【日産リーフ 長期評価レポートvol.9】航続距離40%増の458㎞(WLTC)へ! 失敗しないリーフe+(イー・プラス)のグレード選び
CORISM / 2019年3月8日 16時55分
航続距離の不安を払拭し、売れている2代目リーフ
2代目日産リーフは、2017年10月にフルモデルチェンジし発売された。初代リーフに搭載されたリチウムイオンバッテリーの容量は24kWh、その後30kWhも用意。2代目リーフには、さらに大容量の40kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、航続距離をJC08モードで400㎞(WLTCモード:322㎞)を達成した。
EV(電気自動車)を購入を見送った人の多くは、航続距離が短いことを理由にあげていたが、2代目リーフの長い航続距離は、もはやそんな心配を完全に払拭するものだった。
その結果、2018年の販売台数は約2.6万台。軽自動車を除く新車販売台数ランキングでは、35位になるほど売れている。これはもう、EVは特殊なクルマではなく、一般的なクルマと同じであるとマーケットが判断した結果だ。
62kWhの大容量バッテリーを搭載し、航続距離458㎞(WLTCモード)を達成したリーフe+(イー・プラス)
[caption id="attachment_18078" align="alignright" width="210"] 新開発されたリチウムイオンバッテリー。左側部分がレーザー溶接された基盤。[/caption]
もう十分と思われたリーフの航続距離だったが、日産はさらにこだわり続け、リチウムイオンバッテリーを進化させていた。今回、新たに投入されたリーフe+(イー・プラス)の航続距離は、驚異のWLTCモード458㎞(JC08モード:570㎞)! なんと、バッテリー容量を約55%アップした62kWhとし、航続距離を約40%も伸ばしてきたのだ。
航続距離を大幅アップに貢献したのは、リチウムイオンバッテリーの進化だ。従来の40kWh車は、8セル単位で合計192セルのバッテリーだった。それに対して、62kWh車はハーネスをレーザー溶接で基盤化する新技術を採用。新技術により、スペースを効率よく使えるフレキシブルなセル単位とすることが可能となった。この新技術により、62kWh車は室内スペースを犠牲にすることなく、1.5倍となる288セルを搭載することができた。
航続距離だけでなく、最大出力を45%アップし218psへ。より、爽快な走行性能を得た
[caption id="attachment_18079" align="alignleft" width="210"] 218ps&340Nmとなったe-パワートレイン。出力は40kWh車に対して、45%もアップしている。[/caption]
新型となった62kWhバッテリーにより、40kWhバッテリーの2並列から3並列化。電流を大幅にアップしインバーターに供給可能となった。インバーターの性能も向上させたことで、e-パワートレインを高出力化に成功。40kWh車の150ps&320Nmという出力から、62kWh車は218ps&340Nmへ大幅に出力をアップ。最大出力は45%、最大トルクは6%も向上している。
この出力向上により、リーフe+はよりEVらしい滑らかで強烈な加速力を得た。40kWh車では、やや頭打ちになっていた速度域でも、加速力は一段と伸びていた。この加速感は、とても爽快なフィーリングをドライバーに感じさせてくれる。80~120㎞/hの中間加速時間は、13%も短縮したのだ。
リーフ選びは40kWhか? それとも、62kWhか? まず、バッテリーを容量の選択から!
