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今の「崎山蒼志」を形づくった 5つのカルチャー・ショック 「なんだこれは? を渇望してます」

CREA WEB / 2021年9月14日 19時0分


 2021年9月8日(水)にニューシングル『嘘じゃない』を発売した崎山蒼志。新曲は大人気TVアニメ『僕のヒーローアカデミア』の第5期エンディングテーマに抜擢され、YouTubeで公開されているミュージックビデオは500万回以上再生されるなど大きな反響を呼んでいる。

 15歳の迸るような情動とともに、衝撃のデビューを遂げ、それから3年。まだ19歳ながら、その音楽性、歌詞の奥行は多くの人の共感を集めている。

 “崎山蒼志”はいったいどんなカルチャーを栄養源にして、今の崎山蒼志となったのか。これまで摂取してきた時代時代の音楽や本を聞いた。


①the GazettE 『STACKED RUBBISH』


 音楽の原初体験という意味では、やっぱり母親ですね。2,3歳のころから僕は音楽番組が好きだったみたいで、母親と一緒によく見ていたんですよ。母ももともと音楽が好きで。遡るとデヴィット・ボウイとかカルチャー・クラブとかキュアーとかよく聴いていたそうで、自然とそういう音楽が流れる環境にいました。

 確かミュージックビデオだったと思うんですが、ある時たまたま「the GazettE(ガゼット)」が流れて。母親がビジュアル系とかゴシックロックとか好きだった影響もあると思うんですが、一発で刺さったというか。もう自然に大好きになりましたね。

 中でも、「REGRET(リグレット)」が入っている『STACKED RUBBISH』はもう好きな曲ばかりという感じですね。

 幼稚園とか小学校のころから「なんじゃこれは?」と心が震えるような曲が好きで、それは今でも変わらないですね。そんな曲との出会いを求め続けています。

②KANA-BOON 「盛者必衰の理、お断り」


 そこから、だんだん他のビジュアル系バンドにハマっていきましたね。ガゼットさんの影響で4歳とか5歳からギター教室にも通うようになって。もちろん最初は聴いている曲をカバーしたりとかって感じなんですが「もしかしたらオレ、作れるかもしれない」ってあるとき思ったんです。

 小学校3、4年生ぐらいには何となくギター弾きながら口ずさんだり、そんなの録音したりしてましたね。そんなこんなしているうちに詞も書いてちゃんと曲を作ってみよう、となって。ギター教室の仲間でバンドを組んでいたんですが、そのオリジナル曲として作ったのが最初の曲です。

 ちょうどそのころ自分のお金というか意思で初めてCDを購入したんですが、それがKANA-BOONの「盛者必衰の理、お断り」でした。当時から、音楽そのものも好きなんですけど、メイキング映像とか、PVとかジャケットとか、音楽のディティール部分も気になるタイプで。1つの世界観として作品を捉えるようにしているし、自分もそんな作品を作っていきたいと思っています。

③中村文則 『銃』


 中学生になるまでは、歌詞それ自体をあんまり意識することはなくて。「音楽は音楽」と歌詞を意識して楽曲を聴いたことは無かったんです。それから歳を重ねるにつれ歌詞への意識は高まってきていて、今は自分が書くという意味でもかなり意識的になっています。

 そのきっかけが中村文則の『銃』との出会い、純文学との出会いだったように思います。これも母の影響なんですが、母に「この本は中学校一年生だと内容的にちょっと難しいかも」と言われて逆に「読んでやるし」みたいな(笑)。

 もう衝撃でしたね。文章だけの表現でここまで人間を描けるんだ、感情を揺さぶることができるんだ、と。こういう表現を歌詞の世界でもやってみたらどうなるんだろう。バイブスというか情動の赴くままに歌詞を書くとはどういうことなんだろう、と感じました。今でもそれは考え続けていますね。

④Thundercat(サンダーキャット)


 中学校2年生ぐらいまでは結構邦楽ばかり聴いていたという感じだったんですが、その頃からYouTubeを見るようになって。洋楽を探して聴くようになったんですね。きっかけはカナダのシンガーソングライターのAndy Shauf(アンディ・シャウフ)とか、ブルックリンのインディ・バンドのBeach Fossils(ビーチ・フォッシルズ)とか。

 洋楽にも面白い音楽があるんだ! って。他にはどんな音楽があるんだろう、と貪るように聴くようになりましたね。そうしていたら「あなたへのおススメ」がどんどん偏ってくるようになって(笑)。

 淡々と演奏をしているような抑揚のない感じの音楽とか恰好いいなと思って聴いていたんですが、そうやって洋楽の海を泳いでいる中で大きな影響を受けたのはThundercat(サンダーキャット)でしたね。ブラック・ミュージックへの開眼というか。今はHip-Hopも大好きなんですが、この時の出会いで耳が順応していたのも大きかったように思います。

⑤Tyler, The Creator(タイラー・ザ・クリエイター) 『Igor』


『日村がゆく』でデビューすると色んな方からTwitterとかフォローしていただくようになって。音楽が好きな方、それこそ音楽ライターの方とか、はじめはフォローバックしてしていたので、自然のそういった方のおススメとかが目に入るようになって。片っ端からそういうのも聴くようになったんですね。

 興味ないな~、って最初思っていた音楽もいざ改めて聴いてみると「めっちゃいいじゃん!」って出会いが多いんですよね。中でもHip-Hopとの出会いは革命的でしたね。2019年のTyler, The Creator(タイラー・ザ・クリエイター)の『Igor』とか、JPEGMAFIA(ジェイペグマフィア)の『Veteran』とかよく聴きましたね。恰好いいですよね。

 音楽も聴けば聴くほど新しい地平が見えてくるし、本とか映画とか、まだまだ世界には「なんだこれは?」って思わせてくれる出会いが溢れている。これからもたくさんのカルチャーといい出会いをして、僕自身もそうした出会いをいろんな人にもたらすことができたら嬉しいですね。

崎山蒼志(さきやま・そうし)

2002年8月31日、静岡県出身。’18年、ABEMA『日村がゆく』への出演をきっかけに注目を集める。同年、ファーストアルバム『いつかみた国』、’19年にセカンドアルバム『並む踊り』を発表。’21年1月27日にアルバム『find fuse in youth』でメジャーデビュー。9月8日発売のシングル「嘘じゃない」はTVアニメ『僕のヒーローアカデミア』(読売テレビ・日本テレビ系)のエンディングテーマに採用された。

文=CREA編集部
撮影=平松市聖

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