野生動物の宝庫ボツワナで ラグジュアリーなサファリ三昧の旅

CREA WEB / 2019年3月17日 21時0分

 世界を旅する女性トラベルライターが、これまでデジカメのメモリーの奥に眠らせたままだった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、交替で登板します。

 第203回は、大沢さつきさんが、アフリカ内陸部で体験した驚きの連続をレポートします。


チーターに会いたくて……


間近で見るライオンの迫力は圧倒的。ライオンはサファリで見たい動物の人気No.1だ。

 今回は、世界中のトラベラーが“死ぬまでに行きたい場所”バケットリストに挙げる楽園に行く。

 南アフリカのヨハネスブルグからボツワナのマウン空港へ。そこから軽飛行機で、野生動物の待つキャンプ3カ所へと飛ぶ。


ただひたすらフラットな大地が続く南部アフリカ。空気が澄んでいるのは確かだ。

 最初のキャンプは「カラハリ中央動物保護区」にある「カラハリ・プレインズ」。マウンからおよそ1時間で滑走路に降り立ち、さらにジープでキャンプへ。

 ボツワナを訪れるのは2度目だが、今回の目的、個人的にはチーターを見ること。ミッション的にはサファリの第一人者である「ウィルダネス・サファリ」の活動を知ることだ。

 昼過ぎキャンプに着いてひと休み。夕方早速、サファリのスタートだ。


2頭のチーターはキャンプで「シャイボーイズ」と呼ばれ、その名の通りシャイなので、なかなか人前に現れないのだが、遭遇できて超ラッキー!

 と、キャンプを出て5分と経たないうちにチーター発見。それも2頭!

 いきなりの目的達成。

「雨季のカラハリは、アフリカの中でも最高に野生生物の観察に適している」と聞いてはいたが、恐るべしカラハリ。こんなにかんたんにチーターに遭遇できていいのか!

 チーターは生息数が激減していて「絶滅危惧種(レッドリスト)」に指定されている。

 そんな希少な動物にのっけで遭えるという幸運。超ロングフライトもなんのそので、疲れが一気に吹き飛ぶ。


狩りをすべく草むらに隠れたチーターたち。すっぽり草むらに身を潜め、獲物を待つ。

 と、1頭のチーターが後脚をケガしている。捕食者側のチーターといえど、ケガは命取り。まして自慢の脚をやられては……ライオンやハイエナに狙われたらおしまいだ。

 移動のときは先導の弟チーターが気遣って立ちどまり、後続の兄を見守っていたのが印象的だった。


広大なサバンナにダチョウが1羽。時速70キロの俊足に追いつけるのは、時速100~120キロのスプリンター、チーターくらいだが……。

「カラハリ中央動物保護区」はアフリカ最大の保護区で、約5万平方キロもあり、なんとスイスやデンマークがすっぽり収まるスケール。さらに広大な50万平方キロほどの「カラハリ砂漠」の東にある。

 もうね。草以外、何もない。


みごとな角をもつオリックスの群れ。砂漠に適応し、水分保持能力に優れているので、フンがとても乾燥しているそうな。

 ポツリポツリと鹿に似たスプリングボックや長い角のオリックスの群れに遭う。

 音のない世界にときおり、“カラハリヘリコプター”の愛称をもつ賑やかなコーリー・バスタードが、バタバタと音を立てながら飛んでいく。


コーリー・バスタードは飛ぶ鳥の中でいちばん重たいといわれるほど大きい。準絶滅危惧種の希少な鳥だが、キャンプの周りではたくさん見かけた。ボツワナの国鳥でもある。

 草食動物、みんなで黙々草を食む。

 たまに群れずに1匹でいるスプリングボックを見かけると“大丈夫なの? ライオンとかに狙われるよ”と親心発生。サファリの最初にチーターを見たのでハラハラ、ドキドキ。

 サファリでチーターやライオンといった捕食者を見るのは美しいので楽しいが、草食動物が襲われるのはやはり悲しい。

 “自然の摂理”と分かっていてもだ。


のどかに草を食むスプリングボック(アンテロープの仲間)の群れ。奥の建物が今晩からのテント。ルーフバルコニーにベッドがあり、星空の下で眠れる仕様だ。各戸の電気はソーラーパワーですべてまかなわれる。

 広大なサバンナを茜に染める夕陽を楽しんで、初日のサファリ終了。

 今晩は満天の星のもと、寝る。雨季だけど、雨の気配はなし。


カラハリのサバンナに落ちる夕陽。毎日こんなドラマチックな夕陽を見ていたら、ちっぽけな悩みはなくなりそう。

 ルーフバルコニーの「スターベッド」は適度な冷気の中ふとんにくるまるという快適さだったが、いかんせん月明かりが眩しすぎて眠れない。空気が澄んでるとはこういうことなのか。さらには虫やらなんやらの鳴き声もおさまらず……。

