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「感情ないの?と言われることも」女優としても絶賛される生見愛瑠の意外すぎる“素顔”

CREA WEB / 2024年8月1日 17時0分

 生見愛瑠さんの活躍ぶりがすさまじい。バラエティー番組でお茶の間に届けている、愛らしくちょっととぼけた“めるる”、雑誌のモデルとして同世代の憧れを一手に引き受けている“めるる”——それらのパブリックイメージとはまったく異なる、演技者としての“生見愛瑠”。俳優業では、キャラクターによって陽も陰もたくみに、繊細に表現する演技の幅に舌を巻く。明るく元気な“めるる”のニーズに応えるばかりでなく、ときに新しい“生見愛瑠”を追求して魅せてくれている姿には、ストイックな姿勢がにじむ。

 そんな生見さんが「大ファン」を公言しているのが、漫画『僕のヒーローアカデミア』。劇場版第四弾となる『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』で、生見さんはオリジナルキャラクターのアンナ・シェルビーノに扮した。声優は俳優とはまた勝手が違うと話す生見さんだが、その表情は新たなチャレンジへの達成感で満ちている。生見さんへのインタビュー前篇では、どのように作品に向き合っていったのか、その全容を聞いた。


コロナ禍に見て勇気づけられた『ヒロアカ』


生見愛瑠さん。

――『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』では声優業に挑戦されました。オファーがきたときは、どのようなお気持ちでしたか?

 とにかく『ヒロアカ』ファンだったので、すごくうれしかったです。以前、一度声優のお仕事をさせていただいたんですが、そのときは自分役でセリフもあまりなかったので、3分くらいで収録が終わっってしまって……。そのときから、いつか本格的にやってみたいなと思っていたのでダブルの喜びでした!

――『ヒロアカ』はいつからハマったんですか?

 最初に『ヒロアカ』を観たのはコロナ禍でした。友人に勧められて、時間があったので観てみたら……もう、ハマりました。当時、みんながすごく沈んでいた時期でしたよね。『ヒロアカ』は、勇気をもらえるストーリーだったので、当時の自分にすごく刺さったんです。めちゃめちゃ好きになって、今でももちろん追っていますし、『ヒロアカ』きっかけで、いろいろなアニメを見るようにもなりました。

――『ヒロアカ』が生見さんの世界を拡げてくれたんですね。

 そうなんです。元気づけられています。あとは、キャラも多いので推し活もできるっていう(笑)。私は今、峰田(実)推しです。……たまに変わるんですけど、峰田が今は一番好き。あのくだらない感じも含め、愛らしくて!ドキドキするシーンのときに、峰田が映るとほっとするというか、ちゃんとコメディ要素もあるところが好きなんです。

台本の読み方を木村昴さんさんに教えていただいた


©2024 「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE」製作委員会 ©堀越耕平/集英社

――今回は、そんな生見さん愛する『ヒロアカ』の世界の一員となったわけですが、本格的に声優業にチャレンジされて、いかがでしたか?

 本当に何もかも、俳優のお仕事とは違いました。まず、台本の読み方がわからなくて。『ヒルナンデス!』を一緒にやっている声優の木村昴さんに、読み方を1から教えていただきました。俳優の現場はメイクも衣装も含めてその役になって入るけれど、声優だと外見は自分のまま声だけで役に入っていかなくちゃいけないのが難しくて。

 それでも一生懸命身を削って声を出したりしているうちに、「え、自分ってこんなに大きい声出せるんだ?」という発見もありましたし、終わってからは爽快感がありました。

――ちなみに、木村さんからはどんなアドバイスがあったんですか?

「喉も筋肉だから、よくストレッチして伸ばしていったほうがいいよ」と言ってくださったので、忠実にやってから行きました。あとは……「大丈夫だよ!」みたいな、温かい励ましもくださいました(笑)。

――ストレッチ以外で事前に準備されていったことは何かありましたか?

 台本を読み込むことと、もう1回『ヒロアカ』を見直したこと、ですかね。『ユアネクスト』にも登場するレギュラーキャラクターが目立つシーンを観たり、過去の映画を観たり。あとは特に自分の好きな回を観ていました。好きなシーンはオールマイトとワン・フォー・オールの戦いのシーン、爆豪と緑谷の対決、轟とエンデヴァーのシーン…あげればキリがないくらい、全部好きです!

