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ジャガー I-PACE試乗記・評価 超快速EV誕生!

CORISM / 2019年7月5日 19時26分

ジャガーI-PACE

 

ワイド感が強い新型I-PACE


ジャガーI-PACE2020年から先、排ガスの排出量を大幅に引き下げるゼロエミッション規制とCAFE(企業別平均燃費基準)が一気に厳しくなる。自動車メーカーは、電動化しないと生き残れない時代が来るのだ。

そこで多くのメーカーが電動化に舵を切り、排ガスを排出しないEV(電気自動車)をラインアップするメーカーが増えている。高級車メーカーとして知られるジャガーも、I-PACE(アイペイス)と名付けた専用設計のピュアEVを市場に放った。

新型ジャガーI-PACEは、ワンモーションに近い個性的なフォルムで、前後のオーバーハングも驚くほど短い。全長は4695㎜だが、ホイールベースは2990㎜と長い。しかも、全幅は1895㎜もある。全高は1565㎜だから、ワイド感が強く印象に残る。

 



 

2個のモーターで、696N・mという大トルクで0-100㎞/h加速は、4.8秒という俊足


ジャガーI-PACE新型I-PACE駆動系の動力は2個のモーターで、それぞれの出力は147kW(200ps)だ。最高出力は合わせて294kW(400ps)に達する。最大トルクは348N・m(35.5kg-m)の2倍、ガソリンエンジンでは7Lクラスと同等以上の696N・m(71kg-m)を絞り出す。

前後アクスル間のフロア下には、90kWh(リーフ+は62kWh)の大容量リチウムイオン電池を搭載した。フル充電のときの航続距離は、最新のWLTCモードで438kmだ。車重は2240kgと重い。

だが、モーターは瞬発力が鋭く、アクセルを踏み込むとパワーとトルクが一気に立ち上がる。右足に力を込めると、刺激的な加速を披露した。首が後ろにもっていかれるほど鋭い加速を見せ、高速道路の本線への進入は余裕でこなす。また、追い越しするときもアッと言う間に法定速度に達し、スピードを抑えるのに苦労する。

ジャガーI-PACE当然、電費を考慮してモードを切り替えることが可能だ。エコモードでも不満のないパンチ力を秘めていた。さらに、刺激的な走りを期待するなら、ダイナミックモードを選択するといい。

ちなみに、新型ジャガーI-PACEの0-100㎞/h加速は、わずか4.8秒だ。だから、走行中は少し強くアクセルを踏んだだけで、難なく100km/hに達した。ダイナミックモードを選ぶと、応答レスポンスはさらに鋭くなり、パワー感もすごい。加速は一直線で、切れ目のないシームレス感覚だ。

新型ジャガーI-PACEの静粛性も驚異的で、ロードノイズと風切り音以外は耳につかない。これは、内燃機関にはない魅力だ。クルージングは得意で、法定速度で流れに乗って走ると5.4km/kWhの電費をマークした。単純計算だと、約486km走れる。

ジャガーI-PACE

 



 

重量配分は50:50。ニュルで鍛えた走りが冴える!


ジャガーI-PACEボディやフレームの一部には、軽量なアルミ材を採用しているが、ボディ剛性は高く、高速道路ではドッシリとした落ち着きが感じられた。レーンチェンジしたときの身のこなしも軽やかだ。山岳地の登坂路でも息切れせず、力強い加速を披露した。力強いダッシュを見せ、コーナー手前でアクセルを戻し、もう一度踏み込んだときもパワーとトルクの立ち上がりも早い。これも瞬発力が鋭いEVの美点だ。

新型I-PACEは、フロア下に重い電池を敷き詰めているから重心が低い。その恩恵で、地面に吸いついたかのようなコーナリングを見せた。

ジャガーI-PACEそれもそのはず、新型ジャガーI-PACEはニュルブルクリンクで走りを鍛え、前後の重量配分も50:50としている。しかも、足元はワイドトレッドに20インチのファットなタイヤの組み合わせだ。

そして、4WDとトルクベクタリング機構も採用する。だから接地フィールがよく、意のままに狙ったラインに乗せることができた。速いスピードでもロールを上手に抑え込んでいる。

ちなみに、上り坂での電費は1.6km/kwhだった。下り坂では回生ブレーキを使い、バッテリーに電気を貯めていくからジワジワと電費が上がり、航続距離が大幅に伸びた。

 



 

高価だが、超魅力的なI-PACE


ジャガーI-PACE新型I-PACEは、大柄だから狭い道では気を遣う。だが、見下ろし感覚だから視界がよく、慣れると運転しやすかった。クリープと回生ブレーキの強弱をドライバーの好みにより設定することができるのも魅力だ。

キャビンは前席、後席ともに広く、乗り心地もいいから快適。オプション設定のエアサスペンション仕様はエアサスペンションならではの上質な乗り味である。だが、標準のコイルサスペンションでもハンドリングと乗り心地の妥協点は高い。ラゲッジルームも不満のない広さを確保した。

バッテリーの充電口は、急速充電ポートと普通充電ポートを左右のフェンダーに振り分けている。普通充電だと一晩では満充電にはならないが、航続距離の長さは魅力だ。

車両価格は959万円から、となっている。誰にでも買えるクルマではないが、トータル性能は驚くほど高く、魅力的だと感じた。その実力の高さは、ヨーロッパでカー・オブ・ザ・イヤーに輝いたことからも分かる。

<レポート:片岡英明>

 



 

ジャガー I-PACE価格


ジャガーI-PACEI-PACE S 9,590,000円

I-PACE SE 10,640,000円

I-PACE HSE 11,620,000円

 

ジャガー I-PACE、航続距離などスペック


■代表モデル ジャガー I-PACE HSE

ジャガーI-PACE・全長×全幅×全高 (mm) 4,695×1,895×1,565

・ホイールベース (mm)  2,990

・トレッド(前:後) (mm) 1,625:1,647(20インチホイール)

・車両総重量 2,230(コイルサスペンション仕様)

・最小回転半径 (m)  5.6

・最低地上高 (mm) 2 142

ジャガーI-PACE・サスペンション形式  前:ダブルウィッシュボーン 後:インテグラルリンク式

・バッテリー容量(kWh) 90

・最高出力 kW (PS) 294 (400)

・最大トルク N・m 696

・最高速度  UK参考値: 200km/h

・0-100km/h(秒) UK参考値 4.8

ジャガーI-PACE・バッテリー容量 90kWh

・最高出力 400PS

・最大トルク N・m 700Nm

・駆動方式 AWD

・航続距離(WLTCモード, 国土交通省審査値, km)  438

・トランク容量(リッター) 656(コイルサスペンション仕様)

 



 

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