 と、夜中の3時を過ぎた頃から月が姿を消し虫たちも眠りについて、ようやく闇と静寂の支配がはじまる。

 なんかスゴい。天の川が間近。まさに星が降ってる。

ライオン、ライオン、ライオン


メインロッジの前の水飲み場にやって来た2頭の雌ライオン。私たちとの距離、5メートルくらい……。

 朝5時。まだ暗い中、身支度を整え、軽食をつまみにメインロッジへ。

 と、なんだか空気がざわついている。

 誰も声を出さないし、動いていないのだが……騒然とした雰囲気。

「ライオンが水飲み場にくる」

 その場にいた10人ほどが、固唾をのんで水飲み場に目を凝らしていると、草むらからゆっくりと2頭の雌ライオンが姿を現した。警戒しながらも、ノドをうるおしはじめる。10分くらいして、彼女たちは悠然と立ち去って行った。

 “なんなのこのキャンプ、スゴ過ぎ”


雄ライオンは2歳を過ぎたころから群れを追い出される宿命。でも、それまでに子ライオンの80パーセントは死んでしまう。ライオンが生き残るのも大変なのだ。

 当然、朝のサファリはライオン探索。情報によると、水飲み場にきた雌ライオンだけでなく、ほかにもライオンが目撃されてるという。

 草むらを前にジープを停めると、今度は2頭の雄ライオンが登場した。

 まだ若いのでタテガミはないが、前脚の付け根、肩周りの筋肉がハンパない。こんな前脚で撫でられたら一巻の終わりだ。

 場所を変えてライオンに遭遇すること、さらに2回。5年前のボツワナ訪問では、1週間の滞在で1度しかお目にかかれなかったのだが。


3,000~2,000年前からアフリカに住んでいるとされる先住民族は、アフリカ最古の住民と考えられている。舌打ちするようなクリック音を使う言葉が特徴。

 午後は、カラハリ砂漠の先住民である狩猟民族の案内で「ウォーキング・サファリ」に挑戦。

 午前中、ライオンたちがウロウロしていた辺りを、今度は私たちがウロウロするというのだが……。

 キャンプから彼らの住まいまでの道中、食用となる草を教えてくれたり、小動物用のワナを仕掛けて見せてくれたり。

 面白かったのは、ひとりが説明をはじめると、みんなが一斉に同じように話し出すこと。意味はまったく分からないのだけれど、説明を強調するための行為なのだそうで、“そうだ”“そうだ”と言っているようなものらしい。


ライオンといえど、猫や犬がするようにアゴを何かに乗せるのが好き? この動作、リラックスしてるとも、親密な関係を表わすともいわれてるけど、何を考えてるのか?

「ウォーキング・サファリ」を終えて彼らと別れると、お迎えのジープが「ライオンがまた出た!」と。ライオンのことばかり書いているので、かんたんに見られるものと思われそうだが……これは本当に稀なこと。“ついてる”としか言いようのない状況だ。


めったに見られないハニー・バジャー。見た目ぬいぐるみチックだが気性が荒く、ライオンにも向かっていくギネス認定「世界一怖いもの知らずの動物」。

 もちろん、ライオンのような大物ばかりがサファリではない。珍しいハニー・バジャー(蜜アナグマ)を見ることもできた。やはりシャイな2頭の彼らは、道を横切ってあっという間に姿を消してしまった。

 そしてトワイライトタイム。ガイドのポールがジープの前にバーをオープンして、黄昏どきの美しい光を楽しむための一杯を用意してくれる。

「明日は最後だけど何が見たい?」「えー、レパード(豹)が見たい!」との無茶振りに、「うーん、ハードル高いなぁ。明日はジャッカル・デーだよ」。

 そんな会話を楽しみながら、2日目が終了。


ポールは自前のクロスを用意していて、ジープにテーブルセッティング。南アフリカ産のワインがおいしかった。

 夜はまたスターベッドで。

 眠れないことがこんなに幸せだなんてと思いつつウトウトする明け方、猫に似た鳴き声が遠くで聞こえる。

 この鳴き声の主がジャッカルだった。そして前日のポールの予言どおり、3日目のサファリでは頻繁にジャッカルに遭遇することに。一匹ジャッカル、カップル・ジャッカル、親子ジャッカルと、まさにジャッカル・デーだった。


茫漠としたサバンナで何頭も見かけたジャッカル。夜行性でライオンなどの食べ残しをあさるが、ウサギなどを捕食することも。見た目可愛いんだけれども。

 さらには、初日に見たダチョウの死骸というか骨を発見。まだ生々しい状態で、きれいに食べ尽くされていた。

 少し行くとくだんのチーター、シャイボーイズが休んでる。お兄ちゃんの後脚も状態がよくなっていてヨカッタなのだが……。なにやら満足気な様子は、おなかがいっぱいということらしい。

 そう。彼らはダチョウを平らげた後だったのだ。
 
 合掌。

Kalahari Plains
(カラハリ・プレインズ)

所在地 Kalahari Game Reserve, Central Kalahari Game Reserve
https://wilderness-safaris.com/our-camps/camps/kalahari-plains-camp

究極のラグジュアリーサファリの
醍醐味とは?


キャンプはアドベンチャー、クラシック、プレミアの3カテゴリー。ブンブラ・プレインズはプレミアカテゴリーで各戸にプールが付き、ミニバーもある。

 2つめのキャンプ「ブンブラ・プレインズ」ではさらなる驚きが待機していた。まずコテージがラグジュアリーでのけぞる。三方に大きく採られた窓からは、光とサバンナの風景が堪能できる素晴らしさだ。


クドゥ(アンテロープの仲間)の群れがキャンプ内にたむろ。おとなしい草食動物とはいえ雄の体長は2メートルをゆうに超すので、群れとなるとけっこうな威圧感がある。

 で、ラグジュアリーではあるもののエコシステム完備で、地域還元、野生生物保護の「ウィルダネス・サファリ」の理念は徹底されている。

「広大な空間、手つかずの生態系、野生生物の永遠の営みという得がたい体験ができる特権こそ、本物のラグジュアリー」というこの会社の考え、とてもカッコヨイと思う。


最初に遭遇したのは、カラハリでは遭えなかったヒョウ! 木陰で休むも眼光の鋭さはやはりプレデター。

 メインイベントのサファリはというと。ここ「オカバンゴ・デルタ」はアフリカ屈指のサファリが楽しめる、世界最大のオアシス。動物の種類も多種多様なら、その数も驚くほど多い。


サファリでは象・ライオン・ヒョウ・サイ・バッファローをビッグ5と呼ぶ。狩猟時代、危険な5種類の動物とされたが、いまは人気の大型野生動物5種を指す。黒い巨体のバッファローもさすがの迫力。

 カラハリでは遭遇していないキリン、象、シマウマ、カバ……水辺という景色の違いもあり、これまた息つく暇もないアメージングな世界が展開される。


お尻に白い輪のウォーターバックは、乾季になると水中に入って水生植物を食べることもある。なんか愛嬌があって、癒してくれるウォーターバックたち。

 夕刻、遠くにライオンの咆哮が聞こえた。素人にも違いがわかる太くて低いどこか乾いた鳴き声。ライオン兄弟が連絡しあっている。ちなみにその咆哮は約8キロ四方に及ぶとか。


プレミア・キャンプのブンブラはビュッフェでなく、各料理がサーブされる。写真はリゾット。

こちらはピザ。万国共通でイタリアンはサファリ人気だ。

 サファリ以外にも楽しみがあって、ここ「ブンブラ・プレインズ」に限らずほかのキャンプもだが、食事がとてもおいしい。

 インターナショナルなメニューで、パスタもあれば生春巻きもあるという感じ。驚きのサファリにくわえての美味と洗練されたコテージに満たされると、Wi-Fiどころか電話すらつながらないという不便を忘れて、完全な“非日常”を満喫できる。

スーパー・ウルトラ・サファリ


早朝の嵐の後のサファリはモーターボートのごとき運転。メイドインジャパンのトヨタ・ランドクルーザーの実力はスゴかった。ガイドの訓練には、悪路のドライビングなど様々なコースがあるという。

 朝いちばんで「木の上に逃げたヒョウの獲物を雄ライオンが横取り」との連絡が入る。急行するもヒョウの影はなく、略奪した朝食にむしゃぶりつく雄ライオンを木陰に発見した。

