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鈴木 福が芸歴19年目に辿りついた「俳優業は、キモい」という“感覚”「変だと思うけど、誇りでもある」

CREA WEB / 2024年6月15日 11時0分

批判も困難もすべて取り込んで前進し続ける「福くん」の現在の姿とは


6月17日に20歳を迎える、「福くん」こと鈴木福さん。

 2004年6月17日生まれ、19歳にして18年の芸歴を誇る鈴木 福さん。

 鈴木さんといえば、俳優業にくわえて報道番組のコメンテーターを務めたり、バラエティー番組に出演するなどして、自身の可能性を拡げ続けている。まもなく迎える20歳の誕生日には、初となるフォトエッセイ『笑う門には福来る 20年間の笑顔と感謝』を上梓する。

 本書は、1歳でデビューし、子役ブームの立役者となった鈴木さんの当時から現在に至るまでがつづられている。鈴木さんの目を通して見ていた世界とはどのような景色だったのか、その一端がのぞける仕上がりで、彼の健やかな精神とガッツもダイレクトに伝わってくる。

 生き馬の目を抜く芸能の世界——そこで変わらず生きていられるのは、むろんたやすいことではないはずだ。CREA WEBでは、鈴木さんがこれまで第一線で活動を続けられた所以を探るべく、著書の内容をよりディープに解説していただいた。

僕にセクシーは似合わない(笑)


最近は肌を見せた撮影をすることも。

――フォトエッセイ『笑う門には福来る』では、鈴木さんのこれまで19年間の出来事と想いが収められています。ポジティブなマインドと、特に批判的な意見への向き合い方が印象的でした。どのような考え方で、今の境地にたどり着いたんですか?

 僕は常々父から、「今はもちろん大事だけれど、もっと大事なのは30~40代になるときに、自分がどういう立場を築いて、どういう生活ができて、どういう自分であれるのか」だと言われているんです。その考え方が大きく関わっているのかなと思います。

 今はまだ完成形ではなく、僕にはもっと先があって、きっと何かでかいものが待っているはずで。そのときにいろいろな人に評価してもらえるようになればいいだけなのかな、と思っているんです。だから批判の声があっても、その“先”に至る過程なわけだから、何を言われようとあまり気にならないんです。


「僕にはもっと先があって、きっと何かでかいものが待っているはず」

――批判の声には、例えばどんな類がありましたか?

 この間は、「鈴木福にセクシーは似合わない」みたいな(笑)。

――『JUNON』の特集で色気を纏った姿が話題になっていましたね! そうした声が届いても、「そうか」と?

 だって、僕もそう思っていますし(苦笑)。

 今ではなく、将来的に男としての格好よさみたいなものを持ち合わせる人間になれたらいいなとは思うんです。今の僕はそこが自分のメインの強みじゃないと思っているので、いつか「20歳のときは似合わなかったけど、今はこんなにダンディでいいね」なんて言われたら最高だなと思います。だから今「似合わない」と言われても「そうだよね、仕方ないよな~」としか思わないんですよね。

お金、世間的な評価、フォロワー数……それよりも大切なこと


明確な理想は、まだない。

――どのようなケースでも、意見は両面あるものですもんね。批判もあれば、肯定も当然あるので。

 そうなんですよね。僕がやっていることを少しでも面白いなと思って、「いいですね」と言ってくれたり、仕事に繋げてくれる人もいてくれるから。僕が本当に思っていること、意図していることをわかってくれる、そこにきちんと目を向けてくれる人がいることを知っているので、本当に感謝しています。

 誰のために頑張るのか、という話だと、まずは自分のため。その次に、周りにいる身近な人、応援してくれるファンの人たち、そしてその先……という風に考えているんです。肯定的な目で僕を見てくれる人が近くにいて、否定的な目で僕を見る人はもう少し遠くにいるというか。まずはより近い人から大事にして、いずれは(肯定的でも否定的でもない)「そのほか」の、僕を別にどうも思ってない人も、なるべく僕のファンに引きずり込めるように頑張っていけたらいいんじゃないかなと思っています。


2011年のドラマ「マルモのおきて」(フジテレビ系)に6歳で出演し、大ヒット。いま、誰のために頑張るのか。

――著書には「“ありがとう”という現場でいただく言葉が力になる」ともありました。スタッフさんの些細な一言も、原動力になっているということですよね。

 もちろん見てくださる人たちに対して頑張らなきゃいけないんですけど、それ以上に、そもそもその番組や作品を作り上げている人たちが僕を呼んでくれているんですよね。その人たちが「良かったよ」と言ってくれたら、やっぱりすごくモチベーションになります。

――明確な理想みたいなものは、今持っていたりしますか?

