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ボディメイク&エイジングケアにも最適な「中鎖脂肪酸」ってどんな油?上手な取り方で日々の調子に変化を

CREA WEB / 2024年6月23日 11時0分


ブレインケアクリニック・今野先生と中鎖脂肪酸の「ココナッツオイル入り豆乳」(写真提供:ブレインケアクリニック)。

 こんにちは、美容研究家のにらさわあきこです。

 当連載もまもなく5年。長らく新人を名乗ってきましたが、前回から密かに「新人」を取りました。が、心はいつでも新人。まっさらな気持ちで情報を常に更新していきたいと思います。

 さて、美容の基本といえば健康。キレイになるためには毎日の健康的な食事が大事です。中でも油は大切で、いい油を摂っているかどうかで痩せやすささえも違ってくると言われます。

 そこで、今回は薄着になる季節を前に、油について改めて勉強したいと思います。


●脂肪酸の種類

 そもそもなぜ今、油を勉強したいと思ったかと言いますと、私自身がまさに今「中鎖脂肪酸」に注目しているから。というのも、油をしっかり摂りたいと思うものの、体には蓄えたくない……という場合にうってつけなのが、中鎖脂肪酸だと知ったからです。

 その中鎖脂肪酸とはどういうものかと言いますと、数年前に流行ったココナッツオイルなどに多く含まれているものです。また、その後ダイエット界を席巻した『シリコンバレー式自分を変える最強の食事』という本に、「朝、コーヒーに入れる油」としてMCTオイルが出てきましたが、このMCTオイルこそ、中鎖脂肪酸100%の油で、ココナッツオイルなどから抽出されたものです。

 今回は、中鎖脂肪酸のメリットとデメリットをしっかり知っておくために、脂肪酸の分類から改めて見ておきましょう。


脂肪酸の種類と多く含まれる食品・食用油。(表は編集部作成)

 食品に含まれる脂肪酸には、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。このうち植物や魚に多く含まれるのが不飽和脂肪酸で、体内では合成できません。したがって、必須脂肪酸は不飽和脂肪酸に含まれます。

 その不飽和脂肪酸は、オメガ3、6、9の3つに分けられており、特に意識して摂るべきなのがオメガ3とオメガ9の油です。必須脂肪酸はオメガ3とオメガ6なのですが、オメガ6は多くの食品に含まれているので、むしろ摂り過ぎに注意すべきとされています。ちなみに、サラダ油もごま油もオメガ6の多い油です。

 一方、積極的に摂るべきオメガ3が多く含まれるのは、亜麻仁油、えごま油などや魚類などで、魚の中では特に青魚に多く含まれています。また、くるみなどのナッツ類にも多いです。

 オメガ9の多い油には、オリーブオイルやなたね油などがあります。

●中鎖脂肪酸は飽和脂肪酸

 ……と、ここら辺までは、私も以前から知っていたので、家に数種の油、主に亜麻仁油とオリーブオイルを常備していて、青魚やナッツを食べてオメガ3とオメガ9の摂取にいそしんできたのです。が、ある時、急に中鎖脂肪酸という名前をよく耳にするようになったので、「え、それって、どこのカテゴリー?」と、謎に思ってしまったのですよ。

 そこで調べてみたところ、中鎖脂肪酸とは、避けるべきだと思い込んでいた「飽和脂肪酸」グループの脂肪酸で、「飽和脂肪酸」の中にも種類があると知りました。

 正確に知るために、今回は、栄養療法を治療に取り入れていて、油についてもお詳しいブレインケアクリニックの今野裕之先生に教わりに行きました。


ブレインケアクリニック・今野裕之先生。

●ブレインケアクリニック

https://brain-care.jp/

「飽和脂肪酸とは、加熱しても酸化しにくい(=劣化しにくい)油で、『長鎖』『中鎖』『短鎖』の3種類があります。飽和脂肪酸は体に悪いというイメージがあるかもしれませんが、種類によってその性質は異なります。長鎖脂肪酸は、牛の脂肪であるヘットや豚の脂肪のラード、乳脂肪のバターなどの動物性の脂質に多く含まれます。一般的に言われているような『コレステロールを上げる』『摂り過ぎると太りやすい』というのは、主に長鎖脂肪酸の性質です」(今野先生、以下同)


