不思議な入口の東京美術館4選 東京駅から? 銭湯から入る⁉

CREA WEB / 2019年12月7日 7時0分

 東京のあちらこちらでよく目を凝らすと、何やら不思議な入口が。

 実はこれらの入口は、どれもディープなアートの世界へつながっているのだとか……。

 ライターの山内宏泰さんに、東京にある“入口が不思議な”美術館をお伺いしました。


◆東京ステーションギャラリー
[丸の内]

東京駅直結でいきなり異空間へ


 東京駅丸の内北口の改札を抜けて、右手へ徒歩10秒。さりげないエントランスが見えたらそこが同館だ。

 駅近にもほどがあるし、無数の人が行き交う日常的な光景の極致からいきなり展示空間という非日常へと、これほど劇的な変化が楽しめるのも、ここならでは。

 東京駅の構造を成す鉄骨や赤煉瓦も見える展示室内では、個性的な近現代美術の企画に加え、ときに鉄道関連の展示も。


東京駅の構造を支える赤煉瓦に囲まれて。写真は「没後90年記念 岸田劉生展」の様子(現在は山口にて開催中、その後名古屋へ巡回)

東京ステーションギャラリー

所在地 東京都千代田区丸の内1-9-1
電話番号 03-3212-2485
開場時間 10:00~18:00、金曜 10:00~20:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日 月曜
料金 展覧会ごとに異なる
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/


●開催中の企画展
「坂田一男 捲土重来」

会期 開催中~2020年1月26日(日)
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/201912_sakata.html

◆SCAI THE BATHHOUSE
[谷中]

銭湯とアートの相性は抜群だった


 じつに創業は1786年という老舗銭湯が廃業する際、建物を丸ごと転用する形で開廊したのがこちらのギャラリー。

 天井高8メートルで自然光も差し込む造りは、展示空間にもってこいだったのだ。

 入口に下足箱を残すなど、銭湯時代の趣もたっぷり残している。

 名和晃平やアニッシュ・カプーアなど、国内外を問わず現代美術の流れを形成するアーティストの、最先端にして最新の作品が観られる。


柱のない大空間は現代アートの展示に最適。神谷徹「Modest Engagement」(2016年)展示風景 撮影:表恒匡 協力:SCAI THE BATHHOUSE

谷中 SCAI THE BATHHOUSE

所在地 東京都台東区谷中 6-1-23 柏湯跡
電話番号 03-3821-1144
開場時間 12:00~18:00
休館日 日・月曜、祝日
料金 入場無料
https://www.scaithebathhouse.com/

◆すみだ北斎美術館
[両国]

総シルバーの建築に北斎作品が収まる


すみだ北斎美術館を設計したのは世界的に有名な建築家・妹島和世。建物の最上階からは東京スカイツリーを眺めることができる。

 古今を通して世界で最も名を知られる日本の芸術家といえば、江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎で決まりだ。

 出生地とされる付近に2016年、北斎作品を専門に扱う美術館が誕生した。

 銀色に輝く建築が、大きな児童公園と隣り合うかたちで建つロケーションは、終生身近なものを描き続けた北斎にふさわしい。

 今の世に北斎が甦ったら、きっと公園で遊ぶ子らを飽かず写生し続けたに違いない。


「日本一の浮世絵師」の作品と生涯を一気にたどる。

すみだ北斎美術館

所在地 東京都墨田区亀沢2-7-2
電話番号 03-6658-8936
開場時間 9:30~17:30 ※入館は閉館の30分前まで
休館日 月曜
料金 一般 400円(常設展)、企画展は展覧会ごとに異なる
https://hokusai-museum.jp/


●開催中の企画展
「北斎没後170年記念北斎 視覚のマジック小布施・北斎館名品展」

会期 開催中~2020年1月19日(日)
協力 墨田区、すみだフィルムコミッション
https://hokusai-museum.jp/modules/Exhibition/

◆大倉集古館
[虎ノ門]

東洋の伝統美に浸りきってみる


 大実業家の大倉喜八郎が1917年に創設し、自身のコレクションを収めたのが同館。

 関東大震災で被災するも、建築家・建築史家の伊東忠太により陳列館が再建された。

 近年のリニューアルを経て2019年9月に再オープン。

 同じくリニューアルしたThe Okura Tokyoと敷地を共にするので、アプローチから内観までの趣は抜群。

 最良の環境で日本・東洋美術の奥深さに触れられる。


日本・東洋美術の粋を観るのに格好の重厚な空間。

大倉集古館

所在地 東京都港区虎ノ門2-10-3
電話番号 03-5575-5711
開場時間 10:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日 月曜 (祝日の場合は翌平日)
料金 一般 1,000円、特別展 1,300円
https://www.shukokan.org/


●今後の企画展
新春特集展示「能と吉祥 寿 -Kotohogi-」

会期 12月24日(火)~2020年1月26日(日)
料金 特別料金 500円
https://www.shukokan.org/exhibition/future.html

●Recommender
山内宏泰さん

ライター。主にアートや文学について執筆。近著に『写真を読む夜』(誠文堂新光社)、電子書籍『写すひと』(コルク)など。小誌にて「山内宏泰のこの1枚に会いたい!」連載中。

Text=Hiroyasu Yamauchi
Photographs=Atsushi Hashimoto, Norihiro Ueno〈SCAI THE BATHHOUSE〉

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