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5つの美術館を巡る、青森アート旅へ 「青森県立美術館」に行ったら 立ち寄りたいスポット3選

CREA WEB / 2024年7月17日 11時0分

「AOMORI GOKAN アートフェス 2024」開催中


青森県立美術館。

 青森県内には、現代美術を楽しめる5つの美術館・アートセンターがあります。青木淳設計の「青森県立美術館」、安藤忠雄設計のアーティスト・イン・レジデンス「青森公立大学 国際芸術センター青森」、田根剛が改修設計を手がけた「弘前れんが倉庫美術館」、西澤徹夫/浅子佳英/森純平による「八戸市美術館」、西沢立衛設計の「十和田市現代美術館」と、個性豊かな建築も見どころ。

 2024年9月1日までの期間、この5館が協働した「AOMORI GOKAN アートフェス 2024」を初開催中です。このイベント最大の特徴は、フェス全体を総括するアートディレクターを配置せず、地域に根ざした各館のキュレーターが企画・運営していること。

 2024年度は、共通テーマである「つらなりのはらっぱ」を、それぞれが解釈し、展覧会やプロジェクト、パフォーマンスなどに落とし込んで展開します。

 CREA WEBでは、「AOMORI GOKAN アートフェス 2024」の開催に合わせて、短期集中連載をスタート。5館の展覧会と、各館へ行ったら立ち寄りたいスポットを、青森県在住のライターがご紹介します。初回は「青森県立美術館」です。

「青森県立美術館」のメイン企画は「かさなりとまじわり」


りんご箱を活用したオブジェが出迎える。青木淳《つらなりのはらっぱ のための壁》2024年

 2024年のテーマ「つらなりのはらっぱ」は、「青森県立美術館」を設計した青木淳の提唱した「原っぱ」論から生まれました。「原っぱ」論とは、ざっくり言うと、遊園地のように、元々使用する目的が決まった空間ではなく、アニメ『ドラえもん』に出てくる土管のある原っぱのように、自由に遊びを考える余地のある空間にこそ、新しい行為が生まれる可能性があるという考え。

「青森県立美術館」では、この「原っぱ」論をもとに、展示室だけでなく、コミュニティギャラリーや通路、ワークショップエリアなど、館内外を展示やプロジェクトに活用。偶発的にアートと出合い、鑑賞、体験できる場を設けることで、美術館全体に大きな「つらなり」を生み出していきます。


エントランスギャラリーに展示。井田大介《Synoptes》2023年

 テーマは「かさなりとまじわり」。美術館の各空間を「かさなり」あわせ、そこに作品が配置されることで、自然と人間の「まじわり」、死んだものと生きているものの「まじわり」、過去・現在・未来の「まじわり」といったテーマが浮かび上がってきます。9月29日(日)まで開催。


原口典之 《F-8E CRUSADER》 2014年

青秀祐《Ghost Lightning》2017年

左から、吉田克朗 《work “27”》 1971 年、《work “43” AB-A》1974年

 7月13日(土)からは関連企画として、「鴻池朋子展 メディシン・インフラ」を同時開催。絵画や彫刻、手芸、歌、映像、絵本など、さまざまな画材とメディアを用いて表現活動を行ってきた鴻池朋子は、東日本大震災をきっかけに、地球の振動を新たな画材と位置付け、旅をしながら時には土木工事さえメディアにして、「絵」を描いてきてきました。

 昨年から東北でスタートした《メディシン・インフラ(薬の道)》は、鴻池が各地を巡り、縁のあった場所に作品を展示保管してもらう長期的なプロジェクト。青森県立美術館は、「地図帳やランドマーク」の役目を託され、その周辺野外や、「国立療養所松丘保養園 社会交流会館」も会場になります。

青森県立美術館

所在地 青森県青森市安田近野185
電話番号 017-783-3000
開館時間 9:30〜17:00(入館は16:30まで)
休館日 第2・4月曜(祝日の場合は翌日に振替)
観覧料 一般900円、鴻池朋子展は1,500円、セット券2,000円
https://www.aomori-museum.jp/

青森ヒバの香りに包まれる「An cra -ヒバとこぎんのお店-」


「An cra -ヒバとこぎんのお店-」。

 さて、青森県立美術館でアートを観賞したら、周辺のスポット散策も楽しみたいもの。美術館から車で約3分、「An cra -ヒバとこぎんのお店-」は、青森ヒバやこぎん刺しにまつわる雑貨を扱うお店。店内へ足を踏み入れると、森の中のような、新築の家のような、いい香りがします。


丸太は直径や高さにより値段が変わりますが、直径20cmくらいのもので、2,000〜6,000円程度。

 むつ市を拠点に活動する「ヒバ木工舎 木の香(KINOKO)」の青森ヒバの丸太をはじめ、コースターやまな板などのキッチン用品、アロマオイルやディフューザーなど、オリジナルのヒバ製品を扱っています。丸太は、上に鉢植えを置いたり、高さ違いで揃えてキャットウォークにしたりと、インテリアに活用できそう。また、ヒバを使った棚など、オーダーも受け付けています。


