大人の心にじんわり響く絵本 「私」に癒しの読み聞かせ

CREA WEB / 2019年10月5日 8時0分

 心身ともに満たされてこそ、健康的な美しさは手に入れられるもの。

 感情の起伏を味わったり、発見を得たり、本の世界にディープに浸って、気持ちをほぐせる本を、ライターの瀧井朝世さんに教えていただきました。


鮮やかな絵と言葉の力に心震える

桜庭一樹 作、嶽 まいこ 絵
『すきなひと』


桜庭一樹 作、嶽 まいこ 絵『すきなひと』岩崎書店 1,500円。

「わたしは ひゃくおくねん まったゆめの ような じかんだった」──p.27

 ある夜、もうひとりの自分とすれ違った〈わたし〉。

 薄暗い街角の光景から始まる物語は、ダイナミックな展開へ。

 誰かを待つ時間、何かを恋しく思う気持ちの豊かさが鮮烈な絵とともに届けられる。

 人気作家と画家が恋の形を描く「恋の絵本」シリーズ第1弾。


勤勉実直な
セミの末路とは?

ショーン・タン
『セミ』


ショーン・タン『セミ』岸本佐知子 訳、河出書房新社 1,800円。

『アライバル』で日本でも人気を博したオーストラリアの作家の新作絵本。

 毎日熱心に働いても認められず、虐げられるサラリーマンのセミ。

 人間をセミに投影した内容だと思ったら、意外な結末が待っていて打ちのめされる。

嫌な人&ことへの
対処法あれこれ

ヨシタケシンスケ
『ころべばいいのに』


ヨシタケシンスケ『ころべばいいのに』ブロンズ新社 1,400円。

 嫌いな人がいたり、イヤなことがあったりしたときは楽しくない。

 そんなときはどうする?

 小学生の女の子が下校しながら豊かな思考を広げていく。イラストもイマジネーション豊かでかわいい!

 大人にも届く、心の処方箋となる絵本。

●教えてくれたのは……
瀧井朝世(たきいあさよ)さん

作家インタビューや書評を多く手掛ける。著書に書評集『偏愛読書トライアングル』(新潮社)、インタビュー集『あの人とあの本の話』(小学館)などがある。

Text=Asayo Takii
Photographs=Wataru Sato〈still life〉

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング