キノコの可能性は無限大♪ 軽井沢の地元博士の名物プレートを

CREA WEB / 2020年6月25日 11時0分


「キノコは料理の師匠でもある。『おいしくしろよ』と挑んでくる」内堀 篤さん/E.Bu.Ri.Koシェフ

 軽井沢らしい並木道に佇む一軒家のフランス料理店。森の多い軽井沢でキノコは身近な存在だが、内堀シェフは町でも“キノコ博士”と呼ばれている。

「東京で修業を積んで、独立するときに軽井沢を選んだのは、やはり“森”があるからでした。近所を歩いているだけで『ほら、あそこにタマゴタケが』みたいなことが普通にある、最高の環境です」

 曰く、キノコを日々探していると“キノコ目”になるそうで、向こうから飛び込んでくるのだとか。


「キノコを学ぶと、木を学び、森を学ぶことにもなる。キノコは森の生と死の循環に深く関わっていて、命のことや環境問題にも想いを寄せるようになりました」

 キノコからの学び、深い……!

「料理のこともそう。自分で採ったり、毎日のように全国のキノコハンターや農家さんからキノコが届くと、僕はキノコから『さあ、どうおいしくしてくれるんだ?』って問いかけられ、その静かな圧が僕を少しずつ成長させてくれる。キノコは最高の師匠なんです」

本日のキノコの一皿


使っているキノコ:右上から時計回りで、タモギタケ/ササクレヒトヨタケ/マイタケ/白マイタケ/バイリング/野生種えのき/シイタケ/ハナビラタケ/ポルトヴェーラ/トガリアミガサタケ/ハタケシメジ。

 10種類以上のキノコが使われる名物プレート。ランチ 2,400円にオプションとして追加。内容は季節による。1,780円~。写真は2人分。

1. タモギタケ

「鮮やかな黄色でお皿の上を華やかにしてくれ、独特の香りはほかのキノコと合わせるとさらに魅力を発揮します」

2. ササクレヒトヨタケ

「たったひと晩で溶けて消えてしまう儚いキノコ。成熟する前の幼菌を使います。溶けた液も旨みがあるんですよ」

3. マイタケ

「スーパーでも買えるおなじみのキノコ。長持ちしますが、鮮度が大事。朝採れたものだけを使うようにしています」

4. 白マイタケ

「ナッツのような甘い風味が特徴。特にパリッと焼き目をつけてあげるとアーモンドのような香ばしさが出ます」

5. バイリング

「つけ根はコリコリ、傘はふんわりした食感の対比が面白い。美白成分があり、『白霊茸』という幻想的な別名も」

6. 野生種えのき

「野生種から菌を採取して栽培。歯切れがよく、いちごジャムのような甘い香りがするのでデザートにも使います」

7. シイタケ

「日本で栽培に成功した、世界に誇るキノコで、お隣の群馬県が発祥の地とも。原木栽培で、春・秋の旬のものを使用」

8. ハナビラタケ

「ヒラヒラと美しく、森で出合うとうれしくなります。しなやかな歯切れでクセがなく、料理しやすいキノコです」

9. ポルトヴェーラ

「オーストラリア原産の大型マッシュルーム。大きいほど味が強くなります。日本でも人気が出始めているキノコ」

10. トガリアミガサタケ

「モリーユとも呼ばれ、古くから西洋人に愛されているキノコ。中が空洞なのでディナーではつめ物をする料理に」

11. ハタケシメジ

「シメジにも色々な種類がある中で味のよさでは三本の指に入ります。こちらは栽培ものですが、天然もあります」

20種類のキノコのポタージュ


使っているキノコ:タモギタケ/ササクレヒトヨタケ/ マイタケ/白マイタケ/ バイリング/野生種えのき/ シイタケ/ポルトヴェーラ/ トガリアミガサタケ/ ハタケシメジ/ハナビラタケ/ ウスヒラタケ/アカジコウ/ ホウキタケ/黒ラッパタケ/ カノシタ/アミタケ/クロカワ/ ヤマドリタケモドキ/ トリュフ/冬虫夏草。

 キノコ好きにはたまらない、キノコの魅力を凝縮した一皿。キノコは冷凍熟成し、旨みを増幅。岡山県産トリュフと栽培品の冬虫夏草を添えて。ランチコース 2,400円に含まれる。

トガリアミガサタケのリゾットづめロースト


使っているキノコ:トガリアミガサタケ。

 傘の中には煮てほぐした牛テール肉とセリのリゾット、刻んだ柄の部分をつめ、こんがりと焼き上げる。


 ディナー 7,400円・8,900円コースの「キノコの一皿」の一例。

パンもキノコ!


 シンプルに見えて、パンにもキノコが。写真右は野生キノコなどから抽出した「暁酵素」を使用。左はライ麦生地にエノキをピュレにして練り込んでいる。

イチゴのショートケーキ


使っているキノコ:白キクラゲ。

 デザートも普通のケーキに非ず。イチゴとスポンジに、ほろ苦いイチゴの葉の粉末とはちみつと白ワインを使った白キクラゲのコンポートを添えて、森の雰囲気を醸し出す。

「生は半透明で美しい。中華料理や薬膳にも使われます。あっさりして甘みとも好相性」

森のキノコレクション

アミガサタケ


「頭が丸いタイプのモリーユ。西洋人にとってはモリーユ探しは春のレジャー。私も“花よりモリーユ”です」

タマゴタケ


「卵のように白いツボから出てきます。おいしいですが毒キノコのベニテングタケに似ているので要注意」

アカヤマドリ


「こちらはまだ子どもキノコ。大きくなると傘はひび割れて花のように開きます。連なって生えるのも特徴」

ホウキタケ


「根元から深く枝分かれし、先端は紅色と、まるでサンゴのような美しさ。秋になると雑木林に群生します」

ススケヤマドリタケ


「4種類あるポルチーニの一種で、傘が黒いもの。フレッシュなものは蟻が集まるほど甘みがあるんです」

ハナビラタケ


「初夏から秋に現れる、森のブーケ。栽培も増えていますが、森では“幻のキノコ”とも呼ばれ、貴重です」

コウタケ


「漢字で書くと『香茸』。実際に香りが強く華やかで、店ではキャラメルに。夏と秋に2回短い旬が訪れます」

ヤマドリタケモドキ


「別名『サマーポルチーニ』。傘はフェルトのようにふわっとしていて、湿ると粘り気が出るのが特徴」

キノコ愛が伝わる お手製キノコ図鑑!


 お店には内堀シェフとマダムお手製のキノコ図鑑も。撮り下ろし写真のほか、おすすめの食べ方などキノコ情報が満載なので、ぜひ見せてもらいたい!


E.Bu.Ri.Ko

所在地 長野県北佐久郡軽井沢町大字軽井沢1157-6
電話番号 0267-42-3033
営業時間 11:30~13:30 L.O. 17:30~19:30 L.O.
定休日 水曜、月2回連休あり
http://www.eburiko.com/
※要予約

Photographs=Nanae Suzuki

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