ココナッツオイル。©アフロ

「中鎖脂肪酸は、長鎖脂肪酸に比べて消化・吸収されやすいのが特徴です。食品ではココナッツオイルに特に多く含まれています。長鎖脂肪酸と比べると代謝が早く、すぐにエネルギーになるために、太りにくい油として知られています。短鎖脂肪酸には酢酸や酪酸などの種類があり、ビフィズス菌など善玉の腸内細菌が産生する物質です。腸内を酸性にして悪玉菌の増殖を抑え、腸管のバリア機能を高めるなど腸内環境の改善に大きな役割を果たします」。

 ちなみに、中鎖脂肪酸がなぜ消化・吸収されやすいかというと、中鎖脂肪酸は「直接、肝臓に入って分解されるから」と各所で聞かされるのですが、「じゃあ、他の脂肪酸はどうなのか」というと、長鎖脂肪酸は小腸で消化・吸収された後、リンパ管や静脈を通って脂肪組織や筋肉・肝臓に運ばれて、必要に応じて分解・貯蔵されるとか。つまり、吸収されるまでの過程が長いうえに、脂肪として体に溜め込まれやすいのです。

●どういう時に摂る?

 では、中鎖脂肪酸の油はどういう時に摂るのがオススメなのでしょうか。

「中鎖脂肪酸はすぐにエネルギーになるのが特徴です。ダイエット中などに食事の量を控えているとお腹が空いて甘いものが欲しくなりますが、こういう時に中鎖脂肪酸を摂ると空腹感を和らげられます。また、少量で多くのカロリーが摂取できる(同じ重さで糖質やたんぱく質の2.5倍のカロリーがある)ので、食欲が落ちた時に飲み物に加えるという使い方もお薦めです。実際、中鎖脂肪酸は食事を十分に食べられなくなった高齢者の栄養補助食品にエネルギー源としてよく用いられています。

 さらに、体の中で中鎖脂肪酸の一部がケトン体に変わるのですが、これがアルツハイマー型認知症やてんかんなど脳や神経の病気の症状改善に役立つ可能性があります。ただしケトン体は糖質を摂っているとあまり作られなくなるので、ケトン体を増やすことを目的とする場合は、砂糖やブドウ糖、ご飯やパン・麺類などの炭水化物を控える必要があります」

 また、すぐにエネルギーに変わる性質は、ボディメイクだけでなく、アンチエイジングなどにも利用できるとか。

「アンチエイジングや認知症など老化に関連する病気を予防する体の仕組みである長寿遺伝子は、血糖値が低い時間を一定以上確保することによって活性化しやすくなります。このため、私は睡眠時間を含め、1日12時間のファスティングを行うことをお薦めしているのですが、空腹が我慢できない人や、低血糖になりやすい人は、中鎖脂肪酸のすぐにエネルギーに変わる性質を利用すれば、無理なくファスティングを続けることができます」


お腹が空いた時にオススメの「ココナッツオイル入り豆乳」。

「たとえば夜の食事が遅くなる場合は、炭水化物を控えてたんぱく質と野菜中心の食事にするのがお薦めですが、物足りない人はそこに中鎖脂肪酸の油を加えたり、豆乳にココナッツオイルを入れて飲んだりなどすると、血糖値をあまり上げずに満足感を得られやすくなります。また、朝一番のコーヒーにMCTオイルを足すと、脳へすぐにエネルギーが補給できるので朝からしっかりと動き出せますよ」

 中鎖脂肪酸の効果を実感するためのより具体的な摂り方とオススメレシピについては、引き続き今野先生に教わりながら、次回ご紹介していきます。


●今野先生の書籍紹介

ボケたくなければ「寝る前3時間は食べない」から始めよう 認知症診療医に教わる最強の生活習慣

定価 1,760円(税込)
世界文化社


にらさわあきこ

文筆家、美容研究家。NHKディレクターを経て、文筆業に。恋愛や結婚、美容について取材・執筆を続ける中、2019年から美容活動を強化。簡単&ラクに綺麗になるための情報をブログやインスタ、雑誌ウェブなどで発信中。著書に『未婚当然時代』(ポプラ新書)。『婚活難民』(光文社)『必ず結婚できる45のルール』(マガジンハウス)など。
インスタ:@akiko_nirasawa_beauty、ブログ:『美活☆365日 簡単&ラク~に綺麗になろう!』

文=にらさわあきこ

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