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フロスか死か⁉ 歯ブラシのあとの“仕上げケア”が口内健康に直結!プラークを徹底除去する3ステップ

CREA WEB / 2024年6月20日 7時0分

 毎日毎日、こどもの頃から続けてきた「歯磨き」。その方法、自信がありますか?

 実は、間違った歯磨きを続けたまま年を重ねると、虫歯や歯周病の原因になります。さらに、その歯のトラブルが重大な疾病につながることも!

 今回は『おとなの歯磨き』(フローラル出版)から、一日も早く始めたい、おとなのための歯磨きを抜粋してご紹介します。後篇は、基本の基本、歯ブラシのあとに行いたいアプローチ。


第2の歯磨き 歯磨きの後の「フロス」タイム


こちらは糸ようじタイプ。©森マサコ

 欧米にはこんな言葉があります。

「Floss or die(フロス オア ダイ)」直訳すると「フロスをしろ、さもなければ死ね」です。

 こんな恐ろしい言葉が用いられるほどに、欧米では浸透しているフロスですが、日本での使用率はイマイチ低めです。

 しかし、歯磨きだけでは、歯と歯の間のプラークを完全に落とし切ることはできません。毎日、しっかり歯磨きしているのに、虫歯になった。という人もいるかもしれませんが、その人は、歯と歯の間にあるプラークが原因です。そこで、歯磨き後には、フロスで仕上げをしていただきたいのです。フロスを歯と歯の間に入れ、歯の側面から歯周ポケットの中まで、フロスを上下と前後に動かして、プラークを除去する。歯磨きと同様に、フロスを入れる隙間の順番を決めて取り漏れがないようにしてください。

 フロスを使うと、出血したりプラークが糸につくことがありますが、水で洗ったり、糸の違う部位を使用するようにします。

 また、フロスを使って血が出る場合もありますが、これはバス法で出る血と同じなので、気にせず使いましょう。ただし、フロスを使い慣れていないと、歯周ポケットの最深部を超えてフロスを入れてしまう場合があるので、フロスも痛みを感じない程度に使ってください。


取り漏れがないように! ©森マサコ

 また、しっかり歯磨きしているのに、フロスを使うと食べかすが取れることがありますが、これこそ磨き残しの証拠です。今までの歯ブラシがどれだけ不十分だったのかを認識し、新たな歯磨き道へ邁進していく糧にしてください。

 歯磨きによる磨き残しの多くは歯の隙間にあるので、毎日使うのが理想です。初めてフロスを使う人は、最初のうちはなかなか使いこなせないと思います。しかし、こればかりは慣れです。

 最初は慎重に、鏡を見ながら、各歯の隙間にアプローチできるように時間をかける。そして、慣れてくればスッとフロスを隙間に入れるようになり、食べかすやプラークが取れることが楽しくなってくるので、使いはじめはなおさら毎日のフロスを忘れないようお願いします。

 それでも、フロスが上手く使えないという人は、糸ようじタイプを使いましょう。とはいえ、紐タイプのほうが上下左右に自由に動かせるため、除去効率はこちらのほうが高いので、時々は紐タイプにも挑戦してください。

歯と歯茎の隙間を見つけたら歯間ブラシ


歯間ブラシを使おう。©森マサコ

 フロスの使い方をお伝えしてきましたが、年齢を重ねると歯周病が進行して歯茎が下がっていきます。すると若いうちは空いていなかった歯の根本の隙間が大きく開いていきます。フロスは隙間の少ない細かいところで力を発揮しますが、この状態になってしまうとフロスだけではどうしても歯の汚れを除去しきれませんし、歯磨き効率も下がってしまいます。そんな歯の隙間が空いてきた方には歯間ブラシの併用を進めています。


若い時はない隙間が! ©森マサコ

 歯間ブラシは、歯と歯の間の根元、ブリッジや、部分入れ歯のバネがかかる歯も驚くほど綺麗にできます。サイズは、4Sのように小さい物なら歯茎を傷つけません。最初は鏡を見て、歯と歯間ブラシが直角に交わるように歯と歯の隙間に差し込んで3往復ほど磨いてください。歯に沿わせ上下と前後に動かします。斜めにすると歯間ブラシが折れる危険があります。金属タイプは、しっかりと汚れを落とせますが、隙間が狭い場合にはゴムタイプの方が痛くありません。使ったことがない方も多いかもしれませんが、歯の根本に隙間を見つけたら積極的に使っていきましょう。

