ハリウッドでも活躍する森崎ウィン 今注目の俳優が語る仕事にかける想い

CREA WEB / 2020年9月11日 17時0分


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 スピルバーグ監督作『レディ・プレイヤー1』で、ハリウッドデビューを飾った森崎ウィン。

 最新主演作『妖怪人間ベラ』ではさらなる新境地を開いたミャンマー出身の彼が、俳優として、歌手として、12年間に及ぶキャリアを振り返る。

●10歳のとき ミャンマーから移住


――ミャンマー人の両親を持ち、ミャンマーで生まれ育った森崎さんですが、幼い頃の夢や日本のイメージは?

 小2のときに、学校のサッカークラブに入って、ゴールキーパーをやっていましたが、将来の夢は、特にありませんでした。

 両親が日本勤務だったこともあり、祖母と一緒に暮らしていましたが、日本に行きたい気持ちもありませんでしたね。日本のイメージは、ミャンマーに比べ、物価が高い国という程度のものでした。

――その後、10歳のときに日本に移住し、14歳で現在の事務所(スターダストプロモーション)にスカウトされます。

 恵比寿を歩いていたときに、スカウトされたのですが、当時流行していた芸能事務所を偽った詐欺だと思いました(笑)。

 いざ、事務所に行ったら、本当だったことに驚き、習い事をする感覚で、週1のダンスと演技のレッスンに通うことにしました。その後、ボイトレも受けさせてもらえるようになりました。

●俳優としての厳しさを知った 阿部寛の一言


――そして、08年にはドラマ「学校じゃ教えられない!」で俳優デビューするほか、ダンス&ボーカルユニット「PRIZMAX(プリズマックス)」メンバーに加入されます。当時は路上ライブもされていたようですが、ご苦労もあった?

 ドラマに関しては、やっとオーディションが受かったので嬉しかったです。プリズとしての活動は、すでに人気があったグループに、後から加入しただけなので、路上ライブにもお客さんがいっぱい来てくれましたし、苦労は特にありませんでした。

 ただ、その後、法律が改正されたことで路上ライブができなくなり、どんどん活動範囲が狭まって、メンバーも抜けてしまったんです。

 13年、5人組としてCDデビューできるまでの2~3年間は、「この先どうなってしまうのか?」という不安でいっぱいでした。

――俳優としては、11年に実在したバンドの話を映画化した『天国からのエール』で演じられたドラム担当・カイ役が印象的でした。

 お芝居も音楽も、どちらもやりたいという気持ちでいっぱいだったのですが、この作品の現場で、僕の芝居に対して、主演の阿部寛さんが「そのセリフ、グッと来ない」と仰られたんです。

 そのとき、プロの俳優としての厳しさを知りましたし、自分の無力さにも気付かされました。そうやって、いろんな作品でいろんなことを少しずつ学ばせていただきました。

●スピルバーグ監督作の 主要キャラに抜擢


――さらに、14年公開の尾崎豊さん追悼映画『シェリー』では主演を務められます。

 身をもって、主演としての大変さを知り、何度も心が折れました(笑)。予算もあまりない作品だったので、スケジュールもタイトで、いろいろな問題も起こりましたが、それを乗り切るスタッフさんのスゴさを学ばせてもらいました。

 作品ごとに、僕の中ではいろんな変化が起きますし、引き出しも増えていっています。

 ただ、世に出たもので、僕の存在を知ってもらえるきっかけになった転機は、やはり18年に公開された『レディ・プレイヤー1』といえるかもしれません。

――そんな主要キャストであるダイトウ役に抜擢され、ハリウッドデビューとなったスティーヴン・スピルバーグ監督作『レディ・プレイヤー1』についてもお願いします。

 今、思うと、あんな大きな役で出演できたことに、「自分はどれだけ強運の持ち主なんだ」と思います。オーディションは15年に受けたのですが、翌年に合格の連絡が来て、翌週にはイギリスに飛んでいたぐらい怒涛の展開でした。

 ただ、ハリウッド大作はLAで撮影するイメージが強かったので、イギリスのスタジオにずっと籠りっきりの撮影には驚きました。

ハリウッドといえば、毎晩パーティーで「イェーイ!」といった華やかなイメージがあると思うんですが、作品を作っているあいだは泥水を飲んでいるかのように大変であることは、日本と変わらないんです。

●削ぎ落としたことでの変化


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――この貴重な経験から、いちばん学んだことは何でしょうか?

 ある程度、できると思っていた自分の英語力の限界などを知りました。自分ができないことはハッキリ認めることが大切です。自分を良く見せようとせず、削ぎ落としていくこと。

 とても難しいことだと思うんですが、それが撮影の途中からできたことで、気持ちが楽になりましたし、いろんなものを得ることができました。そして、この仕事が好きなことを実感でき、さらに成長して、ハリウッドでもう一回勝負したいと思えるようになりました。

――これを機に、状況が一変したことに関しては?

『レディプレ』以前の僕の活動は、ひとつの作品が終われば、また新たなオーディションを受けなければいけない状況でした。つまり、翌年のこともよく分からず、先が見えない真っ暗闇の中を歩いていたんです。

『レディプレ』以降は、いろんな作品に呼んでいただけるようになり、とても有り難く思っています。人生が180度変わるということは、こういうことだと実感しています。


森崎ウィン(もりさき・うぃん)

1990年8月20日生まれ。ミャンマー・ヤンゴン出身。2008年、俳優デビューとともに、ダンス&ボーカル ユニットPRIZMAX(現、解散)で活動開始。18年、『レディ・プレイヤー1』でハリウッドデビュー。同年にはミャンマー観光大使に任命。現在、シングル「パレード - PARADE」が配信中のほか、NHKドラマ「彼女が成仏できない理由」が9月12日より放送開始。10月9日には、主演作『本気のしるし 劇場版』の公開も控える。


『妖怪人間ベラ』

ある廃墟で、アニメ「妖怪人間ベム」の幻の最終回を発見し、衝撃の結末に正気を失いそうになった、広告代理店勤務の新田(森崎)。やがて、彼は同級生を狂気に陥れていた女子高生のベラ(emma)を追い求め、狂気的な行動を繰り返すようになる。
https://bela-movie.com/
2020年9月11日(金)より池袋HUMAXシネマズ、渋谷HUMAXシネマほか、全国順次ロードショー。
配給 DLE
©2020「妖怪人間ベラ」製作委員会
映画『妖怪人間ベラ』の前日談に迫る連続ドラマ『妖怪人間ベラ~Episode0(ゼロ)~』絶賛配信中!
詳しくはこちら
https://bela-movie.com/dorama/index.html

文=くれい響
撮影=平松市聖
ヘアメイク=KEIKO(Sublimation)
スタイリスト=森田晃嘉

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