1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. グルメ

プリンにするか、メロンにするかファンの心を鷲掴みにするパフェ【カフェ ヴィヴモン ディモンシュ】

CREA WEB / 2024年6月25日 11時0分


「ぷ」の旗がはためく。

 鎌倉・小町通りから1本入った路地に、「カフェ ヴィヴモン ディモンシュ」がオープンしたのは1994年のこと。おいしいコーヒーと素敵なインテリア、居心地のいいサービスや音楽は、当時はまだ当たり前ではありませんでした。

 鎌倉、いや日本のカフェカルチャーの礎となった「カフェ ヴィヴモン ディモンシュ」。その歴史のすべてが詰まった本『鎌倉のカフェ ヴィヴモン ディモンシュの30年』(KADOKAWA)が発売され、話題です。

 後篇では、ディモンシュファンを魅了する、堀内千佳さんのパフェやグッズにフィーチャー!


もうひとつの名物、パフェをめぐる物語

 今や全国から「カフェ ヴィヴモン ディモンシュ」を訪れるお客さんの目当ては、もちろんマスター・堀内隆志さんが淹れるコーヒー、そして奥様の千佳さんが作るパフェ、一期一会のグッズも! 一度来たら必ず再訪したくなる理由は、このあたりにあるのかもしれません。

 後篇ではそんな一面に注目してみました。

――ディモンシュに来る人の中には、コーヒーだけでなく、パフェを目当てにしている人も多いようですが……。今回発売された『鎌倉のカフェ ヴィヴモン ディモンシュの30年』でもパフェにページを割いていますね!

堀内千佳さん そうですね。パフェのことをたくさん紹介できて、さらに反響も多かったので、胸が熱くなりました。最初にできたパフェで今も定番の「パフェ ディモンシュ」は、コーヒーのパフェが食べてみたい、と始めたメニューです。今も、丁寧にドリップしたコーヒーでゼリーやグラニテを作っています。パフェには旗を立てるのがお約束ですが、すべてスタッフみんなで作っているんですよ。


「パフェ ディモンシュ」900円。

――コーヒー味はディモンシュのパフェらしさがありますが、「プリンパフェ」も人気なのでは? 写真を撮らずにはいられません!

千佳さん 25周年のときに作って新定番となりました。ちょうどいいサイズのグラスとプリンの型に出合って。ぴったり合致したので「これは!」と作ったパフェです。最初はプリンをのせる手がプルプルしました(笑)。おかげさまで愛されて、バレンタインのチョコレートプリンパフェ、和栗やかぼちゃなど季節のプリンパフェが派生しています。


「プリンパフェ」950円。

 季節ごとのパフェも食べ逃せません。ここでコーヒー以上に季節感を出しているのが、パフェなのですから。春のいちごの「パフェ プリマヴェーラ」やマンゴーの「マンゴープリンパフェ」、イチジクの季節には「MFIP(イチジクパフェ)」などを、毎年楽しみにしている人の多いこと!

 特に、地元の常連さんたちはとにかく季節のパフェや季節のコーヒーが出たら真っ先に食べに行きたい! という人が多いようで、「今年はもう『パフェ メロンシュ』を3回食べたよ!」「私は4回だもんね!」なんて声も聞こえてきます。そして、隆志さんの手によってパフェに合う季節のブレンドが生み出されるのですから、楽しみは無限です。

子どもたちにも楽しめる価格設定


夏のお楽しみ「パフェ メロンシュ」1,680円。

――千佳さんがパフェ作りで心がけていることは何ですか?

