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齋藤 薫が息苦しさを感じる人へ指南 生きる意欲を高める美容のコツ10

CREA WEB / 2021年4月11日 13時0分

 西洋占星術的には200年ぶりに“地の時代”が終わり、“風の時代”が始まった。

 産業革命に始まる物質の時代が終わり、心の時代へのパラダイムシフトだ。

 変革の時期、社会の不平等や不寛容など、ひずみが顕わになる中にコロナ禍が重なり、多くの人が息苦しさを感じているだろう。こんな時、多少なりとも美容がその助けにならないものか?

 ささやかな動作で、生命力のスイッチをオンにする、それが美容の不思議さだから。


美容にもプラセボ効果がある。
とりわけメイクは、命を吹き込む偽薬である


 メイクにはプラセボ効果がある……そう言ったら驚くだろうか。プラセボ効果とは外見は薬でも薬の成分は全く入っていない、いわゆる偽薬。それでも効果が出てしまったりすることを言う。

 理由は未だ不明、でも暗示や自然治癒力が働くのだろう。じつは化粧品でも同じことが起こり、ただの水に“モイスチャーローション”というラベルがあるだけで“とっても潤う”と評価する人が少なくないのだ。

 更に、こういうことってないだろうか。疲れていて、気分も落ちていて“最悪の状態”。でも出かけなければいけなくて、嫌々メイクすると、出かける時には治っている、もう元気になっている、みたいなこと。

 青白い顔にファンデを塗ると生気が戻り、チークを塗ると血の巡りが良くなって、口紅を塗ると表情が明るくなってくる。あれ、私、元気かも。しかも外出して誰かに「今日はキレイ」と褒められでもしたら、いつも以上に元気溌剌。メイクってそういうものではないのか。まさに命を吹き込むプラセボ効果。スキンケア以上に、生きていく気力に変わる偽薬なのだ。

 いよいよ物より心を大切にしたい「風の時代」が始まった。それでもみな頑張っていて、みな一生懸命。にもかかわらず、今のコロナ禍ではストレス解消の手段も見つけにくい。だから考えてみた。多少なりとも美容がその助けにならないものかと。

美容するほどに、生きる意欲が湧いてくる。
美容はまさに生きる糧


 “メイクセラピー”というジャンルがある。言うまでもなく、メイクの力で心を前向きにする療法。美容にそういう力があること、医療現場でも実際に行われていること、きっと誰もが知っている。

 でも自分にとっての美容にも、そういう不思議な力が宿っていることに気づいている人はむしろ少ないのだ。と言うより、当たり前になった美容は、歯磨きや服を着ることと変わらないルーティンワークに思えてしまうが、実は知らないところでちゃんと力を発揮している。つまり美容できているうちは大丈夫、美容はやっぱり服を着ることとは違う。

 それなりのエネルギーを要するとともに、人間何パーセントかでも前向きな心がないと、まず鏡と向き合えない。自分の顔をまっすぐ間近に見ること自体、自己肯定感がないと相当にキツイからである。さらに言うなら美容は、無意識にでも今日だけでなく明日のため、未来のためにする行為だからである。

 問題は、美容が面倒くさくなってきた時。美容するエネルギーは、生きていくためのエネルギーといつもどこかで“同期”しているからだ。だからこそ、だんだん美容が面倒になっているのに気づいた時ほど、あえて美容してほしい。

 もちろん誰だって、美容が面倒になる日があるもの。ただそれを続けていると、自分への興味が減っていく。だからいっそ無理矢理メイクして、キレイな自分を自分に見せる。そこでハッとして心を動かして。メイクはそのためにあると言えるほど。

 生きていく意欲を生むのは、ほんの些細な事だったりするわけで、スキンケアならシートマスクを。メイクならファンデと口紅。アイブロウやネイルも効果的。どれか1つでいい、ひと技でも、その場で生命力のスイッチをオンにしてくれる。まさに美容は生きる力なのだ。

世にも簡単、世にも重要、生きるための美容法は深呼吸だった!


 しかし化粧品を使う美容だけが美容じゃない。とりわけ前向きに生きていくためなら何も使わず、技もいらない、たった今この瞬間にできる美容。呼吸法である。

 ともかく人間は呼吸が浅い。深呼吸が少なすぎる。睡眠中はあんなにゆっくり大きく寝息を立てるのに、日中は意識して呼吸をしていない。これが人間ネガティブになったり、原因不明の体調不良に見舞われる最大の原因だという極端な見方もあるほど。

 逆にこれほど簡単で、これほど重要な生き方テクニックはないとも言える。方法にも決まりなし。一般的には、4秒で鼻からゆっくり息を吸い、倍の8秒かけてさらにゆっくり小さく息を吐いていく方法が基本正しいともされるが、ともかく背筋を伸ばして「ゆっくり吸ってゆっくり吐く」を1日何度か繰り返せば、それで充分なのだ。

 で、こうした深呼吸が癖になると、だんだん余計なことを考えなくなる。人間の思考は1日6万回。しかも8割はネガティブな思考。その積み重ねが、“生きていたくない感覚”を生むわけで、深呼吸は頭を空っぽにして、無駄な思考を脳から追い出す最良の方法。だからたった1つのコツは鼻の奥まで入っていく息をずっと感じ続け、無の境地に至ることなのだ。

