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「するとどんどん力が湧きだして…」 103歳の哲代おばあちゃんが教える 人生100年時代を生き抜く秘訣

CREA WEB / 2024年3月31日 11時0分

「こんなかわいいおばあちゃんになりたい!」「人生の目標にしたい」という声が広島から全国に広がり、初めての著書『102歳、一人暮らし。哲代おばあちゃんの心も体もさびない生き方』がベストセラーとなった石井哲代さん。

 続編となる新刊『103歳、名言だらけ。なーんちゃって 哲代おばあちゃんの長う生きてきたからわかること』は「哲代さんが自分の心に言い聞かせている言葉たち」をまとめた、まさに“名言だらけ”の一冊。その中から一部を抜粋してご紹介します。


哲代さん家の土間に今日もご近所さんが集まります。

聞く力

 人の話は一生懸命に聞きます。

 内容に聞き入るというより、相手の人のことを思うんですね。そう言ったらいかにも偉そげですが、どうしてこうした気持ちかな、繰り返し言いたいんかなって。

 相手がしんどい思いを抱えとったら、聞いてあげることでその人が持っとるものが軽うなるんですよね。何を手助けできるわけじゃないが、発散できる相手がいるというのも大事なんじゃろうと思います。

 私が若いときは、愚痴や悩みを打ち明けられる人がおらなんだからなあ。仕事しとりましたし嫁の立場ですけえな、そう明け透けにモノが言えません。だから自分で自分を慰めていくしかしょうがなかったです。自分の心の中で、時間かけて消化するっていうんかな。


姪の弥生さんに見守られ、歩行練習に励む哲代さん。「100年も頑張ってくれた足じゃからな。ちいとガタがきとります」。

 初めて会うのに自慢話ばっかりする人もおってです。ほうねほうね、そりゃえかったねえと聞いていれば気持ちよくなってくださるが、ときにチクチクとこっちの胸に刺さることを言いんさる。「娘がようしてくれて」とか「孫がかわいいて」とか。

 私みたいな子どもがおらん者は「幸せばっかじゃん」ってひがみたくなります。でもそこはぐっとこらえて、心得て。「この人も、何か面白くないことや物足りないことがあるんかもしれんなあ」なーんて考えながら聞かせてもらうんです。

 やっぱり「場」の雰囲気が大事です。まあるくて、そこにおって安心できる空気っていうんかな。そういう場が私は好きじゃし、人が寄ってきてくださる。聞き役になる人の心が、そんな場をつくっていくんじゃと思うんです。

食べる力


石井哲代さん。

 食欲はすごいです。これが103歳かと思うくらい。

 デイサービスは毎度、ごちそうを出してくれてんです。自分の好きなものが出ると気分が上がりますねえ。がつがつといただきます。十分に年をとっとるんだから、もう少しおっとり食べなさいって自分に言い聞かせております。

 でもね、入院中は今までにないしんどさでした。心も体も空っぽになったようになって、よう覚えとらんの。食べられん、元気が出んの悪循環でした。じゃが病院で治療してもらううち、少しずつ調子が戻ってきたの。気持ちがはっきりしだして、ご飯の味が分かりだしたん。あ、まだいけるかもしれんって思えるようになりました。


トウモロコシを一粒ずつ口に運ぶ哲代さん。

 やっぱり家に帰るっていう目標があると、体がしゃんとします。この年になると、気持ちで体を引っ張ることが多くなりますなあ。少々しんどうても、好きな物、食べたいと思うもんをしっかりいただく。食べんことには元気が補充できませんから。

 退院してからしばらく弥生さんちでお世話になっておったんですが、畑でトウモロコシを育てよっちゃって、これが甘くておいしいの。「もう1本ようござんすか」なんて、居候のくせに厚かましくいただいておりました。するとどんどん力が湧きだして。おなかがすくようになったんでございます。

 あら、そろそろ番茶の時間でございますなあ。一服しましょうか。あなたらラッキー。おいしいお菓子があるんでございます。

文=石井哲代、中国新聞社

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