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発祥の地に新たな風 新旧ピッツェリアの競演 軽やかさが魅力のコンテンポラリー

CREA WEB / 2024年7月15日 7時0分

 ナポリの人々にとってのソウルフードであるピッツァの店に、ここ数年変化が起きている。歴史ある老舗に加え若手職人が頭角を現し、新旧の魅力が百花繚乱。ピッツァ王国はますます面白くなっていた。

 2回に渡り新旧それぞれ3軒ご紹介。


小麦と発酵の研究を繰り返し、軽やかな生地を実現

◆DIEGO VITAGLIANO(ディエゴ·ヴィタリアーノ)


コンテンポラリー系の「ディエゴ・ヴィタリアーノ」の“クロッカンテ・マルゲリータ”はチーズをかけた後、もう一度窯に入れて焼く。

 2023年の「50 トップ ピッツァ ワールド」で1位を獲得するなど、数々のコンテストでの受賞歴を持つ、注目のピッツェリア。


老舗のカルムネッラで修業をしていたというディエゴ氏。

 2016年にナポリ郊外のポッツォーリに最初の店を開いたオーナーのディエゴ・ヴィタリアーノ氏は、生地への研究心が高く、従来の発酵法とは違うやり方で水分量の多い生地を作り上げた。


生地の豊かな風味と軽やかさが楽しめる“マルゲリータ・コンテンポラネア” 8ユーロ。カンパーニア州産ファランギーナの香り高いワインはグラス4€

 軽やかで食べやすいピッツァは、ブームが終わったら消えるだろうと言われていたが、現代のライフスタイルとマッチして瞬く間に話題となり、昨年12月ナポリ市内に新たな店をオープン。


“クロッカンテ・マルゲリータ” 10ユーロは具材をのせてから2度焼きすることで、もちもちでパリパリとした食感になる。

 今や人気ピッツァ職人となったディエゴ氏だが子供のころは学校嫌いで、父親の手引きで市内の名店に修業に行かされ、技術を習得するまで帰ってくるなと言われて、この道に入ったそう。


ポップなアートが飾られ洗練された店内。

 ピッツァの世界にのめり込んだ彼は、グルテンフリーやラクトース(乳糖)フリーなど健康志向のメニューも取り入れ、発想豊かにさらなるピッツァの魅力を広げている。


グルテンフリーは19種のピッツァと、2種の前菜を展開している。

サンタルチア地区にある新店舗のほか、ナポリ市内に2軒、海外出店にも意欲的だ。

DIEGO VITAGLIANO(ディエゴ·ヴィタリアーノ)

所在地 Via Santa Lucia 78, Napoli
電話番号 081 18220660
営業時間 12:00~15:15、19:00~24:00
https://www.diegovitagliano.it/

伝統を学びその先へ、コンテンポラリーの先駆者

◆50Kalò di Ciro Salvo(チンクワンタカロー·ディ·チーロ·サルヴォ)


店の名前がついた“チンクワンタカロー” 9.50ユーロ。チーズを使わず蒸しエンダイブ(スカローラ)と、イトラーナ産黒オリーブ、サリーナ産ケーパーなどがのっている。

 ナポリ郊外で3代にわたりピッツェリアを営むファミリーに生まれたチーロ・サルヴォ氏。

 彼が働いていた郊外のサンジョルジオ・ア・クレマーノの店は人気を博し、週末になると、噂を聞いて駆け付けたナポリの人々で大混雑していた。


“トリス・ディ・フンギ” 9.50ユーロには、カルドンチェッリ、シャンピニオンなどがたっぷり。

 2014年ナポリに初めて自分の店を持ち、店名の50はナポリの伝承でパンの生地、「Kalò」はギリシャ語由来で良いという意味で、「生地の美味しさを楽しんでほしい」という思いが込められている。

 生地の軽さ、口当たりのよさが評判になり、すぐさま行列のできる人気店に。ピッツァにのせる素材にも力を注いでおり、スローフード協会の認定食材や、地元カンパーニア州の希少トマトや野菜、チーズなどを用いている。

 使う具材をメニューに記載することも当時としては画期的だった。今ではミシュランガイドに載るイタリアのピッツェリア10軒に選ばれ、実力店として多くのファンに愛されている。


厨房には2つの窯がある。

50Kalò di Ciro Salvo(チンクワンタカロー·ディ·チーロ·サルヴォ)

所在地 Piazza Sannazaro201/B, Napoli
電話番号 081 19204667
営業時間 12:00~16:30、18:30~24:30
定休日 無休
※予約不可
https://50kalo.it/

モットーは、伝統への敬意と、革新的で継続的な探求心

◆Pizzeria Errico Porzio(ピッツェリア·エッリーコ·ポルツィオ)


ピッツァ・ソーシャル“スパッカ・ナポリ” 12 ユーロはマルゲリータ、モンタナーラ、フリッタ、サポリーティの4種入り。

 始まりはナポリ市郊外の住宅地、ソッカーヴォにあった小さな持ち帰り専門店。

 エッリーコ・ポルツィオシェフが開いたこの店は、地元で知らない人がいないほどの評判となり、その後ピッツェリアとして店舗を構えた。


“ケッララ” 12ユーロは縁にミートボールとリコッタチーズがイン。

 彼が追求するコンテンポラリースタイルの生地は水分量が多いため扱いが難しく、伸ばしや、成形もデリケートに行い、焼きは400度前後と低めの温度でゆっくり火を通していく。


グルテンフリービール 33cL 5ユーロ。

 メニューはとにかく創造性豊かで、1枚にマルゲリータと揚げピッツァなどを組み合わせた“ピッツァ・ソーシャル”が特に人気。

 一度に様々な味が楽しめるうえに、見た目ほど重くなくコンテンポラリーピッツァらしい軽やかさがあるのでひとりでぺろりと食べられてしまう。


眺めのいいルンゴマーレ店。

 イタリア国内に8店舗あり、なかでもナポリのルンゴマーレ店は海が一望できる素晴らしいロケーション。潮風に吹かれながらビールとともに味わいたい。

Pizzeria Errico Porzio(ピッツェリア·エッリーコ·ポルツィオ)

所在地 Via Partenope 11, Napoli
電話番号 081 0513666
営業時間 月~金曜は12:00~16:00、19:00~23:30、土・日曜は12:00~24:00
定休日 無休
https://www.pizzerierricoporzio.it/

文=祝 美也子
写真=橋本 篤
コーディネート=祝 美也子

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