 それだけで生きる気力が蘇ってくる。人間の体はじつにうまくできているのだ。ましてや「風の時代」、物より心、所有より体験、目に見えないものこそが大切という価値観へ大きくシフトしつつある今、まさしく深呼吸のような命のポンプ1つで、心の向きが劇的に変わっても少しも不思議じゃないのである。

生きる意欲を高める 美容のコツ10

 ふと気づいたときにできる、気負わずに始められる。ほんの小さなことでも、積み重ねで心と体は変わっていく。

(1) まず目が覚めたらベッドの中で筋肉運動


 どう起きるかが、どう生きるかに直結してくる。だから起きる前に“ひと運動”を加えると毎日が知らず知らず生命感で満たされるはず。例えば目が覚めたらすぐベッドの上で、プランクでも足上げでも柔軟運動でも何でもいい。朝の習慣にすると必ず人生が変わる!

(2) 夜はシャワー。ゆっくりゆったりの入浴は朝にする

 夜はネガティブな思考になりがち。従って、夜にゆっくりお風呂に入ってしまうと、ベッドの中までネガティブ思考を持ち込んで、眠れないまま悶々と闇を見つめることになりがち。これが心にも肌にも体にも一番悪いので、夜はシャワーでさっさと入眠。ゆっくりお風呂はむしろ朝の習慣に。心は必ず前を向く。

(3) 3分間以上の歯磨きや歯茎のマッサージは夜ではなく朝に

 不眠症に陥るのには必ず原因がある。例えばだけれど夜の歯磨きに問題があったりするケースも。単純に目を冴えさせ、脳を覚醒させてしまう“丁寧すぎる歯磨き”は、夜一生懸命やるべきものではない。夜は普通の歯磨きと殺菌系のうがいをして、歯茎のマッサージは朝行う方がいいのだ。

(4) 1日家にいる日もメイクをし、デスクに鏡を置いて

 毎日のメイクは知らないうちに、ナチュラルなリフトアップになっている。スッピンで過ごす日が多くなって、鏡を見る時間が減るだけでも、そのナチュラルリフト効果が減るのは確か。だから家にいても時々メイク。デスクに鏡を置いて日中意識して自分を見ること。

(5) 落ち込んだらネイルを塗る

 イライラした時、モヤモヤした時、時間もないのに急にネイルを塗りたくなることがきっとあるはず。それはある種“脳のホメオスタシス”とでも言うべき本能の選択。ネイルに必要な集中力は、頭を空っぽにし負の思考を排除してくれ、心を落ち着かせる最大のテクなのだ。だから精神の整理整頓のつもりで、混乱している時ほどネイル塗りを敢行しよう。

(6) 30分に1回肩甲骨のストレッチ、その後、最低3回の深呼吸


 1日何度かの深呼吸だけでも、生きる気概が自然に体の中に入ってくると言ったが、同時に1日何度かの肩甲骨周りのストレッチも効果的。両腕を後ろ手に合わせて胸を大きく広げたり、逆に前で合わせ、背中を丸めて肩甲骨周りを伸ばしたり。こうした行為こそ命のポンプだと考えて。

(7) 夕方は必ずニュースを見る

 ニュースばかり見ていると、ネガティブ思考になるから良くないという言い方もあるけれど、一方で、世の中に視野を広げて喜怒哀楽を活性化した方が心身に良い影響を与えるとも言える。自分のことで脳がいっぱいになるのも問題。だからやっぱりニュースは必見。

(8) メイク落としはぜひ拭き取り用のミルクやローションで

 メイクを落とすのは1つの快感。いかにファンデが薄膜になっても、コルセットを脱ぐような開放感がある。そこでお勧めしたいのが拭き取り用の乳液状や化粧水状クレンジング。単に汚れを落とすだけでなく、この拭き取る行為自体に、何とも清々しい浄化感があって、1日の終わりをとても心地よいものにしてくれる。

(9) ナイトパックを塗って、ナイトスチーマーを使う

「美女は夜作られる」は嘘のない肌生理。だから夜の時間は無駄な悩みをわざわざ引っ張り出して、わざわざ悩まないためにも、コスメフリークのようにせっせと美容時間に当ててしまうとの方法もあるかもしれない。だからオーバーナイトのパックを塗ってベッドサイドにナイトスチーマーで、お休みなさい。

(10) 部屋の中ではいつも香りと一緒に生きる

 とても単純に、良い香りはいやが上にも心を前向きにしてくれる。だから余計なことを考えがちな時間ほど、部屋の中でも好きな香りを空気にまとわせて。日中は元気が出るジャスミンやグレープフルーツを、暗くなったらゼラニウム、ネロリ、ラベンダーなどを選んで。香りを決して侮らないこと。ルームスプレーひと吹きで生きる気力が蘇ること、本当にあるのだから。

齋藤 薫 (さいとう かおる)

女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイストに。女性誌で多数のエッセイ連載を持つほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。CREAには1989年の創刊以来、常に寄稿している。

文=齋藤 薫

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