MEGUMI「私は強い人間ではない」“かなり繊細”な自分を受け入れた今を楽しく生きるためのヒント
CREA WEB / 2024年6月9日 7時0分
タレントや女優のほか経営やプロデュースなど多彩なフィールドで手腕を発揮しているMEGUMIさん。美容にも詳しく、著書『キレイはこれでつくれます』では、美しくなるためのハウツーを惜しみなく投入し、大ヒットを記録しました。
そして、この度『心に効く美容』を新たに上梓。今回は外側からの美容だけでなく、心を丁寧に慈しむためのハウツーがたっぷりと掲載されています。
外から見える自分と本当の自分とのギャップに悩み、乱高下する自分の感情をコントロールするために、MEGUMIさん自らが探し求めてきた“心の処方箋”とは、どんなものなのでしょう? 悩み多き30代を経て40代を迎えたMEGUMIさんにお話を伺いました。
波打つ感情は止められなくても、自分で感情の手綱を握ることはできる
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――『心に効く美容』は外側からのケアだけでなく、メンタルケアにも着目されていて、とても面白く拝読しました。
前作の『キレイはこれでつくれます』は、本当に外側からの美しさに特化して、こうやれば顔付きが変わっていく、肌が変わっていくよというのをお伝えしました。それをやっていけば、自分の心もどんどん前向きになり、そこから人に優しくなれたり、アクティブな性格になって人生が変わっていく。美容の入門編みたいな感じで作ったんです。
そうしたら、私のインスタグラムや美容系の媒体などで悩み相談を受けることが増えてきて。ちょうど、そのくらいのタイミングでNewsPicksに出演したときに、日本人女性の自己肯定感が世界で最下位だというニュースに触れたんです。確かに自分を振り返ってみても、10代、20代、30代、40代とどんどんフェーズが変わっていくのに、そこに自分はついて行けないところがありました。
それでも、世の中から見ると「若いね」と言われる世代から、中途半端な年齢になり、今度は母親になり、キャリアウーマンになりというふうに、どんどん目線が変わっていくわけですから、それを乗り越えるのは大変なんですよね。
――確かに女性は男性に比べると、フェーズごとに立ち位置がどんどん変わっていきますし、個人差も大きいですね。
そうですね。女性は生理もありますし、女性ホルモンなんて自分で到底コントロールできるものではありませんし。そういった女性の大変さやツラさを自分自身もすごく感じてきました。
私は決して強い人間ではなくて、かなり繊細な部分があるんですが、それに改めて気が付いて(笑)。結構ぐちぐち考えちゃう、面倒くさいタイプの性格だと思うんです。そんな自分がハードな芸能界というところで、体力的な限界を感じたり、理不尽な想いをしたり、すごく傷ついたりとか、それをどうやって乗り越えてきたか、というのをお伝えしたかったんです。
その都度、メンタルケアの先生にお話を伺ったり、占いにも行きましたし、運動も美容もやりました。さまざまなことを試して、100のツラさがなんとか90、80、70になっていく。感情的にならないとか、傷つかないでいることは無理なんですよね。そのときの処方箋は他の誰でもなく、自分でしか出せないんです。
20代だろうが50代だろうが、感情が波打つのはどうにもしようがないけれど、その手綱を引くことは可能です。それを、みなさんと共有したかったんです。
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――感情の手綱を自分で握る、というのはとてもためになります。最初にMEGUMIさんはどこから手をつけていきましたか?
まず大前提として、自分が何を考えているのかが分からないんですよね。他人と比較したり、この人に気に入られたい、嫌われたくないといった気持ちがあったり、あとSNSで他者の情報を見て比較して落ち込むとか、常に外に意識が向いている状態で生活しているから、何に傷ついているのか、何にムカついているのか、何が嫌だったのかが分からないんです。最初は、それを把握することが重要です。じゃないと、自分で正しい薬をあげられない。
それを理解するには5分でも10分でもいいから、時間を取ること。今、すごい嫌なこと言われたよね、嫌だったよね、という感情をちゃんと拾い上げて客観的な目線を持つ。家に帰って、お風呂に入ったときに、今日はあの人にああいわれて本当に嫌だった、何で嫌だったんだろうというのはきちんと感じる。そこから、「しょうがないか、ムカつくけど、まあいいか」と昇華させるんです。
それを体内に残しておいたり、無視をしているから、ずっとしこりのように残っていって、変な感じに発酵して、最悪の場合、病気になったりとか。そういうのがあるので、最初の一歩としては『まず、自分が何を考えているのかを知る』ことが重要になります。
――自分と向き合うのはとても難しいですね。
はい。でも、向き合うというより、客観的な目線を持つこと。もやっとしたな、とか、今嬉しかったんだなとか、少し高いところから自分のことを見るクセをつけるのはすごく大事だと思います。
どんな仕事をしていても、自分らしく、“遊びに行く”ような気持ちで!
