「鍛えて男前に見えるよう準備しました」コーチェラを席巻したATEEZが明かす“憧れ”のアーティスト
CREA WEB / 2024年6月19日 17時0分
韓国出身の8人組ボーイズグループ、ATEEZ(エイティーズ)の快進撃が止まらない。
2018年の本国デビューから、歌とパフォーマンスの実力に磨きをかけ続け、23年12月にリリースした正規2集アルバム『THE WORLD EP. FIN:WILL』は、米国を代表するヒットチャート「ビルボード200」で首位を獲得。さらには英国の「オフィシャル・アルバムチャート」でも2位にランクインした。ATINY(エイティニー)と呼ばれる彼らのファンは、地球上のいたるところで増殖する一方だ。
そして、翌24年、勢いに乗る彼らに届いたのは、カリフォルニアの砂漠で催される世界最大規模の野外音楽フェス「コーチェラ・フェスティバル」からのオファー。この4月、コーチェラで披露された彼らのステージは、耳も目も肥えたオーディエンスの度肝を抜いた。
世界が注目する最旬の8人が、現在の心境を語る。
ATEEZの音楽性をさらに深堀
ATEEZのサウンドには、主流のK-POPとは趣を異にするファクターが存在する。多くの韓国の楽曲は、ヒップホップの手法をベースとし、リズムパターンのループにのせてラップを連ねメロディーを紡ぐメソッドが多い中、この8人の楽曲は、そこに、さらなる展開が加わる。バラード調のヴォーカルやエモーショナルなギターソロなど、ドラマティックな展開が盛り込まれているのだ。
それゆえ、時にミクスチャーと呼ばれる彼らの音楽性だが、そこにフィーチャーされるロックには、このジャンルでは定番のスラッシュメタルではなく、もう少し前の時代のクラシックな薫りが漂う。その結果、往年の洋楽でいえば、クイーンやサンタナのように、幅広い年代のリスナーの心の琴線に触れる作品に仕上がっているのだ。音楽性に関してはそれぞれ一家言を持つメンバーに、好きな洋楽のアーティストについて聞いた。
HONGJOONG 僕は、デヴィッド・ボウイとマイケル・ジャクソン。子どもの時から、自分が生まれる前のポップスが好きだったんです。デヴィッド・ボウイに関しては、洗練を極めたスタイリングも大いに参考にしています。
ボウイは、『ジギー・スターダスト』(1972)、『スケアリー・モンスターズ』(80)などの名作において、架空のキャラクターに扮してストーリーを物語った。そのコンセプトメイキングは、デビュー以来、ミュージックビデオなどを通して一貫した壮大なサーガを綴るATEEZにも共通する。
HONGJOONG 僕は、14歳の頃からコンピュータにプログラミングする形でトラックを制作してきましたが、そのきっかけとなったのが、マイケル・ジャクソンの楽曲でした。「ビリー・ジーン」「スリラー」を初めて耳にした時のインパクトは忘れられません。未だに彼のナンバーは、聴くたびに新鮮なインスピレーションを与えてくれますね。
HONGJOONGは、このグループの不動のキャプテンであり、作詞・作曲のクレジットに名を連ねるサウンドの要でもある。
MINGI 僕が最近一番好きなアーティストは、ポスト・マローン。強靭な印象に惹かれます。エイサップ・ロッキーもお気に入りですね。
アメリカが誇る2人の売れっ子ラッパーを推すMINGIは、HONGJOONGとともに自らもラッパーを務める。彼の低音のラップは、ATEEZのサウンドにしっかりした重心を与えている。そして、そのトリックスター然としたステージ上での振る舞いは、雰囲気をあっという間に塗り替えるジョーカーとしての役割を果たしているといえるだろう。作詞・作曲に参加している事実も特筆したい。
SEONGHWA 僕はハリー・スタイルズ、それからテイラー・スウィフトです。
王道を歩むヒットメーカーの名を挙げたSEONGHWAは、ATEEZの中で最年長。鋭さを帯びたクールな美貌が際立つが、実は、その包容力や家事の才能から、メンバーには「お母さん」と呼ばれているのだとか。
YUNHO ザ・スクリプトを、子どもの頃からよく聴いていましたね。
ザ・スクリプトは、アイルランドのダブリン出身の3ピースバンド。そのメロディアスなサウンドが、世界的な支持を集めている。このバンドを愛するYUNHOは、185センチの長身を生かしてしなやかに舞い踊り、舞台を華やかに彩る存在だ。日本語に堪能で、この取材においても、通訳を介さず質問に答えてくれた。
YEOSANG アラン・ウォーカーが好きですね。幼い頃はバラードやポップソングを聴くことが多かったんですが、彼の「フェイデッド」を耳にして以来、EDMの魅力に目覚めました。それからは、DJやトラックメーカーが作るナンバーを好むようになりました。
アラン・ウォーカーは、数々の大規模フェスを沸かせるノルウェー出身のプロデューサー。もちろん、コーチェラへの出演経験も持つ。なお、YEOSANGは、ドーベルマンとして認められたいが、ファンの間ではマルチーズと呼ばれている。結構おっちょこちょいなところがある愛されキャラだというから微笑ましい。
SAN いろいろと好きなアーティストはいますが、最近では何より、コーチェラでライブを観たドージャ・キャットが素晴らしかったです。楽しいステージでした。
ドージャ・キャットは、今年のコーチェラ最終日のメインステージでヘッドライナーを務め、そのオーラで場を支配した女性シンガー。同年のコーチェラにおけるSANは、厚い胸板を強調したマスキュリンなスタイリングで話題となった。
SAN たくさん運動して鍛えて、男前に見えるよう準備したんです(笑)。
ワイルドなパフォーマンスには定評のあるATEEZの中でも、オリジナリティにあふれたSANの一挙手一投足には、観る者の目を奪う魔力がある。
WOOYOUNG 僕は、ショーン・メンデスに憧れます。声が美しいし、それにカッコいい。
ショーン・メンデスは、アコースティックかつオーガニックなサウンドを届けてきたカナダ出身のシンガーソングライター。華麗なダンスで卓越したパフォーマンスを披露するWOOYOUNGは、ATEEZのムードメーカーとしても、メンバーやファンから愛されている。
JONGHO 僕は、ブルーノ・マーズがとても好きです。ステージの上で醸し出す彼の余裕は見習いたい。言うまでもなく、ヴォーカルのスキルも抜群。あやかりたい部分がいっぱいあるシンガーですね。
アンダーソン・パークと組んだシルク・ソニックでの活動も記憶に新しい大人気シンガーソングライターをリスペクトしているのは、ATEEZ最年少のJONGHO。6オクターブの音域を自由自在に歌いこなす技巧派のヴォーカリストだ。ここまで出るのかというハイトーンヴォイスは、K-POPの最強兵器と称したい。初めてATEEZを目にしたオーディエンスが多いコーチェラでも、その歌声は驚きとともに受け止められていた。
JONGHO 評判がよかったようで、本当に光栄です。ありがとうございます。
待望の新しいアルバム『GOLDEN HOUR : Part.1』はよりポップな作品に
今年のコーチェラには、日本からはYOASOBI、新しい学校のリーダーズが出演した。日本でも積極的な活動を繰り広げるATEEZのメンバーに、J-POPのフェイバリットを語ってもらおう。
HONGJOONG 僕は、子どもの頃からONE OK ROCKが好きでした。
SEONGHWA あいみょんさんはいいですね。彼女の歌は、心に響きます。韓国でも人気があるんですよ。
YEOSANG 昨年、京セラドーム大阪で行われた「D.U.N.K. Showcase」というフェスに僕らが出演した時、BE:FIRSTのみなさんのステージを拝見しました。素敵なカッコいいパフォーマンスに、引き込まれましたね。大好きになりました。
YUNHO 僕はJ-POPをたくさん聴いています。最近一番のフェイバリットはNovelbright。それから、アニメ映画の主題歌を通じてJ-POPのアーティストを知ることが多いのですが、やっぱり『君の名は。』の音楽を手がけたRADWIMPSはいいですね。そういえば、ついこの間、僕はHeavenzという日本のアーティストのナンバー「それがあなたの幸せとしても」をカバーしたんですよ。
Heavenzは、ボーカロイドプロデュ―サー。「それがあなたの幸せとしても」は、彼が2013年にリリースした楽曲である。YUNHOが得意とする日本語で歌うカバーは、ATEEZの公式YouTubeで堪能することができる。
