日産キックス試乗記・評価 まるでEV?
CORISM / 2020年9月27日 10時40分
イケメン、キックス!
皆さん、こんにちは!樽美伶奈です。今回は、日産キックスに試乗させていただきました。
天真爛漫な樽美、キックスという車名を聞いて、思わずキック! などと、足をブンブンと・・・。そんなテンションが上がるユニークで、覚えやすい車名ですよね? 私は、オートバイにも乗っているのですが、カワサキのニンジャ並に憶えやすい名前で感動的してしまいました。
さて、そんな日産キックスの外観デザインですが、なかなかのイケメンです。従来のVモーショングリルから、新たな日産のデザインアイコンといえる「ダブルVモーショングリル」が採用されています。
ヘッドライトの外側から太いメッキ調のフレームと緻密なデザイン大型グリルが組み合わされて、SUVらしい力強さを感じます。ツリ目のLEDヘッドライトと組み合わされていて、高級感も十分でした。キックスは、コンパクトSUVなのですが、1クラスくらい上のSUVに感じるくらい上質感がありました。
一目惚れ確実? オシャレなツートーンインテリアエディション
次は、インテリアです。男性なら、大きくて広い! を重視するかもしれません。もちろん、女性だった同じですが、いざ自分で乗るとなると、運転しやすいボディサイズというのも重要なんです。
キックスのボディサイズは、大きく見えますが全長が4,290mm、全幅は1,760mmと運転しやすいコンパクトなサイズです。でも、キックスのインテリアは、想像以上に広かったです。もちろん、広く見えるようにも設計されていて、助手席でも開放感は十分でした。
インパネの造形は、左右にクルマの外側に突き抜けて行くようになっていてフロントウィンドウからドアトリムに向けて線で弧を描き広さを演出しています。
特にツートーンインテリアエディションの内装色は、オレンジタンとブラックの組み合わせ。ひと目で「オシャレ!」と感じます。オレンジタンカラーだと、室内が明るい印象にになるので、広さをより際立たせるような配色になっています。オレンジは高級感もあり、女の子からの評価も抜群に変わってくると思います。
運転席・助手席だけでなく感動したポイントは後部座席のウインドウ。富士山の全景が見えるくらいに設計されたという大きいウインドウをもっています。開放感があって、居心地の良さを感じさせるポイントでした。
さらに、進化したe-POWER。より静粛性を向上
日産キックスのパワーユニットは、1.2Le-POWERのみの設定です。「e-POWERは良い(イー)パワー」なんてふざけた事ばかり言ってしまって申し訳ないのですが、ホントに良いんです。
2016年にノートe-POWERが発売され、セレナe-POWER、そしてこのキックスになります。凄いのは、ノートe-POWER以来、e-POWERシステムが異なる車種に搭載されるたびに進化していることです。
開発の方にお話しを聞いたところ、「これまでのe-POWERは充電量を重視、充電量が減ったら低速でも充電をしていたが、キックスは車速を重視、低速では極力発電をしない。中低速域のエンジン始動頻度を大幅に下げている」とのことでした。この制御の変更で、従来より静粛性がアップしています。確かに街中をゆっくりと走っていると、あまりエンジンが始動せず、まるでEV(電気自動車)に乗っているような気分になります。
同様に、ノートe-POWERより出力も高められています。最大出力は、ノートの80kWから95kWと19%アップ。最大トルクは、254Nmから260Nmと2%アップとなりました。
キックスのプラットフォーム(車台)は、ノートのものをベースとしながら、大幅に改良が加えられています。これにより、重要なボディ剛性はノート比9%アップとなりました。
驚きのワンペダル感覚「e-power Drive」
キックスに試乗して、一番驚いたのがワンペダルで運転可能となるe-POWER Driveです。キックスには、NORMAL、Eco、S(Smart)と3つのモードがあり、その内EcoとS(smart)でe-POWER Driveになります。
ワンペダル方式のe-POWER Driveとは、アクセルペダルを戻すだけでNORMALモードに対して、回生ブレーキが強く効き減速します。渋滞時やカーブの多い道路など頻繁に加減速が必要なシーンでアクセル・ブレーキペダルの踏みかえ回数を減らしドライバーの運転をサポートするというものです。
