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桃のシーズンも到来! すももやローズのパフェもワインに合わせ渋谷2丁目で叶う“大人のパフェ”

CREA WEB / 2024年6月27日 11時0分


美しいだけではない魅力。

 美しく華やかで、おいしいものが彩り豊かに閉じこめられたパフェ。その人気は止まるところを知らず、美しさも味わいも日々磨きがかけられ、進化しています。

 グラスのなかで醸し出されるハーモニーは、まさにparfait(フランス語で「完璧」の意味)! 心躍る魅力的なパフェをご紹介します。


「料理とデザートに使う素材を分けずに使います」


パフェを仕上げる延命寺美也さん。

「ワインバーとアシェットデセールのお店」として人気を集める、東京・青山の「EMME(エンメ)」。パティシエの延命寺美也さんが、夫でありソムリエの延命寺信一さんともに営むお店です。

 東京・竹芝の「ツキ・シュールラメール」や、東京・青山の「ラチュレ」などのレストランでシェフ・パティシエを務めた、延命寺さんがつくるアシェット・デセール(皿盛リデザート)は、独創的な素材使いや味わいといい、華やかなプレゼンテーションといい、レストランクオリティの上質さ。口の中で膨らむ味わいと香りに、胸がときめきます。


オーナーシェフでありパティシエの延命寺美也さん。

 そうしたアシェット・デセールの世界観そのままに提供されているのが、常時3~4種類揃えられているパフェです。

「パフェの発想は、料理から生まれることがほとんど。『これはデザートで使うもの』、『それは料理で使うもの』というように素材を分類せず、フルーツでも野菜でもハーブでも、なんでも使います」と、延命寺さん。パフェの魅力を尋ねると、「グラスに頼れるところ」との返答が。


「グラスに頼る」のが魅力。

「ケーキの場合は形を保つことが必要なので、ゼラチンを多めに加えたり、クリームをしっかりしたものにしたりしなければなりません。また、アシェット・デセールの場合でもやわらかなクリームやジュレなどは、アメや生地で囲うなどして流れ出さない工夫をしなくてはなりません。それに比べてパフェの場合はグラスが支えてくれるので、どんなに流動的な食材でも盛り付けられ、異なるやわらかさや口溶け、状態をいろいろなスタイルで表現できます」

 また、グラスの形によっても味わい方や感じ方が変わるといい、浅めのグラスであれば全体を一気に、背の高いグラスであれば、上から下へと移り変わるストーリーを楽しむパフェに。グラスのなかでさまざまな発見が待ち受けています。

◆バラとルバーブのピンクローズパフェ


「バラとルバーブのピンクローズパフェ」2,420円。

 ロマンティックな装いにため息がこぼれる「バラとルバーブのピンクローズパフェ」は、5~6月頃に登場する「ピンク色」をテーマにした人気のパフェです。誕生のきっかけは、「オーバーナイトセンセーション」という名のバラとの出合い。

「それまでバラの香りと言えば芳香剤のような人工的なイメージだったのですが、3年くらい前にこのバラに出合って、『バラって本当にいい香りで、おいしいんだな』って思ったんです」と、延命寺さん。

 色彩が近いものは香り成分も似通っていることが多いと言い、バラと同じピンク色の食材を選出。見た目も味わいも華やかなパフェとなっています。


ピンクのニュアンスを重ねていく。

 繊細なビーツのアメが飾られた、芳しい和紅茶とバラのアイスクリームの下でふるふると揺れるのは、「オーバーナイトセンセーション」の花びらを使ったバラのブランマンジェ。周りを「オーバーナイトセンセーション」のフレッシュな花びらが艶やかに囲み、気品高い香りが口いっぱいに広がります。

 花びらの下にはピンクグレープフルーツとルバーブのコンポートがあしらわれ、真ん中にはルバーブとトマトのアイスクリームが。

「ルバーブは酸味が強くておいしいのですが、それだけだと香りが薄くて単調になるので、トマトで旨みと香りを加えました」


トマトの旨味がやさしく広がる。

 さらにスプーンを進めると、清々しい苦みを放つピンクグレープフルーツとカンパリのジュレが現れ、バラのように華やかな香りを持つ和紅茶のクレームブリュレ、香ばしいクランブル、ピンクグレープフルーツのソースが層に。エレガントな香りとフルーティさ、苦みがひと口ごとに繋がり合いながら調和し、うっとりするような余韻を引き出します。


ロゼワインはグラス1,320円。

 パフェにワインやシャンパーニュを合わせていただくのも、ワインバーの顔を持つエンメならではの楽しみ方。「バラとルバーブのピンクローズパフェ」は、美しいピンク色と華やかな香り、すっきりした味わいが特長のロゼワイン「アンソランス」とともに。

◆すもももももなカプレーゼパフェ


「すもももももなカプレーゼパフェ」2,420円。シャンパンとともに味わうと、さらにさわやか。

 遊び心あるネーミングの「すもももももなカプレーゼパフェ」は、カプレーゼをイメージしてつくられた桃が主役のパフェ。

「桃は私が一番好きなフルーツなので、気合が入ります。桃を最大限おいしく食べるには、やはりフレッシュで味わうこと。年々、夏が暑くなっているので、サラダ感覚でさわやかに食べていただけるように考えました」と、延命寺さんは話します。


仕上げにエキストラバージンオリーブオイルを。

 トップのオリーブオイルのアイスクリームには、桃の皮を煮出したグラニテを添え、青みのあるオリーブオイルをかけて。まわりを福島県「わたなべ果樹園」から届けられるフレッシュな桃が囲み、トマトコンソメのジュレが色と旨みをプラスします。


桃の皮のグラニテの美しいこと。

 その下に敷かれたバニラのビスキュイが桃の果汁を受け止め、プラム「大石早生」のシャーベットと、バジルのブランマンジェ、バターとアーモンドの風味豊かなクランブルが層を成します。

「大石早生は、花のように華やかな香りが大好き。桃の香りを強調した感じで、酸味と甘みのバランスもいいんです。皮の際に酸味と旨み、香りがあるので、皮ごとピュレにしてからシャーベットに仕立てます。このパフェのなかで、ここが一番食べてもらいたいところ」と、延命寺さん。


夏らしいさわやかなパフェ。

「バジルの清々しい香りも夏らしく、桃やスモモと相性がいいと思います」

 その言葉どおり、口に運ぶと桃の香りとジューシーさ、プラムの甘酸っぱさが弾け、そこにオリーブオイルやバジルの青みのある香りが重なって、なんともさわやか。暑さに疲れた体がすっと癒されていきます。

◆さくらんぼと枝豆のクラフティなパフェ


「さくらんぼと枝豆のクラフティなパフェ」2,860円。合わせるなら白ワインがおすすめ。

「日本のさくらんぼには、日本の素材を合わせたい」。そんな延命寺さんの思いから生まれたのが、福島県「わたなべ果樹園」のさくらんぼに枝豆をマッチングさせた「さくらんぼと枝豆のクラフティなパフェ」です。

 フランス菓子でさくらんぼに合わせる素材の代表格といえば、ピスタチオ。それに代わる日本の素材を考えたとき、頭に浮かんだのがコク深くて緑鮮やかな枝豆だったと言います。


エメラルドグリーンの部分が枝豆。クラフティのようなフランスの伝統菓子をパフェに組み込むことは、パティシエとして延命寺さんが表現したいテーマだそう。

「日本のさくらんぼは、海外のものに比べて繊細でジューシー。だから、ピスタチオに比べて味わいがマイルドな枝豆とよく合うんです。さらには、さくらんぼと同じ時期に花開くエルダーフラワーを合わせることにしました」と、延命寺さん。

 グラスの上には、真っ赤なさくらんぼがたっぷり。クレイジーピーの葉っぱや、エルダーフラワーを思わせる白い小花が愛らしさを添えます。

 その下に透けて見えるフロマージュ・ブランのムースのなかに隠れているのは、なんと、熱々のさくらんぼのクラフティ! こうした温度差のあるパーツをパフェに盛り込むのも、アシェット・デセールの経験豊富な延命寺さんならではの手法です。口に運ぶと、プリンのようにジュワッとしたクラフティが、その下から現れる枝豆のアイスクリーム、クランブルと出合い、コク深く調和。


小花を飾って。

 そこに、みずみずしく弾けるさくらんぼの甘酸っぱさが重なって、エルダーフラワーのジュレとフロマージュ・ブランのムースが清涼感をプラスします。さらにその下のグラスの底で重なり合うのは、フロマージュ・ブランのムースとクランブル、桜木の樽で熟成されたバルサミコとさくらんぼのソース。フルーツのヨーグルトを味わうかのようなさわやかさと果実味が、すっきりとした後口をもたらします。

目の前に運ばれてきたときの香りを大切に


カウンターが特等席。

「パフェでは、『食べたいな』と思わせる見た目に仕上げることも大切ですが、一番に考えたいのはやはり香りです。香りの調和や余韻はもちろんのこと、目の前に運ばれてきたときにふわっと漂う香りも大切にしたい。花びらを提供の直前にちぎってのせるのも、そのためです」と、延命寺さん。


花びらは提供の直前にちぎる。

「それから、途中で苦しくならずにさらりと食べきれるボリューム感であることも、ポイントですね。口溶けが悪いとどうしても重く感じてしまうので、口溶けよく、バランスの取れた味わいに仕上げるように心がけています」

 お料理やワインが中心となる夜の営業時間には、レギュラーサイズのパフェのほか、気軽に楽しめるミニサイズの「夜パフェ」の用意も。温かく心地よい空間で、昼・夜ともに至福のパフェ時間が過ごせます。

EMME(エンメ)


カウンター席。

所在地 東京都渋谷区渋谷 2-3-19 ローゼ青山1F
電話番号 03-6452-6167
営業時間 12:00~16:00(L.O.15:30)、17:00~翌1:00(L.O.23:30)
定休日 火曜(祝日の場合は営業)
https://www.emme-wine.com/

文=瀬戸理恵子
写真=鈴木七絵

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