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日産デイズ/デイズハイウェイスター試乗記・評価 ひとクラス上のコンパクトカーを脅かす走りと質感

CORISM / 2019年6月11日 6時0分

日産デイズ/デイズハイウェイスター

 

ルノーとのアライアンスから生まれたBR06型エンジン


日産デイズ/デイズハイウェイスター日産の軽ハイトワゴンであるデイズがフルモデルチェンジした。姉妹車関係にある三菱のeKワゴンとともに、大きな進化を遂げた。今回はプラットフォーム(車台)を刷新しただけでなく、パワートレインなども新設計とし、走りの実力と快適性を大幅に高めている。

新型日産デイズのエクステリアは、誰が見ても日産車と分かる明快なデザインだ。例によって基準車のデイズと、エアロパーツなどでドレスアップしたデイズハイウェイスターが用意された。

新型日産デイズのパワーユニットは、ルノーとのアライアンスから誕生した659ccのBR06型直列3気筒DOHCだ。自然吸気エンジンと過給機によって余裕あふれる走りを見せるインタークーラー付きターボを設定した。

ハイウェイスター系は、モーターとリチウムイオンバッテリーを組み合わせたスマートシンプルハイブリッド(マイルドハイブリッド)になる。トランスミッションはステップ変速を追加したCVT(無段変速機)だ。

ターボ車のエンジンは、自主規制枠いっぱいの47kW(64ps)/100N・m(10,2kg-m)を発生する。しかも、マイルドハイブリッドシステムを組み込んで燃費も向上させた。

 



 

気持ちの良い加速を意識したターボ車


日産デイズ/デイズハイウェイスターターボは低回転から稼働し、余裕あふれる走りを披露している。アクセルを深く踏み込むとATのように変速するステップ感が強い。これは多段ATのように擬似変速するDステップ変速を採用しているからだ。気持ちいい加速を意識した味付けで、発進加速、応答レスポンスともに鋭い。再加速したときでも力強い走りを見せた。

クルマの流れに乗って走ると、回転数の変動を抑えながらトルクの出やすい回転域を選ぶ。アイドリングストップは、停止するときに10km/hくらいでエンジンを停止させる。違和感がないし、再始動も上手だった。

また、クルージング時の静粛性が高いことも美点のひとつにあげられる。登録車を凌ぐ静粛性を実現し、加速したときのエンジン音も悪くない。

日産デイズ/デイズハイウェイスター

 



 

実用域のトルクがアップ+モーターの効果で、軽やかな加速をみせた自然吸気エンジン


日産デイズ/デイズハイウェイスター自然吸気エンジンもスマートハイブリッドを備えたハイウェイスターの試乗になった。最高出力38kW(52ps)/6400rpm、最大トルクは60N・m(6.1kg-m)/3600rpmだ。これにモーターアシストが加わるから、市街地の走りは思いのほか力強く感じられた。

アクセルを踏み込むと滑らかに回転が上がり、軽やかにスピードを乗せていく。先代より実用域のトルクは厚みがあるから扱いやすい。車重は850kgあるが、モーターアシストの恩恵により発進加速で鈍重と感じる場面はなかった。

 

安心感があるプロパイロット


日産デイズ/デイズハイウェイスター鳴り物入りで採用された運転支援技術のプロパイロットも、上級クラスの搭載車を凌ぐ実力を見せつけている。プロパイロットは単眼カメラを採用し、前走車の後ろで追従クルーズを行う。常に車間距離を自動で保ってくれるし、ステアリングの操舵アシストも行う。視界がいいこともあり、速やかな車線認識と修正を行ってくれた。

渋滞した道路でも使い勝手がいい、だが、再加速では前走車に引き離されることがある。また、レーンキープもお節介すぎると感じる場面があったが、慣れると便利だ。

 



 

運動性能も高評価!


日産デイズ/デイズハイウェイスター新型デイズは、プラットフォームを一新し、ボディ剛性を高めている。そのため、ハンドリングは劇的によくなった。背の高いハイトワゴンであることを感じさせないしたたかな接地感と、しなやかな足の動きを見せる。スタビリティ能力は高く、コーナーではリアが踏ん張るから安心感があった。電動パワーステアリングは、低速でちょっと頼りなく感じるが、操舵フィールはよくなっていた。

新型デイズのターボ車は、15インチのエコタイヤを履いているが、プロパイロット搭載車と同様にフロントにベンチレーテッドディスクブレーキをおごっている。だから、安定した制動性能を発揮した。サスペンションなどの味付けはベース車と同じだから、ちょっと物足りなく感じる場面もあるが、ハンドリングと乗り心地の妥協点は高い。荒れた路面でも足の動きがよく、ショックを上手に吸収する。

日産デイズ/デイズハイウェイスター

 



 

ひとクラス以上上のコンパクトカーをも脅かす完成度を誇る新型日産デイズ


日産デイズ/デイズハイウェイスターキャビンも満足できる広さだ。先代よりホイールベースは65mm延び、2495mmとなった。そのため、前席だけでなく後席も広い。とくに絶妙にチューニングしたフロントシートは座り心地がよく、快適だ。後席も満足できる広さで、膝下だけでなく頭上にも十分な余裕がある。

だが、大柄な人だともう少し座面が高いほうが気持ちよく座れるはずだ。ラゲッジルームも満足できる広さを確保した。後席を前にスライドさせれば奥行きが増し、大きな荷物も積める。

新型デイズのインテリアは、リッターカークラスの登録車より見栄えがいい。小物の収納も充実しているが、USBソケットはもう少し多いほうが喜ばれるだろう。

デイズの専用装備でeKワゴンに設定がないのは、事故を起こしたときに自動で救急要請を行ってくれるSOSコールだ。マーチやパッソなど、上級のファミリーカーを脅かす存在に成長したのが、新しい日産デイズである。

 



 

日産デイズ価格


■2WD
日産デイズ/デイズハイウェイスターS 1,273,320円
X 1,325,160円
ハイウェイスターX 1,469,880円
ハイウェイスターX プロパイロットエディション 1,567,080円
ハイウェイスターGターボ 1,549,800円
ハイウェイスターGターボ プロパイロットエディション 1,647,000円
ボレロ 1,411,560円

■4WD

日産デイズ/デイズハイウェイスターS 1,405,080円
X 1,456,920円
ハイウェイスターX 1,601,640円
ハイウェイスターX プロパイロットエディション 1,698,840円
ハイウェイスターGターボ 1,681,560円
ハイウェイスターGターボ プロパイロットエディション 1,778,760円
ボレロ 1,543,320円

 



 

日産デイズ、燃費、ボディサイズなどスペック


日産デイズ/デイズハイウェイスター日産デイズ代表グレード  日産デイズハイウェイスターX プロパイロットエディション(FF)

ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 3,395×1,475×1,640mm

ホイールベース[mm] 2,495mm

トレッド前/後[mm] 1,300/1,290mm

車両重量[kg] 860kg

総排気量[cc] 659cc

エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] 52〔38〕/6,400rpm

エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 60〔6.1〕/3,600rpm

ミッション CVT

タイヤサイズ 155/65R14

燃費 JC08モード 28.6km/L

燃費 WLTCモード 21.2㎞/L

定員[人] 4

税込価格[円] 1,567,080

 

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