「ホラーとバラエティはすごく似ている」『あのコはだぁれ?』主演渋谷凪咲が清水崇監督の現場で感じた“緊張感”
CREA WEB / 2024年7月12日 17時0分
大ヒット作『呪怨』や、「本当に怖いホラー映画」として昨年話題を集めた『ミンナのウタ』を手がけた清水崇監督の最新作『あのコはだぁれ?』。教師役の君島ほのかを演じた渋谷凪咲さんが、映画初主演への思いを語りました。(全2回の前篇。)
人生ではじめて触れたホラー作品が『呪怨』
――渋谷さんは今作が映画初主演となります。最初にお話を聞いた時は、どのように思われましたか?
いやあ、もうびっくりしました。バラエティではなく、ホラーですから、本当に自分でいいのかな、と思いました。
しかも、映画で、主演。そして大好きな清水崇監督。何もかもが驚きでした。
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――これまでも清水監督の作品はご覧になっていたのですか?
もちろんです。人生ではじめて触れたホラー作品が、清水監督の『呪怨』でした。
私は怖がりなんですけど、ホラーが好きで。とくに、友達とお泊まり会のときにみんなで「怖い、怖い」と言いながら観るのが好きでした。
家族旅行に車で行くときも、車の中で稲川淳二さんの怖い話のCDをかけるのがお約束で(笑)。CDを聞きながらみんなで怖がるのがすごく楽しかったんですよ。怖いからもう観たくないし聞きたくないけど、続きが気になる……という感覚は、ホラーでしか味わえない快感だと思っています。
怖さのなかにあるゾクゾク感に楽しみを覚えるというか……。多分、スリリングなのが好きなんでしょうね。だからバンジージャンプも好きです(笑)。
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――バンジーも……。では、オファーを受けた決め手は、その「ゾクゾク感」?
監督から「ホラーとバラエティは違うようですごく似ている」と言っていただいたことでしょうか。お笑いはフリがあって最後にオチがありますよね。「ホラーにも同じようにフリがあって、最後にオチ、結末につながる。その最後のオチが“笑い”か“怖い”かだけが異なる点なので、渋谷さんが今まで培ってきた感覚そのままで出ていただきたい」と言ってくださって、それなら私でもできるのではないかと、挑戦を決めました。
マネージャーさんに「一緒の部屋で寝てください」と約束
――ホラー作品の現場の雰囲気はいかがでしたか?
撮影が始まる前は、「ホラー映画の現場」というだけで怖くて、「もしかしたら撮影中にラップ音が聞こえるかも」みたいなことも考えていました。
ホテルに泊まり込みで行う撮影もあると聞いて、「ひとりで眠れるか不安だから、一緒の部屋で寝てください」と、マネージャーさんと約束もしていたのですが、いざ撮影が始まってみると、すごく和気あいあいとした現場で。本当にホラーを撮っているのかな、と思うほど楽しかったのは想定外でした。
もちろん、心配していた心霊現象も起きず(笑)。ホテルも一人部屋で朝までグーグー寝ていました。
――清水監督についての印象も教えてください。
清水監督は、ひと言で言えば、すごく楽しい方でした。監督自ら「色紙にサイン書いて」とキャストの楽屋をまわってくるお茶目さもあるんですよ。
ずっと冗談を言って場を和ませてくださるので、気負わずに演技ができました。
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ただ、本番の合図がかかると急に雰囲気が変わって、「ホラーモード」になるんですよね。ここはホラーの見せ場だ、というシーンのときはすごい緊張感が漂い、別の現場のようでした。
バラエティもそうですが、その空気感はすごく大事なので、真剣に取り組ませていだきました。
――大変だったシーンはありますか。
私が演じた君島ほのかが、自分の感情が制御できなくなり、ワーッと叫ぶシーンです。
臨時教師としてある学校の補習クラスを受け持つことになったほのかは、着任当初から小さな違和感を抱いています。そのすべての点が線としてつながったとき、それに気づいて声をあげる……、という重要なシーンで、物語の要ともいえる場面でした。
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リハーサル中にあまり声を出しすぎると本番で声が嗄れてしまう、という理由と、何度もやっていると慣れて新鮮味が薄れてしまう、という2つの理由から「リハーサルは声を出さず、本番で出し切ってください」と言われました。
本番にならないとどんなふうに叫べばいいかわからないというのは不安でしたが、いざ本番になって声を出した時は、「こんな声が出せるんだ」と自分でも驚きました。これは、清水監督と作品に引き出していただいた新たな一面だなと思っています。
お化けがいると分かっていても行かねばならない時がある
――観ているだけではわからなかったホラーの新たな魅力の発見もあったのでは。
これまで、ホラー映画を娯楽のひとつとして観ていた時は、「怖い場面ではキャーッと叫ぶ」みたいなセオリーがあると思っていたんですけど、本当に怖すぎたら声って出ないんだな、というのは今回新たに学びました。
演じる側としては、キャーとかワーとか叫ぶだけでなく、目を見開く、呼吸もできなくなる、など、恐怖の感じ方や表現も今回、たくさん教えていただきました。
映画はフィクションの世界とはいえ、ホラーの場合は見ている方が「嘘」だと思ったら、その「怖さ」が半減してしまいます。「いかにやりすぎずにやり切るか」みたいな強弱の加減も、今回監督から教わりました。
今作では、予想外のところから何かが不意に現れる怖さ、静けさのなかからじりじりにじみ出てくる怖さ、理由は分からないけれど居心地の悪い気持ち悪さなど、いろいろな「怖さ」がでてきます。それもぜひ味わっていただきたいですね。
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――ホラー作品の見方は変わりましたか?
