withマスク時代の印象アップ術 話題の「美顔ボイトレ」とは?

CREA WEB / 2021年2月27日 7時0分


 withマスク生活で人と会話をする際にも口もとが見えない分、“声”による表現がこれまで以上に重要な役割を担うようになりました。しかし、マスクや会話の機会が減ることによって「相手の声が聞こえづらい」「自分の声がうまく聞き取ってもらえない」「滑舌が悪くなった」という発声に関する悩みと同時に、表情が乏しくなった、フェイスラインがたるんできたといった顔に関する悩みも増えてきたというのが現実。

 そこで、今注目が集まっているのが「声」と「顔」を同時に良くすることができる「美顔ボイトレ」。その基本メソッドを美顔ボイストレーナーの鳥山真翔さんに教えてもらいました。

声が変われば顔が変わる!? 一挙両得の"美顔ボイトレ"

 早速ですが、気になる「美顔ボイトレ」とは?

「基本的には、発声を良くするボイストレーニング。“声を良くするためにボイトレを頑張っていたら顔が小さくなっていった!”というのがきっかけで、発声と表情筋との関係を研究するようになりました」(鳥山さん)

 実は、いい声を出すために鍛える表情筋こそ、若々しい印象を保つうえでとても大切な筋肉。それゆえ、ボイストレーニングをすることによって美声と美顔が同時に手に入るのです。

「声を良くすると、自分の気分や性格にも影響します。脳は自分自身の声を常に聞いているので、明るい声だとテンションも上がりますし、反対に暗い声を聞いていると気分も落ち込みます。また、年齢が声に現れると聴覚からそれを察知し、自分で自分が老けたと認識してしまいます。つまり、声が若々しく明るくなれば、表情や気分も若々しく明るくなれるのです」

いい声は「鼻の奥」で響かせる

「“腹から声を出す”という表現がありますが、発声的には間違い。正しくは鼻の奥の鼻腔で響かせること(=「鼻腔共鳴」)で、よい声が出せます。

 そのためには、まずはしっかりと鼻呼吸をすることが重要です。しかし、ストレスによるあごの食いしばりや、マスク生活による口呼吸、姿勢の悪さなどによって呼吸が浅くなっているという人も少なくありません」

 そこで取り入れたいのが、鼻呼吸をしやすくするための表情筋のトレーニング。

「表情筋はやみくもにすべて鍛えればいいというものではなく、動かすべき筋肉と動かさないほうがいい筋肉があります。特に動かしたくないのがあごの筋肉。あごは少し開いている状態が正しく、食いしばりが起こると呼吸が浅くなり、のどが圧迫され発声を妨げるとともにエラ張りやフェイスラインのたるみの原因に。あごは使わず、あごより上の筋肉を使うのが基本。なかでもたった2つの表情筋を鍛えれば、深い鼻呼吸によるいい発声と美顔が手に入りますよ」

鍛えたい表情筋 その1 「上眼瞼挙筋」

「上眼瞼挙筋」とは、上まぶたを眼球の奥のほうへシャッターのように巻き上げ、下ろす筋肉。「ただ、多くの人が『目を大きく開けて』と言うと、おでこの力を使って縦に見開いてしまいます。実はこの目の開け方は、鼻呼吸を妨げる原因。おでこや眉間のシワや、まぶたのたるみにもつながるので、発声はもちろん若々しい目もとをキープするために、上眼瞼挙筋を使って目を開ける癖を身につけましょう」(鳥山さん)

まずは普段の目の開き方をチェック!


 目を開けると額に横じわが入るという人は、「上眼瞼挙筋」ではなくおでこの力で目を開けています。これでは鼻呼吸がしづらく、目のたるみにもつながります。


 目を開けると眉間にシワが寄ってしまうという人も、余計な力が入り、肝心の「上眼瞼挙筋」が使えていないタイプ。こちらも、鼻呼吸を妨げるだけでなく、表情が険しくなる原因に。


 まるで死んだ魚のような目になり、目もと全体に力がないタイプ。元気のない印象に見え、目もとの筋肉全体の衰えも心配。呼吸も浅くなります。

<上眼瞼挙筋を使った目の開き方>


 おでこに余計な力がかからず、上眼瞼挙筋だけを使って目を開いた状態。鼻の上奥のほうまで深く息を吸うことができるので、目もとにも酸素が行き渡り、瞳もキラキラに。まぶたのたるみを防ぐ効果もあるので、若々しく明るい印象にもつながります。

 鏡を見ながら、NGの目の開け方の時と、正しい目の開け方の時とで、それぞれ鼻呼吸をしてみると、明らかに呼吸の深度が違うことがわかるはずです!

鼻で深く吸えて目力アップ! 上眼瞼挙筋トレーニング

(1)おでこを押さえながら目を開く


 普通に目を開いた状態から、両手をおでこに当て、動かないように固定。両目の上まぶたを眼球の奥に巻き込むイメージで5秒かけて開き、5秒かけて戻す。これを5回繰り返します。

(2)片目ずつ、おでこを動かさずに目を開ける感覚を身につける



 右の眉上に手を当てて、おでこが動かないように固定したら、左まぶたをぐっと巻き込み、目を開いて戻す。反対側も同様に。左右交互に10秒ずつ行いましょう。

(3)片目ずつウィンクしてさらに動きをスムーズに



 両目を開いた状態から、片目ずつ閉じてウィンクをします。難しい場合は、手で片目を閉じた状態で抑えてOK。続けるうちに、左右どちらの上眼瞼挙筋も自在に動かせるように。左右交互に10秒ずつ行いましょう。

 動画で、一緒にやってみましょう!