 すべてが鮮明に見えているわけではないですけど、今の自分がこれくらい(両手を少し広げたくらい)だとしたら、先々はこれくらい(両手を目いっぱい広げたくらい)になっているつもりではいます。それは別にお金を稼ぐとか、世間的な評価がほしいとか、フォロワー数がたくさん、とかそういうのじゃなくて、自分の満足度的な指数でもあると思います。

「楽しいだけ」のお芝居が“仕事”になった瞬間がある


芸歴は19年目。

――鈴木さんは1歳の子役時代からまもなく20歳にいたる現在まで、ずっと作品に出演し続けて第一線にいます。並大抵のことではありませんが、長く活動できる秘訣をご自身ではどう分析しますか?

 どうなんでしょう……? やっぱりやっていて楽しいこと、やりがいがあることがまずはとても大きいです。僕のやりたいように事務所の人たちがやらせてくれていることも、あると思います。

 あとは「“こうしたほうがいいんじゃない?”というアドバイスに対して、“はい”と言えることはいいことなんだよ」と近しい人たちに言ってもらうことがあるんです。意見をなるべく素直に聞き入れることができることも一つあるのかもしれません。もちろん自分の中で納得のいかないことは話し合うときもありますけど、それで「やる」と決めたら、基本的に精一杯やります。

 今がその先すべてにつながると思って、ひとつひとつ取り組むようにしているんです。「この仕事を誰かが見てくれている」と思ってやるようになったというか……そんな風に思えるようになったのは、実はごく最近なんですけどね(苦笑)。

――そうなんですか。これまでは?

 これまではただ楽しいからやっていて、それで続いてきました。今までは優先事項の一番目が学校、2番目に仕事という感覚だったのが、高校で芸能コースの学校に行ったことがきっかけで変わりました。仕事の優先順位がだいぶ上がって、学校と同じくらいのポジションになったんです。

 それからは「とにかく頑張るぞ」と思えるようになっていきました。俳優としてもっとしっかりやりたいというマインドになったんです。

「仮面ライダーをやりたい」と思ったときにも、そのためにはまず何をすればいいか、から考えました。そうして自分が変わると仕事の雰囲気というか、呼んでいただく作品の雰囲気も変わってくるんですよね。自分が明確に変わったと思う時期が、その頃でした。

――お話を伺っていると、俯瞰的にご自分のことを捉えている印象を受けました。精神面の鍛練を感じられるのですが。

 僕、メンタルはすごい強いと思います(笑)。先ほどの批判の話にもつながるんですけど、例えば、コメンテーターをやらせてもらうときに、「なんだ、この若造が」みたいに書かれていても「そりゃそうだろうなあ」としか思わないので。もしかしたら気にしてしまう方もいっぱいいるのかもしれないと思うと、自分はメンタルが強いのかもなあと思います。

「俳優業は、キモい」。そう思う理由は?


「なんだ、この若造が」と思われても、「そりゃそうだろうなあ」。

――芸能系以外、例えば大学や地元のお友達と比較しても、自分はメンタルが強いんじゃないかと思います?

 誰と比べてとかは特にないんですけど……。そもそも、僕の周りには、変なやつが多いんですよ(笑)。大学だけでなく、中学、高校の友達も「普通だなあ」と思う友達はあまりいません。僕が引き寄せてるんじゃないですかね⁉

――ご自分のことも“変”だと思っていらっしゃるんですね!

 周りの友達に「普通じゃないよ、変だよ」と言われますから(笑)。仕事柄、普通じゃないじゃないですか。僕が思うに、俳優業はいわゆる“普通の人”だったらできないというか……何かしらちょっと変なところがある人が向いているのかなあって。だって、キモくないですか? 悲しいシーンをやって涙を流すとか、キモくないですか(笑)?

――「俳優業は、キモい」、パワーワードですね。

 もちろん、いい意味で! これも、仕事の優先事項が自分のなかで変化した最近になって思いはじめたことなんです。自分でも気持ち悪いんですよ。だって、自分でもないのに、(台本に)書いてあることから、自分を通してすごく感情が湧いてきて、涙が出てきたり、怒ったり、喜んだりするわけじゃないですか。それでも、変な職業だと思う一方で、作品を見て「すごい」と言ってくれたり、感動してくれる人たちがいるわけだから、やっぱりすごい職業だと誇りに思っています。

鈴木 福(すずき・ふく)

2004年6月17日生まれ、東京都出身。1歳の時に幼児番組「いないいないばあっ!」に出演し芸能界デビュー。2007年にドラマ『君がくれた夏 ~がんばれば、幸せになれるよ~』で子役としてデビューを果たす。11年、『マルモのおきて』に出演。「薫と友樹、たまにムック。」名義による同作の主題歌「マル・マル・ モリ・モリ!」で歌手デビュー。以降、映画、TV、舞台、CM など多岐にわたり活動。最近は情報番組やラジオ・ナレーションなど仕事の幅を広げ、自身のSNSを活用し情報を配信している。

文=赤山恭子
撮影=釜谷洋史
ヘアメイク=堀川知佳
スタイリスト=作山直紀

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