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「与えられた台本で演じるのが新鮮」ネルソンズの青山フォール勝ちが俳優活動で感じたこと

CREA WEB / 2024年7月12日 11時0分


青山フォール勝ちさん。

 個性的な三姉妹の会話劇を描いた橋口亮輔監督、9年ぶりとなる新作映画『お母さんが一緒』で、三女の恋人役を演じる青山フォール勝ち。お笑いトリオ・ネルソンズとして活躍している彼が異色すぎる経歴とともに、主人公を務めた江口のりこ、内田慈、古川琴音との共演について語ってくれました。


●レスリング選手からお笑い芸人へ


青山フォール勝ちさん。

――4歳からアマチュアレスリングを始められたそうですが、そのきっかけは?

 自分では記憶がないのですが、おじいちゃんの背中の上で跳ねたり、あまりにやんちゃすぎたこともあって、母親が体力を使うスポーツを選んで習わせたようです。

 物心ついたときから猛烈に練習をやっていたのですが、例えば、小学校の卒業アルバムに将来の夢として「レスリング選手になりたい」とは書いていないんです。思いのほか、成績がついてきて、周りにも後押しされて続けていた感じなんです。

――その実績として、高校では国体で準優勝、大学では天皇杯でベスト8。そして、全日本強化指定選手にも選出されています。

 でも、「めちゃ×2イケてるッ!」を見た中学生のときからお笑い芸人に憧れていましたし、その後も「フリースタイル」という名前でバンド活動もしていて、とにかく表舞台に立つ仕事をやりたい気持ちの方が大きかったんです。

 ただ、ネルソンズのメンバーである和田(まんじゅう)との出会いは小学1年生のときのレスリング教室。その後、お笑いや音楽の趣味も一緒だということも分かって……。バンドはお互い違うところでやっていましたけれど。


青山フォール勝ちさん。

――そして08年、和田さんと一緒にNSC(吉本総合芸能学院)東京校14期生として入学されます。

 東京に出てきて、大学4年になったタイミングで、レスリング部の監督から「就職どうするんだ?」と聞かれて、「芸人になります。吉本(興業)に入ります!」と言いました。

 そのときは、和田は島根で働いていて、少し疎遠になっていたんですが、夏ぐらいに「一緒にNSCに入らないか?」と誘い、和田とコンビを組むこと前提でNSCに入学しました。

●コンビ解散を経て、ネルソンズを結成


青山フォール勝ちさん。

――そんな和田さんとのコンビ・ワダヤマブルーとして活動は?

 養成所のときは、めちゃくちゃなことをやっていた割には生徒のみんなに受けていて、かなり調子が良かったんですよ。でも、卒業して、実際にお客さんの前でネタをやると、まったく受けない。ネタが荒かったんでしょうけど、そこで和田といろいろ揉めて、仲が悪くなるんです。

 それで、卒業から1年経たずにワダヤマブルーは解散してしまい、お互いに別のコンビでやることになりました。

――その後、岸健之助さんが加入し、10年4月にネルソンズを結成する経緯は?

 周りの同期が「絶対に和田と再結成した方がいい!」と後押ししてくれて、和田と1年ぶりに会話するんですが、和田が「ツッコミを入れた3人でやり直したい」と言い出したんです。それで同期から岸を紹介されたんですが、3人とも上手くいっていなかったこともあって、「じゃあ、3人でやりますか……」という流れで始まったのが、ネルソンズ。でも、そこから売れるまでの時間は、かなりかかりましたね。


青山フォール勝ちさん。

――そんなネルソンズが転機を迎えた出来事は?

 和田が坊主にしたことで、キャラが確立して、お客さんに受けるようになったこと。あとは16年の「おもしろ荘」で優勝したときですかね。でも、「これで売れる!」と思ったら、すぐには売れなかったんですよ。

 とはいえ、だんだん名前が広まっていって、ネタ番組に呼ばれるようになったんです。それで、17年には「NHK新人お笑い大賞」とか、いろんなコンテストで準優勝を獲れるレベルにまでなりました。

●与えられた台本で演じることが新鮮


青山フォール勝ちさん。

――その一方で、青山さん自身の俳優業に対する憧れは?