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――そうやって自分を客観的に見ていこうと思われた、きっかけ、みたいなものはあるのでしょうか?
きっかけというよりも、色々試した全部の中のひとつ、なんです。美容も健康もスピリチュアルも瞑想も、あらゆる先生にひたすら聞いて、自己啓発本もたくさん読んで、そうやって色々やってきたうちのひとつ、です。それを自分の中で解釈して到達した答えのひとつ、というか。
――お仕事に関しても、MEGUMIさんは多方面で活躍されています。役者とタレント、経営など、ご自身の中でのスイッチングはどのようにされていますか?
特に何もないんです(笑)。プライベートも仕事も、俳優業も経営もプロデュースも本を書くのも、すべて地続きでやっているんです。もちろん、セリフを覚えるとか人に指示を出すのとでは、使っている脳のエリアは違いますが、基本的には“遊びに行くように仕事をする”ように心がけています。
そうじゃないと疲れちゃうんですよね。結局やりたいことをやっているわけなので、あまり気負ったり、スイッチングばかりに気を取られるよりは、地続きでやったほうが自分には合っていると思って。「遊びに行こう!」みたいな感じで仕事にいくように自分を設定しています。
気持ちが“くすむ”気がしたら、それには手をつけない
――お仕事のみならず、母親業も含めてたくさんの役割をお持ちのMEGUMIさんですが、仕事を選ぶときや判断に迷ったときのご自身の“指針”みたいなものはありますか?
やっぱり“ワクワクする”こと、「うわー! これいいじゃん」と思えることは大事だと思います。あと、自分が“くすんだ”気がするものは手をつけないと決めています。お金はいいけど、内容がイマイチとか思うと、一瞬自分が“くすむ”んですよね。それを見逃さない。
どうして自分で「うん? どうしようかな」と思っているのかちゃんと考えたいので、即答せず「数日時間をください」というようにしています。
わりと昔から直感を大事にしていて。ゴリゴリにリサーチしてどうの、というのが苦手なんです、私。だから「それ絶対にいいじゃん!」って思ったらすぐに連絡をしてサッと進める。そのほうが上手く進んでいるんです。だから、直感には従うようにしていますね。
――あらゆる場面で、“経営者としての顔”や“役者としての顔”を求められることもあると思うのですが、その場合もご自身の中でブレることはありませんか?
そうですね。楽しむことが第一ですから。もちろん、スタッフの子に話をするとか、監督と話をするときというのは、経営者らしく、プロデューサーらしく、役者らしく、というのはありますが、話している内容やトーンに関してはまったく変わらないです。このまんま(笑)。「よっしゃ、これでやっていこうね!」という部活感がずっとありますから。マインドは変わらず、一貫していると思います。
いろんなことをやりすぎていて(笑)、かつてはひとつひとつ変えていた時期もありましたが、それだと続かない。自分らしくずっとやっているほうが、今はラク。それに慣れてきたという感じです。
MEGUMI
1981年9月25日生まれ、岡山県出身。2019年、映画『ひとよ』の演技により、第62回ブルーリボン賞助演女優賞を受賞。現在ではタレント、役者業に加えて、実業家、映像プロデューサーの顔も持つ。23年に上梓した『キレイはこれでつくれます』(ダイヤモンド社)が大ヒット。美しさに磨きをかけるための徹底したハウツーを網羅した一冊は、年齢を問わず女性のバイブルとなっている。最新の著書『心に効く美容』を5月12日に上梓。
文=前田美保
撮影=佐藤 亘
ヘア&メイク=KIKKU
スタイリスト=斉藤くみ
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