そうですね。家族とホラー映画を観ていた時は、よく「そんなところに行くからまたお化けに会うんだ」などと突っ込みながら観ていたんですけど(笑)、実際自分が当事者になってみると、恋人や生徒を守るために、お化けがいると分かっていても行かねばならない時がある、という事情はくみ取れるようになりました。
怖さから目を背けるのではなく、守るべきもののために立ち向かい、真実を追求していくほのかを演じて、もし自分もその状況に置かれたら、ほのかのようにできるようになりたいと思いました。結局、それが強さだと思いますし、そういうほのかの冒険作品として観ていただくのも楽しいと思います。
――ホラー要素だけでなく、渋谷さん演じるほのかの勇気も見どころなんですね。
そうですね。皆さんにはぜひ、ほのかと一緒の目線で、違和感に気づき、一緒に立ち向かっていく冒険をしていただけたら嬉しいです。
ただ今作は、予想できないことがどんどん起こる映画なので、1回ではなく2回、3回と観ていただき、個性豊かなキャストの動きと、皆さんのアイデアが詰まっているホラーシーンにも注目してほしいと思います。
ホラーシーンは、もちろん監督の演出もありますが、現場でキャストたちが「もっとこうしたら怖くなりませんか」と提案して「怖い」を増幅していった部分もたくさんあります。『ミンナのウタ』のDNAを受け継ぐ作品として、さらにバージョンアップしたホラーシーンとなっていると思いますし、ピントの合わせ方とかカメラの撮り方もすごく面白いです。伏線もいろいろあるので、何回も見るとより面白さを味わえると思います。
怖くて目をつむってしまうシーンもあるかもしれませんが、その数秒には私たちの全力の思いがギュッと詰まっているので、心の準備をして、1秒も逃さずに観ていただけたらいいなと思います。
渋谷凪咲(しぶや・なぎさ)
生年月日:1996年8月25日
2012年、大阪・難波を拠点に活動するアイドルグループNMB48の4期生として加入。以降はグループの中心メンバーとして活動。バラエティー番組「イタズラジャーニー」(フジテレビ系)、情報番組「DayDay.」(日本テレビ系) をはじめとした多くのレギュラー番組に出演。ドラマ「だが、情熱はある」(日本テレビ系/23)では、山里が好意を抱く相手役を好演し話題に。2023年12月、NMB48を卒業し本作で映画初主演。
映画『あのコはだぁれ?』
7月19日(金)全国公開
■STORY
ある夏休み。補習授業を受ける男女5人。
この教室には、 “いないはずの生徒” がいる──。
とある夏休み、臨時教師として補習クラスを担当することになった君島ほのか(渋谷凪咲)の目の前で、ある女子生徒が 突如屋上から飛び降り、不可解な死を遂げてしまう。“いないはずの生徒”の謎に気がついたほのかと、補習を受ける生徒・三浦瞳(早瀬憩)、前川タケル(山時聡真)らは、“あのコ”にまつわるある衝撃の事実にたどり着く……。彼らを待ち受ける、予想もつかない恐怖とは……?
https://movies.shochiku.co.jp/anokodare-movie/
■出 演:渋谷凪咲 早瀬憩 山時聡真 荒木飛羽 今森茉耶 蒼井旬 穂紫朋子
今井あずさ 小原正子 伊藤麻実子 たくませいこ 山川真里果
松尾諭 マキタスポーツ / 染谷将太
■監 督:清水崇
■原案・脚本:角田ルミ 清水崇
■製 作:「あのコはだぁれ?」製作委員会
■企画配給:松竹
文=相澤洋美
写真=深野未季
ヘアメイク=橘麻耶( CO.CO.RO. )
スタイリスト=柏木作夢
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