鍛えたい表情筋 その2 「口角挙筋」

「口角挙筋」とは、その名の通り口角を上に持ち上げる筋肉。涙袋の下から縦に伸びており、ここが衰えると口角が下がって表情が暗くなったり、フェイスラインのたるみの原因に。

「鼻の奥で声を響かせ、いい声を出す「鼻腔共鳴」のためには、深い鼻呼吸が重要。口角挙筋を鍛えれば、鼻呼吸がしやすくなるとともに、キレイな笑顔もつくれるようになります。フェイスラインのリフトアップにも効果的です」(鳥山さん)

<まずは自分の笑顔を確認>

 にっこり笑ったとき、あなたの笑顔に近いものはどちらでしょうか?


OK

・口角が上がっている
・上の歯だけ見えている
・頬が高く上がる


NG

・口角が下がっている
・下の歯が見える
・首筋の張りを感じる

 OK写真が、口角挙筋を使った笑顔。NG写真は首に筋が入り、喉を圧迫してしまう笑顔です。

「喉を圧迫すると当然良い声が出せませんし、呼吸も浅くなります。さらに口角が下がって口もとやフェイスラインがゆるみ、老けた印象にもつながるため注意が必要。一方、きちんと口角挙筋を使えていると、鼻の奥の、脳に接する部分(蝶形骨洞)までたっぷりと息を吸うことができ、いい声が出せるとともに、脳に酸素をたっぷり届けてホルモンバランスを整える効果も期待できます」(鳥山さん)

深く吸えて顔がリフトアップ! 「口角挙筋」のトレーニング

(1)「口角挙筋」を巻き上げて笑顔を作る


 涙袋の下から口角に向かって伸びる「口角挙筋」を使って笑顔を作ります。難しい場合は左右の小鼻の横あたりに人差し指の腹を当て、上の歯だけが見えるようぐっと押し上げて。この状態で肩の力を抜き、10秒キープします。

(2)片側ずつ、使いたくない筋肉を確認



 片側ずつ下の奥歯が見えるように口角を下げます。できない人は指で口角を引き下げてOK。この時に首に筋が張り、喉が圧迫される感覚を確認。普段真顔のときや笑顔の時にこの状態にならないよう意識しましょう。

(3)片側ずつ「口角挙筋」を上げて上の奥歯を見せる



 片側ずつ、上の奥歯が見えるように口角を持ち上げます。できない人は、小鼻の横に人差し指の腹を当て、ぐっと押し上げましょう。この時、外側に開くのではなく、目頭側に押し込むように上げると、口角挙筋を刺激できます。鈍い痛みを感じる場合、老廃物が蓄積している証拠! 10秒キープしたら下ろし、反対側も同様に。

 動画で一緒にやってみましょう!

鼻腔共鳴による発声は、今の時代にこそ身に付けたいスキル

 オンラインやマスク越しでの初対面が増える中、声の聞き取りにくさは第一印象で損をする要因。

「日本語がすべて口腔内で発音できてしまうという特性も相まって、多くの人が鼻腔共鳴ではなく喉元、口先だけで声を出しています。動画や録音で自分の声を聞いたときに、『自分の思っている声と違う』と感じる人ほど、発声がよくありません。「鼻腔共鳴」で発声ができていると、体の内側で響いた声を聴覚で直接聴くので、実際に出している声と自分の耳に聞こえる声とのギャップはありません。しかも、口ではなく鼻の奥で声を響かせているのでマスクで口元が覆われていても、相手にも自分にもはっきりと声が聞き取れますよ」(鳥山さん)

ポイントは姿勢とカメラ位置! オンラインでの印象アップ術

 まずは、PCやスマートフォン越しに相手と話す際の自分の姿勢をチェックしてみましょう。

 カメラ位置が低く、あごを引いて下を向いた状態で話していませんか?


NG カメラ位置が低い

・姿勢が悪くなり、第一印象もダウン
・のどが圧迫され、いい声が出せない
・首が詰まって顔が動かせないので表情が乏しくなる
・顔を下に向けているので、顔がたるんで見える


OK カメラが目線の高さと同じ

・姿勢が正しくなり、印象もよくなる
・鼻呼吸がしやすくなり、発声がしやすくなる
・表情も明るくなる

 聞き取りやすく、好印象につながるいい声、顔のリフトアップ、目力アップ、美しい笑顔、ホルモンバランスの調整、ストレスの緩和、気分のコントロール…たった2つの表情筋を鍛えるだけで嬉しい効果が満載の「美顔ボイトレ」。ぜひ試してみてください。

 次回は気になる「声のエイジングケア」についてお届けします!


●教えていただいたのは……
鳥山真翔(とりやま・まなと)さん

子役として数々のドラマや映画等に出演。その後、ゴスペルシンガー、ディレクターとしてプロ活動を行う。現在は『人の声がどこで響いているのかが、色で見える』という特殊な共感覚を生かし、ボイストレーナーとして活躍。独自で生み出した表情筋と発声の深い関係を説く『美顔ボイトレ』が話題となり、メディア出演も多数。

Text=Kyoko Murahana
Photographs&Videographs=Kiichi Matsumoto

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