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「若い頃の写真は数枚しかなくて…」 コンプレックスまみれだった美容家の 肌を激変させた心も前向きになる習慣

CREA WEB / 2024年7月18日 17時0分

 大人気の美容家、石井美保さんに、最新書籍『スキンケアで肌を毎日いためていませんか? こすらなければ、美肌』についてお聞きした前篇に続き、今回は肌にコンプレックスがあった学生時代の失敗談や、石井さんが思う「美しい人」像など、よりディープにお話を伺います。


色黒、乾燥、小ジワ……。コンプレックスだらけの学生時代


美容家の石井美保さん。

――本当に近くでお会いしても、信じられないくらいの美肌ですよね。もともと肌がキレイだったんですか?

 皆さんによく言われるのですが、全くそんなことはなく、30代始めまでは褒められたことはありません。「若いころの写真を見せてください」と言われることがありますが、本当に2~3枚しかないんです。周りの友人と比べて肌が黒い自分にコンプレックスがあって、カメラを向けられても避けてきましたから。

 ですから、ファンデーションを厚塗りしてカバーし、夜落とすときも洗浄力の高いものでゴシゴシとこすっていました。その結果、乾燥肌で小ジワもあり、色も黒く、毛穴に角栓が詰まっているような状態でした。

――今では考えられないですね……。変わるきっかけはいつくらいだったのでしょうか?

 大学生の時ですね。ネイルがとても流行していて、当時、スカルプチュアという爪に長さを出す施術やネイルアートをしてもらったとき、すごくときめいて、指先が変わっただけなんですけど自分に自信が生まれたんです。その時、私も誰かに自信を与えられるような仕事をしたいと思いました。

 その後、自分自身がキレイになることよりも、お客様をキレイにしたいという想いがさらに高まり、20代後半にまつ毛エクステのサロンをオープンしました。

――好きが高じたんですね。そこから美容法が変わったのでしょうか?

 そうですね。まつ毛エクステを長持ちさせるために、顔の洗い方を研究し、無造作にゴシゴシと洗っていたのをそっと洗うようにしました。するとたった一週間で肌の赤みが引き、目もとのシワまで減ったのです。偶然の産物である「こすらない洗顔」で、肌悩みが改善したのには本当に驚きました! そこからは「こすらない美容」を徹底し、今ではこれを広めることが美容家としての使命だと感じています。

 30代前半から自分自身で実験を続けてきて、今、キレイと褒めてもらえるようになったんですよ。4年前の写真を見ると、今より老けて見えるくらいです。

アカスリグローブで顔をこすり、ヒリヒリに……


美容家の石井美保さん。

――今だったら考えられない! というような、肌をいじめていたご体験はありますか?

 ちょうど大学生のときに、韓国式のアカスリブームがありました。アカスリをするとつるつるになるし、肌色がワントーン明るくなるので嬉しくなり、ボディだけじゃなく顔もあのグローブでゴシゴシこすってしまったことがあります。案の定、ヒリヒリして大変なことになりました(笑)。

 ほかにも、「つるつるして肌が明るくなる!」という粗塩ブームに乗り、力強くこすって赤くなってゴワゴワになったこともあります。今は力の加減を知っていますが、当時は何も知りませんでしたから……。いろんな失敗を重ねましたが、とにかく肌をこすらない=「こすらない美容」にたどり着いて本当に良かったと思います。

他人まかせではキレイにはなれません。自分を信じましょう


美容家・石井美保さんのスキンケアメソッドを収めた最新作『スキンケアで肌を毎日いためていませんか? こすらなければ、美肌』。

――石井さんのサロンで「こすらない美容」を続けている方たちには、どんな変化が見られますか?

 サロンのお客様や、媒体社さんの企画で出会う方の肌をカウンセリングして、アドバイスした一カ月後に会うと、別人のように変化していることがよくあります。肌状態がよくなっているのはもちろんですが、表情や佇まいまで変わっているのです。それはきっと、気持ちの面でも前向きに変われたからだと思っています。そもそも前向きに変わる力を持っている方なのでしょう。

 以前、会社の人間関係に悩んでいる方がいました。考え方も非常にネガティブになっていたのですが、まずは肌に向き合いましょう、とマンツーマンでケアのアドバイスを開始しました。

 しばらくしてその方にお会いした時、肌がキレイになっていることに加え、雰囲気もとても変わっていることに気づきました。彼女に「あの上司とはどうなったのですか?」とお聞きしたところ、「何も状況は変わらないんですが、もうどうでもよくなったんです。気にしないようになりました」と答えていて。自分の肌と向き合い、肌が改善されていくうちに気持ちまでポジティブになり、ものの見方まで変わった例です。


美容家・石井美保さん。

 ほかにも、たくさんの“プラスの連鎖”を見てきました。以前には想像もしていなかったことにチャレンジする方など、前向きになった人が本当に多くいらっしゃいます。

 美容医療やサロンなどの他力や化粧品にばかり頼ってしまう人は、本当の意味では「美しさ」を手に入れることは難しいと思います。年齢は関係なく、自分を信じて変わることができる方こそ「美しい人」だと私は感じています。

石井美保(いしい・みほ)

美容家、トータルビューティサロン「Riche」オーナー。美容誌をはじめ、さまざまな媒体で活躍中。幅広くコスメに精通し、独自の「こすらないスキンケアメソッド」を提唱、これまでに約2000人の肌悩みを改善。フォロワーと積極的にコミュニケーションを取るインスタライブも話題。2024年6月21日(金)、『スキンケアで肌を毎日いためていませんか? こすらなければ、美肌』(講談社)を上梓。
https://ishiimiho.com/

衣装クレジット

ワンピース 19,800円/セルフォード ルミネ新宿2店、ピアス 28,600円、チャーム 各13,200円、ブレスレット 22,000円、リング(右手人差し指) 23,100円、リング(右手薬指) 40,700円、リング(左手人差し指) 49,500円/ノジェス

文=増本紀子(alto)
撮影=釜谷洋史
ヘア=Ruri
スタイリング=今村仁美

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