千佳さん パフェグラスにスプーンをザクッと縦に入れ、底から掘り上げて食べてほしいと思っていて、層の構成には気を配っています。あとは、子どもたちにも食べてほしいから、値段が高くならないように、というのも大事ですね。

 これからの季節は、無農薬のレモンを使った「パフェ レモンシュ」やマンゴーたっぷりの豪快なパフェ「マンゴープリンパフェ」などがお目見えの予定。現在13種あるパフェは今後も増えていく予定だそうです。

作る側も楽しんでいるのが伝わるグッズたち


周年Tシャツ。

 コーヒーを淹れる隆志さん、そして豆の物販の近くにあるのが大充実のグッズコーナー。今でこそグッズを作っているカフェは多いですが、この点においても先駆けだったのではないでしょうか。特にTシャツは、開店当時から、折に触れ作り続けているコレクターズアイテム(本では、ほぼ網羅!)。

隆志さん 僕がグッズ好きだったことから、Tシャツはカフェを始めると同時に「おみやげにもなるし」と作り始めました。それ以来、出してない年はないんじゃないかな? 最初は自分で、プリントゴッコで作ってました(笑)。

――コーヒーといえば、マグカップもコレクターがいそうですね。

隆志さん マグカップも長いこと作っています。コーヒーをおいしく飲むのにちょうどいいサイズなんですよ。おみやげになるよう、鎌倉やカフェ、コーヒーにまつわるデザインにしています。


オリジナルミニマグカップ。各1,540円。8分目で150ミリリットル、フルで175ミリリットル入る。

季節ごとの豆も楽しみ

もちろん、シングルオリジンをはじめ季節のブレンドも登場するコーヒー豆は買い逃せません。すっかりハマり、わざわざ取り寄せる人も全国に多くいます。


手書き文字の袋もディモンシュのシンボル。左:「オリジナルブレンド dimonche(中深煎り)」100グラム920円~。右:「紫陽花ブレンド」100グラム1,180円~。

暑くなってくるとこれを目当てに来る人も増えるカフェオレベース。1,650円。

ゆるやかな空気の中、本の写真も展示中


関めぐみさんの写真を展示。

 こうして出来上がる夫婦二人三脚ならではのコラボな味と空間が堪能できる鎌倉の心地いい空気がゆる〜く流れる店内では現在、発売されたばかりの本の写真展を開催中です。行列が絶えない人気店だけれど、こののどかな雰囲気がたまりません。

カフェと自分の思い出が重なる


「これから」を語る隆志さんと千佳さん。

隆志さん 自分たちが積み重ねてきた時間と空間の中に、来てくださったお客さんの思い出も重なって今のディモンシュがあると思います。本を見ながら「自分がこの時期にこうしていたのかと思うとエモいですね〜」なんて、お客さんに言っていただけたときは、本当にそうだなぁと思ったし、そう思ってくれるお客さんや仲間がいたからこそやってこられたとしみじみ思いました。

 そのとき、そのときがいつでも全盛期と思ってやっていますが、1日でも長く続けていけるように、健康には気をつけて心と体をしっかり休ませる日もつくりつつ、頑張りたいと思います。僕ら夫婦がずっと変わらないのは、“店主が変わらずお店に立っているお店”が好きだということ。うちもそういうお店でありたいなと思います。

 これからのことを伺うと、マスターは清々しい笑顔でそう答えてくれました。横でちょっと涙ぐむ千佳さん。

千佳さん 本当にありがたいことばかり。私はサポートが得意なので、これからもマスターをサポートしていきます。


隆志さんがドリップする様子を見つめる先代の愛犬、ミサワ。

 31周年に向けて静かにまた次の一歩を踏出しはじめたカフェ ヴィヴモン ディモンシュ。続けることは簡単ではないし、そこには人知れぬ努力があることでしょう。でもその先にはうれしいことや楽しいこともあるから続けていけるのかもしれません。これからもずっとおいしいものを生み出し続けてくださいね。


鎌倉のカフェ ヴィヴモン ディモンシュの30年

定価 2,200円(税込)
KADOKAWA

カフェ ヴィヴモン ディモンシュ


小町通りから1本入った道にある。

所在地 神奈川県鎌倉市小町2-1-5 櫻井ビル1F
電話番号 0467-23-9952
営業時間 11:00~18:00
定休日 水・木曜日
https://dimanche.shop-pro.jp/

文=赤澤かおり
写真=榎本麻美

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください