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「今年は上半期で4回食べました」“ラーメン年2回”ルールをやめた冨永愛が考える“自由”な人生

CREA WEB / 2024年7月18日 11時0分

 世界的トップモデルで、俳優としての活躍も著しい冨永愛さんが、初めて自身の生き方について語ったエッセイ『冨永 愛 新・幸福論 生きたいように生きる』を上梓されました。

 すっぴんでカバー撮影に挑んだ冨永さんにインタビュー。新エッセイへの想いをお聞きしました。(全2回の前篇。)



冨永愛さん。

すっぴんは本当に最後(笑)

――新刊のカバー写真は、ノーメイクで撮影されたのですね。

 はい。今回の書籍に合わせて、すっぴんで撮影しました。

 今回のエッセイでは、はじめて自分の生き方について語りました。自分自身をさらけ出した内容になっているので、メイクをしない素の私を出すことで、「ありのまま」感がよりリアルに表現できるんじゃないかと考え、すっぴんで撮影に挑みました。

 最終的にはやってよかったと思っていますが、デビュー当時、1回だけすっぴんで人前に出て以来だったので、裸になったくらい恥ずかしかったです。だから、この先、すっぴんになることは二度とないと思います。これが本当に最後です(笑)。

――「ありのままのご自分を撮影してもらう」というのは、どのような経験でしたか?

 普段、私がモデルとしてしている撮影とは向き合い方が全く異なるので、難しかったです。

 これがファッション誌の撮影だと、洋服やデザイナーのストーリーやイメージがあって、私たちモデルはそれを表現するわけです。でも、本書のカバー撮影では、「冨永愛」を表現することが求められました。「自分自身のままで」と言われても、どうあるのが私らしいのかがよく分からなくて、そこは苦労しました。

 これは、書籍の中身についても同じです。今の私ってどんなだろうと、自分と向き合いながら、ありのままの自分を書き出す作業は、難しかったし大変でした。

――なぜいまご自分をさらけ出そうと思われたのですか? 本書発行のきっかけがあれば教えてください。

 それは「“今”の冨永愛が面白い」と、出版社の方が思って提案してくださったから、ということに尽きます。

 すごく客観的にいうと、出産と子育てのための休業を経て、30代後半でモデルとしてパリコレのランウェイに復帰。チャリティや社会貢献活動にも長く携わり、昨年は40歳でパリのオートクチュールのショーにも参加して、自分の会社も立ち上げた――。そんな「今」の冨永愛が、コンプレックスを乗り越えて幸せをつかむために心がけてきたことを本にしたいのだと、熱くお声をかけていただいたことに心が動いたからです。

コンプレックスは昔ほど脅威ではなくなった

――冨永さんでもコンプレックスを感じる瞬間などあるのですか?

 ありますよ。私、「コンプレックスもってない人代表」みたいに思われがちなんですけど(笑)、決してそんなことはなく。子どもの頃なんて、コンプレックスの塊でしたから。

 でも、コンプレックスのない人なんて、いないんじゃないでしょうか。みんなそれなりにコンプレックスを抱えて生きているでしょう? それに、きっとコンプレックスって、人生を終えるまでつきまとうものなんじゃないかとも思っています。

 今でもコンプレックスはありますが、昔ほど脅威ではなくなりました。


冨永愛さん。

――コンプレックスを克服されたということですか?

 克服したというよりも、仕事や人生が評価されたことが自信となって積み重なり、コンプレックスが薄まってきた、ということなんだと思います。

 外見は変わらなくても、仕事や生き方で自信をもつことができれば、コンプレックスは気にならなくなります。

 そういう意味で、歳を取るって結構いいものだな、と私は思っています。

 本を書くことについては、正直、「人生の総集編」みたいなのを書くなんてエラそうだし、生意気なので、私なんかが書いていいのだろうかと、ギリギリまでお受けするかどうか悩みましたが、私が過去をふりかえって書くことで、コンプレックスに悩む方や人生に迷う誰かへのヒントになることが何か少しでもあればいいなと思い、お受けしました。

――本書では、ジェンダー不平等の話や、女性のキャリア形成についての考えも書かれています。これも、冨永さんがロールモデルとして発信することで、悩める方にエールを送りたいという思いからなのでしょうか。

 そんな大それたことは考えていないです。どちらかというと、普段から私が「これっておかしいよね」「なんでこんな不平等が当然だと思われているんだろう」と思っていることを書いただけです。