コースターは850〜950円。まな板は厚さによって3,100〜9,200円程度。

ヒバのブレンドオイル。5mlで990円、10mlで1,540円。

 ヒバには防虫、抗菌といった効果があるほか、どこか懐かしい香りで、緊張を和らげてくれます。希望者にはヒバのカンナくずを無料で配布してくれるサービスもあるので、ぜひ訪店を。

 こぎん刺しは、東京在住の作家・soybeansさんのものをメインに、青森の作家さんが手がけた作品も並びます。


soybeansさんの作品は、青森ではあまり見ないような模様や組み合わせも多いので新鮮。

An cra -ヒバとこぎんのお店-

所在地 青森県青森市三内丸山238-1
営業時間 10:00〜16:00
定休日 土・日曜日、不定休
Instagram @anbeary_crafts

青森にまつわるものを集めたセレクトショップ「三ノ月舎」


青森にまつわるものを集めたセレクトショップ「三ノ月舎」。

 美術館から車で約12分。JR青森駅に隣接する駅ビル、LOVINA4階にある「三ノ月舎」は、青森の工芸品や、手仕事のものをメインに集めたセレクトショップ。こぎん刺しや笛玩具の鳩笛といった伝統工芸品から、青森の風景を写したポストカード、りんごモチーフのメッセージカードなど、青森にちなんだ雑貨がセレクトされています。


青森市のランドマーク「アスパム」や、りんごなどが写されたポストカードたち。

イラストレーターのmitsouさんのメッセージカード40枚入り396円。

 そして「三ノ月舎」といえば、架空のお店のロゴを使ったオリジナルグッズでも知られています。架空のお店のロゴってどういうこと!? と思っている方も多いと思うのですが、例えば「青森書店」「こけし書房」「ハネトブックス」「うみねこ文庫」……実在しそうなネーミングとロゴなのですが、どれも架空のお店なのです。

 三ノ月舎では「時の市」や「夏の工芸学校」などさまざまなイベントを主催しているのですが、そのなかのひとつ「あおもり古書市」の開催に合わせて作ったものだそう。


架空の書店のほかに、架空のアウトドアショップも。それぞれの架空ショップは創業年やスローガンまで設定されている。

青森市ならではのソウルフード「棒パン」をミニチュアにしたヘアゴム・ブローチ・缶バッジなどのオリジナルグッズも。

 青森駅西口のアーケード商店街、ニコニコ通りに2店舗目となる「青森古道具 ミノツキシャ」が2018年に誕生し、不定期営業中。アンティーク家具や古道具を中心に扱っています。


店には年季の入った籠や棚、レトロ食器などが並ぶ。

 併せてお出かけの計画をしてみては?

三ノ月舎

所在地 青森県青森市柳川1-2-3 LOVINA 4F
電話番号 017-774-3033
営業時間 10:00〜20:00
定休日 LOVINAに準ずる
Instagram @minotsukisya

対面式のショーケースにかわいいパンが並ぶ「三ッ星製パン」


「三ッ星製パン」。

 美術館から車で約12分。LOVINAから道路を挟んで向かいに広がる青森駅前公園に隣接する、小さなパン屋さん「三ッ星製パン」。

 ガラスのショーケースや小窓などの什器は、前出の「三ノ月舎」や、弘前市の家具店「RandBEAN」によるもの。ヴィンテージの風合いが素敵です。

 ショーケースには、食パンやハード系をはじめ、惣菜系や甘いものまで、さまざまなパンが並びます。すべて国産小麦粉100%使用で、マーガリンと白砂糖は不使用。


ハード系パン。

惣菜系のパン。

 ほどよい甘さと心地よい噛みごたえの「全粒粉とライ麦のカンパーニュ」や、北海道産つぶあんとバターを使用した「あんバターサンド」、県産卵を使った寿司職人仕込みのだし巻き卵をサンドした「だし巻きサンド」など、ファンの多いメニューも。


あんバターサンド 300円。

 また、お店の看板メニューともいえる「あおパン」は、小麦、牛乳、卵白を青森県産にこだわった食パン。あえて気泡を残すことでしっとりと柔らかく、耳まで口どけがいいのが特徴。水ではなく牛乳を使用しているため、味が濃く甘みのある味わいです。


あおパン1斤 450円。

 また、注文を受けてからサンドしてくれるバインミー、季節限定で登場するいちじくサンドや紅玉のパンスイスなど、お店にあったらぜひお試しを。


バインミー 600円。

いちじくサンド 800円。

 テイクアウト専門のお店なので、公園のベンチなどで食べるのもおすすめです。

三ッ星製パン

所在地 青森県青森市新町1-3-35
電話番号 017-763-5200
営業時間 7:00~16:00
定休日 Instagramにて確認を
Instagram @mitsuboshi_bread
※すべて2024年7月現在の価格です。変動の可能性あり。

文=栗本千尋

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