YUNHO 日本のATINYのみなさんからは、「YUNHOさん、日本語をいっぱい勉強してくれてありがとう」と感謝の言葉をいただきました。それが、僕にとって日本語を学ぶ原動力となっています。これからももっともっと勉強したいです。
コーチェラで一気に名声を高めた彼らには、今後、ワールドツアーの一環として、スタジアム規模の会場をも含む北米とヨーロッパでの公演が待ち受けている。
WOOYOUNG ツアーでのライブは、僕たちにとっては数十回行う公演の一つであったとしても、観に来てくださる人たちにとっては、ATEEZを目にする一生に一度の機会になるかもしれない。大切な時間を割いてくださるのだから、誰一人がっかりさせないように、完璧なものをお見せしなければいけないと思っています。
5月31日には、待望のニューアルバム『GOLDEN HOUR : Part.1』が発売された。
HONGJOONG 今回のアルバムは、これまでとは違って、よりポップな感覚がプラスされた作品に仕上がっています。ここまで、全米チャート首位獲得やコーチェラへの出演など、おかげさまで僕たちは順調な成果を残すことができましたが、決してそこに安住することなく、さらなる努力を続けていきたいと思っています。
YEOSANG これからも、メンバーとATINYが、ともにずっと、元気で健康に過ごすことができるようにと祈っています。それが僕の何よりの夢です。
ATEEZ(エイティーズ)
韓国の8人組ボーイズグループ。2018年にミニアルバム『TREASURE EP.1 : All To Zero』でデビュー。2023年12月にリリースした2ndフルアルバム「THE WORLD EP.FIN : WILL」では、「Billboard 200」で自身初の1位を獲得しただけでなく、英・オフィシャルアルバムチャートで2位にランクインするなど、世界的な人気を博している。2024年4月にはアメリカ・カリフォルニア州インディオの砂漠地帯であるコーチェラ・バレーで開催された「Coachella Valley Music and Arts Festival」にK-POPボーイズグループとして史上初となる出演を果たした。
文=下井草 秀
撮影=土屋文護
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「ATEEZは舞台が大きければ大きいほど強くなる」コーチェラのステージを経た8人の"現在地
CREA WEB / 2024年6月18日 17時0分
-
【ATEEZ徹底解剖】コーチェラでのステージにこめられた“想い”と演出の裏側
CREA WEB / 2024年6月17日 17時0分
-
ATEEZウヨン、コリン性蕁麻疹を発症 海外スケジュール欠席し集中治療へ
モデルプレス / 2024年6月14日 19時8分
-
SEVENTEEN・TWICE・ZB1…“ボディーガード”との異色ダンスチャレンジが話題
モデルプレス / 2024年6月13日 12時42分
-
ATEEZが語るコーチェラ出演の舞台裏、ストーリー性豊かな音楽の背景
Rolling Stone Japan / 2024年5月30日 16時0分
ランキング
-
1「港区女子にいそう」西野カナ、ギャル卒業の激変ビジュアルが楽曲イメージとズレる? 困惑の声も
週刊女性PRIME / 2024年6月26日 15時45分
-
2「公開処刑すぎる」Snow Manラウールと“旧ジャニ先輩”を比較した辛辣いじりにファン激怒
週刊女性PRIME / 2024年6月26日 18時0分
-
3「テレビでは言えないのかな」上戸彩のトーク番組でなかったことにされた“大親友”の名前
週刊女性PRIME / 2024年6月26日 19時0分
-
4「互いの腰に手を回して」フィギュア・安藤美姫(36)が“20歳下”教え子(16)と“USJ手つなぎデート”密着写真「電車の中でも抱き合って…」
文春オンライン / 2024年6月26日 16時0分
-
5ヒカルに「てんちむを救って」コメント殺到…本人がファンに呼びかけ「それは控えてもらえたら」
スポニチアネックス / 2024年6月26日 21時16分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください