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「時の雫」など3種類のマンゴーに酔いしれる恵比寿のデザートコース チェリーとバラのパフェも登場!

CREA WEB / 2024年5月28日 17時0分


初夏の美味をたっぷりと。

 その瞬間にその場でしか味わえない、作りたてのおいしさを味わうというデザートの醍醐味。その魅力を存分に堪能できる、デザートコースを提供するお店が増えています。

 カウンターに腰かけ、シェフの言葉に耳を傾けながら目の前で仕上げられるひと皿、ひと皿に胸を高鳴らせ、香りや温度、音を感じ、味わいを楽しむひとときは、まさに至福の時間。

 とっておきのデザートコースを味わいに、いざ!


明日からの元気をくれるデザートコース


青木繁さん。

 2022年、恵比寿に誕生した「As(アス)」は、ホテルやパティスリーで腕を磨き、さまざまなイベントで提供するパフェも人気を集める、青木繁さんによるデザート専門店。

「カウンターで提供されるデザート店というと、ちょっと緊張するかもしれませんが、ここでは肩肘張らず、気楽にデザートを楽しんでもらいたい」と、青木さん。店名の「As」には、自身の名前のイニシャルとともに、「ここでデザートを食べて明日も頑張ろうとおもってもらえたら」という、願いがこめられていると語ります。

 特徴的なのは、旬の食材を主役としながらも、卵や小麦粉、クリームといったパティシエがお菓子をつくるのに欠かせない素材も使い、パティシエの技術も生かされたデザートであるということ。


イニシャルに込められた想い。

「『お菓子屋さんがつくるアシェット・デセール(皿盛リデザート)』が、僕の目指すところです。そう考えるきっかけになったのは、修業時代に先輩から言われた、『一流の食材を使って一流の味をつくることは、難しくない。でも、ありふれた食材で一流の味を作れたら、その技術は本物だ』という言葉。パティシエとしての経験値があってこそ、手にした食材をデザートとしてよりおいしく表現できると思うんです」


華やかなデザートが際立つインテリア。

さらに、学生時代に料理を学んだ経験や、レストランなどで出合った素材使いや調理法も加え、奥行きある味わいを表現するのが青木さんのデザートの大きな魅力。繊細かつ豊かな感性が光ります。

 2024年5月のデザートコースをご紹介しましょう。

◆マンゴー・人参


スープ「マンゴー・人参」。

 コースのスタートは、スープから。千葉県産のニンジンを使ったシャーベットに合わせたのは、クミンシードをほんのり香らせたサクサクのクランブル。

 その上から、宮﨑産マンゴーをそのままピュレにしたソースが、目の前でたっぷり注ぎ入れられます。


目の前で仕上げてくれる。

「ニンジンのサラダをイメージして、クミンシードをフライパンで炒ってからクランブルに加えました。ニンジンのシャーベットには河内晩柑の実を少し入れて、酸味と渋みですっきりした後口に仕上げています」と、青木さん。

「マンゴーはそのままで十分甘いので、砂糖も加えずソースにしました。甘いのはそんなに好きではないので、必要以上に甘くしたくない。素材そのものがおいしければ、それほど甘さは要らないというのが僕の考えです」。ピュアなおいしさとみずみずしさが、体にやさしくしみ渡っていきます。

◆パイナップル・ココナッツ・マカダミア


「パイナップル・ココナッツ・マカダミア」。

 2皿目は、夏らしさ弾けるコク深い組み合わせ。器の底に隠れているのは、ココナッツのピュレに生クリームを合わせたなめらかなムースです。そして、沖縄県・石垣島産のボゴールパインはカルダモン、レモン、バニラを加えたシロップで軽いコンポートにして、角切りに。

 そのシロップを使ったジュレがまわりに添えられ、キラキラと輝きを放ちます。仕上げにローストしたマカデミアナッツのアイスクリームが載せられ、散りばめられたローストココナッツのメレンゲが、香りと食感のアクセントをプラス。

「アイスクリームは、生クリームも卵も使って油脂分を高め、あえて分離気味にして口に入れたときに冷たすぎず、なめらかな口溶けになるよう仕上げました」と、青木さん。ナッツの香ばしさとコクにパイナップルが清涼感を加え、心地よいハーモニーをもたらします。

◆マンゴー・チーズ・小夏


「マンゴー・チーズ・小夏」。

 続くひと皿は、料理的な感覚で仕上げた塩味のクレープ。パルミジャーノチーズ入りのもちもちとした生地に包まれているのは、細切りにしたタイ産マンゴー「ナムドクマイ」と、高知産小夏を使った塩小夏のコンフィチュール&クリームチーズのクリームです。

 これをオーブンで温めて、小夏果汁とホワイトバルサミコ酢、オリーブオイルでマリネしたナムドクマイをのせ、小夏の果汁と塩に漬けた佐賀県産パプリカ、セルバチコをのせます。仕上げに、すりおろした6か月熟成のミモレットと黒コショウを。


しなやかなナイフで切り分ける。

 パクリとほお張ると、塩味と甘み、チーズの深みある香りとマンゴーや小夏のさわやかさが入り混じり、デザートのような料理か、はたまた料理のようなデザートかという絶妙の塩梅。セルバチコのピリッとした辛みとゴマを思わせる風味が加わって、オリエンタルな香りと味わいに包まれます。

