「揚げものは美容には大敵?」 神崎恵が明かす、息子の好物と 体形維持の“両立”
CREA WEB / 2024年7月31日 11時0分
日本一忙しい美容家・神崎恵さん。美容に関する書籍も多く執筆している神崎さんが、初の料理本『神崎恵のおうちごはん さあ、なに食べる?』を上梓されました。
忙しい神崎さんが、料理でされている工夫とは。本に載っていないおすすめレシピもお聞きしました。
家でご飯を食べるのが一番好き
──神崎さんのお料理のルーツはお母さまですか?
そうですね。母が作ってくれたメニューや、撮影のときに頼んでいただいたケータリングのおいしかったお料理などで、「あれ、おいしかったな」と思ったものを自分なりに再現したりアレンジしたりしています。
──外食はあまりされないそうですね。
はい。「外食が苦手」というよりは、「家でご飯を食べるのが一番好き」なので、自然と家ご飯が多くなります。
たまに外食するのもいいんですけど、息子たちのお弁当とか朝ご飯のことを考えると、つい「家に帰ったらあれもこれもやらなきゃ」「明日も仕事だな」などと考えてしまって落ち着かない。だったら家でNetflixとか観ながらのんびり食べたほうがいいなと思ってしまいます。
──「外食はカロリーが高くなる」「栄養素が偏る」という理由かと思っていました。
「美容」というと、みなさん「ダイエット」「食事を減らす」ということを考える方が多いかもしれませんが、私の考える「美しさ」は「健康」とイコールです。「美容」は、美しさの前にまず健康であることが大前提だと思っているので、偏った食事や、食べることを我慢しすぎることはしたくありません。
美容において私は「食べること、寝ること、運動すること」を大事にしていますが、なかでも「食べること」はお腹が満たされるだけでなく、幸せな気持ちや、元気に生きる活力ももたらしてくれる行為だと思っています。そういう意味でも、口にするものはとても大事にしています。
──忙しい日々の中、調理の強い味方に「フライパン」をあげておられます。
フライパンは毎日大活躍しています。フライパンって、焼くだけでなく、煮るのも炒めるのも得意なんですよ。朝の目玉焼きから夜の焼き物、炒め物まで、フライパンたちがわが家の食卓を支えてくれています。
ヘロヘロに疲れて帰ってきても、フライパンで火をつけて焼くだけで息子たちの「おいしい」の声が聞けるのは、本当に助かっています。
わが家のヘビロテメニューは、フライパンで炒めるように作る、汁なしの「フライパン肉じゃが」です。これは私の母から伝授されたメニューですが、こってりしっかり味がつくので、ご飯のおかずに最強です。
先日は次男がこの本を見て、この肉じゃがを作ってくれました。息子がご飯を作ってくれるというのももちろんですが、母のレシピが親子3代にわたって作られているというのも、嬉しかったですね。
器の力を借りることも
──フライパン活用のほか、「だいたいの献立をあらかじめ決めておく」というのも料理時短の参考になりました。
毎日のことなので「きょうなに食べよう」を考えるだけで疲れますよね。
だから私は、1週間のなかでだいたいのメインを決めることも多いです。
「月曜は肉、火曜は魚、水曜はパスタ……」みたいに主役を決めておくだけで、献立が立てやすくなり、負担が減ります。
──作りおきなどはされないのですか?
作りおきのための料理はしません。というよりできません(笑)。
作りおきができない自分を情けなく思ったこともありますが、私の場合は自分がしんどくならないよう続けていくことを一番大事にしているので、自分が無理だなと思う作りおきはしないことにしています。
その代わり、「作るときには大量に作る」ようにしています。ハンバーグや衣をつけた揚げものは、焼く前、揚げる前の状態で冷凍保存しておくと、疲れた日やラクしたい日に重宝します。
ラクをするために、器の力を借りることもあります。私が器好きというのもあると思いますが、器や盛り方の工夫で、なんということのないお料理がすごくおいしそうに見えたり、食欲が増したりするので、そういうところでうまく手を抜くようにしています。
──ご著書の冒頭にも「揚げもの」が出てきます。子どもが大好きな揚げものですが、美容には大敵なのでは?
確かに、栄養バランスをみても、代謝のいい食べ盛りの息子たちと同じメニューを食べ続けるわけにはいきませんよね。なので私は、毎日の食卓に大人用のメニューを組み合わせることが多いです。
たとえば私だけメインを減らして副菜を増やすこともあれば、メインの調理方法を私だけ変えることもあります。
息子たちがヒレカツだったら私はヒレの味噌焼きにするとか、息子たちが生パスタだったら私は黄えんどう豆の麺にするとか、いろいろ工夫しています。
──調理の種類が増えるのは大変ではありませんか?
1日のなかに料理をするというルーティンが組み込まれているので、そんなに大変だと思ったことはありません。10代から料理はしてきたのでもう身体が慣れたというか(笑)。勝手に身体が動きます。
忙しいときは鍋!
──忙しいときや時間がないときは、どうされているのですか?
そういうときは鍋です。鍋って、味よし、バランスよし、ヘルシーで身体もあたたまる最強のメニューなんですよ。正直、私は毎日鍋でもいいなと思っています(笑)。
だから鍋のレパートリーはものすごくたくさんあります。
夏におすすめの鍋メニューもあります。それが「だししゃぶ鍋」。
「もう今日は何も作りたくなーい!」というときは、これが助かります。
長ねぎの代わりに千切りキャベツ、市販の白だしの代わりにお醤油を使えば、無限にキャベツも食べられるヘルシーメニューにもなります。
──お料理を楽しく作り続けるには何が大事だと思いますか?
慣れですね(笑)。美容は日々の小さなことの積み重ねですが、お料理も同じだと思います。
「ある日とつぜん劇的に料理がうまくなる」ことはありませんし、毎日家族から褒められたり感謝されたりするわけでもありません。
でも、どうせやるんだったら、イヤイヤ作るのではなく、慣れてしまったほうが身体も気持ちもラクになります。
私はそうやって、自分が少しでも楽しく負担にならない方法で料理を作り続けてきた。ただそれだけです。
でもそれがこうやって一冊の本になり、息子たちが私のレシピでお料理を作ってくれたりするのを見ると、作ってきてよかったなと思います。
毎日のご飯は、生きる力。これからもいろいろな気持ちをご飯に託して、料理を作っていけたらと思っています。
神崎恵
美容家。1975年神奈川県生まれ。美容誌をはじめ、『ESSE』(扶桑社)ほか多くの雑誌で連載を持つ他、 企業のタイアップやイベントの出演も多数。また、コスメブランドのアドバイザー、アパレルブランドとの 商品開発など活動の幅を広げている。 3人の息子をもつ母として、日々の暮らしや美容情報満載のInstagramはフォロワー数80万人超え、 現在は神崎美容塾の塾長として、後進の育成にも尽力している。書籍も数多く執筆し、 著書累計発行部数は170万部を突破。料理本としては本書が初。
撮影/花盛友里(人物)
山川修一(料理)
ヘア/津村佳奈(Un ami)
文=相澤洋美
写真=橋本 篤
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