1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

「“日本産”のミュージカルは本当に少ない」ミュージカル界のプリンス・甲斐翔真が明かす「壁」

CREA WEB / 2023年11月30日 17時0分


甲斐翔真さん。

 ミュージカル界の若きプリンス、といえば今はこの人しかいない! と誰もが認める、甲斐翔真さん。まさに“無双中”といっても過言ではない活躍ぶりで、話題作のキャストとして名前を見ない日はない、という状態です。

 まだ26歳という若さで名だたるミュージカルへ続々と出演を果たす甲斐さん。そんな甲斐さんが2024年1月から出演する作品がミュージカル『イザボー』です。

 本作は、日本発ミュージカルを世界へ発信する“MOJO プロジェクト”の第一弾として、フランス百年戦争の時代、欲望のままに生き、国を破滅へと導いた最悪の王妃イザボーの半生を描いたもの。先日26歳の誕生日を迎えたばかりの甲斐さんは、望海風斗さん演じるイザボー・ド・バヴィエールの息子、シャルル7世を演じます。そんな甲斐さんに本作出演への意気込みを伺いました。


シャルル七世という役で、イザボーと観客との橋渡しを担いたい


甲斐翔真さん。

――MOJOプロジェクトと銘打った、日本発のオリジナルミュージカル『イザボー』に参加されるお気持ちを教えてください。

 日本を代表する“メイド・イン・ジャパン”のミュージカルを作る、その第一弾に携われるのは、日本で俳優をやっている自分としてはとても嬉しいことです。今、日本で上演されているミュージカルは“日本産”のものが本当に少ない。ほとんどが輸入されているものなんです。だから、ミュージカルに関わる人たちは皆、日本で作りたいと思っているはずです。

 かつては、正直に言うと海外と比べるとミュージカルにできるような物語や知識、才能が劣っているのではと感じていた方も多いのではと思いますが、今、この現代においてはまったく遜色なく作れるのではないかと僕は感じています。

――『生きる』や『デスノート』といった日本オリジナルミュージカルもありますが、確かにブロードウェイや韓国ミュージカルが多い印象です。

 そうなんです。こういった“メイド・イン・ジャパン”を大切にしていきたいですし、もちろん海外の方にも観ていただきたい。でも、それ以前に、日本の観客の皆さんに「日本生まれのミュージカルでここまでできるんだ」というのを提示したいですね。日本の演出家、日本の俳優が一緒になって、ひとつの大きな壁を越えたいと思います。


甲斐翔真さん。

――今回の『イザボー』に関して、史実にあるイザボー・ド・バヴィエールという人物については、ご存知でしたか?

 知らなかったです。フランスの話は『MA』や『エリザベート』にも出演しましたが、それよりも時間的には前の話なんですよね。国王もルイ7世とか、一桁台(笑)。まったく予想ができないと思っていたのですが、調べていたら少しマリー・アントワネットに似ていて。

 悪女と呼ばれて叩き潰されてしまった女性なんですよね。イザボーからマリー・アントワネットまで300年くらい離れているのですが、同じようなことで歴史は巡っているのだと改めて思いました。

 今は“人生100年”と言われる時代で、時が経つと自分の肌で感じることしか信じられなくなるのが人間だと思うのですが、結局歴史は繰り返している――。600年も昔の話ですが、今に通じるものはたくさんあるんじゃないでしょうか。

――おっしゃる通りだと思います。

 ただ、こういった話をエンターテインメントとして表現できるというのが今ならでは、だと思っています。これを教科書ではなく、作品として残すことができる。

 カッコいいとか可愛いだけじゃない600年前の話をエンタメにする意味がうまく表現できたらいいなと思います。演出の末満健一さんが掲げている“過去と現代のミックス”がまさにそれなんですよね。

――過去から学ぶことはたくさんありますよね。今回の甲斐さんはシャルル7世という役柄ですが、同時にお話を動かしていく語り部でもあると。ご自身ではどのような人物としてシャルル七世を捉えていますか?