4つの声を使い分ける必要があったアンナ役


©2024 「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE」製作委員会 ©堀越耕平/集英社

――今回収録はおひとりでやっていったんでしょうか?

 そうなんです。ずっとひとりでやったので、相手がいない不安感がありました。尺に当てはめることが何より難しくて、合わせる技術に苦労しました。そんな私に、音響監督の三間雅文さんがめちゃくちゃ親身になってくださったんです。実際にやって見せてくださったり、台本に描かれていないことまでちゃんと設定を教えてくれたり。とても寄り添ってくださる監督だったので、安心して取り組めました。……でも(公開前の)今の段階で、まだ「あれで大丈夫だったかな?」と思うところもあるんですが……。

――ご苦労話が嘘のように、何の違和感もなく完成作に見入ってしまいました。

 本当ですか!? うれしい~。私、声が低いのでアンナの幼少期の高めの声を出すのが本当に難しくて、特に苦戦していたんです。叫ぶとかは声が低い分、手ごたえがあったんですけど、幼少期の声は監督のほうがかわいかったぐらいで(笑)。


生見愛瑠さん。

――演じたアンナについては、生見さんはどう受け止めていましたか? もともとは令嬢ですが、特別な“個性”を持つせいで、ダークマイトに連れ去られてしまうというキャラクターでした。

 そうなんですよね。アンナはまるでお姫様みたいな見た目なんですけど、とんでもない個性を持っていて、その個性にすごく苦しめられているキャラクターでした。自分をずっと支えてくれている、執事のジュリオ(※宮野真守演じる)を大切に想っていて、迷いながらも芯が本当に強い印象でした。演じるときも「その芯の強さを大事にしてください」と、監督からは常に言われていました。

 アンナの特徴で言えば、洗脳されてコントロールされるとき、普段とは全然違う声になるんです。幼少期・通常のとき・復活したとき・洗脳されたときと、二面性どころか、四面くらい使い分けをしないといけないので、難しかったですね。

――今の演じるお話で言うと、俳優業の経験が非常に役に立ちそうですよね。

 演じるという部分では確かにそうなんですけど、声優業は……やっぱり別物かも。俳優として演技をするときは、いつも「自然体」を意識して、段取りっぽくならないように気をつけているんです。でも、声優業で自然体を意識してしまうと、強弱が全然表現できなくなるんですよね。現場でも、とにかく「もっとオーバーに演じてください」と言われました。普段とは勝手がまったく違ったので、「こんなにやってわざとらしくないのかな……?」と戸惑いながらもやっていたら、アニメで見るとちょうどよくって。「自然体がいい」という意識を覆されましたし、勉強になりました。

「情緒が一定すぎて怖い」とよく言われます(笑)


生見愛瑠さん。

――ちなみに、生見さん自身はご自身の個性について、どう感じていますか?

 仲の良い友達からは、「情緒が一定すぎて本当に怖い」と、よく言われます(笑)。常に安定していると言えば聞こえはいいかもしれないんですけど、気持ちが上がりも下がりもしないんです。「感情ないの?」、「まじで人間じゃない」とか言われることも……(苦笑)。友達に悩みを相談されたときも、どこか「なんでそんなことを悩んでいるんだろう?」と思っちゃう自分がいるんですよね。

――ご自身では、どうしてそのように思うと分析されますか?

 悩んでいる時間が無駄だなと思うからですかね……。「終わったことはいいや」と思っちゃいますし、たとえ「来るのが怖い」と思う出来事や予定があっても「どうせ3時間くらいで終わるから」と受け止めているんです。うちの家族も同じ感じで、特にお父さんに似ているんです。

――お父さんの個性を受け継いでいらっしゃると。

 はい、受け継いじゃいました(笑)。

「愛瑠は絶対に自分のことを話さないから」と……


生見愛瑠さん。

――ではご自身の悩みを友人に相談することも、まったくないですか?