 臭いはそれほど強烈ではないけれど、バリッと骨を砕く音が耳から離れない。弱肉強食、サバンナの食物連鎖の頂点に立つライオンの圧倒的優位を思い知らされる。

 そして遠くで、もう1頭の雄ライオンの咆哮が……。


澄ましているが、横取りした獲物を食べ終えた後。満腹なので、ドライバーの肩越しに写真が撮れるほど近づくことができた。

 午後は、アフタヌーンティーのスコーンを頬張りながら、ガイドのクリスによるレクチャーを受ける。面白い話を織り交ぜ、専門知識を授けてくれるみごとな講習。

 ガイドはみな博学で動物や鳥、虫だけでなく、植物の知識も豊富だ。彼らはマネージメントやメンテナンスなど、ほかの部署のトレーニングも受けるのだとか。

 だからとにかく、気が回る。動物の動きを察知する能力とゲストの意向を感知するアンテナの両方を兼ね備えているようだ。


初日はオカバンゴ・デルタについて。今日はアリ塚についてのレクチャー。

 午後のサファリはライオンの咆哮の方角へ。

 と、2頭の雄のレッド・リーチェ(アンテロープの仲間)が雌獲得の覇権をかけて、文字通り角を突き合わせている。カン、カンと剣にも似た音がサバンナに響き渡る……。
 
 すると正反対の方角の茂みから、雄ライオンがササッと現れ、一瞬。1頭のリーチェの首に食らいついて、あっというまに押し倒してしまった。

 木陰まで獲物を引きずり、ゆっくり食事を堪能する。血生臭いとか可哀想とか、そういうことではもはやない。これぞアフリカ、動かしようのない自然界の掟だ。


獲物を倒してドヤ顏の雄ライオン。渾身のスピードで獲物に襲いかかったので、彼もしばらくは身動きできず。

サバンナ・バー。右から2番めに並んでいる「アマルラ」はアフリカの樹木の実から作るお酒。「ベイリーズ」に似た味で、とても飲みやすい。

 衝撃のライオンアタックの刺激が強すぎてクラクラしていたが、スタッフがサバンナに設営してくれたバーを見て和む。一杯が沁みる夕暮れどきだった。

 4日目の朝焼けは言葉を失うほど素晴らしかった。空全体が薄紫から茜に染まった雄大な朝焼けが、きのうの強烈な経験をやわらげてくれる。

 そう。陽はまた昇る。


キャンプ全体を包み込んだみごとな朝焼け。

 そして今日は、ワイルド・ドッグ(リカオンと呼ばれる絶滅危惧種)の群れを追いかける。野生では、世界で7,000頭弱しか残っていないといわれる希少種だ。

 群れは一定の距離を保ちながら展開し、つねに移動。サッカーのフィールドプレイヤーにも似た動きを見せる彼らは、ハンティングの名手でその成功率はサバンナで一番だそうだ。


時速60キロ近くでかなりの距離を長い時間、獲物を追いかけることができるワイルド・ドッグ。彼らは社会性が高く、群れの仲間がケガをしても見捨てず、助け合いながら行動する。

Vumbura Plains
(ブンブラ・プレインズ)

所在地 Okavango Delta
https://wilderness-safaris.com/our-camps/camps/vumbura-plains

5日目にしてようやく
アフリカを反芻


ボート・サファリもできるキャンプは、象やカバたちの場所でもある。

 そして、最後のキャンプ「デュマ・タウ」へ。ここはボツワナの北、リニャンティという森と水路に囲まれたエリアだ。10戸のテントが水辺に面して立っている。

 前の「ブンブラ・プレインズ」も水辺のキャンプだったが、こちらはよりコージーに周囲の自然に溶け込んでいる感じ。


ベッド前は壁一面が窓で水辺の景色と一体化。デッキもついている。

 各テントの設えはナチュラルシックで、とても素敵。必要十分なものがコンパクトにまとまっている。

 コンパクトとはいえ洗面台はダブルシンクだったりと、使いやすさもバッチリ。配慮の行き届いたインテリアで、快適至極に過ごせる。


開放感のあるシャワーブース。たっぷり熱いお湯が使えるのがありがたい。シャンプーやコンディショナーは環境に配慮したものが用意されているので、ウィルダネス・サファリのものを使うのがお約束だ。

小洒落たソファも用意されていて、サファリ以外の時間をテントで快適に過ごせる。

 夕方からのサファリまでの時間。ぼぅっと水面を眺めていたら、向こう岸から象の親子が川を渡りはじめた。ときおり潜望鏡のように鼻を水から突き出し、渡っている。なんだかノンビリした風景に、癒される時間だった。