最後の仕上げに「スポンジブラシ」

 10分以上、3種類の歯磨き法で磨き、フロスや歯間ブラシで歯の隙間のプラークも落とす。これで、歯と歯周ポケットのプラークはほぼ落とせました。しかし、それでもまだ落とされず残っているのが、プラークの恐ろしいところです。では、残りのプラークはどこに潜んでいるのかというと、それは歯茎です。

 もし、歯垢染色剤を購入したのなら、ぜひ試していただきたいのですが、歯磨き、フロス後に歯垢染色剤を使ってみると、歯茎が真っ赤に着色されているのをその目で確認することができます。


スポンジブラシの使い方。ネットで購入しよう。©森マサコ

 しかし、歯ブラシでは歯茎を磨くことはNGです。歯ブラシの固い毛先では柔らかい歯茎を傷つけてしまいます。歯茎にプラークが残っている。しかし、磨いてはいけない……。このアンビバレンツな難問をクリアしてくれるのが「スポンジブラシ」です。

 主に介護現場など、歯磨きが困難な人などに使われているスポンジブラシですが、これほど歯以外の場所を清掃するのに優れたアイテムはありません。

 スポンジブラシを水で湿らせて絞った後、歯茎をスッスッと磨いていくと、綺麗にプラークを落としてくれます。歯茎は、普段磨くことのない場所なので、最初のうちは違和感を覚えるかもしれません。しかし、たっぷりばい菌が付着している場所なのでしっかりと綺麗にしましょう。

 また、スポンジブラシは歯茎だけでなく、口内全体を磨くのにも適しています。舌や頬の粘膜など口内全体をスポンジブラシで磨くのも菌を減らすための有用な手段です。

ズボラーさんのための「プチおとなの歯磨き」


きれいになることが気持ちいい。©アフロ

 これまで10分以上の歯磨き。と紹介してきましたが、これらすべてをおこなうと、だいたい30分以上の時間を有することになるでしょう。でも、この毎日の30分で未来の口内の健康と多くの病気を遠ざけると考えれば、決して損はしない投資といえるでしょう。

 とはいえ、時間が取れない、ついつい忘れてしまう、歯磨きにそこまでお金がかけられない。などの理由から「おとなの歯磨き」が困難な人もいることでしょう。

 そこで、ここでは、そんな人のための「プチおとなの歯磨き」を紹介します。月曜日~金曜日は、気が向いた時に、かための歯ブラシで歯のプラークを落とすだけでOK! のんびりと動画やテレビでも見ながら、10分以上磨いていきましょう。

 歯についたプラークさえ落としておけば、歯肉溝を嫌気状態にできないので、新たな歯周病の原因は取り除かれています。そのため、虫歯菌や歯周病菌の繁殖速度も遅らせることができるので、平日はこのような歯磨きでもOKとまではいきませんが、許容範囲内です。

 ただ、平日にズボラを満喫した分、週末は、ガッツリ「おとなの歯磨き」をおこないましょう。磨き残して進行した歯肉炎やそもそも進行していた歯周病のため、やわからめの歯ブラシで歯周ポケット磨き。さらに、フロスやスポンジブラシもしっかり使った「おとなの歯磨き」フルコースをおこなうようにしてください。

 この「プチおとなの歯磨き」でも最低限のケアはできていますが、じつは、実際に「おとなの歯磨き」を実践していただくと、ほとんどの人が、楽しんでおこなってくれます。

  • 「実際にやってみたら口の中が気持ちよかった」
  • 「朝起きたときの口の中のネバつきがなくなった」
  • 「歯垢染色剤で染め上げたとき、染まった歯茎を見て、そんなのが自分についてるなんてと思い、真剣に向き合うようになった」
  • 「しっかり歯を磨かないと、口が粘ついて気持ち悪く感じるからもうやめられない」
  • 「やってみたら、フロスが思った以上に楽しくてくせになった」

 などなど、感想は様々ありますが、皆一様に「おとなの歯磨き」を楽しんでくれています。歯科医の間では「口は命の入り口、魂の出口」とも言われてるくらいですから、命の入り口をいつもきれいに清潔に保つことは、病気を防ぐという意味での健康だけでなく、気持ちや心にも良い影響を与えるのだと実感しています。

 ですので、ここではズボラーさんに向けた歯磨きを紹介しましたが、いきなり「プチおとなの歯磨き」をおこなうのではなく、はじめはガッツリとフルコースの「おとなの歯磨き」をおこなっていただければと思います。

文=伊東材祐

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