「以前、マンゴーとレタスのサラダを食べたことがあり、塩味のマンゴーもおいしいな、と思ってつくりました。チーズもマンゴーとよく合い、小夏やホワイトバルサミコ酢の酸味がアクセントになります。国産のマンゴーだと甘すぎてデザートっぽさが強くなるので、タイ産のナムドクマイを使いました」と、青木さん。


新茶を合わせる。

 合わせて提供される静岡県産朝露の新茶が、すっきりした後口をもたらします。

◆アメリカンチェリー・キウイ・バラ


パフェ「アメリカンチェリー・キウイ・バラ」。

 白いグラスに赤色が映えるパフェは、赤いフルーツとバラの組み合わせ。

 トップを彩るのは、アメリカンチェリーとブルガリアンローズのシャーベットと、バラの花びら、ノンアルコールのスパークリングロゼワイン、ルビーグレープフルーツ果汁を加えたシロップに漬けたアメリカンチェリーです。

 その鮮やかな色彩とコントラストを成す真っ白なブランマンジェからは、ピンクペッパーがふわりと香り、その下にはシロップ漬けのアメリカンチェリーと、そのシロップを使ったジュレが。底には角切りにした赤いキウイ「ルビーレッド」と、ハイビスカスを加えたシロップで炊き上げたルビーレッドのソースが隠れています。


パフェグラスはスガハラガラス。器はほかに岩﨑龍二さんや五嶋穂波さんなど作家による作品も。

「パフェは、全体を混ぜて食べてほしい」と、青木さん。口に運べば、ふくよかな果実味と気品高いバラの香りに、ピンクペッパーのキリリとした辛みと華やかな香りが混じり合い、なんともエレガント。重なり合う香りの妙に、思わず目を閉じてうっとりしてしまいます。

◆マンゴー・たんぽぽ・パッション


「マンゴー・たんぽぽ・パッション」。

 コースのメインを飾るのが、宮﨑県産完熟マンゴー「時の雫」を使った、贅沢なマンゴープリンです。

 その上にパッションフルーツでマリネした角切りの「時の雫」をたっぷりのせ、完熟バナナとタイ産マンゴー「ナムドクマイ」のシャーベット、西洋たんぽぽのアイスクリームとともに。薄氷のようなアメとマリーゴールドの花びらが、華やぎを添えます。

「時の雫は口当たりがなめらかで、甘みも強いけれど酸味もあってバランスのよい味わいが魅力的。マンゴープリンは、そのおいしさをしっかり楽しんでいただけるよう、少し生クリームを加えただけの濃厚な味わいに仕上げています。それから、アイスクリームやシャーベットもいっぱい食べてもらいたくて、たっぷりのせました。西洋たんぽぽは色もきれいですし、ほんのりとした渋みや苦みがアクセントになり、味わいに変化を与えてくれます」と、青木さん。


コースを通して3種類のマンゴーが使われる。左から、時の雫、宮崎県産マンゴー、ナムドクマイ。

 ペアリングのお茶は、フローラルな香りが力強く押し寄せるジャスミンティーに、パッションフルーツの果汁を合わせてすっきりと。西洋たんぽぽの青みがかったやさしい香りやパッションフルーツのきりっとした酸味とともに、時の雫の濃厚なおいしさを心ゆくまで堪能できます。

◆フィナンシェ アールグレイ


「フィナンシェ アールグレイ」。

 最後に必ず登場するのは、目の前のオーブンで焼き上げられる、焼き立て熱々のフィナンシェです。

 フレーバーはそのときどきで変わり、5月は高知産和紅茶「べにふうき」にベルガモットの香りをつけたアールグレイのフィナンシェを。縁はカリッと香ばしく、中はほわっ、ふわっとして、清々しいアールグレイの香りと、ややビター感のあるシシリー産アーモンドとバターの風味が口いっぱいに広がって、豊かな余韻を残します。

 こちらは、ダージリンにブルガリアンローズとドライカモミールをブレンドした、神戸の紅茶専門店「UF-FU(ウーフ)」のブレンドティー「アンバー」とともに。


楽しそうに仕上げをする青木さん。

 前菜からメインへと続く料理のコースをいただくかのように展開される、青木さんのデザートコース。そこには「こんなに食材が入っているんだ!」「この味と香りの組み合わせがこんなに合うなんて!」といった驚きや発見があふれ、ひと口ごとにワクワクしてしまいます。

「今後は、デザートコースを提供する月もあれば、ひと皿で完結するアシェット・デセールやパフェを提供する月もある、というように提供スタイルや表現の幅を広げていきたいと考えています」と、青木さん。繰り出されるデザートの多彩な魅力が、多くのファンの心をとらえています。


シェフパティシエ 青木繁さん

1987年、埼玉県生まれ。「ドゥーブルシェフ」(埼玉県・久喜)、「洋菓子倶楽部エーデルワイス」(埼玉県・久喜)、「ストリングスホテル名古屋」で修業。「アン グラン」(東京・青山)、「アンフィニ」(東京・九品仏)でスーシェフを務め、イベントにも参加。2022年独立開業。

As


As。

所在地 東京都渋谷区恵比寿1-26-19 B1
電話番号 非公開
営業時間 12:00~、15:30~
定休日 月・火・水曜
席数 6席
Instagram @as_dessert_parfait_ebisu

季節のデザートコース

料金 12,000円(お茶付き。価格は変動あり)
開催日時 営業日の12:00~、15:30~
※テーブルチェックからの完全予約制。毎月20日20:00に翌月分を受付開始

文=瀬戸理恵子
写真=鈴木七絵

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