シドニーから半日トリップもOK 英国の面影残るサーフィン発祥の地

CREA WEB / 2019年9月21日 21時0分

#181 Manly Beach
マンリービーチ(オーストラリア)


シドニー中心部から30分でアプローチできるマンリービーチ。

 シドニー北部、太平洋に面した人気ビーチ、マンリービーチ。

 1788年、ニュー・サウス・ウェールズ州の最初の州知事が先住民アボリジニの“男らしさ(マンリー)”に感銘を受け、名付けられたビーチです。


シドニーのサーキュラー・キーから1時間に複数便、運航しています。

シドニーのスカイラインを眺めながら、マンリービーチへ出発!

洋上からオペラハウスもすぐそばに眺めることができます。

 マンリービーチへは陸からも行けますが、ビジネスの中心地シドニーCBD(中心業務地区)の北部にある埠頭のサーキュラー・キーからフェリーで行くのがポピュラー。

 海からオペラハウスを間近に眺めつつ、遠ざかっていくビル群を背に、ちょっとした船旅を楽しむこと約30分。マンリービーチのフェリー埠頭に到着します。


フェリー埠頭とマンリービーチを結ぶ目抜き通り、ザ・コルソ。

 埠頭から乗客の流れにのって進むと、「ザ・コルソ」という目抜き通りに出ます。フェリー埠頭から半島を突っ切って反対側の太平洋に面したマンリービーチへと続く道です。

 ザ・コルソは距離にして、200メートルくらいでしょうか。行儀よく並んだヤシの並木道に沿って、レストランやサーフショップ、ブティックなどが並び、子供たちが路上の噴水で遊び、心躍るリゾートの空気が漂っています。


約1.5キロ、緩やかな弧を描くマンリービーチ。金色のサラサラとした砂の感触も心地いいです。

英国の海辺町がモデル
遊歩道は憩いの場に

 通りを抜けると、ノーフォークパインで縁取られた、約1.5キロ続くマンリービーチが目の前に開けます。

 マンリービーチのリゾート開発が始まったのは、19世紀の頃。英国生まれの政治家ヘンリー・ギルバート・スミスの主導で、イングランドの海辺の町ブライトンをモデルに街づくりが始まりました。


ノーフォークパインのプロムナード。イングランドのブライトンをモデルにしているそうです。

 マンリービーチにはノースステイン、サウスステインなど、“ステイン”という言葉が含まれている地名がいくつかあります。これはフラマン人の言葉で“石の場所”という意味。

 かつてのブライトンは海岸線の一部が石のプラットホーム状になっていて、フラマン人の漁師たちが船を引き上げ、網を干すのに利用していました。やがてブライトンでは石のプラットホームが遊歩道に変化していき、市民たちの散歩道となったそうです。


休息所の壁にはマンリービーチの歩んできた歴史が紹介されています。

ビーチはカモメにとっても憩いの場のもよう。

 現在のマンリービーチもノーフォークパインが日よけとなった遊歩道に、ベンチが並び、人々の憩いの場となっています。やや強気のカモメがくつろぎの時間を邪魔しにくるかもしれませんが。


改装を繰り返しているので、居住性の高さをきちんと確保したホテル・ステイン。

 ザ・コルソ周辺もイングランド様式の名残を感じます。かつては街灯に石油ライトが使われ、トロピカルなヤシの木ではなく、松の木が植林されていたそう。

 イングランド様式の1859年建造のホテル・ステイン、1880年建造のニューブライトンホテル、どちらも改装を重ねてはいますが、ホテルとして現役で活躍しています。


ボードを抱えたサーファーと散歩を楽しむ市民が同じ海辺に。

100年以上続くサーフィン文化
全豪大会やスクールも

 そしてこのビーチのもうひとつの顔は、歴史あるサーフスポット。フレッシュウォータービーチと合わせて、オーストラリアで最初の“世界サーフィン保護区”に認定されました。


多くのプロサーファーがこの海から世界を目指しています。

 1890年代、オーストラリアにおけるボディサーフィン(身体で波に乗る)のはじまりがこの地。

 1909年にボードサーフィン(サーフボードを使って波に乗る)がスタートし、1914年にはハワイの伝説のオリンピアン、デューク・カハナモクがボードサーフィンのデモンストレーションを行いました。

 オフィシャルのサーフパトロールボートを導入したのも、マンリービーチが世界初で、1907年のことでした。

 このようにオーストラリアのサーフィン発祥の地にして、100年以上続くサーフィン文化、環境と地域を保護すべく、世界サーフィン保護区に指定されたのだそうです。

 現在も毎年2月にはサーフィン全豪オープンがマンリービーチで開催されています。

 また、オンザビーチに立つ「ノースステイン・サーフ・ライフセービングクラブ」を本拠地とした1982年設立の「マンリーサーフスクール」では、プロサーファーから子供までがサーフィンについて学んでいます。


のどかな雰囲気のサウスステイン。

マンリービーチの埠頭のフェリーの乗り合い場。夕方はノスタルジックな雰囲気。

宵闇迫るオペラハウスも絵になります。

のんびりとしたビーチエリアから、活気あふれるシティへ戻ります。

 サーフィンが地域と密接につながり、英国の名残もひとふりしたマンリービーチ。

 シドニーからわずか30分、7マイルの実際の距離よりも、遥か遠くへ出かけたような気分。シドニーからの半日ショートトリップにいかがでしょう?

マンリービーチ

●アクセス シドニーのサーキュラー・キーからフェリーで約30分
●おすすめステイ先 ホテル・ステイン
https://hotelsteyne.com.au/


古関千恵子 (こせき ちえこ)

リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/4世紀あまり。
●オフィシャルサイト https://www.chieko-koseki.com/

文・撮影=古関千恵子

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