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新潟よりも新潟を味わえるレストラン 銀座の街に誕生した新名所「THE NIIGATA Bit GINZA」

CREA WEB / 2024年6月14日 11時0分


合計46席からなるお店はさまざまなシーンで活躍。

 日本各地のアンテナショップで賑わう銀座の街にこの5月31日、新名所が誕生しました。その名も「THE NIIGATA Bit GINZA」。食材はもちろん、カトラリーや器、ワインなど、すべて新潟中から集めたという、新潟よりも新潟を味わえるレストランです。

 8月にはこのレストランの他にも、物産館や移住相談窓口などがオープン。ビル全体がアンテナショップ「銀座・新潟情報館 THE NIIGATA」として生まれ変わります。


上越・中越・下越・佐渡。新潟中を飛びまわって集めた食材&プロダクト

 お店を取り仕切るのは、地元新潟や燕三条で人気のレストラン「Bit」を運営する秋山武士さん。燕三条のプロダクトや新潟食材をPRするため、この10年は新潟と東京ふたつの都市でレストランを展開してきました。


15,000円のフルコース。+ペアリングで33,000円。

「THE NIIGATA Bit GINZA」でお目にかかれるのは、秋山さんが10年かけて新潟中をめぐり、発掘してきたものばかり。少しでも時間ができると生産者をまわり、自らの足で味や品質を確かめに行っていたといいます。

 お店のコンセプトは「新潟と共に生きる」。

 新潟のすべてを味わい尽くすことのできるディナーコース(15,000円)をメインに、アラカルト用意。ランチでもコースやセットメニュー、新発田産の思い出たまごとトリュフ、フォアグラを使ったたまごかけごはんなどが楽しめます。

オール新潟にこだわったフルコース

 コースの冒頭を飾るのは、新潟の郷土料理「のっぺ」。もともとイタリアンが専門の秋山さんですが、この料理を作りたくて日本料理店で修行することに。3~4時間かけてひいたおだしで根菜を炊き合わせ、涼しげな秋葉硝子製の器に盛り込みました。


日本全国で多く見られる「のっぺ汁」とはことなり、彩り豊かな野菜を炊いた新潟伝統料理「のっぺ」。

 続いて登場するのは、7品のアミューズです。


器に合わせて、上越、中越、下越、佐渡と、4つの地域に分けて食材を選んだ、小さな前菜。

「上越には、かんずりという上越の代表的な調味料を使ったシートを、蛤のコンフィにのせました。中越は、魚沼の布海苔を練り込んだ蕎麦を冷製パスタ風に、下越は越後姫といういちごを使ったガスパチョ、そして佐渡には、名産であるズワイガニを使ったフランです」(秋山さん)


大湊文吉商店がある新潟県加茂市は北越の小京都とも呼ばれる。

 また、秋田杉で作られた大湊文吉商店のプレートには、越後白味噌を使ったマカロンや八海山の酒粕で味付けした生牡蠣などが並んでいます。

 そしてグリーンピースのズッパに添えたのは、24か月熟成の自家製生ハム。


佐渡島の朱泥を使って作られた、無名異焼(むみょういやき)。

 赤が印象的な器は、佐渡島の玉堂窯元によるもの。佐渡金銀山から産出される酸化鉄を多く含む赤土「無名異(むみょうい)」は島外への持ち出しが禁じられる希少な土。佐渡でしか作ることのできない新潟を代表する焼物です。

日本海が育んだ佐渡銀鮭と雪室熟成牛がメインディッシュ


「本物の価値をわかる人にこそ、新潟の神髄を味わってもらいたいです」(秋山さん)

 秋山さんがコースのメインディッシュに選んだのは、日本海の荒波で育った佐渡銀鮭と、古くから新潟県に伝わる、雪の中で熟成させた雪室熟成牛です。

「鮭はマリネしてから、低温でしっとりと焼き上げます。上には大葉のフリットをのせて、ボリュームがありながらも爽やかに食べられる一品です。新潟和牛のランプステーキには、山古志の伝統野菜である神楽南蛮を使った赤味噌のソースをのせました」

