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実は「焼き鳥」も立派な薬膳料理 ポイントは部位と選ぶメニュー おすすめ5品に自慢したくなる雑学も

CREA WEB / 2024年6月15日 6時0分

 実は焼き鳥屋は、お疲れの方におすすめの薬膳メニューが盛りだくさんということをご存知ですか? 薬膳と聞くと、苦味のあるスープや、見たこともないような変わった食材をイメージする方も多いと思います。しかし、普段目にする身近な食材でも、自分の体の状態に合わせて食材を選ぶことで、しっかり薬膳料理になっているのです。

 今回ご紹介する焼き鳥メニューは、そんな身近な食材の中でも、体をケアしたい時に活躍する効果の高い食材ばかり。焼き鳥では、もも肉以外にも、内臓系のメニューもたくさん食べることができます。調理をすることはできないけれど、活用したい方は、焼き鳥屋に行ったり、惣菜を購入したりしてもいいでしょう。


美味しくて、体をケアしたい時にぴったり。

 購入する際には、今回ご紹介する効能を踏まえてメニューを選んでみても面白いですよ。ご自身の体調に合わせて食べるものを選ぶ、と言うきっかけにもなります。薬膳雑学として、ちょっと自慢したくなるような知識もご紹介しますので、楽しんでご覧ください。


◆鶏レバー


鶏レバー。

 レバーは言わずと知れた、血を補う食材の王様のような存在。もちろん薬膳でも、血の不足症状にいいとされています。野菜類でも血を補うことは可能ですが、レバーなどの動物性食品の補い効果は、比較的高いのがポイントです。

 そして、薬膳の考えでは「血の不足=貧血」ということだけではなく、様々な体の不調にも関係してくるとされています。特に女性は、生理中~生理後は血の不足症状を顕著に感じやすいので、該当する項目がないか、チェックしてみてください。

 血の不足症状としては

  • ・目が疲れやすい
  • ・顔色が悪い
  • ・息切れがある
  • ・抜け毛や髪のパサつき
  • ・熟睡できない
  • ・体の疲れ

 これらの症状があげられます。


レバー串は疲れた時に。

 思い当たる部分がある方は、ぜひレバー串を試してみましょう。眠りが浅く、疲れが抜けない時には特におすすめの食材です。レバーの臭みが苦手な方は、ご家庭でみじん切りにして鶏ひき肉と一緒に炒めて調理をすると、臭みの軽減にもなりますよ。

◆砂肝


食感がやみつきになる砂肝。

 独特のコリコリとした食感がクセになる砂肝。焼き鳥屋に行くと、必ず食べるという方も多いのでは。砂肝は、鶏の「砂嚢(さのう)」と呼ばれる部位のことを指します。鶏は、歯がないためエサを噛み砕くことができません。そのため、砂肝でエサを細かくし、消化吸収をしています。

 砂肝は食材の中でも薬効があると考えられる生薬のひとつで、「鶏内金(けいないきん)」と呼ばれています。胃腸の働きを高める食材として、薬膳料理では重宝されています。

 また、薬膳では、体に不調をきたしたら同じ働きをする他の動物の部位を食べるという考え方があります。胃腸の不調や消化不良、胃もたれ、胃の不快感などに活用される食材です。


砂肝は生薬のひとつとされている。

 焼き鳥メニューでは、シンプルな塩焼きがメジャーですが、煮付けや炒め物、スープなどに調理する薬膳メニューも多いです。胃腸の不調が気になる方は、様々な料理法で普段から砂肝を食べてみるのはいかがでしょうか。

◆鶏もも肉


疲労回復効果が期待できる鶏もも肉。

 焼き鳥の定番メニューの鶏もも肉の串にも、もちろん薬膳的効能があります。鶏もも肉は、お腹を温め、疲労回復の効果があるとされています。エネルギー不足を感じる方は鶏肉を活用してみましょう。

 エネルギー不足の症状は

  • ・疲れやすい
  • ・下痢しやすい
  • ・すぐに風邪を引く
  • ・冷えがある
  • ・食後の眠気がある

 などが該当します。


もも肉の串。

 お腹の冷えや、疲れが気になる方は、焼き鳥に限らず普段の食事でも鶏肉を使ってみるといいでしょう。もも肉、胸肉、ささみ肉、ひき肉は、同じ効果が期待できるので、お好みの部位を使ってもいいですね。

◆梅肉ささみ


夏バテにおすすめの一品。

 ここからは、鶏肉と合わせることで特別な効果を発揮する食材についてご紹介します。ささみ肉は鶏肉の効能と変わりはありませんが、一緒に梅肉を活用することで、暑い夏に嬉しい効果が期待できます。

 梅は、暑気あたりや殺菌効果があるので、夏場の食中毒予防にも効果的。また、体に潤いを与え、汗のかき過ぎによる渇きを癒してくれる効果があります。梅肉をたっぷりのせたささみ串は、夏バテが気になるシーズンにおすすめの焼き鳥メニューですね。

 また梅肉と組み合わせることの多い「紫蘇」には、暑さで鬱々となってしまう気持ちの改善にも役立ちますよ。

◆月見つくね


月見つくね。

 つくねは、鶏肉から作られるので、同じく疲れ予防の効果などが期待できます。ここでご紹介するのは、つくねと一緒にぜひ食べていただきたい「卵」です。卵は血の不足を補う効果や、体の潤いをアップする効果があります。鶏肉と一緒に食べることで、体のエネルギーチャージがしっかりできるメニューになりますよ。

 卵はレバーの血の不足よりも穏やかに効果があるイメージ。レバーは苦手で食べられないけれど、血の不足を改善したいと感じている方は、日常的に卵料理を食べることを心がけるといいでしょう。

焼き鳥を活用して元気な体を手に入れよう!

 焼き鳥にまつわる薬膳雑学、いかがだったでしょうか。特別な生薬ではなくとも、食材にはひとつひとつに効能があります。ご自身の状態に合わせた食べ物を活用することで、健康的な体づくりが叶いますよ。

 友人や、同僚、ご家族と焼き鳥を食べる際には、今回ご紹介した薬膳雑学をぜひ披露してみてください。ご自身の健康について考えるきっかけになり、薬膳を身近に感じることもできるでしょう。


さとうあい

宮城県仙台市在住の料理家。フードコーディネーターや学校講師などを通して飲食業界に携わること20年以上。現在は、企業様向けフードコンサルティング事業を行う、motto cooking tableを主宰する傍ら、レシピライターとしても活動中。また、国際中医薬膳師として、アレルギー体質などの不調に悩む子ども達へ、美味しく食べて健康になれる薬膳料理「こども薬膳」を広める活動も行う。

文・撮影=さとうあい

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