 常に目立ちたい気持ちもありましたし、お笑いも俳優もやっている原田泰造さんや岡村(隆史)さんがカッコ良くて憧れていたんですよ。映画もTVドラマもよく観ていましたし、いつもコントをやっているので、「演技する」っていうことは単純に好きでしたし。

 だから、最初に『いざなぎ暮れた。』という映画の出演が決まったときは嬉しかったですし、現場も楽しかったですね。あと、いつもは自分で台本を書いて、演じているので、他人から与えられた台本で演じることが、とにかく新鮮だったんです。


(C)2024 松竹ブロードキャスティング

――古川琴音さん演じる三女の恋人・タカヒロ役を演じた『お母さんが一緒』の出演経緯は?

 最近は事務所から俳優オーディションの話も来ないし、「芸人として、ネタの方に集中しようかな?」って思っていたタイミングで、今回のお話が来たんです。

 しかも、橋口(亮輔)監督からの指名だったうえ、恋人役の古川琴音さん、彼女のお姉さん役の江口のりこさん、内田慈さんといった3人の女優さんとの共演じゃないですか! 嬉しかったですし、かなり驚きましたよ。

 そして、台本を読んだら、セリフも多いし、「これは只事じゃないぞ」って(笑)。

――そこで役作りは、どのようにされたのですか?

 最初の稽古のときに、女優さんたちが台本持たずにやられていたので、「これはやばい!」って思って、そこから2週間ぐらいセリフを全部いれるだけでなく、役のタカヒロのことばかり考えていましたね。仕事の合間も、すっと台本読んでいたので、ほかの芸人から「俳優やってるって自慢してるよ」とイジられるぐらい……(笑)。

 ただ、タカヒロは自分にないキャラクターではなかったですし、橋口監督からも「普通に青山くんでやっていいよ」って言ってもらったので、そこに関してはナチュラルにやらせてもらいました。ただ、長崎弁に関しては、めっちゃしんどかったです!

●スーパーヒーローを演じてみたい


青山フォール勝ちさん。

――現場の雰囲気は? また現場で学んだことは?

 セリフを入れて現場に行ったら、みなさんが引っ張ってくださるから、考えなくても、どんどん芝居が付いてくるんですよ。ネルソンズのときは、僕がまずセリフを言って、相方2人がそこに乗っかってくる感じなので、役者さんとお芝居すると、こんなにやりやすいんだと思いましたね。長ゼリフも簡単に乗り越えられちゃうし、とにかく楽しかったです。そして、女優さんたちと一緒にお芝居させていただいたことも勉強になりましたし、そこも観てほしいですね。いつもは、女装している岸が相手ですから(笑)。

――ネルソンズとして、俳優として、今後の希望や展望を教えてください。

 ネルソンズとしては、やはりキングオブコント優勝を目指したいですが、やっぱり難しいんですよね。その一方で、個々でもいろいろやっていかなきゃいけないフェーズに入っていると思うんですよ。だから、僕の俳優業は、ネルソンズの活動にプラスになってほしいと思いつつ続けていきたいですね。個人的には『アイアンマン』のトニー・スタークみたいなスーパーヒーローも演じてみたいし、さらに欲を言うなら、深夜の10分とか15分枠で、ネルソンズ版「THE3名様」みたいなドラマもやってみたいですね。


青山フォール勝ち(あおやま・ふぉーるがち)

1986年1月19日生まれ。島根県松江市出身。本名:青山 久志。4歳からアマチュアレスリングを始め、大学時代には全日本強化指定選手に選ばれた。学生時代にお笑いに目覚め、NSC東京校に14期生として入校、10年、同期の和田まんじゅう、岸健之助とネルソンズを結成。17年NHKお笑い大賞、キングオブコント2022などで数々の賞を受賞。ヨシモト∞ホールにレギュラー出演するほか、テレビ、ラジオ、YouTubeなどで活躍中。

文=くれい響
撮影=佐藤 亘

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