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メルボルンから郊外へワンデイトリップ アートとワイナリーの天国 「モーニントン・ペニンシュラ」

CREA WEB / 2024年7月8日 7時0分

 ビクトリア州には21カ所のワイン産地がありその一つがモーニントン・ペニンシュラ。

 彫刻作品とともに楽しめるセラードア、トップレベルのレストランなど心躍るスポットを案内。


新鮮な食材やワイン豊かさを味わう旅

◆Mornington Peninsula(モーニントン・ペニンシュラ)
◆PT.LEO ESTATE(ポイントレオ・エステート)


風景に溶け込んだ彫刻作品の数々。

 休日は都会から離れて自然豊かな場所で過ごすという、健やかなライフスタイルを気軽に実現できるのがオーストラリア。

 メルボルン郊外にも素晴らしいエリアがあり、その一つが車で1時間半ほどで行けるモーニントン・ペニンシュラ。美しい海に囲まれた半島で、1870年代から別荘地として栄えた場所。


アボリジナルアーティスト、レコ・レニー氏の≪Mirri≫は幾何学模様が特徴の作品。

 50以上のワイナリーが集まりワインの産地としても知られている。なかでも多くの人が訪れるのが、ワイナリー、レストラン、彫刻の公園が一緒になった複合施設ポイントレオ・エステート。

 誕生したきっかけは、ポイントレオでワイン畑の経営をしていたオーナー夫妻が、取引先のワインメーカーからポイントレオのワインを贈られその美味しさを知ったことだった。


セラードアからの眺め。

 自分たちもワイン醸造を始め、小さなセラードア(ワイナリー併設の試飲直売所)をオープンした後、ポイントレオの美しい景色に魅せられ、子供たちが駆け回って遊べる公園を作ろうと考える。

 彼らは熱心なアートコレクターでもあったので、広大な敷地に彫刻作品を配したスカルプチャーパークを誕生させたのだ。


ダニエル・アーシャム氏の≪Unearthed Bronze Eroded Melpomene≫は表面を腐蝕したように見せた作品。

 この野外ミュージアムで、オーストラリア、アメリカ、日本、スペインなどのアーティストの作品を海や森の景色を背に観ると、時間帯や天気によって見え方が変わり、ここでしか味わえないアート体験ができる。

 ポイントレオ・エステートの開業時には新たなセラードアも作られ、作品を眺めながらエレガントなシャルドネ、香り高いピノ・グリといったこの土地の味を謳歌できる。


大きく切り取られた窓からアートを眺めながら食事が楽しめる。

 ポイントレオ・エステートで訪れたいもう一つの場所が女性の顔を造形した作品《ローラ》から名付けられたレストランだ。


スペイン、ニューヨーク、バンコクなどでキャリアを積んできたエスプーガ氏。

 2シェフハット(レストラン評価で3シェフハットが最高レベル)の認定を受けているトップクラスの店。シェフのジョセップ・エスプーガ氏が芸術的なビジュアルと演出、華やかな味わいで楽しませる。


ホスピタリティの高さも評判のレストラン。

「モーニントン・ペニンシュラは食材に恵まれた場所で、ウニ、ムール貝などの魚介類、冬になれば黒トリュフがとれるし、肥沃な土壌で育った野菜の味も素晴らしいんです」と語る。


シーズナルコース(275ドル)より、カニやロイヤルブルーポテトなどを使ったブイヤベース。

 コースはジャガイモで作った麺にカニを合わせたブイヤベースや風味豊かなアーティチョークと餃子を合わせた料理など、アイディアに満ちた逸品が続く。料理に合わせたワインとのペアリングで奥深い味わいがいっそう広がる。


上にのったクリスピーなシートを崩しながら味わう、見た目も楽しい餃子。

PT.LEO ESTATE(ポイントレオ・エステート)

所在地 3649 Frankston - Flinders Road, Merricks
電話番号 03-5989-9011
営業時間 11:00~17:00、金~日曜 11:00~21:30
定休日 無休
●ローラ/営業時間 12:00~時間未定 ※土曜のみディナーあり(18:00~21:30)、定休日 火・水曜
https://www.ptleoestate.com.au/

ワインだけでなくオリーブオイルなどの名産品も

◆Merricks Store(メリックス・ストア)


左から、“ケープ シャンク オリーブ エステート エクストラ バージン オリーブ オイル” 35ドル、“MGWS コールドプレスエキストラバージンオリーブオイル” 18ドル、オリジナルブランドのブラックベリージャム、イチゴジャム 各13.50ドル、“ピュアペニンシュラハニー ローカルフローラ” 12ドル。

 なだらかな丘陵の風景が美しいモーニントン・ペニンシュラは、ワインだけでなくオリーブオイルなどの名産品もあり、メリックス・ストアのショップでは、地域の生産者の商品や自社ブランドのジャムなどが並ぶ。

 こちらの建物は1922年に建てられ、郵便局や店が集まった農村のコミュニティとして使われていた。その後、紆余曲折を経て2008年にビストロ、セラードアなどが入った店舗としてリニューアル。


土日は朝の時間が特に混む人気のビストロ。

 朝のビストロでは、別荘で過ごす家族やツーリストなどで賑わい、朝食の時間をゆったりと過ごしている光景に豊かさを感じる。

 近くの海はサーフスポットとして人気が高く、他にも馬で森の中を歩くツアーやベリー狩りなど、自然の中でアクティブに楽しめる場所に恵まれている。

Merricks Store(メリックス・ストア)

所在地 3460 Frankston-Flinders Road, Merrcks
電話番号 03 5989 8088
営業時間 8:30~17:30
定休日 無休
https://mgwinestore.com.au/

ヴィンヤードと美食の至福に浸る時間

◆Port Phillip Estate(ポート・フィリップ・エステート)


緩やかな傾斜に広がるヴィンヤード。ブドウを育む海風が吹き抜ける。

 高低差のある丘陵地帯のドライブはユーカリが生い茂る森、澄み渡る海、田園風景など、変化に富んだ景色が広がる。

 内陸部の地域、レッドヒルに入るとヴィンヤードの数がぐんと増え、その一角にあるのが高級オーベルジュ、ポート・フィリップ・エステート。


曲線を描いた建物が優美。

 エントランスが目立たないクワイエット・ラグジュアリーな建物で、中に入ると広大なブドウ畑が目に飛び込み、見事な景色に圧倒される。3つのエリアにヴィンヤードを持ち、それぞれの土壌にあったブドウを育てている。


テイスティングでは5種のワインを10ドルで味わえる(11時~17時)。

 海が近い地域で気温差がそれほど激しくないため、特に質のいいピノ・ノワールが出来るという。シャルドネ、ソーヴィニヨンなどを醸造した約25種類揃うワインを、テイスティングカウンターでじっくり味わってみてほしい。


左から、“ポート・フィリップ・エステート・サラッソ・ロゼ” 30ドル、“ポート・フィリップ・エステート・ピノ・ノワール2023” 44ドル。

 ディナーで楽しめるのはモダンなヨーロピアン料理。鴨のコンフィにはコンポートした白桃とアイスクリームを添えるなど、自由な発想がちりばめられた逸品に心躍る。


コース(3皿)100ドルの鴨のコンフィ。ランチは水~日曜、ディナーは金・土曜。

 滞在を豊かなものにしてくれるのが全室スイートタイプの客室。オーストラリアの写真家、ビル・ヘンソン氏のアートワークが飾られたリビングや革製のベッドボードが高級感漂うキングサイズベッドの洗練されたインテリア。


スポンジにレッドヒルのベリージャムを重ねたデザート。

 ヴィンヤードとシームレスなテラスで、目の前で育ったブドウのワインを味わうという特別な時間を過ごすことができる。


広々とした窓から日が差し込む客室。

 モーニントン・ペニンシュラを巡る旅は、テロワールの豊潤さ、そして人生を楽しむオーストラリアの人々の姿が、忘れていた大切なものに気づかせてくれる。


セラーマネージャーのアシュレイ・ブリューワー氏。

Port Phillip Estate(ポート・フィリップ・エステート)

所在地 263 Red Hill Rd, Red Hill South Victoria 3937
電話番号 03 5989 4444
客室数 7室
料金(1室) 500ドル~
https://www.portphillipestate.com.au/

文=梅崎奈津子
撮影=橋本 篤
コーディネート=池谷仁美

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