EcoとS(Smart)の違いは加速レスポンスの違いです。Sの方が、アクセル操作に対して加速が鋭く峠などで運転を楽しむ設定です。
Ecoは、アクセル操作を緩慢にして、燃費を重視した市街地や渋滞時向けの設定になります。
NORMALモードは、回生ブレーキによる減速力があまりなく、普通のガソリン車のような減速になります。違和感なく運転できる設定です。減速がゆるやかなので、高速道路走行時に最適だと思います。
このe-POWER Driveは、最初は少し慣れが必要かと思います。カーブや信号などで、ポンとアクセルをはなすと、かなり強力に回生ブレーキが効き減速します。アクセルをジワジワっとゆっくりはなすことに慣れてくると、アクセルひとつで発進から停止まで自在にコントロールできるようになります。30分も乗れば十分に慣れるので、初心者でも安心して乗れると思います。
キレッキレのハンドリング
日産キックスの走りは、e-POWERの制御を変更したことで、速度が低いときはエンジンがあまりかからないので、静粛性も高く快適です。時々、エンジンがブーンっとやや大きな音を立てていますが、走行中であればそれほど気になりませんでした。とくに、高速道路では、タイヤノイズや風切り音も混じるため、ほとんど気にならないレベルだと感じました。
キックスは、アクセルを踏み込むと、モーターのトルクがグンと立ち上がり、とても力強く加速します。モーター駆動なので、とてもスムースです。ただ、50~60㎞/hくらいを超えてくると、加速感が鈍る感じがしました。もう少し、息の長い加速が続くとよいと思います。
乗り心地は、少々硬めでした。市街地では、路面の凹凸もしっかり感じます。速度が少し上がると、快適なものになります。
カーブでは、ビックリするくらいキレッキレでした。ステアリング操作に対して、正確でクイック。クルマの傾きも抑えられていて、気持ちよく走れます。こうしたハンドリングは、高応答大径ダンパーやウレタン製バンプストップの採用や、自動でブレーキ制御をしてカーブでの走りやすくするインテリジェント トレース コントロールによるものです。運転が苦手な人でも、スイスイと走れるような感じです。
お勧めグレード? 車名への想いとは?
樽美お勧めキックスは、X ツートンインテリアエディションで価格は2,869,000円です。
一見、高いように見えますが、ほとんどオプションを追加する必要がありません。比較すると、ライバル車と同等程度です。
キックスという車名は、「Kick(蹴る)から、新しい事に向かってけりだしていく力強さを表現。これまでよりもっともっと遠くに行きたくなるクルマ」いう意味が込められているそうです。まさに、その通りだなぁと感じました。
<レポート:樽美伶奈>
日産キックス価格
・キックスX 2,759,900円
・キックスX ツートーンインテリアエディション 2.869,900円
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日産キックス燃費、ボディサイズなどスペック
代表グレード:キックスX
ボディサイズ 全長4290×全幅1760×全高1610mm
ホイールベース 2620mm
トレッド 前 1520mm 後 1535mm
最低地上高 170mm
車両重量 1350kg
乗車定員 5名
最小回転半径 5.1m
燃費(WLTCモード) 21.6km/L
サスペンション 前:ストラット式 後:トーションビーム式
発電用エンジン型式 HR12DE DOHC直列3気筒
総排気量 1.198L
最高出力 60kW(82PS)/6000rpm
最大トルク 103N・m(10.5kgf・m)/3600-5200rpm
使用燃料 無鉛レギュラーガソリン
タンク容量 41L
モーター 型式 EM57
定格出力 70kW(95PS)
最高出力 95kW(129PS)/4000-8992rpm
最大トルク 260N・m(26.5kgf・m)/500-3008rpm
動力用主電池 種類 リチウムイオン電池
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