523d xDrive

全長5,060mm、全幅1,900mm、全高1,515mm、ホイールベース2,995mm、車両重量1,850kg、排気量1,995cc、直列4気筒ディーゼル・エンジン、システム・トータル最高出力197PS(145kW)、システム・トータル最大トルク400Nm。

■ BMW i5 eDrive40

全長5,060mm、全幅1,900mm、全高1,515mm、ホイールベース2,995mm、車両重量2,205kg、最高出力340PS/250kW、最大トルク430Nm、リチウム・イオン・バッテリー容量81.2kWh、一充電での走行可能距離477km - 582km。

■ BMW i5 M60 xDrive

全長5,060mm、全幅1,900mm、全高1,515mm、ホイールベース2,995mm、車両重量2,380kg、最高出力601PS/442kW、最大トルク820Nm、リチウム・イオン・バッテリー容量81.2kWh、一充電での走行可能距離は455km - 516km。

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