1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. グルメ

グラスの上にパイナップルのタルトが トロピカルなみずみずしさと香りを 箱庭のように組み立てた美しいパフェ

CREA WEB / 2024年6月9日 7時0分


グラスの中の空間を活かす。

 美しく華やかで、おいしいものが彩り豊かに閉じこめられたパフェ。その人気は止まるところを知らず、美しさも味わいも日々磨きがかけられ、進化しています。

 グラスの中で醸し出されるハーモニーは、まさに“parfait”(フランス語で「完璧」の意味)! このシリーズでは、今注目の心躍る魅力的なパフェをご紹介します。

 今回は、鎌倉・小町通のレストランの定休日に開かれるパフェテリアです。


ガストロノミーのデザートをパフェで


イタリアンレストランでパフェ?

 観光客でにぎわう鎌倉・小町通りから小道に入ってすぐのところにあり、フレンチを融合させた隠れ家的イタリアンレストランとして人気を集める「DRAQUIRE(ドラキア)」。そのレストランを舞台に、週2日の定休日を中心にオープンするのが、「DRAQUIRE」のシェフ・パティシエ、三浦萌(めばえ)さんが腕をふるう「パフェテリアリリア」です。

「ガストロノミックなコース料理を食べ、そのデザートを味わう機会はなかなかないかもしれません。でも、カフェ文化が根付いている鎌倉で、パフェならば気軽に楽しんでいただけるかもしれない。そう考えて、2023年の夏から『パフェテリアリリア』をスタートしました。パフェを入り口に、レストランにも興味を持っていただけたら」と、「DRAQUIRE」オーナーシェフの山田尚立さんはオープンのきっかけを語ります。


カウンターはひとりでも落ち着ける。

 パフェのメニューは、常時2種類。レストランで提供されるアシェット・デセール(皿盛リデザート)の技術や素材、感性をそのままにつくられ、毎月1種類ずつメニューが変わります。

「フレッシュなフルーツやアイスクリームを山盛りにするのではなくて、フルーツを主役にしながらも、構成するパーツをひとつひとつ調理して、最後まで飽きさせない味わいをつくることを大切にしています」と、三浦さん。焼き菓子も必ず交え、モンブランやタルトといったケーキをパフェとして再構築することも多いといいます。

◆山形県産佐藤錦とキルシュのマリアージュパフェ


「山形県産佐藤錦とキルシュのマリアージュパフェ」。2,200円。ミニパフェは1,300円。いずれも1ドリンクオーダー制。

 2024年6~7月提供の「山形県産佐藤錦とキルシュのマリアージュパフェ」は、山形産のさくらんぼ「佐藤錦」と、キルシュ(さくらんぼから造られる蒸留酒)の組み合わせ。

 チェリーソースをかけたホワイトチョコレートのアイスクリームと並んで、クレーム・シャンティイ(ホイップクリーム)の上にちょこんとのせられたさくらんぼの、なんと愛らしいこと! ちょっとレトロな趣も感じさせ、思わず微笑んでしまいます。


さくらんぼが愛らしい。

 チェリーのチュイルに仕切られたグラスの中で、深みある鮮やかな色彩を放つグリオットとローズマリーのソルベには、ディルの葉を添えて。ハーブの合わせ方がレストランらしく、青みのある香りがさわやかさを漂わせます。


佐藤錦の繊細な甘みを生かす。

 そして、ホワイトチョコレートをかけたヘーゼルナッツが食感と甘みのアクセントを添え、まわりにはみずみずしい佐藤錦が。。さらに、キルシュがふわりと香るパンナコッタと、酸味が力強いグリオットとカシスのムースがコントラストを成しつつ混じり合い、果実味豊かでふっくらとしたキルシュ風味のアメリカンチェリーのコンポートと調和します。

 最後は、ビターチョコレートと塩のクランチが現れ、ほろ苦さと塩気、ザクザクとした食感が全体を引き締めて、満足感のある味わいに。

「佐藤錦の淡い味わいを邪魔しすぎないようにしつつ、アメリカンチェリーやグリオット、カシスも使って印象を強め、ハーブやキルシュで大人っぽいパフェに仕上げました。いろいろな味わいや食感、温度の変化を楽しんでいただけるかと思います」と、三浦さん。

◆台湾パイナップルタルトのパフェ


「台湾パイナップルタルトのパフェ」。2,200円。ミニパフェは1,300円。いずれも1ドリンクオーダー制。

 一方、2024年5~6月に提供されているのが、「台湾パイナップルタルトのパフェ」です。グラスの上には、パイナップルのココナッツのソルベ、生クリームを合わせたカスタードクリームとともに、フレッシュな台湾パイナップルをこんもりのせたタルトが!

 大胆なスタイルに驚かされ、一瞬で心を掴まれてしまいます。それでいて味わいも食感も軽やかかつ繊細で、パイナップルのジューシーさとトロピカルな香りが口いっぱいに弾けます。


タルトを丸ごと。

 そこに清々しさを添えるのが、グラスの真ん中に配された大葉のアイスクリームです。「パイナップルにバジルを合わせることは多いのですが、少し遊び心を加えてさわやかさのある大葉にしました。バジルよりも香りがやわらかく、今回の構成にはバランスよくマッチしていると思います」 と、三浦さん。

 そして、まわりに散りばめられたメレンゲと大麦のパフのキャラメリゼの軽快な歯触りと香ばしさがアクセントを添え、ハチミツを加えたパイナップルのロティがフレッシュとは異なる食感と力強い風味を主張。


夏らしい風味が重なる。

 生クリームを合わせたカスタードクリームが出合い、タルトを思わせるニュアンスを漂わせます。最後は、軽やかなライチのムースとフレッシュなパイナップル、ミントティーのジュレのさわやかなハーモニーとともに。蒸し暑さを感じるこの季節にぴったりのひと品となっています。

 いずれのパフェもワイングラスの形状を生かし、上部と中との二重構成になっているのが特徴的。

「グラスの上の部分をはずして別々に食べたり、崩して一緒に食べたり、お好みのスタイルで楽しんでいただければと思います。パーツがすべて混じり合っているのではなくて、好きなところを好きなように食べていただけるのが、このパフェのいいところ。「DRAQUIRE」の料理のコンセプトとも共通しています」と、三浦さん。


シェフ・パティシエの三浦萌さん。

 通常サイズのパフェのほかに、ミニサイズのパフェもあり、6月からパスタやパフェランチコースの提供もスタート。落ち着いた雰囲気の店内にはテラス席もあり、鎌倉散策の合間にゆったりとした時間を過ごせそうです。

パフェテリア リリア


イタリアン「DRAQUIRE」を目指して。

所在地 神奈川県鎌倉市雪ノ下1-6-28 LAMP雪ノ下2C
電話番号 0467-55-9342
営業時間 11:00~17:00(L.O.16:30)
定休日 不定休。営業日は主に火曜、木曜。インスタグラムで告知
instagram @lelia_parfait

文=瀬戸理恵子
写真=鈴木七絵

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください