自然豊かな南伊豆へ移住した女性たち 憧れのサステナブルな暮らしとは

CREA WEB / 2020年7月18日 20時0分

#200 Hagachizaki
波勝崎(静岡県/伊豆半島)


エメラルドグリーンの海。バナナやアボカドも自生する豊かな自然が広がる南伊豆。

 自然を求めて都会から地方へ移住。あるいは、都会から生まれ育った地元へUターン。

 こうした動きは前々からありましたが、ここ数年は“田舎暮らし”というよりも“サステナブルなライフスタイル”という言葉の方がしっくりくるような気がします。

 伊豆半島の西伊豆や南伊豆は、東京から車で約3時間半ながら、濃厚な自然の息吹を感じます。

 背後には緑深い山が迫り、入り組んだ海岸線の向こうには駿河湾。暖かい南伊豆では南国のバナナやアボカドも自生しているとか! 

 今回、たまたまネットで見つけた南伊豆のヴィラをきっかけに、南伊豆で心地よく暮らす方々と知り合うことができました。

 そのヴィラは山間の中にぽつんと立つ、ガラス張りのモダニズム建築、Izu Cliff House。


1969年に建造され、廃墟だった建物にふたたび息を吹き込んだIzu Cliff House。

 大海原へ突き出したようなヴィラのデッキからは、眼下に岩がごつごつした宇留井島が浮かび、視界のかぎり、人工物が見えません。

 そして気持ちいいくらい、まっすぐな水平線。どこか、ヨーロッパの島にいるようです。

 オーナーの坂田華さんは移住というよりも、東京と南伊豆のデュアル生活。下田に海水浴にきた帰りに、何の気なしに物件を探して、このロケーションにひと目惚れ。

 築50年足らずの建物は、ガラスは割れているし、蔦は絡まっているし、床は泥だらけ。まさに廃墟。それでも、その日のうちに購入を決定したそうです。


ハンモックに揺られて、ごきげんなデッキテラス。

 それから毎週、東京から通い、DIYで少しずつ手を加えていったそう。手に負えない部分は業者に依頼し、結局、改装費用は購入額の何倍もの金額に。けれども、自然とひとつになれる、理想のヴィラが完成しました。

伊豆へ移住した女性たちの心地よい暮らし


ほぼ自給自足に近い暮らしを送っているnaocacoanの直香さん。

 華さんが伊豆へ通ううちに知り合いになった原田直香さんは3年前に移住してきた、ビーガン料理のケータリング屋さんnaocacoan(ナオカコアン)。

 野菜やハーブ、お米までも育て、その数約30種類。海水や塩泉から塩を作り、その塩で味噌や梅干しまでも、こしらえる。いわば種を植えるところから手作りのビーガン料理です。


すべて自然から生まれた色のお料理。ひと口食べて、思わず涙ぐむ人もいる、ビーガン料理です。

 しかも、ボックスに詰め込んだ料理がパレットのように、色がきれい。赤玉ねぎにレモンをどのくらい垂らしたら、どんな色になるのか? 色鉛筆を選ぶ気分で、楽しみながら、調理をするそう。

 身体にやさしく、楽しい気分にさせてくれる、愛情をいっぱいかけた料理を運んでくれます。

 ヨガ・インストラクターの小松彩乃さんは、サーファーの彼が先に下田に移住したのをきっかけに、3カ月前に移住。


彩乃さんが行うのはヴィンヤサ・フロー・ヨガ。呼吸に合わせて動き、心地よい汗をかきます。

「ここは空気が美味しくて、“プラナ”(エネルギー)を多く感じられます。ヨガの後の気持ち良さといったら!」

 また、東京で働いた後に、故郷の下田に戻ったトモコさんはセラピスト。

 カリフォルニアのビッグサー発祥のエサレンマッサージをアレンジした“OMOIYARI TOUCHトリートメント”は、関節を動かし、ストレッチすることで、リンパの流れと血流を促すのだとか。


トモコさんのマッサージは施術後、表情もボディもすっきり。

「ゆっくりと丁寧にカラダに触れることで、日頃離れがちな心とカラダを繋ぐお手伝いをしています」

 ナチュラルに生きる人たちが伊豆を選ぶのか、伊豆の自然が人をそうさせるのか。

ビーチでは 自由気ままなサルの姿を楽しんで


駐車場から坂道を下りて、サルたちの浜へ。

 さて、今回のビーチは、伊豆半島の西伊豆を海岸線に沿って下り、途中で立ち寄った波勝崎。

 海辺にある「波勝崎モンキーベイ」には、野生のニホンザルが約300匹、暮らしています。


仲間同士で毛づくろい。

 波勝崎苑は1957年にオープン、けれど観光客が徐々に減少し、2019年9月に閉園に追い込まれました。

 そこで「ニホンザル300匹を救え」と、クラウドファンディングで資金を集め、みごと目標金額を達成。2020年5月に「波勝崎モンキーベイ」として再始動しました。


60年以上、サルたちの楽園だった浜。一度クローズしつつも2020年5月再スタート。

太古の昔、熱水によって黄白色に変化しているこの界隈の岩。

 通常の動物園ならば、オリの外からサル山を見学しますが、ココでは人間がサルの生活の場に入れてもらうシステム。

 ビーチの縁にごろりと寝転んだ母ザルを子供が毛づくろいしていたり、小石の合間にはまった餌を食べていたり。


餌の時間が近付くと、建物の前に集まり、にわかに戦闘モードに。

 自由気ままな彼らの姿に、ほっこりすることでしょう。ただし、餌の時間はちょっとしたバトルですが。

波勝崎

●アクセス 東京から車で約3時間30分~4時間


古関千恵子 (こせき ちえこ)

リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/4世紀あまり。
●オフィシャルサイト https://www.chieko-koseki.com/

文=古関千恵子
撮影=Michika Mochizuki
モデル=Mika Furuya

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