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三菱eKワゴン、eKクロス試乗記・評価 デイズと明確な差別化ができたeKクロス

CORISM / 2019年7月27日 19時57分

三菱eKワゴン,eKクロス

 

デイズと上手く差別化したeKクロス


三菱eKワゴン,eKクロス新型三菱eKワゴンは、日産とのアライアンスから誕生した軽ハイトワゴンだ。今回の開発プロジェクトを主導したのは日産で、基本のデザインも日産が手がけている。

だが、デイズとeKワゴンで差別化を図り、フロントマスクや装備などを変えた。ベースモデルのeKワゴンは先代のイメージを残したすっきりとしたフロントマスクが特徴だ。プレーンなデザインだから万人受けするだろう。

これに対し新設定のeKクロスは、三菱のデザインコンセプトであるダイナミックシールドを用い、兄貴分のデリカD:5を思わせる個性的な顔立ちとした。SUVテイストの強いデザインで、遠くからでも目立つ。粋な2トーンカラーも用意されている。また、ルーフレールをオプション設定しているのもeKクロスの特徴のひとつだ。

 



 

使い勝手が良いのも魅力


三菱eKワゴン,eKクロス新型eKワゴンインテリアは、上級の登録車を凌ぐ上質感を売りにする。水平基調のインパネを採用し、ステアリングの内側にメーターなどの情報系をまとめた。

中央の見やすい位置には、9インチのナビシステムを置く場所を確保している。その下にはインパネシフトとタッチパネル式の空調コントロールを配した。

装備の使い勝手はいい。また、小物の収納スペースを多く持っているのも嬉しい配慮だ。女性やビギナーを意識してか、操作系も軽い。

三菱eKワゴン,eKクロス

 



 

先進運転支援システムのマイパイロットを搭載


三菱eKワゴン,eKクロスホイールベースは、先代より65㎜も長くなった。だから、見た目がいいだけでなく、キャビンの広さと快適性も高いレベルにある。シートは座り心地がよく、運転席からの見晴らしもいい。見切りがよく、取り回しはラクだ。

前席は、大柄な人でもベストな運転姿勢を取れる。後席はスライド式だが、後ろにセットしなくても足元には余裕があった。ちなみにデイズに装備されるSOSコールの設定はない。

だが、デイズにはないデジタルルームミラーを選べ、安価なeKワゴンでも先進安全/運転支援システムのマイパイロットを装備する。

 

1.3L級コンパクトカー並みの実力を誇るターボ車


三菱eKワゴン,eKクロス基本のメカニズムは、日産のデイズと共通だ。プラットフォームを刷新し、パワートレインなども新設計とした。エンジンは659ccのBR06型直列3気筒DOHCで、自然吸気エンジンとインタークーラー付きターボを設定している。

eKクロスは、ターボを含め、モーターとリチウムイオンバッテリーを組み合わせたスマートハイブリッドだ。このエンジンにステップ変速を追加した無段変速機のCVTを組み合わせた。

マイルドハイブリッドシステムを採用したDOHCターボは47kW(64ps)/5600rpm、100N・m(10,2kg-m)/2400〜4000rpmを発生する。エンジンのレスポンスは鋭く、ターボは2000回転を超えたあたりから力強さに弾みがつく。

三菱eKワゴン,eKクロス2名乗車でも余裕たっぷりの走りを見せ、再加速したときもスピードのノリはよかった。流れに乗って走ると、CVTは回転数の変動を抑えながらトルクの出やすい回転域を選ぶ。だが、アクセルを強く踏み込むと多段ATのように擬似変速を行い、加速フィールも気持ちいいと感じる。このDステップ変速は、なかなか面白い。

停止するときに10km/hくらいまで減速するとエンジンを停止させ、空走して止まる。アイドリングストップは違和感がないし、再始動も上手だった。遮音材と吸音材を最適に配置したこともあり、クルージング時の静粛性は高い。アクセルを踏み込み、加速したときのエンジン音も軽やかだ。実力的には1.3Lクラスのファミリーカーに肉薄する。

新型eKワゴンの自然吸気エンジンは、最高出力38kW(52ps)/6400rpm、最大トルクは60N・m(6.1kg-m)/3600rpmのスペックだ。これにモーターアシストが加わるから出だしは力強い。ワゴンRほど軽くないが、モーターアシストの恩恵で、発進加速は軽やかだった。そこから先のパンチは今一歩だが、難なく流れをリードすることができる。先代より実用域のトルクは厚みがあり、CVTも制御が賢いからドライバビリティは良好だ。

三菱eKワゴン,eKクロス

 



 

ロングドライブの必需装備といえるマイパイロット


三菱eKワゴン,eKクロス運転支援技術のマイパイロット装備車は、ターボ車と同様に前輪がベンチレーテッドディスクになり、制動安定性も一歩上を行く。単眼カメラを採用し、前走車の後ろで追従クルーズを行うマイパイロットは、予想を上回る実力を秘め、安心感も大きかった。常に車間距離を自動で保つだけでなく、ステアリングの操舵アシストも行ってくれる。

ステアリングセンター付近の落ち着きや高速直進安定性はそれなりだが、自然体の動きが心地よい。車線認識は正確だし、修正も速やかだ。渋滞した道路でも使い勝手がよかった。

さすがに、上り坂などでは再加速するときに前走車に引き離されることがある。が、慣れると便利だ。ロングドライブでは疲労軽減には大きな効果が期待できるから、選ばない手はない。

 



 

洗練度の高いハンドリング性能


三菱eKワゴン,eKクロス新型eKワゴンのプラットフォームとサスペンションは、新設計だからボディはシャキッとしている。ハンドリングの洗練度も高い。背の高いハイトワゴンであることを感じさせない高いスタビリティ能力を身につけ、コーナーではリアが踏ん張る。

電動パワーステアリングは低速域で少し頼りなく感じる場面もあるが、その上の領域では手応えが増し、好印象だ。フワッとした頼りなさがない乗り心地も好ましい。

4WDモデルは、優れた接地フィールを見せるが、FF(前輪駆動)車と比べるとハンドリングや乗り心地がちょっと荒削りと感じた。

 



 

三菱eKワゴン/eKクロス価格


三菱eKワゴン,eKクロス・eKワゴン M 2WD 1,296,000円/4WD 1,425,600円

・eKワゴン G 2WD 1,377,000円/4WD 1,506,600円

・eKクロス M 2WD 1,414,800円/4WD 1,544,400円

・eKクロス G 2WD 1,555,200円/4WD 1,684,800円

・eKクロス T 2WD 1,636,200円/4WD 1,765,800円

 

三菱eKワゴン/eKクロス、燃費、ボディサイズなどスペック


代表グレード 三菱eKクロスG(FF)

ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 3,395×1,475×1,640mm

ホイールベース[mm] 2,495mm

トレッド前/後[mm] 1,300/1,290mm

車両重量[kg] 850kg

総排気量[cc] 659cc

三菱eKワゴン,eKクロスエンジン最高出力[ps(kw)/rpm] 52〔38〕/6,400rpm

エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 60〔6.1〕/3,600rpm

ミッション CVT

タイヤサイズ 165/65R15

燃費 JC08モード 29.4km/L

燃費 WLTCモード 21.2㎞/L

定員[人] 4人

税込価格[円] 1,684,800

 



 

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