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ほろ苦いカカオと完熟メロンに恍惚 チョコレートのプロが提案する カカオと旬のフルーツのパフェ

CREA WEB / 2024年6月10日 7時0分


さわやかさが広がる!

 美しく華やかで、おいしいものが彩り豊かに閉じこめられたパフェ。その人気は止まるところを知らず、美しさも味わいも日々磨きがかけられ、進化しています。

 グラスの中で醸し出されるハーモニーは、まさに“parfait”(フランス語で「完璧」の意味)! このシリーズでは、今注目の心躍る魅力的なパフェをご紹介します。

 今回は日本橋で話題を振りまく「teal」へ。


カカオの複雑で繊細な風味がフルーツと


きらめくようなパフェ。

 ロマネスク風のアーチ形の窓が美しく並ぶ、昭和初期に建てられた日本橋兜町のオフィスビル「日証館」。2021年、この建物の1階にオープンしたのが、シェフ・パティシエでありショコラティエの眞砂翔平さんと、パティスリー「ease」のシェフ・パティシエを務める大山恵介さんがタッグを組む、チョコレートとジェラートの専門店「teal(ティール)」です。

 イートインでは、眞砂さんが手掛ける季節のパフェが大人気。常時1~2種用意されています。

「パフェのコンセプトは、『カカオとフルーツ』です。チョコレートではなくてカカオというのがポイント。ただ甘くて苦いだけではないカカオの酸味やフルーティーさ、風味を引き出して、旬のフルーツと合わせてどうおいしくできるかを追求しています」と、眞砂さん。


カカオとフルーツの組み合わせを追求する。

 カクテルグラスのような浅めのグラスに盛り付けるのは、一気に底までスプーンが届くことで、上から順に食べることに縛られず、自由に味わいを楽しんでもらいたいから。グラスの上にも高さを出して層が重ねられた姿は、凛として美しく、なんともフォトジェニックです。

「心がけているのは、見るからにおいしそうでありつつ、華やかでくっきりとしたデザインです。食べる前に撮影されるお客様が多いので、5分くらいは崩れずに耐えられることも大切なポイントですね」と、眞砂さんは笑います。

◆メロンとカカオのパフェ


「メロンとカカオのパフェ」3,455円。1ドリンクオーダー制。

 2024年5月下旬からは、完熟メロンをふんだんに使った「メロンとカカオのパフェ」が登場しています。トップを飾る、アマゾンカカオのパウダーを使ったほろ苦いパイと、フルーティーで酸味のあるアマゾンカカオのジェラートには、ピスタチオのクリームをとろりとかけて。

「まずはしっかりとしたチョコレートの味わいで、チョコレート屋らしさを感じていただきたくて」と、眞砂さん。その下から現れるカカオパルプ(カカオの果汁)のジェラートが、ライチを思わせる華やかでフルーティーな香りを放ち、メロンのさわやかさをより一層深めます。


爽やかなメロンに香りを重ねていく。

 そして、カモミールのグラニテが「途中でお茶を飲むかのように」口の中をリフレッシュさせ、バニラのクランブルが食感のコントラストを演出。アマゾンカカオのクレーム・シャンティイに、バラとアプリコットのソースのきゅんとした酸味とエレガントな香りがアクセントを添えます。

 最後は、レモンとオレンジハチミツとエルダーフラワーのジュレ、ノンアルコールのジンでマリネしたメロンが青みのある清々しいハーモニーを醸し出し、爽快な後口。「デザートをコースで楽しむようなイメージで、途中でお茶をはさみつつ、重厚感のあるものからすっきりしたものへと味わいの流れを組み立てました。


浅いグラスの中で作り上げられる世界。

 バラやエルダーフラワーなど、香りの要素はそれぞれ強くしすぎず、どことなく香る程度に加えています。それによって心地よく調和し、メロンのおいしさがより一層際立つかと思います」。

◆カカオといちごのパフェ


「カカオといちごのパフェ」3,455円。1ドリンクオーダー制。

 2024年2~5月に提供されていた「カカオといちごのパフェ」は、眞砂さんの「ナポレオンパイを食べたい!」という思いから生まれたひと品。

 色とりどりのバラの花びらとともに、アマゾンカカオのパウダーを使ったパイにのせられているのは、バニラの香り豊かなジェラートです。仕上げに、アマゾンカカオのオリーブオイルソースをさらりとかけて。パイの下にはホンジュラス産カカオ「マヤンレッド」のジェラートと、ユズと和紅茶のシロップをしみこませたカカオのビスキュイが配し、まわりにはいちごをたっぷりと。


パイのおいしさも。

「ナポレオンパイを食べたときの満足感を再現したくて、いちごをぜいたくに使いました。アマゾンカカオのオリーブオイルソースがフレッシュなイチゴの旨みを引き立て、ほんのり香るユズと和紅茶がさっぱり感を添えます。マヤンレッドは、トロピカルでありつつナッティ感もあるバランスのよいチョコレートで、アマゾンカカオに比べて風味がやさしく、イチゴとよく合うと思います」と、眞砂さん。


花の香りも。

 グラスの中には、コク深いティラミスクリーム、カカオハスク(カカオの種皮)を煮出した旨みのあるジュレ、果実感あふれるイチゴとフランボワーズジャムのマリネを層に重ね、カシスとバルサミコ酢のソースの酸味と力強い果実味をアクセントに。

 ケーキを味わうかのようなリッチさとインパクトを感じさせつつ、ジュレが口のなかをさっぱりとさせ、ふくよかな香りの余韻とほどよい満足感を残します。


シェフ・パティシエの眞砂翔平さん。

「パフェの魅力は、アシェット・デセールを気軽に楽しめて、アイスクリームがのせられるなど、ケーキよりも表現の幅が広くて自由なところ。嫌いな人はあまりいないのではないかと思います」と話す、眞砂さん。

 大切にしているのは「香り」とだと言い、多彩な香りを織り交ぜて主役となる素材のおいしさを引き立てるのが、眞砂さんの真骨頂。


明るく居心地のいい店内でパフェを。

「ひとつの香りをはっきり分かるように加えて、すべてがその香りになってしまうのは嫌なんです。『なんとなく香るかな』というくらいに加えるのが、ちょうどいい。欧米ではヴィヴィッドなカラーを使うのに対し、日本では薄い色やくすんだ色をよく使うのと同じように、味や香りの表現も欧米に比べて日本は繊細。その意味で、日本らしいパフェなのかな、と思います」。

teal(ティール)


歴史ある建造物。

所在地 東京都中央区日本橋兜町1-10 日証館1F
電話番号 03-6230-9413
営業時間 11:00~18:00
定休日 水曜
instagram @teal_tokyo

文=瀬戸理恵子
写真=鈴木七絵

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