 “語り部”と言われて「大変だな」と思いながら台本を見たところ、そうでもなくて(笑)。僕が観客の皆さんに物語を見せるというよりは、僕自身が王となっていく過程で国を理解したり、過去にあった歴史を学ぶという設定なんですよね。その歴史のひとつが、母である『イザボー』なんです。

 母に対する“わだかまり”のようなものをちゃんと理解しなくてはならなくて、そこから物語が始まります。開けたくない扉なのですが、王になるためにはちゃんと、その扉を開けなくてはならない状況。

 そのときに育ての親から、僕=シャルル七世が知り得ない、人々が欲にまみれていた時代の話をしてもらうんです。教科書やウィキペディアでは見られないような本当の母親の姿を紐解いていきます。

お互いに信頼して、ふざけ合える盟友・望海風斗との共演


甲斐翔真さん。

――母親と息子の関係性に迫っていく物語なんですね。

 “自分の母のことを学ぶ”って、言葉にすると少しおかしいですよね。でも、当時は今の親と子の認識とはかなりかけ離れていて、王妃はとにかく次の王を産まないといけないという時代です。今とは関係性は違うといいつつ、それでも“血の繋がり”といった本質は変わらないのではないかとも思うんですよね。

 母親をすごく嫌っているけれど、心のどこかには母親を信じたい、理解したいという気持ちがあり……。そこから、どう物語の中にドラマを見つけていくかというお話です。末満さんが描く物語ではイザボーとシャルル七世だけでなく、ほかにもイザボーは様々な人間と対立していきますが、僕(シャルル七世)が最も観客の皆さんに近い感覚で、俯瞰して物語、そして母親を見ていくのだと思います。

――母親役のイザボーを演じられるのは望海風斗さんです。

 はい。『ネクスト・トゥ・ノーマル』では親子を演じ、『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』では恋人役で、『イザボー』ではまた親子に戻ります(笑)。

――とても短い期間に何度も共演されるのは、本当にご縁がありますね。甲斐さんからご覧になった望海さんはどんな方ですか?

 役柄だけで見ていると、強いとかカッコいいとか、シュッとしたイメージがあると思うのですが、全然逆(笑) ふたりでずっとふざけている感じです。だからすごく相性がいいと思っています。

――ふざけているというのは、意外です(笑)。

 そうですよね。ちゃんと向き合って、何度もお芝居をしてきて思ったのは、そこ(笑) でも、作品を重ねて関係性を築いてきたので、すごく信頼できる方です。何を投げてもちゃんと返してもらえるんですよね。


ジャケット 434500円 パンツ 235,400円/BALMAIN 他スタイリスト私物

――甲斐さんしか知らない、甲斐さんと望海さん、おふたりのエピソードなどはありますか?

 僕、本番中もそうなんですけど、昨日のことを忘れちゃうタイプなんです(笑) 昨日やったことが分からないから「毎日違うね」って言われるんです。その瞬間、瞬間でしかやってないので、記憶がすべて流れていくというか。

 だから、望海さんが母親役、恋人役だったことも、ある意味忘れている感覚。もちろん役者同士の関係性は保ったままですけど、またゼロからスタートです。役柄として冷たいと思われるくらいに、本当に過去は振り返らない(笑)。『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』の舞台が終わったら、翌日にはクラシックコンサートへ行ったりして、もう別人ですから。

――確かに。公演中でもインスタグラムでも、いろんなところへ行かれている姿をアップされていますよね。

 そうなんです。ちなみに、この取材の数日前までは、フランスにいました(笑)。

――本場の『ムーラン・ルージュ!』も観られますね!

 そうなんです、でもパリがファッションウィーク間近だったことと、ラグビーのワールドカップもあって、世界中からフランスに人が集まっていたから、全然チケットが取れなくて……。『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』を観るために行ったのに、取れなかったらどうしようかと(笑) ギリギリ、観劇できました! こうやって“前に進むこと”しか考えていませんね。

甲斐翔真

東京都出身、1997年11月14日生まれ。2016年に『仮面ライダーエグゼイド』のパラド/仮面ライダーパラドクス役でデビュー。テレビだけでなく映画界にも進出、活躍の場を広げる。初舞台を踏んだ2020年の『デスノート THE MUSICAL』以降、同年に『RENT』のロジャー役、翌年は『マリー・アントワネット』のフェルセン伯爵役、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』のロミオ役(主演)などに出演、ミュージカル界でスターダムを一気に駆け上がる。2022年~23年にかけてはミュージカル『エリザベート』にてルドルフ役に抜擢。『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』ではクリスチャン役をWキャストで演じる。

文=前田美保
写真=佐藤亘
スタイリスト=伊里瑞稀
ヘアメイク=ASUKA(a-pro.)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事を最後まで読む

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事を最後まで読む

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事を最後まで読む

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください