人気料理家・山田英季さんに聞く 愛用のうつわ&うつわの選び方 「うつわは本に近いな、と思います」
CREA WEB / 2024年4月25日 11時0分
うつわのある暮らしには憧れるけれど、どんなふうに集めていったらいいんだろう……? うつわを手軽に、上手に暮らしに取り入れるためのヒントを求めて、達人たちを訪ねました。
◆Vol.12 お話を聞いた人 山田英季さん
![](https://crea.bunshun.jp/mwimgs/4/8/-/img_487598984c37c477816f362dc34e66d960141.jpg)
料理家、and recipe 代表。東京都生まれ、兵庫県育ち。フレンチやイタリアンなどの料理人を経て独立。空間や食イベントのプロデュース、レシピ本の著述、メニュー開発など多岐にわたり活躍する。
アメリカンダイナー的なうつわはハードに使えるのがいい
小さい頃から手を動かして何かを作ることが好きで、料理もそのうちのひとつでした。気がついたらうつわにも興味を持ち始めて、実際にあれこれと買い出したのは20歳ぐらいのときだったかなあ。最初に「欲しい」と思ったのは、アメリカンダイナー的なうつわなんです。当時、料理研究家のケンタロウさんの著書をよく読んでいて、影響されて。
![](https://crea.bunshun.jp/mwimgs/b/0/-/img_b05e5c4b0c4319c608ed09739773836a86943.jpg)
ダイナー、つまりレストランなどで使われるお皿というのはデザイン性と共に「ハードに使える」のがまず、いいところ。丈夫で、欠けや染みなどを気にせず日常的にガンガン使えるのも魅力ですね。うちには20年ぐらい使ってるお皿もあります。一般的にさほど高くないので、まとめ買いしやすいのもいい。
![](https://crea.bunshun.jp/mwimgs/e/2/-/img_e23aa11678ca3eb55db9fb63036ee64c71808.jpg)
洋食全般に使いやすいのはもちろんですが、大皿の上に小皿やミニカップなんかを料理と一緒に置いて楽しむのにも向いているんです。アルミなどの異素材のものを置いてもハマりやすい。丈夫だから、料理以外の硬いものを置くのにも気にせず使えますね。
うつわのエイジングも楽しみのひとつ
![](https://crea.bunshun.jp/mwimgs/a/1/-/img_a152da2840ae98296bfcecbefe341a02140291.jpg)
今、うつわをよく買うのは日本のショップでは水道橋の「千鳥」さんが多いんです。お洒落な店内で、いるだけでも楽しいですよね。店主ご自身が料理をされる方なので、やはり料理が映える、使いやすいうつわが多く揃う印象です。生活に根付きやすいうつわというか。
![](https://crea.bunshun.jp/mwimgs/5/4/-/img_541e0c4183bc8125a3ab9b51c51e682187476.jpg)
日本の作家さんが作るうつわというのは、陶器を始めとしたマットな仕上がりのものが多い(もちろん釉薬をかけて違う仕上がりになるものもたくさんありますが)。それに対して、料理というのは照りを付ける、油脂を含むものをかけるなどしてヴィヴィッドに仕上がる。その対比が華やかさを生む、あるいはデザイン的な造形美を生み出す面白さがあると思っています。
また作家さんによる「一点もの」を買うって、特別感のあることですよね。気に入ったものに出合ったそのとき買わないと、もう買えない。作家さんのものをひとつ持っていると、日常的なうつわが並ぶテーブルの中でワン・アクセントになってくれます。ただナイフやフォークを使うことが多い人は、マットな質感のお皿だと相性が悪いこともわりにある。使ってみたときの感じを想像してから購入したほうがいいかもです。
![](https://crea.bunshun.jp/mwimgs/9/6/-/img_968a65cdb6613c0dc91acd599f24e62797902.jpg)
ナイフやフォークで思い出しましたが、お皿は使い続けることで表情が変わる「経年の良さ」も楽しみのひとつですね。僕は人生ではじめて買ったパスタ皿を今も使ってるんですが、ナイフやフォークを使ったあとが無数に入っていて、それが表情になっている。また備前焼のうつわは使っていくうちに油分がしみ込んで、買ったときには見られなかった柄が出てくる。エイジングの面白さです。漆器類は使っていくうちに艶が出てきますしね。
うつわは「本に近い」な、とも思います。小説など、20代と40代では印象や受け止め方も変わるじゃないですか。うつわにも同様のことを思うときがあって。若いときに好むうつわもあれば、年をとって好きになるうつわもある。見た目や使い勝手だけではない面白さがいろいろとありますね。
白央篤司
フードライター、コラムニスト。「暮らしと食」がメインテーマ。主な著書に、日本各地に暮らす18人のごく日常の鍋とその人生を追った『名前のない鍋、きょうの鍋』(光文社)、『台所をひらく 料理の「こうあるべき」から自分をほどくヒント集』(大和書房)がある。
https://www.instagram.com/hakuo416/
文=白央篤司
撮影=平松市聖
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
少人数でも“おうち焼肉”を楽しみたい!スペパ◎で煙も吸ってくれる卓上グリル
&GP / 2024年7月19日 19時0分
-
暑すぎて作るのしんどい…【レトルトスープで作る絶品そうめん】手間いらずでひんやりおいしい!
CREA WEB / 2024年7月19日 11時0分
-
ご飯を食べ終わった後のお皿に…… オカンな猫ちゃんの優しい一言がしみる一枚に「マジでほしすぎる」「うちの家の食器は全部これにしよう」
ねとらぼ / 2024年7月4日 12時0分
-
作家もののうつわに一目惚れしたら? 賢者に聞く「うつわ集め」のコツと 常用するお洒落で万能な名品
CREA WEB / 2024年6月25日 11時0分
-
【卵とじ丼アレンジレシピ】 具材は相性のいいごぼう×ベーコン! 軽く煮て、卵とじにしてごはんにオン
CREA WEB / 2024年6月24日 7時0分
ランキング
-
1「健診でお馴染み」でも、絶対に"放置NG"の数値 自覚症状がなくても「命に直結する」と心得て
東洋経済オンライン / 2024年7月21日 17時0分
-
2扇風機の羽根に貼ってあるシール、はがしてはいけないって本当?【家電のプロが解説】
オールアバウト / 2024年7月21日 20時15分
-
3終電間際、乗客同士のトラブルで車内は「まさに“地獄絵図”」泥酔サラリーマンが限界突破して…
日刊SPA! / 2024年7月22日 8時54分
-
4日本カレーパン協会「カレーパン美味い県ランキング」発表 3位北海道、2位京都…1位は?
オトナンサー / 2024年7月22日 8時10分
-
512気筒+モーター「EV前夜」のランボルギーニ 6600万円の値札をつけて「レヴエルト」が発売
東洋経済オンライン / 2024年7月22日 12時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)