[caption id="attachment_18081" align="alignright" width="210"] 新技術により、スペース効率がアップしたリチウムイオンバッテリー。62kWhものバッテリーを室内スペースの犠牲なく搭載している。[/caption]
このようにリーフe+は、単にリチウムイオンバッテリー大型化して航続距離を伸ばしたモデルにあらず。見た目はほとんど40kWh車と同じだが、まるで別のクルマだと思ったほうがよい。それゆえに、40kWh車を含んだリーフのグレード選びは慎重に行いたい。
まず、重要なのは、バッテリー容量を40kWhか、それとも62kWhにするのか、という重要な選択だ。
62kWh車のリーフe+が向くのは、やはり1回の走行距離が長い人だ。航続距離は458㎞(WLTCモード)なので、実電費が7.0㎞/kWhでも434㎞も走行できる計算だ。これだけの航続距離があれば、休憩時になどに継ぎ足し充電すれば、ほとんど事足りる。
日産のCARWINGS(カーナビなどのテレマティクスサービス)によるデータでは、日本国内のガソリン車1日当り走行距離をリーフe+の航続距離458㎞(WLTCモード)あれば、99.5%のユーザーをカバーできるという。
このデータによると、1日当り200㎞走行できれば、95%のユーザーをカバーできるので、40kWh車の航続距離322㎞(WLTCモード)でも十分といえるものだ。
そして、62kWh車の魅力は、航続距離だけでなく40kWh車よりも高い速度域まで伸びる気持ち良い加速感だ。最高出力が40kWh車に対して約45%アップの218psになったことで、より力強い加速が可能となった。街中での移動というより、長距離をより爽快に走りたいという人にお勧めだ。
リーフe+は2グレード設定。プロパイロットの有無がポイント
リーフe+は、e+Xとe+Gの2グレードというシンプルな設定になっている。e+Xとe+Gの大きな違いは、リーフのセールスポイントのインテリジェントドライビングであるプロパイロット関連の装備有無だ。
e+Gグレードは、プロパイロット関連の装備が標準装備。e+Xはグレード、好みや用途に合わせて選択できる親切な設定になっている。
安全装備がさらにグレードアップするプロパイロットのセットオプションは、選択必須!
[caption id="attachment_18082" align="alignleft" width="210"] 高速道路などで、先行車に追従走行。しかも、同一車線内をステアリング制御しながら維持するプロパイロット。先行車が停止すれば自動停止するので渋滞時にも疲労軽減や安全に寄与。アクセルを再度踏むか、ステアリングスイッチのRES+スイッチを押すと、再び追従走行を開始する。[/caption]
選択肢となるプロパイロット系装備は、大きく分けて2つ。同一車線内を維持し、先行車に追従走行。渋滞時には停止、再発進まで可能にするプロパイロット。この機能は、渋滞の多い日本では疲労軽減にも役立ち、結果的に安全運転にも寄与する先進技術だ。
リーフe+は、歩行者検知式自動ブレーキであるインテリジェント エマージェンシーブレーキやサイド&カーテンエアバッグが標準装備化されているので安全装備面は十分。しかも、このプロパイロットのセットオプション価格は77,760円と意外なほどリーズナブル。
プロパイロット機能の他に、ステアリングスイッチ(メーター・ディスプレイコントロール、オーディオ、ハンズフリーフォン、プロパイロット)+電動パーキングブレーキ+BSW(後側方車両検知警報)+RCTA(後退時車両検知警報)+インテリジェント LI(車線逸脱防止支援システム)といった予防安全装備などもプラスされる。これだけの安全装備がプラスされれば、ほぼ完璧といった内容。e+Xグレードを選ぶ場合、プロパイロット必ず選びたい装備だ。
運転が苦手な人や、高齢者にお勧めなプロパイロットパーキング
[caption id="attachment_18083" align="alignright" width="210"] プロパイロットパーキングは、スイッチひとつでステアリング、アクセル、ブレーキ、シフト、さらにパーキングブレーキまですべて自動制御し駐車完了までアシストしてくれる。後向き駐車、前向き駐車、縦列駐車の選択も可能。[/caption]
そして、もうひとつがプロパイロットパーキングだ。この機能は、自動駐車システムとも呼べるもので、駐車が苦手な人にお勧めな装備。ドライバーは、ステアリングやアクセル、ブレーキの操作をしなくても駐車が可能。駐車枠などを設定するなど、所定の操作後、プロパイロットパーキングのスイッチを押し続ければ、設定した駐車スペースに駐車してくれる。
安全面では、プロパイロットパーキングのスイッチを放すだけで自動で停止。しかも、歩行者や障害物に接触しそうな場合、スイッチを押していても自動停止するので、より安心・安全だ。もちろん、縦列駐車や前向き駐車にも対応している。
リーフe+Xにプロパイロットパーキングなどがオプションになっているは、自分で運転した方が早いので、こうした装備は不要という熟練ドライバーへの対応だ。こうした配慮はありがたい。
ただ、熟練ドライバーには必要ないことが多いが、家族でクルマを使っている場合、例えばお父さんは必要無くても、普段の乗るお母さんや娘などは運転が苦手なので必要といったケースもあるので、ジックリ検討するといいだろう。
また、運転が苦手な人だけでなく、的確にクルマを扱いにくくなってきたという高齢者にもお勧めしたい。駐車で慌てて、アクセルとブレーキの踏み間違えというリスクも減り、便利なだけでなく安全にも寄与する。予算に余裕があるのなら、積極的に選びたい機能だ。
プロパイロットパーキングのセットオプション価格は126,360円。プロパイロットパーキング機能の他に、インテリジェント アラウンドビューモニター(移動物 検知機能付)+インテリジェント ルームミラー+電動パーキングブレーキ+インテリジェント DA(ふらつき警報)が装備される。インテリジェント アラウンドビューモニター(移動物 検知機能付)は、車両周辺の安全をモニターで確認できるので安心・安全に欠かせない装備だ。
プロパイロット系セットオプションは、意外と安価なので積極的に選ぶびたい
[caption id="attachment_18085" align="alignleft" width="210"] リーフe+の最上級グレードであるe+Gグレードの本革シート。[/caption]
リーフe+のグレード間価格差は、約57万円と安くはない。プロパイロットとプロパイロットパーキングのセットオプションをそれぞれ装備しても約20万円の価格アップで済む。予算重視であるのであれば、e+Xグレードにプロパイロットとプロパイロットパーキングのセットオプションを選択するといい。
最上級のe+Gグレードはプロパイロット系セットオプションなどは標準装備されている。その他、e+Gグレードには、17インチアルミホイール、本革シート、BOSE Energy Efficient Seriesサウンドシステム&7スピーカーなどが装備される。
本革シートとBOSEサウンドシステムは、e+Xグレードにもセットオプションにもなっていて選択可能。価格は216,000円。本革シートは、ブラックとエアリーグレーと呼ばれる明るめのグレーの2色から選択が可能。エアリーグレーは、室内も明るくなり豪華さを感じる色だ。
日産リーフe+のグレード選びは、e+Xグレードをベースに自分の必要なオプションを選択する方法がお勧め。プロパイロット系のオプションは、それほど高価ではない。とくに、プロパイロットのセットオプションは必須アイテムだ。
リーフe+は、先進技術の塊のようなクルマ。その魅力を存分に味わいたいのであれば、迷わず豪華装備が標準装備化された最上級グレードのe+Gグレードを選ぶといいだろう。
日産リーフ価格
●バッテリー容量62kWh車
・リーフe+ G 4,729,320円
・リーフe+ X 4,162,320円
●バッテリー容量40kWh車
・リーフG 3,999,240円
・リーフX 3,661,200円
・リーフS 3,243,240円
日産リーフ公式HPへ
日産リーフ燃費、ボディサイズ、燃費などのスペック
代表グレード 日産リーフe+ G
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4480x1790x1545mm
ホイールベース[mm] 2700mm
車両重量[kg] 1680kg
最小回転半径 5.4m
総電力量[kWh] 62kWh
最高出力[kw/rpm] 160kW(218ps)/4600~5800rpm
最大トルク[N・m/rpm] 340N・m//500~4000rpm
WLTCモード一充電走行距離 458㎞
JC08モード一充電走行距離 570km
タイヤサイズ 215/50R17
定員[人] 5人
消費税込価格[円] 4,729,320円
発売日 2019/1/23
レポート 編集部
写真 編集部
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