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投稿が一瞬で「6万いいね」超え! 頻繁にバズる富士ホーロー“中の人”が SNS運用で大切にしていること

CREA WEB / 2024年7月25日 11時0分

 最近Xの投稿が頻繁にバズる、ある企業があります。それは、創業77年を迎えた老舗企業、富士ホーロー。

 2023年の秋にアップされた、とある投稿に6万を超える“いいね”がつき、担当ライターもこの投稿をきっかけに製品を購入。

 以来アカウントをフォローし、毎日のように投稿を追っかけているのですが、その内容にクスッと笑ってしまったり、ホーローへのたっぷり過ぎる愛が伝わってきて、微笑ましい気持ちにさせられることもしばしば。写真もセンスがよくて可愛いし、「この中の人はいったいどんな人?」と純粋な興味が湧いてきまして、お話を伺いに行ってきました!

 富士ホーローは、ホーロー製の調理器具を製造販売している会社ですが、なぜそんなにも話題になっているのか。ホーローへの愛からSNS担当としての経緯、CREA読者にオススメのホーロー製品などなどを、語り尽くしていただきました。2回にわたってお届けします。


やっぱりうちの商品は可愛いんだ! と実感


特に狙わずに大バズりして驚いたというX担当2代目さん。手前のマスコットの名前は最後のページに!

――プロフィールが「X担当(2代目)」となっていますが、会社での経歴や、どんな経緯でSNS担当になったのか教えてください。

 私は入社して1年半になります。メインの仕事はグラフィックデザイナーなのですが、実は前職でもXの担当をしていまして、元々富士ホーローの製品が好きで、1代目のX担当の方とも交流させていただいてたんです。

「もしデザイナーが必要だったら、お声がけください」と伝えていたら、本当に声がかかりまして、入社しました。デザイナーとして働くつもりだったのが、「SNSもお願いします」と言われ、あれよあれよという間に……(笑)。

――最初に投稿がバズったときのご感想は? 社内での反響などはいかがでしたか?

 この時は、こんなにバズるとはまったく思っていなかったので、本当に驚きました。これはショールームの写真で、ショールームを整えるのも私の仕事なので、「キレイに整えられたな」と思って写真を撮り、投稿しただけなんです。投稿してから退社前には、せいぜい5,000“いいね”もいかないくらいだったので、伸びるという感覚は正直なかったのに、一晩たったら6万を超えていて。

 これだけ“いいね”がつくということは、やっぱりうちの商品は可愛いんだ! と改めて実感しました。

――社内での反響も大きかったのでは?

 それが、社内でSNSをこまめに見ている人が少ないので、ほとんど反応はなかったです(笑)。唯一専務だけはXを見てくださってるので、「なんでこんなに“いいね”がついて、なんでこんなにフォロワーが増えてるの?」と不思議がっていました。

X運用はかなり自由にやらせてもらってます


フォロワー数も増え続け、売り上げ増にもつながるという好循環が生まれている。

――では、基本的に2代目さんの裁量で、Xを運営なさってるんですね。投稿に際し、心がけていることや、注意していることはありますか?

 はい、かなり自由にやらせてもらってます。一度バズったおかげで注目度も上がったのか、その後も何度かバズり、オンラインショップの売り上げがとんでもなく伸びたりもして、バズるという現象のすごさを実感しています。

 Xについての勉強も特にはしていなくて、1日に何回ポストする、などは決めていません。やれる時にやる、でも投稿し過ぎないようにする、がモットーです。

 ただ、ポストをしなくても、頻繁に見るようにはしています。問い合わせするほどでもないけれど聞きたいことがある、というような方が、リプライで送ってくださることがあるので、それは放置せず、わからないことは上に聞くなどして、できるだけ早く返信するように心がけています。すべてに返信しきれないのが申し訳ないのですが……。

 また、思い浮かんだことでも、「コレはどうだろう、微妙かな……」と1ミリでも不安に思った投稿はしないようにしています。まずは自分が見て「楽しい」と思える内容を投稿するようにしています。

――PR活動として、SNSをとても上手く利用できている一例だと思いますが、実感されているメリット、デメリットなどは?

 メリットはやはり、お客様の声を直接聞けることだと思います! 例えば色ひとつ取っても、社内だけで考えていると、過去のデータを参考にすることが多いので「この色はどうかなあ」と外しそうになりますが、Xでアンケートを取ると意外に人気があったりして、色選びのヒントになります。

 廃番予定だったシリーズをXで紹介し、説明もつけたら、多くの人が反応してくださり、限定的に復刻できたりもしました。なので、私はXやレビューの意見をかなり参考にしています。

 デメリットは特に思い浮かびませんね。社内会議に出すときも、「SNSでは人気でした」と言うと納得してもらえることも増えたので(笑)。

 また最近では、他社のXの公式さんと気軽につながったり、「コラボしたかったんです」と伝えていただいたりなど、他の企業の方ともやり取りできることもあり、面白いです。

 ドラマやバラエティー番組などで我が社の製品が使われていると、フォロワーさんがXを通じて教えてくださったりもして、本当にありがたいですね。

ホーローは丸みがあってツヤツヤなところが一番好き


カラフルなものやキャラクターコラボ製品も多く、キッチンがイキイキ楽しくなる富士ホーローの調理器具たち。

――投稿に、常にホーローへの愛がにじみ出ていて、とても好感が持てます。ホーローの好きな点など、アピールをお願いします。

 まだホーローというものをよくわかっていなかった時に、ただ「可愛い」と思って購入したのが富士ホーローの鍋でした。友達と「この鍋可愛くない?」と言いながら、散々悩んで色違いで購入しました。

 入社してからは、ホーローそのものについての知識も増えました。丸みがあってツヤツヤなところが一番好きで、可愛いと思っている点なのですが、カラフルなものが揃っているところも、富士ホーローの強みだと思います。

 また、汚れがスルッと落ちるところも最高です。匂いもつきづらいので、「前の食材の匂いが残っている?」などの心配もせず使えます。

ずっと“推し活”をしているような感覚

――ご自宅ではどの辺りのアイテムを愛用されていますか?


フタと持ち手部分が木なので、あたたかみもあるミルクパン。

 一番使っているのは14センチのミルクパンです。熱効率がよくてすぐに温まるし、いろんなことに使えるのでとても便利です。ゆで卵などはもちろんですが、私はうどんがとても好きで、これを使って作っちゃってます。一人暮らしの方にとてもオススメのサイズです。

 その他にも、天ぷら鍋、オイルポット、角容器、ツールスタンドを使っています。

――ご本人がSNSを通じたPR活動を、とても楽しんでいることがよく伝わってきます。2代目さんのように、自分の会社の製品や業務内容に愛情を持って仕事をするためには、どんなことを心がけるとよいでしょうか? 仕事に対して不満やストレスばかりにならないためのヒントがあったら教えてください。

 私個人の経験ですが、自社製品のファンだ、ということが一番大きいと思います。Xを通じた活動も、私にとってはずっと“推し活”をしているような感覚なんです。もし製品などを扱うお仕事でなくても、何か、どこかに“推しポイント”を見つけられると、楽しめるポイントができていいのかもしれません。

 SNSを通じてのPR活動は、「自社製品がたくさん売れたらいいな」というよりも、「ホーロー好きな人集まれ!」というような気持ちで行っています。「ホーローの良さが多くの方に伝わって、調理器具などを買おうと思った時に、選択肢に富士ホーローが入ったらいいな」という気持ちでやっているので、その気持ちが自然に出てしまっているのかもしれません。

 具体的な投稿内容については、「こういう内容にして」などの指示はなく、自分が「あれを出したい」「こういう内容を入れたい」と思ったことだけを出せているので、楽しく続けられています。

 これからも、自分も見た方も楽しめる内容を投稿していきたいと思います。ホーローにご興味が湧いた方、まずは投稿だけでも見てみてください!


左がお鍋ちゃん、右がココットぐま。2代目さんが描いたイラストを、企業公式アカウント仲間であるOAランドの“コピー機博士”さんが立体化してくれたという、ホーロー器具の愛らしいキャラクター。Xへの登場率も高く、ファン増加中とか。

●お話を伺ったのは……

富士ホーローのX担当2代目さん。デザイナーとして新製品の提案やデザインを担当しつつ、“ホーロー好き”をもっと増やすべくSNS運営も行っている。SNSを通じて使用者の生の声を聞き、社内へフィードバックしたり、他企業とのつながりを広げている。

富士ホーロー

X(旧Twitter) @fujihoro_japan
https://www.fujihoro.co.jp/

文=斎藤真知子
撮影=鈴木七絵

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