 それに、私はジェンダー問題の専門家でも、女性活躍推進の有識者でもないので、私の書いたことが正解で、こうでなければならないということを言いたかったわけでもありません。

 ただ、私が書くことで、読んでくださる方が「そうか、おかしいと思っていいんだ」と気づくきっかけになってもらえたらいいなという思いで書きました。

「言葉」は決意表明

――本書では言葉の大切さについても語られています。「時代劇に出たい」と言い続けたことが、NHKドラマ『大奥』での八代将軍・徳川吉宗役の出演につながったと書かれていますが、あらためて言葉にすることの大切さをどのように考えているか教えてください。

 私は、言葉には魂が宿っていると思っています。だから、やりたいことや夢は必ず口に出すことにしています。

 でも「こうなりたい」「できたらいいな」をただ口にしているのではありません。「やる」と決めて口に出す場合は、やれると思ったことしか言わないようにしています。

 そして、汚い言葉や、悪口、嘘は言わないようにするなど、口にする言葉にはすごく気をつけています。「言霊(ことだま)」と言いますが、自分が出した言葉で汚れるようなことはしたくないので。


冨永愛さん。

――確かに、自分で言って自分の言葉に縛られてしまうことはありそうですね。

 私にとって言葉は、「夢」とか「憧れ」というよりも、自分の「決意表明」として表現している部分が大きいような気がするんですよね。

 だから、自分が口にした以上は「絶対やるんだ」という覚悟で、オファーのあるなしに関わらず、いつそのオファーが来てもいいように万全の準備をしているところはあります。

 たとえば、先ほどの『大奥』のお話の時は、いつか絶対時代劇に出ると決めて「時代劇に出たい」と周りに言っていたので、馬にも乗れた方がいいだろうし、剣も使えたほうがいいだろうと思って、オファーが来るかどうかもわからない段階から、個人的に馬術や殺陣(たて)を習ったりして準備していました。

 この身長では「時代劇」といっても、町娘やお姫様の役は来ないと思ったので、そこはスルーでしたけど(笑)。

 夢を口にして叶わなかったら恥ずかしいと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、私はチャンスが来たときに自分の200%の力を発揮できないほうが恥ずかしいと思うので、準備をしながら夢を口にし続けることを大事にしています。

 そもそも、夢を口にして準備をしていなければ、運が巡ってくることもないじゃないですか。たとえ叶わなくても、それはそれでいい。結果はどうあれ、そこに向かって努力する、いざというときに力を出し切れる自分でいるということが大事なのではないかと思っています。

「年にラーメン2回」の縛りを撤廃

――冨永さんが「年にラーメン2回」の縛りを撤廃されたのも、言葉の呪縛から解放されるためですか?

 その話、Yahoo!ニュースでも取り上げられていました。「冨永愛、ラーメン年2杯を撤廃!」って……(笑)。

 あれはでも、成り行きみたいなものだったんですよ。私、ラーメンが好きなんですけど、体型維持のために年2回しか食べません、みたいなことを宣言せざるを得なくなっちゃって、ある意味自分で自分を追い込んでいたんです。

 でも、もう面倒くさくなっちゃったので、宣言を撤廃しました。今年は上半期だけで4回食べたので、多分年間10回は行くと思います(笑)。

 もちろん、ラーメンなどカロリーの高い食事をした時は、罪悪感を払拭するためにほかの食事を消化のいいものにしたり、いつもより多めにエクササイズをしたりしていますけど、要はバランスなので、「ラーメン食べたからあとは絶食」というような身体に悪いことはしません。

――自分が苦しくなる「宣言」はしないようにする、ということなのでしょうか。

 何はともあれ、「今」の自分が幸せであることを大事にするということです。今の積み重ねが過去になって、それが未来につながるので、常に「今」しかないわけじゃないですか。だから、今をどう生きるかが大事なんだろうなと、自分の経験上、私はそう思っています。

 本書のタイトルにも使っている『生きたいように生きる』って、「自由に生きる」「誰が何と言おうと我が道を往く」ということではないんですよね。

 もって生まれたものや環境は人によって違いますし、私だって自由には生きていません。それでも与えられた状況のなか、自分で決めて生きていくことが「生きたいように生きる」ってことなんじゃないかと。

 まわりから言われてしかたなく選んだ道も、そうせざるを得なかった人生も、そこで生きていくことを「自分が決める」。これが、「生きたいように生きる」ということだと思って、私は毎日を生きています。

文=相澤洋美
写真=平松市聖
スタイリスト=仙波レナ
ヘアメイク=Haruka Tazaki

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