夜は夜で、象とカバのパーティーが開かれ……なかなかの賑やかっぷりで、みんな睡眠不足気味に。

 今回、各キャンプで素晴らしい朝焼け、夕焼けを見ることができたが、いずこもそれぞれ味わい深く記憶に残っている。

 果てしない地平線に沈むカラハリの夕陽。周囲すべてを朝焼けで染めたオカバンゴ。そしてここ「デュマ・タウ」の夕陽も筆舌に尽くしがたい素晴らしさだった。


デュマ・タウの夕陽はゆっくり沈むような気がする。時間が経つのも忘れて眺めていられる。濃密な時間は内省を求める時間でもあって、アフリカでの時間を思い返す。

 夜は「ボマ・ディナー」。火を囲んで、キャンプのスタッフが歌い踊ってくれる。キャンプの安全や幸福を願う歌なのだとか。みんなイイ声だし、さすがのリズム感でダンスもうまい。

 古来ボマとは、囲いの中で火を焚き、人々が集まり話をしたり食事をしたりすることをいう。人類が火を手にし“安全”を確保できるようになって生まれた風習らしい。そんな慣習にのっとり、月明かりの下での食事もまた楽しだ。

 どこのキャンプでも、夕食にはガイドかマネージャーが同席する。各国からのゲストとサファリという共通言語で盛り上がり、またお互いの文化や習慣の違いを知れる機会は、これまた魅力的な時間だった。

レイニーシーズンは
ベイビーシーズン


象のファミリーには、年長の子と生まれたばかりの子がいることも多い。子どもと一緒のときの母象は警戒心が強いので、近寄ると恐ろしいことに。

 ボツワナは雨季。水の恵みを受けて大地には緑が生い茂るので、とくに草木を食む草食動物たちの出産シーズンでもある。食料の心配が要らないというのは子育てには重要だ。

 だから今回、あちこちで動物親子の姿を見かけられた。しかも、1週間の滞在で、雨は早朝の嵐一度だけ。雨季といってもボツワナはシーズンオフではないのだ。


水辺ではカバの親子もたくさん。カバのあくびは威嚇行動といわれるので、親の真似して子どもも目一杯口を開けていた。

乾燥に弱いカバは昼に陸上にいることは滅多にない。そんなレアな状況、しかも小さな子カバもいるとは!

 子どもと動物の魅力にはかなわないとよくいわれるが、動物の子どもは最強。もう、見ているだけでニマニマしちゃう。

 仕草が親と同じだったり、甘えてる姿を眺めてるだけで、こちらまでがハッピーになってくる。


バブーン(ヒヒの一種)の親子も微笑ましい。子どもは背中に乗ったり、抱っこをしてもらったりと甘え放題。

 人気者のシマウマも仔馬になるとさらにキュート。シマウマは妊娠期間が12~13カ月と長いので、生まれたばかりの子どもでもすぐに立ち上がれる。

 縞模様はみんな違い、親子でもよく見ると縞の入り方が微妙に違っている。人間でいう指紋のようなものらしい。


シマウマの親子は立ちポーズもお揃い。

ワイルド・ビースト(ヌー)の親子。立ちポーズ、ウォーキングポーズどちらもお揃い。

キリンの子どももほかの動物に比べれは首は長いが、頭が大きくて愛らしい。写真左のキリンは年長さんクラス。親は奥の高い樹木の葉を食べているようで、当然、子どもたちは身の丈にあった樹を探す。

 このキャンプでは、いくつかの“恋”の現場にも遭遇した。

 動物によって発情期はまちまちなので一概にはいえないけれど、ヒョウやバブーンの交尾を何度か目撃。ヒョウの交尾は数秒なれど、何度も何度も繰り返されるので雄はぐったり。

 ちょっとディスカバリーチャンネルの番組を見ているようでもあった。
 
 今回のボツワナでは、驚くような光景を目の当たりにし、めったに遭遇できない動物を見るという貴重な体験をすることができた。

 古代の建造物を観て歴史を感じるのも素敵な旅だし、大自然の氷河などに感動してグレート・ネイチャーを味わうのもいい。

 でも、野生の動物の営みに触れるアフリカの旅は、人生を変えるほどインパクトのあるものなのは間違いない。

DumaTau
(デュマ・タウ)

所在地 Chobe National Park, Linyanti Reserve

●3カ所のキャンプの
 問い合わせ・予約先
Wilderness Safaris
(ウィルダネス・サファリ)

https://wilderness-safaris.com/

大沢さつき(おおさわ さつき)

大好きなホテル:LAPA PALACE@リスボン
大好きなレストラン:TORRE DEL SARACINO@ソレント
感動した旅:フィリピンのパラワン島ボートダイビング、ボツワナのサファリクルーズ、ムーティ指揮カラヤン没後10周年追悼ヴェルディ「レクイエム」@ウィーン楽友協会
今行きたい場所:ナミブ砂漠
ブログ https://tabi-travell.com/

文・撮影=大沢さつき

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