 絶対しません。そもそも友達に、自分のことを話すっていうのがまずなくて(笑)。友達つながりで、はじめましての子も交えてごはんに行く時なんかは、「愛瑠は絶対に自分のことを話さないから、聞かないほうがいいよ」と友達が事前にアナウンスしてくれているっぽいんです。

 だから、最近何のお仕事をしているとか、映画も公開が先だから、『ヒロアカ』の映画を録っているとかもまったく知らないですし。みんな情報をインスタで知って、「え! 今これやってんの!?」みたいなリアクションがきます。連絡先とかもLINEは知っていても、電話番号も、家の場所も知らないんじゃないかな……(笑)。

――「私のことを知ってほしい、話したい」という感情はないんですね!?

 全然ないです。話さないほうが、居心地がいいと思っちゃう。


生見愛瑠さん。

――芸能の仕事は、そもそも自分のことをいろいろな人に知ってほしい、売れたい、という感情が元にあるのかと思っていたんですが、そこはまた違いますか?

 確かに。何なんですかね……自分のことを存在としては知ってほしいんですけど、内面まで知ってほしいとはあまり思わないかもしれないです。もうめっちゃ普通の人間だから、恥ずかしいんです。掘っても面白くないと思うので……。今日もこんなに内面のことを聞かれるなんて、思っていなかったです(笑)。

――ありがとうございます、後篇でもっと聞かせてください! 最後に、CREA読者に向けて『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』の注目ポイント・見どころもぜひお願いします。

 アンナも含め、なんですけど、劇場版ならではのオリジナルキャラクターが出てくるので、ワクワク楽しめると思います。この作品には、恐怖感のあるシーンも結構あるんですよね。最初のシーンから、怖すぎる始まりじゃなかったですか!? そういった意味でも大人向けですし、感動はもちろんありながら、すごくドキドキできるとも思うので、夏休みにぴったりの映画だと思います。

生見愛瑠(ぬくみ・める)

2002年3月6日生まれ、愛知県出身。ティーン誌を経て、2021年より『CanCam』(小学館刊)専属モデル。女優としても活動し、映画初出演で初ヒロインを務めた『モエカレはオレンジ色』(2022年)で日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。過去の出演作に、ドラマ『セクシー田中さん』、『くるり~誰が私と恋をした?~』など。

衣装クレジット

ジャケット 16,500円/ココディール(03-4578-3421)、ワンピース 29,700円/カーサフライン(カーサフライン表参道本店 03-6447-5758)、イヤリング 18,700円、ブレス 9,900円、リング 11,000円/アクセサリー全てジュエッテ 0120-10-6616、サンダル 12,500円/チャールズ&キース(チャールズ&キース ジャパン https://charleskeith.jp/)

劇場版『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』
2024年8月2日(金)全国ロードショー


©2024 「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE」製作委員会 ©堀越耕平/集英社

超常能力“個性”を持つ人間が当たり前になった世界で、“平和の象徴”と呼ばれたかつての No.1 ヒーロー・オールマイト。
オールマイトが No.1 ヒーローの座を退いた後も、彼のヒーローの意志は、出久たち雄英高校ヒーロー科に受け継がれた。出久たちが雄英 2 年目の春に勃発した、ヒーローvs 敵<ヴィラン>の全面戦争。出久は恐るべき力を手に入れた死柄木弔と対峙、激しくぶつかり合う。ヒーローと敵<ヴィラン>の双方が大きなダメージを受け、死柄木の撤退により戦いは一旦の終結を見るが、再び相まみえる決戦の時は刻一刻と近づいていた。そんな全面戦争の影響で荒廃した社会に突如、謎の巨大要塞が現れ、次々と街や人を飲み込んでいく。そして出久たちの前に、“平和の象徴”を思わせる男が立ちはだかり……。

■原作・総監修・キャラクター原案:堀越耕平(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
■監 督:岡村天斎
■脚 本:黒田洋介
■声の出演:山下大輝(緑谷出久 役)、岡本信彦(爆豪勝己 役)、梶裕貴(轟焦凍 役)、佐倉綾音(麗日お茶子 役)、石川界人(飯田天哉 役)、稲田徹(エンデヴァー役)、中村悠一(ホークス役)、宮野真守(ジュリオ・ガンディーニ)、生見愛瑠(アンナ・シェルビーノ)、三宅健太(オールマイト/ダークマイト 役) ほか

取材・文=赤山恭子
写真=平松市聖
ヘアメイク=菅長ふみ(Lila)
スタイリスト=伊藤ミカ

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