ペアリングも新潟産。ウェルカムドリンクはクラフトビールで

 コース料理には別途ペアリングすることもできます。ウェルカムドリンクは、オリジナルのクラフトビール。エクストラペールエールという、華やかでドライな味わいです。


ペアリングコースでは酒どころ新潟が誇る4種の日本酒の飲み比べができる。

 ペアリングに選ばれたのは、もちろんすべて新潟発のお酒。特に4つの地域ごとに選んだ日本酒は、新潟をより感じられます。

「上越は【繋ぐ】という君の井酒造の純米大吟醸。手で刈って稲架掛け(はさかけ)するという、昔ながらの伝統製法で作った酒米【越神楽】を使った日本酒です。中越は八海山の最高傑作、下越は麒麟山酒造の【玉雫】、佐渡は【万穂】を揃えています。玉雫は、もろみを入れた袋をつるして、雫が自然としたたり落ちるまで待って造るため、年間500本ほどしか造ることができない希少なお酒。万穂は、ちょっとワインのような華やかさがある。それぞれが新潟らしさを体現しているので、是非試してもらいたいです」

 その他、ワインやジンジャエール、コーラやコーヒー、ほうじ茶に至るまですべて新潟産。ほうじ茶は、江戸時代初期から続く、冨士美園の村上茶です。

「ワインはプライベートブランドで、白ワインとクリームを使ったソースに合うように樽を利かせたシャルドネを準備いたしました。赤ワインの方は、カベルネソービニオンやカベルネフラン、カベルネドルサをブレンドして造ったものです。しっかりとした重たさもあり、濃厚な赤味噌のソースとお肉にぴったりです」

締めは新潟が誇る「お米」


ごはんをおいしく炊くためだけに作られたという特注の土鍋。

 新潟といえば、やはりお米。おいしいお米がたくさんあって選びきれず、京都の「米料亭 八代目儀兵衛」にセレクトをお願いしたそう。

「今年は、柏崎産の新之助という銘柄を選んでいただきました。大粒で甘みもあり、ふくよかでありながら一粒一粒がしっかり感じられるお米です。こちらを特注の土鍋で炊き上げ、新発田・川瀬養鶏場の思い出たまごを添えてお出ししています」

 最後を締めくくるデザートは、新潟のBitでも活躍しているパティシエ特製の5品。村上のほうじ茶で作ったジェラートや、新潟産米粉を使ったカヌレ。こちらは燕三条で作っている「食べられる鉄」をコーティングしているという、新しいスイーツです。


5種のデザートをのせたのは、三条市にあるマルナオのウッドプレート。

新潟だからこそできる“新潟と共に生きる店”


右側のカウンターからは料理するキッチンが目の前に見える。

 店内を飾るインテリアにも、新潟を感じることができます。入ってすぐ目に飛び込んでくるのは、天井から吊るされたシャンデリア。よく見ると、とても個性的で独特の形をしています。

「三条市の諏訪田製作所の職人さんが作ったものなんです。爪切りを製造するときに出た廃材を利用しています」


職人が手がけた佐渡を代表する紅ズワイガニのオブジェ。

 個室にかけられたオブジェも、諏訪田製作所の職人の技。同じく廃材を使用して作られています。


「僕らが東京で頑張ることで、新潟の誰かが笑顔になる。そんなお店にしたいですね」

 秋山さんが新潟のよさを発信していきたいのは、「新潟の誰かが少しでも潤うような経営がしたい」という思いからだそう。


ホリエのチタンカップ。コーヒーやほうじ茶をいただく。

「第一次産業、第二次産業の方々とダイレクトにつながりを持って、生産者の顔が見えているからこそ、自分たちがうまくいけばいくほど、新潟で誰かが笑っている、というところを目指したい。そうして新潟を支えていきたいと思っています。

 食材はともかく、カトラリーや器といったものまですべて揃えてコースを提供するというアイデアは、新潟県でしか成り立たないものだと思うんです。カトラリーなどは国内生産シェアの95%が新潟ですからね。

 日本中で新潟県からしか発信できないこのスタイルは、とても貴重。ぜひお試しいただきたいです」

THE NIIGATA Bit GINZA

所在地 東京都中央区銀座5-6-7 SANWAすずらんBldg 8F
電話番号 03-6228-5636
https://bit2013.com/restaurant/restaurant-ginza/
【火~金】ランチ11:30~14:00(L.O.13:30)ディナー18:00~22:00(L.O.21:00)
【土・日・祝】ランチ11:30~15:00(L.O.14:30)ディナー18:00~22:00(L.O.21:00)
【定休日】月曜・その他

文=吉川愛歩
写真=平松市聖

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